フォーサイスを知ったのは実はひまるやさんの漫画かブログのコメントにちょこっとかいてあったっていう…
調べたらスパイものが多いということで、まさに任務中毒の私にうってつけ(笑)と思い借りてきました。図書館にも結構あります。
作者は軍隊出身なのでかなり描写はリアルで本格的。
また、著者が取材大好きなので、結構危ないところにも足を運んでいるようです。
最初に読んだのは「アフガンの男」だったんですが、これは、最初に読まないほうがいいですね。どうやら昔の小説の主人公を引っ張り出してきて、活躍させるんだけどエンディングがねぇ…
途中からガス欠極まりない展開でがっかりしました。
話の展開は最後ががっかりでしたが、途中までは非常におもしろかったです。
また、アフガンを舞台にイスラムの話なので、とても勉強になりました。
しかも同時にMGSVやってたので、ゲームでアフガン、読書でアフガン、しかもオセロットが言っている内容をさらに丁寧にしたものが書かれていました。
次に借りたのが「キル・リスト」でした。
これは昨日読み終わりましたが非常に面白かったのでおすすめできます。
今世界各地で勃発しているイスラム過激派のテロですが、それを根元からたたこうという話です。YouTubeで説教動画を流している例の連中のうち一人を、最終的にはあぶりだして殺害するという大掛かりな作戦。
ひと一人をあぶりだすのにかなり時間と手間をかけてじわじわ追いつめていくので、話の流れが非常にわかりやすいのもいいです。
おもしろかったのは、この動画を流している本人になりすまして別の動画を流して、まずは存在自体をイスラムの世界から消してしまうという作戦。
イスラム過激派は一度、ジハードに参加すると宣言したのに前言撤回した人はもう仲間とみなさないそうです。さすが過激派。
短い動画を撮るのにえっらい手間をかけるんですが、これはアフガンの男でも、潜入工作員がなりすますときにわざわざ体に傷を偽装する手間をかけているところからも、よくある話のようで、特にフォーサイスはこの辺の描写が細かいです。
でも今回は、いろんな人が腑に落ちないまま巻き込まれていて面白かったです。
途中まではサイバースペースでの戦いみたいなもんですが、最後は実際に寝てるところに突入するのですが、今時アメリカで流行っている上空からミサイル攻撃は今回使えません。
人質がひとりと、仲間であるスパイが一緒にいるからです。
しかもネイビーシールズやデルタフォースは派遣が間に合わないということで、主人公はパスファインダー小隊を利用します。
著者はイギリス人なので、やっぱりイギリスの軍隊を登場させたいのかな、とちょっと思いました^^
また、作戦の細かさもイギリス人っぽいやり方。アメリカは空の上からミサイル爆破ですからね…
このパスファインダー小隊を突入させる一連のシーンは、CoDみたいで非常に面白かったです。ゲームでもここまでの描写は難しいかもしれません。荷物の重さや減圧症への対策など、小説で細かく書かれているからこそリアリティがあって興味深い。
武器や携行品、パラシュートの操作なども細かく描写されています。
あと野犬が周りにたくさんいるのですが、これもあらかじめ対策を練ってあり、犬は吠えるので、銃で撃ってしまうと一瞬声をあげてしまうことになります。そうすると寝てる人が起きてしまうので、そこまで考えて麻酔入りの餌を用意するという念入りよう。
パスファインダー小隊は非常に優秀で装備もばっちりなのですが、最後の「高価値目的」つまりラスボス(これ英語だとBO2でなんか専用用語が言われてたんだけど、忘れた。)はなぜか主人公が一対一でしとめるという、実に物語らしい演出でした。
ベタですが、映画などにしたら面白いんじゃないかなと思います。
個人的に優秀なスパイの「オパル」がなんか好感もてました。非常に優秀ですが、一目で敵に秘書にされるあたり、きっと人望も厚いんだろうなと思います。
あと、中盤であわや!というところでの機転の回し方が普通じゃないです。優秀すぎ!武器とか道具とか使わずに、相手にメッセージを送るというすご技をさりげなくやってのける。スパイはそうじゃないといかんw
ところで飛び降りる時に「ワルキューレの騎行」をかけるやつ、MGSVでもカセットテープに入ってたんだけど、軍隊の人はみんなこれが好きなのか…w
盛り上がりやどんでん返しについてはダン・ブラウンのほうが圧倒的にうまいですが、普通にスパイものを読みたい人にはいい小説だと思います。
多分最初に「ジャッカルの日」を読むべきだったんだろうな…
それにしてもこの年齢で、見上げた取材力。頭が下がります。
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