2025年4月10日木曜日

アドレセンス最終話

私は第4話は蛇足だと思うのですが、結果はわかったのでよしとします。

もしかしたら見つからない凶器のエピソードなど、他にも予定していたのかもしれないですよね。

最後にまた父親が泣いていましたが、父親の問題だと言えるのでしょうか。確かに未成年のしたことだから、父親に責任はあると思います。臨床心理士もまず父との関係を聞いてきました。男の子はまず父親の影響を受けるし、彼が小さかったから、特に顕著にそれが出ると思ったのでしょう。実際ほとんどの場合そうだと思います。

ただ、私は最後までジェイミーの心理状態が気になっていました。

おそらく間違いなく刺殺をしていると思われます。でなければ逆にあんなに冷静でいられるはずがありません。むしろあの冷静さは、彼の残虐性を示していると思いました。怒りながら何度か「あの子はビッチだった。そう思うだろ?!」と臨床心理士に問いかけていたからです。 そこには罪の意識や後悔がほとんど感じられませんでした。最初こそ泣いていましたが、「やらかしたことがバレたから」と言うふうにも感じられました。また、隣に父がいたからだと思います。

つまり第3話が何を言いたかったかというと、ジェイミーは「ケイティは殺されて当然だ、僕が悪いんじゃない、けしかけたのは向こうだ」と言いたかったんだと思います。

ですがどんな理論をこねくり回しても、貢いだキャバ嬢が付き合ってくれなくても、お金を貸した配信者がお金返してくれなくても、殺していい理由にはなりません。

殺したい気持ちだけはわかります。私もなんとかしてセクハラ野郎を消したいと思っていました。でも殺すのは絶対にいけない。向こうもなんとかして私を手に入れようと毎日願掛けをしていたと思いますが、縁切り神社に縁切りをお願いしたら私の願いの方が勝ちました。(目には目を、願いには願いを)

殺したいほど憎い相手に対して、法的に問題のない範囲でギャフンと言わせてやる方が遥かに安全で効果的だと私は思っています。


ただ、今回の問題は実はそこではないんだと思っています。発端はインスタグラムでした。これがもし、インスタがない場合どうなっていたでしょうか。

思い返すに、私の時代は直接罵声を浴びせる、聞こえるように陰口を言う、仲間外れにする、といったいじめが主流でした。ですが、どちらかというと日本らしく、男子が女子をランキングすると言うことが堂々と行われていました。

女性はもしかしたらやっぱりすごく強くて、そういったことに耐えられて、報復として殺しなどは考えない。男性は耐えられなくて、怒りを抑えきれず殺してしまう、精神的に弱い種族なのかもしれません。

そして「インセル」にも大変問題があると感じました。

インセルはインターネット上でコミュニティを作ってしまっており、一度はまってしまうとなかなか抜けられないのではと推察します。一度女性嫌悪を自認したら、なかなか次の恋愛にはいけないでしょう。悪循環です。しかも、私のような独身女性がよく言う「もう恋愛めんどくさくて無理」ではないのです。彼らは真剣に女性を憎んでおり、暴力や殺害を推奨し合うコミュニティなのです。

そして多感な10代でこのような思想に染まってしまうと、なかなか考えを変えることができないでしょう。自称インセルの人たちには根本的な治療が必要だと私は考えます。

(ジェイミーは自分がインセルだとは言ってませんが、言われて怒るということは心当たりがあると言うことだと思っています)


つまり発端は別にインスタである必要はなかったわけです。世の中にはXもあるし、フェイスブックもあるわけです。インターネットが一般人に広まってからは、迷惑メール、フィッシング詐欺に常に攻撃を受けていて、私は先日LinkedInで外国人にメールで口説かれましたが、写真を画像検索したら同じ写真で3名いたので「大した詐欺師ですね」と返信したら返事が来なくなってしまいました(つまらん)。LINEグループでいじめられるなんてのも聞いたことあります。

何かの教育が必要だなと感じるのですが、おそらくは「ネットリテラシー」と言う分野になると思います。私が教育実習をしていた時代にはなかった科目になりますね。

まずはインターネットで見たことを一度は疑うこと。

あと何が危険なのかを教える。「インセルって言ってる奴らに関わるな」「あいつらは殺人をする団体で、同じことをしたら一生が台無しになる」と言う教育をすると言うことになります(他にも色々あるけど)。

また、差別用語をネットで書かない、他人をネットで攻撃しないと言うリテラシーも必要になってきます。

あとは、女性を憎んだり、女性からの評価を過剰に気にする症候群は、もしかしたらやはり父親が話を聞いてあげるべきなのかもしれません。

13歳なんてまだモテ非モテすら気にしなくていい年齢のはずなのだから。

ジェイミーは頭の良い子と言われていました。しかし最後に謝罪したのは、父に対してだけでした。これから年を重ねるにつれて、罪の重さに驚くと思います。父親ひとりではインターネットを止めることはできない。様々な場所で、教育をしなければならない時代なんだなと思いました。


私がとても運が良かったなと思うのは、たまたまアメリカで受け取っていた父の会社の福利厚生であった日本の学習雑誌が、実に丁寧に性教育を説いてくれていたことでした。少女漫画テイストで描かれていました。あの雑誌がなかったら、私はもっと母親を恨んでいたと思います。


アドレセンス2、3話

2話も3話も重かったですが、例のワンカット手法のおかげで集中して鑑賞することができました。

2話と3話では繰り返し「インスタグラム」が出てきます。まるでインスタグラムが犯罪に加担しているかのようで恐ろしいですね。私はアカウントを持ってるし運用も一応していますが、まるで犯罪に巻き込まれませんw活用できてないとも言いますが。

そして主人公ジェイミーが「インセル」と呼ばれいじめられていたことが判明しますが、インセルってもっと大人たちが使う言葉だと私は思っていました。

13歳そこらの中学生がインセルも何もないだろうと。

しかし第3話の臨床心理士の女性との会話で、相手が女性だからということもあり(女性の年齢はおそらく30代後半〜40代前半くらい)、「僕はゲイじゃない」と繰り返し主張するジェイミー。この辺はやっぱり子供っぽいなと思いました。つかまだ声変わりしてないだろ。

ゲイだからって30代の臨床心理士がバカにしてくることはあり得ないからです。

臨床心理士は根気強く彼のホモソーシャル的主張に付き合いますが、何度も精神的均衡をかき乱されており、その複雑な心理状態には私も共感しました。

でもこのくらいの年齢の男子なんてこんなもんだと思います。私も中学の時の男子たちには呆れ返り、高校は女子校を選びました。あんなケダモノと次の3年も過ごさないといけないなんて拷問だなと思ったからです。私が中学校で一番いい笑顔で写真に写っているのは卒業式です!今でもあの開放感を忘れることができません。一粒も涙は出ませんでした。

ただ、私の時代はそもそもスマホがありませんでした。インターネットもありませんでした。私は大人になってもインスタでフォローしてるのが大半がハリウッドセレブのため、狭いコミュニティでぐちゃぐちゃすることがまずあり得ないので、本当に自由でラッキーだと思います。

今の時代はSNSで簡単に他人と比較できてしまうし、簡単に写真も送れてしまう。果たしてそれは本当に便利なことなのか?盗撮も多発していると聞きます。そしてAIによるフェイク画像やフェイク動画も大量に出回るようになりました。

13歳という年齢で一番きついのが、この時期は私も別の意味で宗教的に信じ込んでいることや、漫画やアニメに対するハマり方が今とは全然違っていました。つまり何かと「過剰に信じ込んだり、入れ込んだりする」傾向があるのがこのローティーンの特徴だと思います。ジェイミーも典型だと思っています。

彼は自分の評価を過度に恐れています。自分のことを醜いとわざわざ告げるのは、臨床心理士の同情をひくため。これは女子がよくやるやつですね。特に日本だと多いので、イギリスでもあるんだ〜と思いました。

この評価を恐れる気持ちは裏返すと「愛されたい!」という欲望です。

そして男性という性は、「女性に愛されたい」欲が強い。これは女性が男性に愛されたいよりも遥かに強い気持ちで、ジェイミーは対談中に何度も衝動的にブチギレます。特に最後はキツかったですね。

彼の心は自分への評価を求める気持ちばかり。臨床心理士が参った顔をして結構長い時間を取って気持ちを落ち着けようとしているのに共感しました。「ケイティーは死んでるのよ。ケイティーは、もう2度と戻ってこないのよ。」と何度も言っているのですがジェイミーは信じられないくらい無関心でした。


「インセル」は白人の異性愛者で激しく女性を嫌悪し、傷つける人たちのことを言うようです。「セックスの権利を主張する」は日本でも結構見るようになりました。最近Xにはこういう人が湧きすぎていて、見ているだけで憂鬱になることがあります。

ジェイミーたちが信じている80/20の法則は現実ではあり得ません。自称インセルの人たちが自分はデートしてもらえない、女に振り向いてもらえないと頑なに信じているが故に生まれた法則だと思います。実に偏った思考です。もし本当にトップ20%の男性にしか行かないのであれば、既婚者はもっと少ないし、早々に人類が滅亡している可能性だってあり得るからです。

女性は男性嫌悪でも殺人事件にまで至ることは極めて少ないと思います。私は男性がセクハラさえしてこなければ、攻撃することはまずないので、出社しなくてよくなってからはだいぶ穏やかな日々を過ごしています。会社でセクハラオヤジが出社してこなかった雪の日はとても幸せでした。

ですが男性のインセルは違います。彼らは出社できないことをむしろ怒るでしょう。俺のことを愛せというのが彼らの主張であり、愛されないとわかると非常に攻撃的になります。ドラマもそのまんまでした。私は、ジェイミーがどんなに「僕はまともだ!」と叫んでも、やはり病気だな、、と思うのでした。

この男性の怒りには私も何度か直面しており、命の危険も感じたので遺書を書いたこともあります。実際インセルが一番怖いのは、殺人を犯すところなんですよね。


2025年4月9日水曜日

アドレセンス見始めました

話題作ですが確かにすごいですね、

第一話の引き込み方が凄まじかったです。カメラが離れないので、集中力があまり途切れないんですよね。時間も飛ばないですし。

個人的には、サムネイルからもこの少年の持つ邪悪さみたいなのを感じていたので、おそらく黒だろうなと思っています。

13歳は殺人などできない、とは言い難い。

自分のティーンだった頃を思い出すと、いかに10代の子供が残酷だったか私はよく覚えています。30〜40代のおっさんより邪悪なやつはいました。

ただ、主人公の少年が、なぜ殺すことになったのかは第一話では本人ですらまだ説明していない。彼は「あれは僕じゃないんだ」と説明しますが、多分この話はオカルトじゃないので、悪魔が取り憑いたとかではないと思います。もしそう説明しても、単なる逃げ口上だと思います。しかもカメラにはバッチリ撮られてしまっている。変なところで警戒心が薄いか、カメラに気づかなかったか。最近は防犯カメラも巧妙に隠されてるのかもしれませんが。

「大人には見えない世界」と説明されていますが、すごくわかります。

親に説明しても大体理解されない。

事件が起きてしまうまで、気づかれない。

「怪物」をちょっと思い出しました。


アドレセンスは「思春期」って意味だそうですね

怖いですよね、私、知ってますから。みんなも忘れたふりなんかしないほうがいいと思いますね