例のごとく、飛行機に乗る前に空港で、日本円でアメリカのペーパーバックを買う。
大体青山ブックセンターです。小さいのだけど、ツタヤには、洋書があまりないんだよ。
今回は楽しみにしていたダン・ブラウンの「インフェルノ」。
春くらいに大々的にハードカバーがポスターつきで売り出されておりましたが
半年後くらいには、ペーパーバックが英語で出ます。
日本語の単行本化はもうちょっと、後だと思います。
正直、ダンブラウンはペーパーバックで十分だと思います…
今回のテーマは、
「ダンテの神曲」
そして、
「人口過剰問題」
です。
日本においては、都市部、特に東京の人口は過剰ではありますね。
私はそれも理由で、一旦会社員を辞めています。
もちろん、会社の場所によっては、満員電車に乗る必要もないかもしれません。
一見、人口密度だけで言えば、それほど過剰ではないようにも思えます。
ただ、この本では、グラフ化して、
人類がこのまま増え続ければ、あと100年で資源が枯渇し死に絶える
と言っています。
また、今回の悪役は、
「それであれば、人類を適切な人口にまで削ればいい。」
と言っています。
実際削られるのかどうかは…最後までお読みください★
確かにそのラスト、「どうなるのか」が気になって、最後まで読んでしまいますし、
今回衝撃的なのは、ラングドンが目を覚ますと、記憶の一部が抜けおちており、
頭には縫合された傷跡、そして、殺人者が追いかけてくるというドラマチックな展開。
この辺のつかみは実にダン・ブラウンでいい感じでした。
逃亡劇もいい感じに進んでいきます。逃亡劇は本当にわくわくします。
でも最後のほう、なぜそうなったかの説明があると、結構なえました。
若干おそまつ、というか、様々な矛盾が生じており、
ちゃんと考えて書いたのかよーってちょっと思うところもありました。
ネタばらしはあんまり美味しくいただけなかったです。
結構無理があったと思います。
今回私が割と気に入っているのは、
ヒロインの「シエナ」
非常に頭のキレる、IQが異常に高い(200)女性です。
しかし、彼女は頭が良すぎるがゆえに、友達が出来ず、両親ともうまくいかず、鬱病を発症してしまいます。
ボランティアに参加することで、鬱を一旦は脱出しますが、結局助けきれずに、純粋な彼女は、また深い絶望に突き落とされてしまう。
彼女の美徳でもあり、愛されるところはその純粋さなのでしょうが
その純粋さゆえに、自分を傷つけてしまう。鈍感になりきれない。すべてを真正面から受け止めてしまいます。
非常に同情するところも多くありました。
また、ストーリーのプロットには色々疑問を抱きますが、
最終的にシエナが
ずうっと逃げてきた
自分自身の問題に
正面から向き合うこと
そして、ラングドンも、最終的に
逃げてはいけないんだな。と納得するところが良いと思います。
実はシエナが途中で「人間はとても重い問題に直面すると、反射的に目をそらして逃げる行動をとる」という指摘をし、
その直後にそのとおり、ラングドンが話題を変えようとします。
これは大きな伏線でした。シエナが何者なのかの大きなヒントで、殆どの読者が気づいていると思います。
これは憶測ですが、ダン・ブラウン自体が、人口過剰に問題意識を持っており、
カトリックが避妊を良しとしないのにも大きな疑念をもっていそうです。
彼の作品は概ね、カトリックを批判していることが多いです。
天使と悪魔はそういう話でした。
まあ極端な話、ちゃんと避妊しろとか、計画的に子供をつくれよって言いたいのでしょうが、
これに関しては、日本という国も独自の文化を持っているように思います。
あんまり語ると、色々批判されそうなので、ざっくり私の持っている問題意識ですが
まず未だに男性優位社会であり、国会で「産めないのか」という発言が普通にかわされ、
女性議員が反論しないこと。
また、女性議員が嫉妬されひきずりおろされるなんて事件も最近はありましたね。
高齢化社会で上が詰まっているので、お偉いさんはいまだに、若者が育児休暇をとることに関して眉をひそめていることも多いでしょう。
その一方で、「少子化だ」と騒いでいます。
単純に矛盾していると思います。
日本社会は、基本的にお偉いさん方が矛盾を繰り広げている社会です。
で、私の意見ですが、
少子化でいいんじゃない?と思います。
私はこれ以上東京の人口が過密になることは賛成しません。
最近、田舎に転居する人も増えてきましたし、田舎のほうで、受け入れ体制を作ったり、
わざわざIT起業ができるように、設備を整えているところもあると聞きます。
少子化は当然の流れです。ダン・ブラウン的に言えば、ダーウィンの進化論の結果なんです。
増えすぎたら、勝手におさまるようにしくまれていると思います。
不妊治療する人が増え、男性の精子が弱まっている。
それも進化の結果なんじゃないでしょうか。
私は子供が欲しいと思ったことは恐らくほぼ無いです。
どうしてあんなに未熟な生き物を育てなければならないのか?
なぜ、馬のように生まれてすぐ立つことができないのだろうか。
恋愛自体は楽しいものだと思いますし、生涯の伴侶というのも素晴らしいと思います。
でも子供を持つこと=幸せだとは思っていません。
不妊治療は、結果的にダウン症の子供が生まれやすくなっています。
つまり、それも自然の摂理に抗った結果なんです。
本来うめないはずのものを無理矢理産んだから、無理が生じたのだと思います。
残る問題は、高齢化社会です。今のままだと、老人をささえる年金が足りなくなると思われます。
だけど、それを、子供を増やすことで解決できるでしょうか?
おそらく、年金の制度自体を変えていかなければいけませんよね。
今は騒がれていますが、そのうち落ちつくのではないかと思っています。
子供いなくても普通、っていう社会になるのではないか。
そして自然に、人口が落ちつくと良いなと思っています。
日本の戦後バブルはちょっとした異常事態だったのですよね。
今、そのツケを払おうとしているんだと思います。
それは、子供を増やすことでは解決できません。
あと気になっているのは、トランスヒューマンという概念。
これについては、もうちょっと知りたいなあと思いました。
総評として、スポットを当てた問題自体は重要ですしいいと思います。
でも話としては、ちょっと重すぎるかな。
やはり、ダヴィンチ・コード、天使と悪魔がいまだにトップ2ですね、
他はなんだかいまいちです。
ロストシンボルよりは全然面白かったです。
リストの「神曲」聞きたいなと思いました。
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