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2021年4月25日日曜日

推しとはなんなのか?「推し、燃ゆ」を読んで

「推し」という言葉が流行り始めてから、二次元キャラについて語るのがすごく楽になった。

何か漫画やゲームの話をするときに、「私の推しはこの子」と言えば一瞬で伝わってしまう。

昔の言葉で言えば、「ファン」なのかもしれない。もっと軽く使える、便利な言葉だと思っている。

 

「推し、燃ゆ」は主人公が地味にとあるタレントを推す話である。

この小説は女子学生が「推す」時の感情や、シチュエーションを非常にリアルに描いているのがいいところだと思う。私みたいな、もうベテランに差し掛かってるしがない会社員でも、推しのことを考えると幸せになれる。

ただし、この小説の主人公は「推し」に金も時間も使いすぎてて、自分の人生が破綻しつつある。メンタルも完全に推しに握られてしまっている状態だ。そこは私と違うと思った。

「推す」スタイル

私はこの主人公と同じで、地味~に推していくタイプ。ブログに書くのは彼女とまったく同じだ。あと二次元が主だから大体二次創作で自分勝手に愛を表現している。

しかし、主人公の友人は地下アイドルを推しているんだけど、彼女みたいな子は推しとリアルにつながろうとする。

現実で、推しと出会い、仲良くなり、彼好みになって、あわよくば付き合おうとするアレだ。

私から見るとものすごく危ない感じがするので、理解はできないが。

「推し」に対する感情

主人公は完全に推しに自分の中心を握らせてしまっているが、地味なのでもちろんタレント本人には特別扱いされていない。強烈な片思いである。

よく「女性は愛する生き物」で「男性は愛されたい生き物」と言われている。

私に言わせれば、愛されたい男性たちは母性の強そうな女性に群がり、なんとか愛を得ようと必死だ。もちろんそんな人ばかりではないけど、10代にして「お姉さま」と呼ばれていた私なんかは被害者になりやすい。私は博愛になれない人間なので、よく愛を求めて群がってくるやつらに嫌われるが、いい迷惑である。

なので、この主人公みたいに、特定の推しに集中的に愛を注ぐ、あくまで本命はひとりであるスタイルはとてもよくわかる。

というか、何人もいっぺんに愛すのは女性は本来得意ではない気がする。

私の推しに対するスタイルはやっぱりどこまでも妄想的 

リアルのタレントは何か理由があって、この小説のように炎上したり、舞台を降りることがあるので、実はあまりのめりこむことができない。しかもリアルに存在すると、名前をSNSで書くのも気がひけることが多い。稀に自殺する人もいるからだ。

二次元はその点ではとても楽だ。

ただし、二次元はいつまでも供給があるわけではないので、妄想で補完することになるのだが、そこは私の得意技である。

私は子供の時、漫画やゲームをなかなか買ってもらえなかった。そこで暇だった時何をしていたかというと、自分の理想の世界や理想の異性を絵にして延々と漫画を描き続けた。そんなことを何年もしていたので、何歳になっても、リアルに好きな人がいなければ自分で生み出すことができてしまう。

現実では対象とお別れしたら嫌いになったりするけど、二次元にはそれがないので、よくいう「過ぎ去った恋愛をフォルダ分けして丁寧に保存しておく」男性のようなことを普通にしている。

 

推しは心の中に住まわせるのが基本である

私にとっての「推し」は、守護霊みたいなものだ。

私が「気に入った!」と言えば彼らは私の心に住み始める。そしてゲーム「BEYOND」みたいに、守護霊として私の周辺にいつづけて、何か気が抜けた時とかに勝手になんか言ってきたりする。BEYONDでは言葉がしゃべれない守護霊「エイデン」に主人公が話しかけたりするけど他人事とは思えない。それに近いことをずっとやってるような気がしてならない……。

推しにはいろんなキャラクターがいるけど、私が好きな子はみんな基本はシャイだしおとなしい。なので疲れている私を少し離れたところから心配そうに見ているだけの時もある。あと私が休憩したり家に帰ってくると大体嬉しそうにしているのがわかる。

私の推しはゆっくりと私の中で成長しつづけ、私が与える地味な愛により、ちょっとずつかわいくなったり、優しくなったりしていく。心を開くのはやや遅めである。

正直戦闘能力はあまり高くない。自力で戦えない子もいる。私が戦わなければならない時は地味に後ろで応援しているだけ。でも私にとっての推しはそのくらいでいいのかなと思う。彼らは癒しであり、リアルの恋愛も、基本は癒しであり、喧嘩なんかはするものじゃないと思う。

推しは心の支えであり、うるおいであり、
人生に活力を与えてくれるけど、それ以上の何かを要求するものでもない。

ちなみに「グッズ」っていうのは、推しのことをたまに忘れて憎しみなどネガティブな感情に駆られがちな我々に「視覚に入ることで思い出させる」平和をもたらすお守りなのである。 

まあ、自己主張が強い人だと缶バッジを何個もバッグにつけたりするけど、私はそれを見てちょっと笑ったりする程度。だけど、ファン同士で集まると一発でわかるというメリットがあるのかも。

 

女性は愛することで自分も幸せになれる生き物

女性は愛する生き物だと先述したけれども、愛することで幸福感を得られるのも事実である。だから私たちは何か愛する対象があったほうがいい。

ただし、向こうから「愛してくれ」と言ってくる人間にはあまりろくなのがいない。向こうが「好き」って言ってるなら別だけど、最初から好きになってもらいたい、という目的で来るのはあまりにも図々しいのではないだろうか…。 しかもなぜか、そういう図々しいタイプの男性ってひたすら愛情を搾り取り、吸い取ったあとで「飽きた」と逃げていく人が結構いる印象である。目的ははっきりしているけど、まあ、盗人だし、乞食と同じだ。

だから女性は慎重に愛する対象を選んで、地味に、真面目に、愛情を淡々と注ぎ続けるのが一番幸せだ。

小説の感想ではなくなってしまったが、、

「推し、燃ゆ」で主人公が推しに一方的な愛を注いでも、彼女は推しの一挙一動から喜びを受け取れる。そこまでは精神面においては私とまったく同じであった。

推しが「住んでいるかもしれない」マンションの近くまできて、嫌な気分になり逃げだすあたりも、なんかわかるな、と思う。

聖地巡礼は、推しに会えるわけではないけど、なんとなく、推しに近づける気がするだけであって、真のオタクっていうのは、決して推しにプレッシャーをかけるなど迷惑をかけたくないのだ。

ただ、小説の主人公は明らかに依存症である。

いや、わたしだって依存症だ。だけど、自覚はあるし、また、最悪の事態に備えるのも真のオタクの心構えというものだ。残念ながら推しはリアルな彼氏でもなんでもないのだ。だから供給が断たれるという事態には、備えなければならない。

多分、主人公のあかりは最後にそれを自覚したのではないかなと思う。依存している時というのはとても気分がいい。推しを愛している時は、オキシトシンみたいなものが脳内に出ているから、サプリメントとして摂れない以上、推しを愛する以外には幸福になれないのだ。

依存症を克服するにはどうしたらいいか?

手っ取り早い方法は、依存先を複数に分散させることである。あれも好きだしこれも好き。でも一番好きなのは今の推し。それでいい。

もちろん、リアルな恋愛だったら、ひとりに絞る必要はもちろんある。だけど、人間社会で生きていく以上、本命以外の男性と一切しゃべらないなんてことは不可能なので、まあ似たようなことだと思えばいい。現実と少し、似ていると思えば。

現実であまりにも相性の悪い男性におっかけまわされる時は、左手の薬指にステンレスの安い指輪をはめてカモフラージュすることがある。

でもそれだけだとちょっと空しいから、私は、そのフェイクの指輪を推しと婚約したことにして楽しむ。推すってのはなんか、そういった、過酷な現実を乗り切るための力でもあるんだと思う。

 

2020年3月10日火曜日

蛇にピアス 小説のほうが断然面白い

GYAOで映画が無料配信されているが
本が前から気になってたのでキンドルで買った。
完読するまで3時間ほど。先が気になってスマホを置くのも憚られるので読むのに苦労はしない。

これ、祖父が読んだというんだが…
意味わかったんだろうかw

簡単に言うと、表向きは身体改造の話だ。
映画も、まだ全部見てないけど、最初は歯列矯正、bracesの広告が映る。
次に筋肉もりもりの人。やはり、身体改造。
そして、次にやっと、主人公が声をかけられるのが、「スプリットタン」のアマである。

この珍しい舌ピアスの発展形が、読者の心をひきつけ、「どうやってやるのー?」と興味を引き、ぐいぐいのめりこんでいく。

自分はやらない。絶対やらない。でも好奇心に人は素直だ。主人公の若い女の子、ルイが、ためらいなく「やる!」と言い出すところから、物語は勢いづいて流れ出す。

次は裏側に流れる物語だ。それは三角関係。ルイはスプリットタンにあこがれるあまり、アマと同棲を始める。本人は付き合ってる自覚がない。「うざい」とか「調子狂う」とクールなあしらいをするが、アマは外見はピアスだらけなのに、なぜかルイにはまってしまう。夜にルイに甘える様は、完全にかわいらしい弟キャラで、まさに私の好み。情けない声で「どこにいったの」と電話してくるわ、他の男と会うときワンピース着るなとか、本気で心配したり、アルコール中毒に陥るルイを一生懸命止めて泣くし、そんじょそこらの男よりずいぶん優しく愛らしいキャラに成長していく。

それもこれも、ルイへの愛に目覚めたからである。彼は、男として完成しつつあった。愛情あふれる、「良い男」に覚醒したのである。

なのに、ルイは満たされない。

私に言わせれば、ルイはなにか違うものを常にもとめていた、彼女には、真の愛はまだ早かったのである。アマは自分の中で、豊かな愛情を芽生えさせ、それでルイを守り、豊かな家庭を築く寸前であった。しかし、ルイは他の男にも手を出していた。

いったいルイは何ものなのだろうか?

コンパニオンのバイトをそつなくこなし、人間関係もうまくこなし、どうやら美人でモテるようである。アマも、パーティーに来る会社役員も、バイト先の上司も、そしてドSなシバさんも、彼女のことを好いている。

なのに、ルイは別のものを見ているのだ。

しかし、これは女の本質を突いているとも私は感じた。
私も自分に夢中になる男を見ては首をかしげていた。理由がよくわからないのである。でも私は、ルイみたいに、ドМではない。どちらかというと、Mr. &Mrs.スミスといった感じだ。男が暴力をふるうものなら、私も全力で戦うだろう。やられっぱなしなんか女がすたると思っている。

私は、アマみたいな優しい男性が来てくれれば、次第に戦う意欲をなくし、彼のつくった巣に安心して座り込み、時折彼をつれて冒険に出るかもしれない。

しかしルイはドМ。冒険では彼女は済まされなかった。

彼女は「自分とはなにか」を探していたのではないかと思う。


ここからはネタバレです。




私はおそらく、シバがアマを殺したのは間違いないと思っている。シバは、アマの女を見てこいつはMだと確信した。シバはドS。相性はぴったりだと、シバは思っている。すぐに夢中になってしまう。ルイが、二股かけてることなんか、気にもとめない。彼はドSだ。
なんども伏線が出てくるが、シバには人を殺すことなんか造作もなかった。

問題は、ルイがものすごい怒り、悲しんだことである。食事がのどをまったく通らない。一体、そこまでアマに依存していたのに、なぜシバは殺してしまったのだろうか?
たしかに、それでルイは手に入ったかもしれない。実際シバと一緒にいるという独白もある。だが、私の解釈は、それはうわべだけだ。

ルイはもう、シバと倒錯したセックスを楽しむことはないだろう。その最中に、アマは殺された可能性がある。ひどい悲しみによって、アマを愛していたことが、ルイにはわかってしまった。でなければ、愛のあかしを飲み込んだりなどしないだろう。

シバも、それがわかっていてそれでもほしかったのかもしれない。
シバはもしかしたら、自分に対してもドSなのかもしれない。

そういう人いるよね。かっこつけているから、好きな女の前でも甘えられず、とかく厳しい道を選んでしまう人。


ルイは遊んでいた。何か、自分を見つけるまでは、このまま色々試すしかなかったのだろう。ルイはアマを失うことで、初めて自分のしていることの愚かさに気づいてしまった。そして、どれだけ自分が相手に甘えていたかも。

とんでもないものを失ってしまったことに気づいたルイは、入れ墨に目をいれて、改めて命を得る。

それは、アマにも、シバにも依存しない自分の人生である。

彼女はおそらく、これから働くだろう。
アマは、ずっと働いていた。完全にルイのためだろう。だって、ルイは家賃もアマにお世話になっていたのだ。

私の知り合いに、にたような関係性の男女がいる。男が女に依存している関係性だ。アマのように、精神は依存していても、彼女のために毎日真面目に働く男性であれば、まだ納得がいくが、私の知っている関係性では、男のほうが働く女に依存している。

結果どうなると思う?

完全に男がルイになる。彼は、ころしてくれというのである。ルイと同じだ。


働くことが素晴らしいとは言わないが、実際は、仕事を通して女を守ることで、大きな充実感とアイデンティティを得られることは事実である。

私の知り合いのカップルの男は、二度と自立することはできない気がしてる。死ぬまで相手に依存する関係。もうほとんどしんでいるに近いだろう。

ルイは失うことでひどい傷を負ったけど、おかげで依存を断ち切ったのである。自分に目を向け、自分と向き合った。自分を自分で大切にすることになった。
もう、死にたいなどと言っている暇はなくなるだろう。


私にとっては、アマとルイは理想的な関係だったし、アマは理想的な男だったし、映画のアマとルイがじゃれるシーンは本当にかわいらしい。髪を染めなおすシーンなんか、デレデレしたアマが可愛らしくて、愛おしくて、別れがくるだなんて、予想すらできない。

ルイも私も、アマを殺したやつのことを想像したら気分が悪くなってしまう。そのくらいアマはひどい目にあったのである。
依存がなぜダメなのか?二股かけるとどのくらいひどいことになるのか?正しい甘えとダメな甘えとは?サディストにあこがれる女性の末路とは?

深読みすれば相当な教訓がそこにはある。しかしまったく教訓めいていないから不思議だ。でもきっと教訓の話なんだろうなと思う。

ピアスや、入れ墨や、アルコールや、たばこ、セックスの描写はあるものの、薬物は一切出てこないところが、近年の小説だなあと感心した。

※映画について

ちなみに吉高ちゃんの身体は綺麗だし、アマとじゃれるところは本当に本当にめちゃくちゃかわいらしいけど、

個人的には彼女にはギャルは似合わないし、あまりいい映画だとは思わない。
小説から入ることをお勧めします。

2019年12月23日月曜日

「オリジン」やっと読み終わった~

魔のトルコ旅行直前に買ったので、かれこれ半年以上この本を持ち歩いていたことになる。

かつて、「鋼の錬金術師」でモチーフになった非常に興味深いテーマ。

「人間は科学的に創造できないのか?」
「生命はどのようにして最初生まれたのか」

「そして人はどこへ行くのか?」

について、延々と追求している。

正直言って、冗長な内容であり、前半はかなりダレる。

科学者の残したデータにアクセスするためのパスワードを推測するのにかなりの時間をかけている。

科学者の秘密基地にたどりつくまでに私がダレてしまった。

しかもキャップスロックかけちゃったり、「&」マークをアルファベットに直したりとひっかけが多すぎ。

やっとこさ、開錠したデータも、これまた長い。何しろカーシュってのはスティーブジョブズの5倍くらいは前置きして喋り続ける。
変態の領域に入っていると私は思う。正直このキャラ、好きになれない。

この天才コンピューターサイエンティストが生み出したAI、ウインストンも一筋縄ではいかない。
頭がいい故に、冷徹な判断を下すことも多く、やはり人とは違うのだなと感じる。


パルマリアン・カトリックが敵ともいえるのだが、途中からどうも本当の敵は違うところにいるらしいとうすうす感じ始める。
いつものように、黒幕はまったく予想しない人物だ。

だが、今回も、私は最後の最後らへんで、気づいてしまった。

だって、他にいない。もう本のページ数が残っていなかったのだ。
ひとり消え、ふたり消えた。これ以上彼らが疑われるような行動を見せるとも思えない。

じゃあ、こいつしかいないじゃないか。

そういえば、実行可能なのはこいつだけだ。

しかも理由は、明確にわかるように、伏線が貼られている。

そういう意味ではあっけなかった。

そういう意味では、あまり面白くないというか、「それじゃあ、よくある映画と同じじゃないか…」と思ってしまったのだ。

天使と悪魔のように、黒幕がはっきりしていて大どんでん返しという面白い筋書は、無くなってしまったようだ。

テーマとしての「命のはじまり」


テーマとして、「命はどうやって始まったか」を科学的に証明する過程はおもしろかった。今回の話は、それだけで終わってもいいくらいだ。

「人類がどこへ行くか?」の結論は正直まったく面白くないので、あまり期待しないほうがよい。

しかも、カーシュが冒頭でその話を宗教のトップクラスに話すのだが…

そのオチも、いかがなものかと思えるような結果となった。

一体何人が、この科学的発表のために犠牲になったのか…
そう考えると、恐ろしい話であった。

要は冒頭でさんざん盛って、最後はあっけない結末、といった感じである。

題材が、あまり新しくなかった。

前回は確か、人間は人口が増えすぎたから、殺してもいいみたいな話だった。
今回は、人類の起源と、その行く先。

つまるところ、人間もいつかは絶滅するであろう。
しかし、それはあくまでも、想像の範囲内の話で、
カーシュがどんな科学的な根拠を述べようが、
「人間助かるよ」という結論を出せばそう聴こえるし、
「助からないよ」という結論に導くのも簡単なのだ。

しかし、ダンブラウンは、さんざん引っ掻き回しておきながら、
最終的に
「愛は無限にあふれるエネルギーだ!」と
謎の美しい締めをしている。

しかし、それが中途半端なのだ。

極端なテーマを突き詰めていけば、やはりカーシュはろくでもない人間だった、としか私には言えない。

結局のところ、彼の研究で何人かの人間が死んでいるのだから。

個人的に、ダンブラウンは、宗教をテーマにきちんと話を書いたほうがうまい。
今回、無理にAIなどに挑んだために、話がターミネーターになりかけている。
それ自体はある意味、面白いのだが…
実は、前半は完全にパルマリアンチャーチを敵にまわした話で、
そこまでは、天使と悪魔と同じような展開をしているのだ。

「愛が科学に勝つ」的なまとめ方でもよかったかもしれないが、
宗教と科学の融合としては、微妙な結果となったかなという、
残念な、結末だった。
ただ、最後のどんでん返しは、途中から予測がつくものの、それなりに面白い。

ダンブラウンさんも年なのか、聖書からよい話をひっぱりだして「愛」を肯定したり、
かと思うと、「宗教には犠牲がつきものだ」をもっともらしく言ってきたりと、
読み手を翻弄している感もある。

しかし、愛は大事だ。
愛が無限であることも、あれが宇宙であることも、本当である。

むろん、愛というのは延々と生み出すのは実は大変なことなのだ。

だから、おっさんずラブでも言っているけど、
「好きになる」ことは素晴らしい体験なのだ。

我々も、自分の好きを否定しないで生きよう。

(とわたしも美しく、締めてみた)

2016年7月19日火曜日

【読書日記】フレデリック・フォーサイス読んでみた

フォーサイスを知ったのは実はひまるやさんの漫画かブログのコメントにちょこっとかいてあったっていう…

調べたらスパイものが多いということで、まさに任務中毒の私にうってつけ(笑)と思い借りてきました。図書館にも結構あります。

作者は軍隊出身なのでかなり描写はリアルで本格的。
また、著者が取材大好きなので、結構危ないところにも足を運んでいるようです。

最初に読んだのは「アフガンの男」だったんですが、これは、最初に読まないほうがいいですね。どうやら昔の小説の主人公を引っ張り出してきて、活躍させるんだけどエンディングがねぇ…
途中からガス欠極まりない展開でがっかりしました。

話の展開は最後ががっかりでしたが、途中までは非常におもしろかったです。
また、アフガンを舞台にイスラムの話なので、とても勉強になりました。
しかも同時にMGSVやってたので、ゲームでアフガン、読書でアフガン、しかもオセロットが言っている内容をさらに丁寧にしたものが書かれていました。

次に借りたのが「キル・リスト」でした。

これは昨日読み終わりましたが非常に面白かったのでおすすめできます。
今世界各地で勃発しているイスラム過激派のテロですが、それを根元からたたこうという話です。YouTubeで説教動画を流している例の連中のうち一人を、最終的にはあぶりだして殺害するという大掛かりな作戦。
ひと一人をあぶりだすのにかなり時間と手間をかけてじわじわ追いつめていくので、話の流れが非常にわかりやすいのもいいです。

おもしろかったのは、この動画を流している本人になりすまして別の動画を流して、まずは存在自体をイスラムの世界から消してしまうという作戦。
イスラム過激派は一度、ジハードに参加すると宣言したのに前言撤回した人はもう仲間とみなさないそうです。さすが過激派。

短い動画を撮るのにえっらい手間をかけるんですが、これはアフガンの男でも、潜入工作員がなりすますときにわざわざ体に傷を偽装する手間をかけているところからも、よくある話のようで、特にフォーサイスはこの辺の描写が細かいです。
でも今回は、いろんな人が腑に落ちないまま巻き込まれていて面白かったです。

途中まではサイバースペースでの戦いみたいなもんですが、最後は実際に寝てるところに突入するのですが、今時アメリカで流行っている上空からミサイル攻撃は今回使えません。
人質がひとりと、仲間であるスパイが一緒にいるからです。

しかもネイビーシールズやデルタフォースは派遣が間に合わないということで、主人公はパスファインダー小隊を利用します。

著者はイギリス人なので、やっぱりイギリスの軍隊を登場させたいのかな、とちょっと思いました^^
また、作戦の細かさもイギリス人っぽいやり方。アメリカは空の上からミサイル爆破ですからね…

このパスファインダー小隊を突入させる一連のシーンは、CoDみたいで非常に面白かったです。ゲームでもここまでの描写は難しいかもしれません。荷物の重さや減圧症への対策など、小説で細かく書かれているからこそリアリティがあって興味深い。
武器や携行品、パラシュートの操作なども細かく描写されています。

あと野犬が周りにたくさんいるのですが、これもあらかじめ対策を練ってあり、犬は吠えるので、銃で撃ってしまうと一瞬声をあげてしまうことになります。そうすると寝てる人が起きてしまうので、そこまで考えて麻酔入りの餌を用意するという念入りよう。

パスファインダー小隊は非常に優秀で装備もばっちりなのですが、最後の「高価値目的」つまりラスボス(これ英語だとBO2でなんか専用用語が言われてたんだけど、忘れた。)はなぜか主人公が一対一でしとめるという、実に物語らしい演出でした。
ベタですが、映画などにしたら面白いんじゃないかなと思います。

個人的に優秀なスパイの「オパル」がなんか好感もてました。非常に優秀ですが、一目で敵に秘書にされるあたり、きっと人望も厚いんだろうなと思います。
あと、中盤であわや!というところでの機転の回し方が普通じゃないです。優秀すぎ!武器とか道具とか使わずに、相手にメッセージを送るというすご技をさりげなくやってのける。スパイはそうじゃないといかんw

ところで飛び降りる時に「ワルキューレの騎行」をかけるやつ、MGSVでもカセットテープに入ってたんだけど、軍隊の人はみんなこれが好きなのか…w


盛り上がりやどんでん返しについてはダン・ブラウンのほうが圧倒的にうまいですが、普通にスパイものを読みたい人にはいい小説だと思います。

多分最初に「ジャッカルの日」を読むべきだったんだろうな…
それにしてもこの年齢で、見上げた取材力。頭が下がります。

2016年4月4日月曜日

【読書日記】「夜と霧」

また戦争の本かよ!と言われそうですがたまたま図書館検索してるとひっかかってくるのがこういう本なんですよねぇ、、、

もともと、自己啓発というか自己分析?の記事で紹介されていた本です。
そうです。戦争がメインの話ではありません。
少年兵士の本ほど、むごたらしい戦いそのものについては触れていません。

この本の著者は心理学者で、アウシュヴィッツに収容されていた人です。この戦争がもたらした残酷な状況が前提としての話なので、収容所の悲惨な状況自体の描写はあります。

実は、「収容されていること自体」はそれほど恐ろしくはないんです。
ガス室は恐ろしいことですが1回で終わってしまうので、著者のように生き延びてしまう場合、今度はこの悲惨な状況で生きていくことの苦悩が待っています。

問題は、実は
飢餓
だったりします。
第二次世界大戦の終盤のドイツは負けがこんでいてひどい状態だったようです。要はもうお金も物資も食べ物も殆ど底を尽いてしまっていたのですね。なので、収容所に人を入れる割には食べ物が殆ど与えられません。女性の私でもこれはきついというレベル。ましてや、彼等は成人男性ばかりです(収容所は男女別)。
その状況下で毎日、土木工事をやらされるのだそう。(しかも寒いらしい)
どうやって生き延びたのか???
著者が言うには、「人間は割と丈夫」なんだそうで…でもその苦痛を想像するに私だったらあっさり死んでしまいそうです。

という私の軟弱な発想が。
実はヒントでして。
これが生死をわけます。

肉体は意外と耐えられるものだ、と著者は言いました。
実を言うと、「まだいける。まだ生きられる」という意志が人間を生かしているそうです。

実際、収容所であまりの厳しさに「生きることを放棄する」人間が出てくるそうです。
しかしそうなってしまったら、その人は確実に、死にます。
むろんそうでしょう。 病気がひどくなってくると、ガス室送りはまぬがれないですし、それでなくても終盤は飢餓そのもので人が倒れていく始末です。

それでは、「それでも生きたい」と思うにはどうしたらよいのだろうか?

著者は心理学の側面から、収容所の仲間に「なぜ生きるか?」を説いていきます。著者ですら、生存競争においては時に人を裏切らなければいけないと知っていても。心理学という学問に対する彼の愛情。それは医者としても、人間に対する愛情に他ならないのだと、その愛情の深さには感激するものがあります。

以下は彼が「生きる理由」を考えるにあたり残した、印象的なシーンや言葉です。


■飢餓状態でフラフラな状態で極寒の仕事場に列を作って進む時、ふと仲間が「奥さんがこの姿を見たらどう思うかな」と皮肉を言います。
ここで男性陣は自分の奥さんを思い出すわけですが…実はこれが愛情の究極の姿なのだと、彼は言います。

前にTVを見ていたら、黒柳徹子さんがあの淡々とした口調とポーカーフェイスでペラペラとしゃべりだしました…とても重要なことを。「愛情っていうのはね、相手がいなくなっても心に残るもんなのよ」と。もうちょっと感慨深く語ってもいいだろ、って思いますがそこが黒柳さんのすごいところ。「それが普通なのよ」と言わんばかりですが、語る相手が若者だったので「ちゃんと恋愛しないとダメよねぇ」と天気でも語るような口ぶりです。
やっぱハンパじゃない人だなと思いました。

生きる理由の一つはこれなのでしょうね。本当は誰かが待っていてくれれば一番良いのですが、著者にはその人の生存がわかりません。それでも彼には、奥さんがいるのです。心の中に。
それだけで、彼は何日も生き延びることができたようです。

願わくは、世の中の恋愛というものが、全てこういう状況だったら良いのですが…芸能人のゴシップばかりが流れてくる世の中。そんな安いものではないと思いたいですね。つうか、6股かけてるとかそんなのヒトじゃないですからね。動物ですから。

■収容所では動物のように…いや家畜以下のように扱われる彼ら(働かされる割に食事は満足に与えられないので)。この状況下で感情を失っていく人間が人間らしくいるためには何が必要なのか。
印象的だったのは、「どんな力もあなたの経験を奪うことはできない」という言葉。
前の話とちょっと似ていますが、自分が経験して培ってきたことは権力によって奪うことはできません。「心の宝」とそれは表現されていますがその通りです。それをささえに生きているもの…それは物質ではなく心の豊かさに直結します。幸い目には見えないので奪うことはできません。
それさえ理解していれば、希望を失わずにいられるでしょう。
著者も自分の論文を取りあげられた状況でありながら、内容はすべて覚えていました。そしてその論文を完成させるため、希望を持ち続けるために収容所の中で書きつづったのだと言います。

記憶、そして経験というのは人間を形づくっていくものなのだなとつくづく感じます。そのためにも我々はつねに経験を積み上げていかなければなりませんね。

■世の中には「まともな人とまともじゃない人」の2種類しかいない
これはささりましたね。確かにそうです。収容所のような極限状態にあると特にそれが顕著に出るようで、著者は冷静にそれを観察しています。親衛隊は「基本的」には収容者を殴る、とされていますがそうでもない人もいて、パンを差し出してくる人もいるのだそうです。
各々が「個人」であり、個性があり、彼らの良識は所属する団体のものではなく、各個人の意志なのです。
逆を言えば表向きは仲間だとされている同じ組織の中にもたまにとんでもない人がいます。いわゆる「まともじゃない人」です。

その辺を理解していると、社会で生きやすいのではないかなと思います。
価値観の多様性と、個の尊重。
私はどんな批判を受けようと自分の選択を貫く、ということを何度かやってきました。その際、私は自分にいつも誓っていたことがあります。「意見は聞くが批判はまともに受けない」。
幸い日本人という人種はあまり正面からぶつかってこないので、陰口と奇異の目線を目線で押し返す程度しかしていませんが。
色々な人がいる。まともじゃない人もたくさんいる。そんなのいちいち相手にしていられない。全員に好かれようというのは間違いです。だってまともじゃない人もいますから。敵ではないのです、相手にしないということです。



この本は人間の心理面において極限の状態から解き明かしていて、非常に良い本だと思いますが…大半のことは私の理解の範疇にあったのでちょっと出会うのが遅かったかな、という感じもするので
若い方にお勧めしたいと思います。高校生~大学生くらいかなあ。

戦争の話だから感動的だとか、そういうレベルでは無かったのがとてもいい作品だと思います。著者が学者でなければあの状況を冷静に分析し説きあかすことは困難だったでしょう。

極限状態に置かれることそのものに恐れを抱くのはきっと間違いでしょうね。もちろんそんなつらいことは経験しないほうがマシに決まってますが、
私も、いくつかの極限にヤバイ状況を潜り抜けたり、自力で抜けだすことによって学んだ「経験」はもはや何物にも替え難い宝と言えると思います。

2016年3月1日火曜日

【読書日記】「戦場から生きのびて ぼくは少年兵士だった」を読んでの感想

この本を選んだのは特に大きな理由はないんですが
私は普段から、ネットの記事とかで気になった本はアマゾンの欲しいものリストにぶっこんでいます。
この本はいつリストに入れたか覚えてないんですが、たまたま図書館にありました。
前にアメリカでベストセラーになったそうで。
実は今、「アメリカンスナイパー」の原作も読んでるのですが、そっちはやや退屈というか、あまりまとまってなくて途中からだらけてしまっています。
アメリカンスナイパーはCMはいい感じだったんですが、映画の方は、「米軍を讃えよ!」とアメリカ国内の人間向けに作られた感が満載でした…特に戦場(基地じゃなくて現場)から電話して、途中で爆撃が始まって電話が切れて奥さんが泣くシーンとかひどいですね。
あそこでアメリカ人なら同情して泣くのかもしれませんが、私なんかは「戦場から電話すんなしw」って思ったし、奥さんも、彼氏がシールズだって知っていて結婚したのでそのくらいの覚悟は必要だと思うんですが、本にも奥さんの愚痴が満載ですw
まあ、それは置いといて、こちらの本は、真逆を行っていると言っても過言ではないかと思います。

最後の方に、「アメリカ人は戦争を美化しすぎ」とはっきり書いています。
そしてこの少年兵士、イシメールはアメリカンスナイパーよりはるかに若いのですが…非常に大人びていて、
「異なる考え方を知ることで悲惨な状況を防ぐことができる」
「戦争は健全な人間関係を破壊してしまう」
等、戦争の根本についてはっきりと理解しており、ただ戦ってたまたま生き延びて、運良くアメリカ人に拾われたなんていう安い話ではありません。
(ただ、アメリカンスナイパーは米軍に望んで入った普通の優秀な兵士なので、反戦感情が強いなら入隊しないと思われます)

非常に賢い少年だなと感じます。
シエラレオネの教育のレベルはちょっとわからないですが、
農業中心の村で育ったわりには、シェイクスピアの一部を暗唱できるという学力です。
村の皆に朗読をしたり、軍隊に入った後も中尉にシェイクスピアを暗唱して見せて、最終的にはお気に入りの兵士となっています。
兵士としても優秀だったみたいなので、やっぱり、全体的に能力が高い人間なのでしょう。女性にもモテるという描写もあります。

村を襲われて逃げ出したあとは、かなりの長時間さまよって、行く先々で着く村で苛められたりします(ある程度の年齢の少年は戦えるので、身元がわからない少年は全員警戒される)。
最終的に拾ってくれたのが政府軍で、これがRUF(反乱軍)側だったらもっと悲惨だったかもしれませんが、兵士が足りないので半強制的に戦う羽目になります。
ここの初陣のシーンは、「いやー、この子達には無理だろ」って思ったのですが、
イシメールはものすごい運が良い(と本人が言っている)らしく、初陣から敵を仕留めることに成功し、その後も戦い続けます。
でも、やっぱり、仲間はどんどん死んでいきます。
中にはAKが重くて持てない、AKより身長が低い子供なんかもいます。もちろんあっさり死んでしまうんですが、なんで死ぬとわかってるような子供を連れて行くんだろう…とそこは疑問に思いました。

戦いそのものの凄惨さについてはそれほど書かれていませんが、正直ひどいなと思うことはたくさんありました。政府軍だからってあんまり関係ないですね。
まず戦う動機を子供に教えるときは、「自分の家族を殺した人間に復讐しろ」と教えます。実はこれが一番まずい考え方で、復讐をしているとどんどん連鎖して行って止まらなくなってしまいますよね。でも子供に戦う動機を与えるためにはこれしかありません。お国のためになんて言っても理解はできないでしょう。
それから戦いの前に錠剤を飲まされますが、確実に覚せい剤か、それに近い薬物だと思われます。特に止める人もいなければほぼ強制的に飲まされるのでそのまま薬漬けになります。そして薬が切れてしまうと、情緒が不安定になるので、また飲むという生活の繰り返しです。
反乱軍は彼が入隊する前からひどい行動をしていて、おそらく人間が一番残虐になったらこんな感じでしょう。もはや理由がわからない。何のために戦っているのか?という感じです。まあ戦うっていうより暴力の限りを尽くしてるっていう感じです。この辺はちょっと理解が及ばないです。盗んだ腕時計を5個腕につけている、っていう描写で、もはや価値観が狂ってるんだなあと思いました。
ですが、政府軍も「復讐」とか言ってるくらいなので、反乱軍に同じようなことを仕返しして、苦しむのを見て楽しむシーンがあります。
イシメールは後々ユニセフに連れて行かれてからは、この時の自分の行動がフラッシュバックして苦しめられます。

イシメールはまともな少年なので、自分が他人にやった行動も、他人が他人にやった残虐な行動も全て覚えていて、薬物が切れるまではかなり苦労をしたようです。

しかしイシメールの元々の賢さ、強運が幸いして、彼はニューヨークの会議に召喚され、全てを伝えることになります。そしてそこで出会った女性に最終的には養子として迎えられます。

イシメールは非常に幸運な少年ですが、仲間は戦いの最中で死んだり、一緒にさまよっている最中に死んでしまったり、更生施設に一緒に入ったのに最終的になんと戦場に戻らざるをえなくなったり…(これが一番ひどいなと思いました)
やっと親戚に引き取られて安心して暮らしていたら、いきなり、例えば、日本で言えば国会議事堂が爆破されて、いきなり首相が殺されて、「今日から俺が首相だー!!」っていう人が現れて、反対デモをしていると虐殺されて…
ちょっとでも反対意見を言ってるラジオを聴いていたら、一家惨殺。
なんか無茶苦茶すぎますね。
でもきっとイスラム国がやってんのもこんな感じなんだろうなと思います。

このあたりでイシメールはシエラレオネを諦める決意をして、アメリカに渡るところで話が終わっています。

仕方なく戦争に参加して、やっと薬物も抜けたかと思ったら、また戦争。知らなかった親戚に惜しみない愛をもらってやっと打ち解けたと思ったら、戦争のせいでその人も死んでいきます。希望を感じるたびに打ち砕かれる。これだけ酷い目に遭ったからこそ、イシメールは精神的に根本的なところを突き詰めていけたのだと思います。

無論米軍はもっとコントロールされた戦争をしていると思います。でも根本のところはイシメールの言っていることと同じですね。
価値観の違いを理解し合わなければ終わらない、ということでしょう。

日本社会でよく話題になる「いじめ」も結局戦争と同じことだと思います。自分たちとちょっと違うあいつが許容できない。上履きを隠すのは窃盗と同じだし、机に落書きしたらそれは器物破損と同じ。殴る蹴るはただの暴力で、同じ条件下でなければ喧嘩ではない。要は犯罪なんですよ。いじめっこは全員、犯罪者であり、戦争になったら暴力を振るうときに罪悪感のわかないタイプの人間です。

イシメールもきっとわかっていると思いますが、戦争が酷い場所ではまともな教育をされていないのも事実です(まあ日本の教育の水準は?って聞かれると微妙なんですが)。これからの教育には、価値観の違いを許容する、という項目をもっとクローズアップしたものが必要かもしれませんね。

追加で一応言い訳程度に書いておきますが…多分イスラム系のところで戦争が絶えない理由の一つは植民地時代の他国支配の名残がかなりあると思います。宗教が悪いというのは、理由のほんの一部であり、本来宗教は平和と理性の持続のためにあるものです。過去の歴史のしこりをどう解決していくのかも、今後の大きな課題なのかなと思います。

2014年10月21日火曜日

インフェルノの感想

例のごとく、飛行機に乗る前に空港で、日本円でアメリカのペーパーバックを買う。
大体青山ブックセンターです。小さいのだけど、ツタヤには、洋書があまりないんだよ。

今回は楽しみにしていたダン・ブラウンの「インフェルノ」。

春くらいに大々的にハードカバーがポスターつきで売り出されておりましたが
半年後くらいには、ペーパーバックが英語で出ます。
日本語の単行本化はもうちょっと、後だと思います。
 正直、ダンブラウンはペーパーバックで十分だと思います…

今回のテーマは、
「ダンテの神曲」
そして、
「人口過剰問題」
です。

日本においては、都市部、特に東京の人口は過剰ではありますね。
私はそれも理由で、一旦会社員を辞めています。
もちろん、会社の場所によっては、満員電車に乗る必要もないかもしれません。
一見、人口密度だけで言えば、それほど過剰ではないようにも思えます。

ただ、この本では、グラフ化して、

人類がこのまま増え続ければ、あと100年で資源が枯渇し死に絶える

と言っています。

また、今回の悪役は、
「それであれば、人類を適切な人口にまで削ればいい。」
と言っています。

実際削られるのかどうかは…最後までお読みください★

確かにそのラスト、「どうなるのか」が気になって、最後まで読んでしまいますし、
今回衝撃的なのは、ラングドンが目を覚ますと、記憶の一部が抜けおちており、
頭には縫合された傷跡、そして、殺人者が追いかけてくるというドラマチックな展開。

この辺のつかみは実にダン・ブラウンでいい感じでした。
逃亡劇もいい感じに進んでいきます。逃亡劇は本当にわくわくします。

でも最後のほう、なぜそうなったかの説明があると、結構なえました。
若干おそまつ、というか、様々な矛盾が生じており、
ちゃんと考えて書いたのかよーってちょっと思うところもありました。

ネタばらしはあんまり美味しくいただけなかったです。
結構無理があったと思います。

今回私が割と気に入っているのは、
ヒロインの「シエナ」

非常に頭のキレる、IQが異常に高い(200)女性です。

しかし、彼女は頭が良すぎるがゆえに、友達が出来ず、両親ともうまくいかず、鬱病を発症してしまいます。

ボランティアに参加することで、鬱を一旦は脱出しますが、結局助けきれずに、純粋な彼女は、また深い絶望に突き落とされてしまう。

彼女の美徳でもあり、愛されるところはその純粋さなのでしょうが
その純粋さゆえに、自分を傷つけてしまう。鈍感になりきれない。すべてを真正面から受け止めてしまいます。

非常に同情するところも多くありました。

また、ストーリーのプロットには色々疑問を抱きますが、
最終的にシエナが

ずうっと逃げてきた
自分自身の問題に
正面から向き合うこと

そして、ラングドンも、最終的に
逃げてはいけないんだな。と納得するところが良いと思います。

実はシエナが途中で「人間はとても重い問題に直面すると、反射的に目をそらして逃げる行動をとる」という指摘をし、
その直後にそのとおり、ラングドンが話題を変えようとします。
これは大きな伏線でした。シエナが何者なのかの大きなヒントで、殆どの読者が気づいていると思います。


これは憶測ですが、ダン・ブラウン自体が、人口過剰に問題意識を持っており、
カトリックが避妊を良しとしないのにも大きな疑念をもっていそうです。
彼の作品は概ね、カトリックを批判していることが多いです。
天使と悪魔はそういう話でした。

まあ極端な話、ちゃんと避妊しろとか、計画的に子供をつくれよって言いたいのでしょうが、
これに関しては、日本という国も独自の文化を持っているように思います。
あんまり語ると、色々批判されそうなので、ざっくり私の持っている問題意識ですが

まず未だに男性優位社会であり、国会で「産めないのか」という発言が普通にかわされ、
女性議員が反論しないこと。
また、女性議員が嫉妬されひきずりおろされるなんて事件も最近はありましたね。

高齢化社会で上が詰まっているので、お偉いさんはいまだに、若者が育児休暇をとることに関して眉をひそめていることも多いでしょう。
その一方で、「少子化だ」と騒いでいます。
単純に矛盾していると思います。

日本社会は、基本的にお偉いさん方が矛盾を繰り広げている社会です。

で、私の意見ですが、
少子化でいいんじゃない?と思います。
私はこれ以上東京の人口が過密になることは賛成しません。
最近、田舎に転居する人も増えてきましたし、田舎のほうで、受け入れ体制を作ったり、
わざわざIT起業ができるように、設備を整えているところもあると聞きます。

少子化は当然の流れです。ダン・ブラウン的に言えば、ダーウィンの進化論の結果なんです。
増えすぎたら、勝手におさまるようにしくまれていると思います。
不妊治療する人が増え、男性の精子が弱まっている。
それも進化の結果なんじゃないでしょうか。
私は子供が欲しいと思ったことは恐らくほぼ無いです。
どうしてあんなに未熟な生き物を育てなければならないのか?
なぜ、馬のように生まれてすぐ立つことができないのだろうか。
恋愛自体は楽しいものだと思いますし、生涯の伴侶というのも素晴らしいと思います。
でも子供を持つこと=幸せだとは思っていません。

不妊治療は、結果的にダウン症の子供が生まれやすくなっています。
つまり、それも自然の摂理に抗った結果なんです。
本来うめないはずのものを無理矢理産んだから、無理が生じたのだと思います。

残る問題は、高齢化社会です。今のままだと、老人をささえる年金が足りなくなると思われます。
だけど、それを、子供を増やすことで解決できるでしょうか?
おそらく、年金の制度自体を変えていかなければいけませんよね。

今は騒がれていますが、そのうち落ちつくのではないかと思っています。
子供いなくても普通、っていう社会になるのではないか。
そして自然に、人口が落ちつくと良いなと思っています。
日本の戦後バブルはちょっとした異常事態だったのですよね。
今、そのツケを払おうとしているんだと思います。
それは、子供を増やすことでは解決できません。

あと気になっているのは、トランスヒューマンという概念。
これについては、もうちょっと知りたいなあと思いました。



総評として、スポットを当てた問題自体は重要ですしいいと思います。
でも話としては、ちょっと重すぎるかな。
やはり、ダヴィンチ・コード、天使と悪魔がいまだにトップ2ですね、
他はなんだかいまいちです。
ロストシンボルよりは全然面白かったです。
リストの「神曲」聞きたいなと思いました。

2013年9月7日土曜日

本読むと独立が近くなるらしい。

とある起業者がとにかく本を読めと。

わからんでもない。

本を読んだ後は饒舌になる。その本から得た知識も含め、体系的に文章を組み立てられるようになるからではないかと思う。

私の読書癖は様々である。

ファッション雑誌、漫画も大好き。ノンフィクションから小説まで読む。
苦手なのはライトノベル。正直、あのレベルなら漫画でいいと思う。もともと漫画人間だから。

最近は、人生のノウハウを知りたいので、先人の知恵を拝借したく、以下のような本を読んだ。

■「伝えたいことが9割」
ベストセラーである。あまり面白くなかったのだが、内容が非常に具体的。
コピーライターが書いているのだが
どっちかっていうと、交渉に使えると思う。
あと、内容的には個人的にあんまり好きじゃない。
付箋紙やぶってどうしようってんだと思う。イラスト描くのはいいと思う。イラストはどこでも役に立つ。
一か所だけ感動したところがある。例の牧師さんの詩だ。
あと、いいなと思ったところが一か所。日本の政治に感動が足りないという話。
禿同!!

■「夢をかなえるゾウ」
文章がライトノベル風でまるで気に入らないが読みやすい。
具体的に「成功する秘訣」をおもしろおかしくナンセンスに書いている。
これを実行していれば成功するとは確約されていないが、フリーで独立を考え始めたころあいだったので、ちょっと泣いた。
人生の選択を迫られたらぜひ読んでみよう。

■鈍感力
昔、彼氏に「鈍感力が足りない」と言われた。いまさら読んでみる。
こちらもあまり面白くはなかった。
医者の見地から、なぜ鈍感でなければならないのか、という話。
極端な話、鈍感な人は病気にならないらしい。
沖縄の人は長寿だけど、あたたかいからだけではなさそうだな。
当たり前のことを言ってる本なんだけど、やっぱり、会社で嫌な人がいても、鈍感になるのが一番いい。やっぱりそうだよね、って再確認する本。
あと女性は鈍感だそうだが、私はそうでもないのでなんとも言えない。
だが、逆に性を利用して、鈍感であるように努めようと思った。

まあ実際、痛みには強いし、血を流しても冷静に治療はできる。
昔カッターで足の甲を切ったらすごい出血したけど、普通に包帯巻いて寝てしまった(笑

■幸福論
今読んでる。すごくいい本。フランス人哲学者が書いたものだが、難しくはない。
ややまわりくどいのが難点。一章が短いので楽。
実にフランス人らしい切り口だと思う。実用書みたいなところもある。
そして、若干シニカルなブラックジョークを含ませるのがフランスっぽい。

まだ途中なんだが、フランス人がなぜ精神的に安定していて
基本、強いのかがわかると思う。

ヨーロッパの中では精神薄弱度は真ん中くらいの国じゃないかなと思うけど
ほどよいバランス感をもった国民性だよね。

あくまで自分が感じた精神の強さ度で言うと
ドイツ人は鬱になったら大変そうだが、理解はありそう。
イギリス人はヒステリック。治すのは大変そうだ…(苦笑
フランス人は精神的に大人でなかなか取り乱さないと思っている。
スペイン人とイタリア人は素直で鈍感なイメージ。
北欧は悩みが無さそうなイメージだが。

アメリカ人に関しては実は重症だと思ってる。勝負好きな国だからな…。脱落した人に同情する余地がなさそうな感じがする。あと薬に頼りそう。

日本人は全員鬱。
中国人と韓国人は屈強。

みなさん鬱病になる前に、哲学書を読みましょう!!!


2012年7月7日土曜日

でせぷしょん★ポイント を焦らずに読むことを奨励する日記 6

終わった…。

意外と綺麗に終わったな。

最後の冗談みたいなオチが結構好きです。
やはり女性が強い。
ガブリエルを泣かせた報いだぞ

マイケル最後までかわいかった

レイチェル屈強。

コーキーめっちゃうざいw特に終わり辺りwわざと空気読んでないだろ!

ホワイトハウスのお化けネタが出てくるとは…。
チャーチルって霊感あるんでしょうかね?
結構有名な人とか力を持つ人って霊感ありそうなイメージがござる。


ただ、本作はダヴィンチ・コードほどの感動はなく
天使と悪魔みたいな壮絶さも感じなかった。
作品としては若干小さめかなって思います。

ちょっとよかったのは黒幕が最後に黒いコートでひざまずいていたシーンですかね。
天使と悪魔の時もそうだった。
強い信念をもった悪役が最後身を捨てる時に、ダンブラウンの小説はいつも美しい
静かな終わり方をするのが良いと思います。

あえていえば今回の黒幕はちょっと説明不足な感じも受けましたが…。
宗教関連の話となるとすごいですからね
秘密を守るために人を殺すっていう、
もう利益度外視ですから。
善悪の観念もないと思います。
己の信念をただ守るため。そういう盲目な信念って実はとってもピュアじゃないかと。

今回は金と権力がしっかり絡んでくる話なので、結構きたないものを見たなあと。

でせぷしょん★ポイント を焦らずに読むことを奨励する日記 5

ハッピー七夕!(イミフ

516ページなう

黒幕が姿を現しました。
今回は割と予想通りです。
なんでかっていうと、

途中で、超重要人物がサシで会うことになりました。
某FDRメモリアルっていう場所(日本語訳はしらん)
ここで、どちらかが殺されます。
わざわざデルタフォース使って、犯人ばれないように殺しました。

…でも、どっちが死んだかは書かれていません。

つまり、死ななかった方が黒幕ってことになります。
この時点で、大体あっちだろうなって絞られます。
大体、意外性の強い方が黒幕なんで、大体わかったなーいつ顔出すんだろうな
って見てたらほんとにその人でした。

しかし主人公にしてみたら、もっとも信頼できる人のひとりなので
ポカーン(゚д゚)
っていうところで今日記を書いております。

個人的感想としては残念ですが、
彼の過去を見ていると、動機は十分かなって思います

関係ない話:

マイケルが可愛すぎる件について

恋愛については中学生レベルで異様に純粋でカワイイ
これは主人公でなくてもズキュン☆彡
しかしひとたび、サバイバルスイッチが入ろうものならなんでもやる。
このギャップがすさまじい。

マイケルは海洋学者で、実地調査にも長けている。
海で実地調査。つまり。すさまじいサバイバルスキルが要求される。
ダイビングのライセンスの教科書に書いてあることは、楽しそうに書いてはいるが全て海でのサバイバルスキルについてである。
人間は陸で暮らす生き物なので、海で何かをするには膨大な知識・精神のタフネス・体力が必要になってくるのだ。

よせばいいのにたまたま舞台は船の上。海の中にはたまたまハンマーヘッドシャークがうようよしている。どんな舞台だっつのwww

ここでマイケルがレイチェルを守りながらデルタフォースと戦う様はすさまじいです。
まあ…最悪海に放り込めば以下略。こわい。こ わ す ぎ る

あとコーキーは、下ネタ大好きな変態オタク科学者だと思っていたけど、
やっぱり頭が良いのでこういう時の咄嗟の判断には尊敬しますた。
美男美女カップルだとつまらないから入れたキャラなんでしょうか…ただ、NASAの一員がいないと話がまとまらないっていうのもありますな。

あとこの話だいぶカオスになってきたんだけどどうやって集約するんだろうって思っている。
大統領選挙の話なんだけど…実質どっちも悪いやつになってしまったような。

じゃあマイケル大統領でおねがいします(ワラ

2012年6月29日金曜日

でせぷしょん★ポイント を焦らずに読むことを奨励する日記 4

386ページ
あんまり進んでない的なwww

女性陣の活躍っぷりがめざましい
ガブリエル(DQNネームだと思ったので悪役と思いきや、どうもイノセントな女性のようだ※しかもハルベリーに似てるらしい)がイギリス英語な彼のところに単独突入。ミッションインポッシブル並の強引さ。わくわくだな!
なぜこの男性キャラクターがイギリス英語なのかは謎だけど、ダンブラウンはキャラに個性をつけるのがすごく上手
わかりやすい
しゃべってる英語の単語の種類が違うなってわかる
それで読者に印象付けている。漫画と違って絵がないから参考になるね

あともしかしたらピッカリングは今更悪役かもしれません。こういうタイプは…大体…(ry

レイチェルは相変わらず驚愕の頭の良さです。もう大統領がかすんで見えます
今完全に活躍してるの女性キャラだけw

2012年6月25日月曜日

でせぷしょん★ポイント を焦らずに読むことを奨励する日記 3

328ページまで来た。やっと半分を越えた。

主人公レイチェルの上司、ウイリアム・ピッカリングがひじょーーに賢くて読んでいて楽しい。
こういうキャラはいいな。頭がよくて冷静で、私情抜きで論理的な分析・判断ができる。
だけど部下思い。
すごく良い人なんだと思う。

あー、この人が悪役じゃないといいんだが…(ダンブラウンの小説だと無きにしもあらずなんだけど)ただ、今のところ、彼の性格だと演技だとは思えないほどの心配よう。大げさじゃないから本物っぽい。

ピッカリングの頭脳によって、読者が気になっていたところが詰められる。
それは、なぜ、そのような事件が起きているのか?ということ。

私も、「なんでそんなことになっているのか」がいまいちわからない。
今回は、他の小説みたいに、犯行声明がはっきりしてるわけでもない。誰かが、デルタフォースを動かしている、というだけ。なので、デルタフォースを動かせるほどの権力をもった人でなければならない。ということしかわからない。
今までの小説は、なぜ、殺人が起きているのか理由は比較的はっきりしていた。犯人が何を追っているのかもわかってた。
だけど今回はいまいちわからない。
あえて言えば、大統領選挙に勝ちたい人、と考えるのが安易なのだ。

だけど事件そのものが複雑すぎる上に、NASAにとって有利になる発見の一部は本物。
しかしデータの半分はニセモノ。
なんで半分が間違ってて半分が合っているのか、わからない。
ピッカリングは、「全部偽物なのでは」と言うが、全部では無さそうだ(全員グルじゃなければね)。

暇さえあればぼんやり考えたいところですが…
科学的な知識が結構出てくる本なので難しいっす☆彡

主人公は一時的に助かったけれども、これまた軍に助けられたので…もしかしたら長くは持たないかもしれない。デルタフォースも軍だし…爆

でもあの状況下で民間に助けられることはおそらくないだろうな。

2012年6月23日土曜日

でせぷしょん★ポイント を焦らずに読むことを奨励する日記 2

ありえねえ

やっぱり助かりましたw主人公ww
流氷の北極海の氷の上にて

みんなモールス信号を忘れないようにしようぜ!!

※私はメタルギアで教わったモールス信号…速攻忘れました。
お ぼ え ら れ る は ず が な い

今回のこの複雑な一連の事件の裏にいる黒幕なんですが…

私は

あえて!マイケル・トーランドだと推測しておきますw

本作唯一のイケメソ。
性格良し。
女にモテモテ。
悲しい過去。

ダンブラウンの小説は大体こういう人が…
真犯人だったりしますよね。

人間不信になってきた。

あ、理由がまったくないわけじゃないですよ。
実は、その悲しい過去と、連携するような情報が、ちらっと大統領候補の会話に出てきたからです。要は、彼なりの復讐なのではないかと。規模はでkkっかいですが。
おそらくですが、全く何の理由もなく会話にあれが出てくるはずはありません。
すっごい小さい伏線ではないかと思っただけです。

あと、意外な真犯人らしき人が他に出てこないからです。はい。