2016年12月11日日曜日

トリコちゃんとの冒険終了~!(5)

クリアーしました~!!!!!



最後までハラハラさせてくれましたが、
満身創痍になりながら、最後まで、駆け抜けて、使命を果たしたトリコちゃんに拍手を送りたい。
終盤のトリコ、男前すぎます。

ただの鷲じゃないな…
非常に知能が高いですよね。

ラストのカオスっぷりは非常によく盛り上がったと思います。怖いっつーのもありましたが。

以下、自分が良いなと思った点ごとに感想のまとめをしたいと思います。


【ストーリーの主題】 

このゲームは例によってファンタジーのため、上田先生の作品はいつもそうなのですが、問題の原因は最後までよくわからない感じでぼかされています。

なので、解釈して楽しむのもよいでしょうね。


私はね、このゲームやった人なら絶対わかってくれると思いますが


この話は、ブラック企業から抜け出す善良な一般市民の話ととらえてもいいと思います。
なぜかを話すとネタバレになっちゃうので言えませんが。
やった人は「そうだね」と思ってくれると思います。

一時はドン底まで物理的に突き落とされたトリコちゃんですが
めげずに上へ、上へと懸命に、じわじわ上り詰めていく姿は
皆に勇気を与え、誰もが心打たれる姿だと思います。

目標もストーリーも単純なのですが
物理的に上へ上へと昇り、外へ外へと自由を求める。象徴的でわかりやすくていいなと思いました。
脱出劇って脱出成功した時の解放感が最高ですよね。


【非言語コミュニケーションと愛情の描写の丁寧さ】

何か嬉しいことをしてもらったから、相手が喜ぶことをしてあげる。
助けてもらったから、恩返しに助けてあげる。

これって一見ビジネスの基本のようにも聞こえますが、恋愛も友情も、人間関係のすべての基礎はこのやり取りだと思っています。

人は鏡のように、もらったものを返します。憎しみをぶつけられれば憎しみを返すのが普通の反応です。

それは今回のトリコにとっても、同じことでした。
そして、そのやり取りの回数が増えれば増えるほど、絆は深くなっていきます。
トリコが恐れるものを少年が破壊し、道を切り拓く。
少年を襲う鎧の化け物を、トリコが破壊する。
興奮がおさまらないトリコを、少年がなだめ、刺さった武器は少年が取り除く。
段差がありすぎる場所は、トリコに乗って飛んでもらって移動する。
そういったやり取りが延々と続くだけなのですが、
不思議と、操作しているプレーヤーのほうも、大体はトリコに対して、「お前、やるなあ」とか「助けてくれた!!男前!」と感激するようになります。

トリコには一切言葉は通じません。
ですが、トリコはなぜか、呼べば返事をし、飛んだあとにこちらを見てちゃんとついてきているか確認をし、弱っていると様子を伺いにきたり、こっちを見て「ジャンプしたら受け止めるよ」という顔をします。これがとても丁寧に描写されていると感じました。
そして、トリコに命令を出してもすぐに理解しなかったり、時間がかかるところもリアリティがありますね。

ただなでなでするだけのゲームじゃあないんですよね…
恋愛とも人間同士の友情とも違う、助け合うとか、協力するという、純粋な愛の描写がとてもよかったと思います。

そして悪の描写はその正反対の自己中心的な排他性、攻撃性、暴力性、自我の放棄など。教訓めいているものの、純粋なメッセージがしみいると思います。


【架空の生き物の緻密な描写のクオリティとそれを体験できる喜び】 

昨今CGのレベルはこれ以上にないまでに上がっており、アンチャーテッド4に至っては「映画をプレイするゲーム」というコピーで売っていました。
でも正直、CGのリアルさで言えばPS3で十分な気もしているんです。もちろんPS4はさらに綺麗なのですが、「高解像度」というのはいずれ限界がくるビジネスです。

私が「人喰いの大鷲トリコ」がすごいと絶賛する理由は、
この生き物が架空の生き物だからなんですよ。

存在しない生き物を動かすのはCGとは言え、綿密な設定を考え実際に動かしたりして、不自然な点がないか何度もトライアンドエラーを重ねないといけないと思います。

トリコは、存在しない生き物なのにリアリティが何やら、すごいのです。
これだけははっきりと言えます。

飛べないだろ!って思ってても、飛ぶんです。そして、なぜか、違和感がない。
鳥の設定ですが猫のようにしなやかに、ジャンプをします。

そして、ドジっ子というか怪我をよくするので、ジャンプしきれなくてしょっちゅう後ろ足でもがいたりするんですが、そこの描写も

架空の生き物なのにものすごいリアルです。

犬のようにも、ネコのようにも見えるんですが、違うんですよね……

この生き物をゲームで動かせるようにしただけでもすごいですが、ここまで違和感のないように作りこんだのは、上田さんが大変な思い入れがあったとしか思えないですね。

ジブリで言えば「動く城」にあたると思いますが、あれはあくまで映像の中ですからね。
「自分で動かせる」「自分で体験できる」というのがゲームの醍醐味です。

トリコは放置しておいてもぼーっとしてません。勝手に動くし勝手にあくびをするし、勝手に飛んだり戻ってきたりと忙しいです。

鳴き声も種類がかなり豊富で、馬のように聞こえる時も、牛のように聞こえることもあり、ご機嫌になるとのどを鳴らしたりと気分やシチュエーション別にかなり細かいバリエーションがあります。

そして最終的にはトリコに乗って命令を出して飛んだりすることもできるんです。これが、最初はできないというのがまたリアルで、感慨深いものがあります。

とにかく完成度が高いですね。ここは本当に高く評価したいと思います。



強いて欠点をあげるとすれば。しいて言えば、ですが。

・アクションの操作性がやや悪い
これは上田先生のゲームに一貫しているのでしょうがないですが、物につかまるまで時間がかかったり、脚がもつれるのはちょっとしんどい時があります。

・カメラワークがいまいちな時がある
カメラはほうっておくとトリコに向いちゃうので、直しながらアクションをするんですが、飛び先の着地点が見えないとかはちょっと勘弁してほしい…。もうちょっとカメラを自由にさせてくれたら最強。

・謎解きがやや難易度高め
トリコもヒントくれたりくれなかったり、おっさんの声も聞こえたり聴こえなかったり、なのですが一応ヒントはあるっちゃあります。
あと後半はなぜか、すぐに謎が解けることが多かったです。



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