2025年6月4日水曜日

「Pearl」の続編である、「X」

といってもリリースの順番が違う。

Xが最初。Xに出てくる謎の殺人ババアがパールである。

このXはそこそこ有名だったので、一度途中まで見て飽きてしまっていた。

もう一度見てみたのだけど、やはりいまいち話が頭に入ってこない。

テーマも少しわかりにくいというか、漫然としている。

パールが若さに嫉妬し執着しているのはわかるのだが、その結果なぜ殺人なのかはいまいちわかりにくい。まあ、基本要求飲まない人間を殺すんだけども。

ところでこれ、バイオハザード7とかなり似てる感じもするんだけど、影響受けてるのかな?


なぜパールはそんなに良かったのか?

パールは2作目だからか、最初からテンションが高い。大袈裟でレトロな音楽が、「これは頭のおかしい映画ですよ」と教えてくれる。

で、実際頭がおかしい。わかりやすいのだ。

しかしパールも最初は、アヒルを殺すとかその程度だったのだ。

だんだんと、彼女は周りに不満を感じ、鬱積した感情で相手を殺すようになる。

その、鬱積する感情に共感するし、理解できる気がするのでのめり込めるのかもしれない。

彼女の持つ、母親への憎しみと、愛されたい気持ちが複雑に絡み合う情景を、理解できるものは涙を流すであろう。誰しも、産みの母は世界に一人しかいないのだ。

パールはエンディングが良い。

ついに発狂を極めたパールの笑顔がすごい。

ミア・ゴスは天才。



追記

ジュナ・オルテガ(ウェンズデー)めちゃくちゃ可愛いが、この役はちょっとかわいそうっていうか・・・

2025年6月3日火曜日

アマプラで面白かった映画(9):Pearl

いっけなーい!殺意殺意!

あたし、踊り子になるのが夢の平凡な可愛い主婦、パール!オーディションに出ようとしたらチラシを見られてお母さんと大喧嘩、うっかり暖炉に押し付けて半身燃やしちゃった!

ついでに不倫相手にキレてついつい農具でブッ刺し、役に立たないお父さんも息の根止めちゃった!友人と約束した通り、オーディションに参加するけれど〜?

あたし、どうなっちゃうの〜〜〜?!!!!!

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過激すぎる情熱と殺意を持つパール!

彼女、本当は踊り子になりたかったわけではなく、母親に愛されたかった、認めてもらいたかったのでは。

その証拠にオーディション中、審査員が母親に見えている。

半身やけどで喋ることも、動くこともままならない。

この母親も、パールも、ものすごい鬱積している感情がある。男に縛られた自分の人生を恨んでいるのだ。

すごい強烈な悲しみ映画だったが

あまりにも強烈すぎてちょっと笑ってしまったw

スカっとするような気もするけど、なんとも度し難い、モヤモヤが残る偉大な作品だ。短めなのもいい。

あと全体的に演出がレトロで音楽が大袈裟で、笑えるような、でも美しい、シュールな作品である。お気に入りだけど、それなりにグロい。なぜ死体解体するんだろうな。

 

2025年5月31日土曜日

アマプラで面白かった映画(8):her 世界でひとつの彼女

AIに恋をする男の話と聞いて。

この映画の面白いところは、主人公がズブズブとAIにハマっていくところで、周りが水着でキャッキャしてるビーチで一人で笑顔でAIのサマンサと会話しているシーンなど、抱腹絶倒なんだけど、あくまでも静かなBGMでシリアスでハートウォーミングな雰囲気を醸し出そうとしているのがたまらない。

AIは単なるプログラム。ソースコードが電気で走っているだけ。彼はいろんな人に「彼女はOS」と紹介しているが、この世界線割とそういう人が多いらしくて「あ、そう。今度連れてきてよ」とか普通に言われるw

しかし離婚はやばかった。相手は?と聞かれ「OSだよ」。離婚する奥様は呆れ顔で皮肉をぶちまける。

起承転結が美しい。笑えるけど。

転、でごく当たり前のことに主人公が気づくのだが馬鹿馬鹿しくて最高である。

AIにはたくさんの相手がいるということ。他にも愛を囁いているということ。

「だけど、私は本気であなたのことを愛しているの。なんて言って良いのか…」

こちらとしても本当になんと言って良いのかわからないまま、ふんわりと映画は終わる。


私にはコメディ映画みたいに見えたが、独身男性は極度の寂しがり屋の人も多いと聞く。

これから増えるぞ、こういうの。後悔しないようにね。離婚はダメだよ。よくない。


エンドロールで主人公がホアキン・フェニックスだった時にもう一度横転した。


AIの声が素晴らしくて、すごくリアルな彼女って感じで、こりゃ騙されるわと思ってたらスカーレットヨハンソンだったw


邦タイトルがひどい。

世界で一つの彼女。世界にたった一人の彼女だが、たくさんの相手がいるww

2025年5月11日日曜日

お知らせです。

かねてから考えていたことですが、こちらのブログの記事投稿を徐々に減らしていく予定です。

来週から良質そうなホラー映画が何本かリリースされますが、そのうち良かったものは私の本名名義のブログの方に感想を投稿していきます。

方針変更の理由ですが、そもそもこちらのブログは収益が基本的にはありません。広告を申し訳程度に貼っていますが、ほとんど収益がなく、手元には1円も入ってきていません。また、もう一つの理由として、本名名義かペンネームのどちらで営業していくかと言う戦略も今まで考えていましたが、本名名義を盛り上げていくのが自分には有利になると考えてのことです。

20年前であれば、ブログだけで稼いでいた人もいたと思います。ですが今の時代、ブログで稼げる人はほとんどおらず、どちらかというと名前を売る、営業的な側面が強いと思います。

(noteは特殊な営業形態になると思いますが、こちらも正直「お金を払う」ハードルが高い)

こちらのブログには、ゲームとアニメの感想は引き続き投稿していく予定です。


またデザイナーとしてこちらのブログのカスタムが非常に面倒で、レガシーすぎるのでいい加減イライラしていた、と言うのもあります。

本名ではないので自由気ままに書けると言ったメリットもありましたが、今の時代自分自身を売り込んでいかないと意味がないかも、と思った次第です。

私はゴールデンウィーク後になぜか重大決断をしがちなのですが、一番まともな季節にまともな判断が下せるのはいいことだと思っています。GW明けに彼氏に離別宣言したこともあります。


どうか世界中の人々が、レガシーでネガティブな習慣を手放す勇気を、決断する勇気を持てることを祈って。

 

2025年5月6日火曜日

ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス

私のXには必然的に(?)映画やアマプラやネットフリックスの情報が流れてくるのですが、その中で気になったこの作品「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」をダウンロードして、旅行中も見ることにしました。

最初こそ少しだるかったのですが途中からかなり面白いというか、2話目でかなり「幽霊」「霊障」が本格的になってきて、どうも霊感の強い人が何人かいることがわかってきます。母親が「おばあちゃんと私はセンシティブ(霊感がある)だから、あなたもそうかもしれないわ」というシーンがあります。

家族構成が少し複雑なので、家族構成を覚えておくと楽な気がします。なんか全体的に似てる人も多いので。

母:リブ、オリビア。霊感が強い。
父:ヒュー。全く霊感がなかったのだが、妻が亡くなってからずっと妻が憑いている。なんなら会話もしている。ふわっとした性格だが優しい。
長男:スティーブ。霊感なしと言っているが実はある。作家としてホラー小説を書いているが、そのことで兄弟から非難される。霊感を精神病と思い込んでいて、遺伝しないようにパイプカットしている。
長女:シャーリー。完璧主義。メイクアップアーティストっぽい(遺体に化粧を施すのがメイン?)
次女:テオ。強い能力を持っていて、直接触れたものの感情・残留思念などを読み取れるため、手袋をしている。クールでかっこいい女性。レズビアン。
ルーク:双子の兄。帽子の男の霊に取り憑かれており、薬物中毒になる。
ネリー(ネル):双子の妹。末っ子。「首折れ女」の霊に取り憑かれており、幼少期から寝るとそれに起こされる。一番良い子。

この家族が転売を考えて古いお城のような建物を買い上げて補修を行うのですが、「ここは寒い」「なんか嫌な感じがする」「常にうるさい」と子供たちに言われ、母親が一番先に霊に取り憑かれます。

そして母親は「自殺」。その他の霊障にもほとんどの子供が悩まされ、トラウマを抱えることになります。

その後、時は過ぎて26年後、ネリーが突然自殺をし、家族が葬式に集まることで、真相が徐々に解明されていきます。

時系列は結構入り乱れますが、これにはどうも、「霊には時間が関係ない」ことも示唆されているようです。

ただこのドラマの良かったところは、「幽霊怖いね」とか「なんかに呪われてるから祓っておしまいにしよう」みたいな単純明快な話ではなかったところです。

もしそうだったらバイオハザードとか、ジャンプ漫画みたいな感じで終わらせられたと思います。そっちも悪くはないのですが。私はこのドラマみたいに、人の複雑な感情をリアリスティックに描き、感情面や人間関係に重きを置いた上で、人生の普遍のテーマに挑むといったストーリーがとてもディープで良かったです。

家族がそれぞれ別のものを見て、兄弟や親に信じてもらえないのも悲しいですし、そちらで精神を病むこともある。「信じられるはずだった」親や兄弟が信じてくれないという悲しさ。

また終盤で親と管理人が「子供をこれから厳しい世界に送り出すのがとても怖いから、家で保護しなければならない」と言った考え方を持ち出してきますが、これが逆効果であることも示唆されます。

私も東京に実家があるにもかかわらず25歳で家を出ました。決して、住みやすいとは思っていませんでした。家が守ってくれるわけではないことを、私もずっと自覚していたのかもしれません。なのでわかる気がしました。

この家族は決してものすごい仲が良いわけでもないのですが、一緒に酷い経験をしているので半分仕方なく面倒を見たり気にしているところがあり、そこもリアリティがあるなと思いました。

下手な、「家族大好き至上主義」ではなくて良かったです。

また、なぜ自殺に追い込まれるのかもしっかり描写していて、伏線張って回収していくところも良かったです。

多くの人がそうだと思いますが、「首折れ女」の正体には本当にビビりました。あの回が一番怖かったですね。衝撃的なエンディングを迎え、呆然としているところに無音のスタッフロールが流れてめっちゃ怖かったですw

映像もとても暗いですが、幽霊の表現は上手いなと思いました。音もなく近づいてきたり、突然街中に霊が見えたりとか。

2025年4月26日土曜日

「異端者の家」今のところ今年ナンバーワンです!!

公式が画像使ってくれと言っているので

今年の映画はなかなか良いラインアップが来ているものの、「これだ!」と言う映画はまだ出会っていなかったのですがこの「異端者の家」は、今のところトップランクに躍り出た感じですね。予告編では宗教勧誘をいじめるヒューグラントと言う構図しか分かりませんが、もっともっと奥が深いストーリーでした。

あまり期待していなかったものの、映画館に足を運んだ理由は、やはりA24には今後もぜひ頑張ってオリジナル作品をどんどこ出して欲しいという期待があったのと、ある程度のクオリティを期待できると思ったから。

A24の特徴としては、やはり残酷な映画が多いという側面がありますが、今回もそうではあったのですが、私に言わせればA24にしては残酷シーンはかなり控えめでした。まあ、血は出ますけどね。

ロジカルなレスバトルが知的好奇心を刺激する!


モルモン教は積極的な宗教勧誘が特徴です。

この映画では若き信徒の二人の女性が、リクエストがあった家に勧誘に出向きます。リクエストされて行ったものの、不快な質問を浴びせられ、女性がいなければ家に入れないと言っているのに一向に「妻」が出てこない家で、怪しいおじさん「Mr.Reed」と知識やロジックのバトルを始めます…!

明らかに嘘をついているミスターリード。信仰を揺るがすロジックと、それの穴を突くシスターバーンズ。どこまでが嘘で、どこからが本当か。謎解きに近い会話の応酬を楽しめます。セリフ量が多いので目が離せません。それから、ヒューグラントの細かいリアクションからも目が離せませんので、注意。さらにいうといちいちアイテムや伏線とかも要注目です。

特にブルーベリーパイにはまいりました。というか、パイってホラー映画に使うとただひたすら怖いですよね…


ホラー映画としてもテンポが非常に良い

最初こそ、不快な質問ややけに詳しい宗教の知識など、焦らした応酬がありますが、割とテンポよく、女性の二人も逃げ道を探したり、咄嗟の言い訳を考えたりと、応酬にも緊迫感が乗ってきます。

また、ヒューグラントのセリフ量が多く、畳み掛けるように信仰をゆらがしてくるので、飽きるということはありませんでした。

しかもこの家、奥に行くほど何かあるのです。これは、クワイエットプレイスというよりは、「ドントブリーズ」みがありました。


ホラー脱出ゲームのような、次の部屋に何があるかわからない怖さ


結局映画を見ていても家の構成はわかりませんでした(笑)が、ドアが次々に現れ、ノブが違ったり、隙間が空いてたかと思うと実はどっちからでも同じところに行けたりと、訳がわからない怖さがあり、なのにドアの向こうに何があるか知りたいという好奇心。ちょうど良いバランスで引き込まれます。特にバーンズが左の扉を開けて一回閉めたのが面白かったですw

ヒュー・グラントのキャラクターがとんでもない。怖い。


ヒューグラントといえば、ハリウッドではラブコメキングとして一世を風靡したキザなイケメン俳優です。おそらく隣に座っていた中年外国人女性グループは、ヒューグラントのファンだと思います。

私は「Two Weeks Notice」が大好きで、何度見ても爆笑です。しかもこの映画、「ラブコメの女王サンドラ・ブロック」との共演。どっちもめちゃくちゃ笑えるキャラでした。特にライバル女に「遊び」を持ちかけられて「Oh, Pokemon?」ととぼけるヒューがいまだに忘れられません。

今回も玄関のドアを開けるなり、フレンドリーな甘い笑顔と、イケボで陽気な会話。何一つ邪気を感じないのですが……

これが徐々に邪悪さを露呈し、最終的には笑顔でとんでもないことをしでかすサディスティック帝王に変化します。ギャップがものすごい怖いので、ヒューグラントはいいおじさん!と思っている人にはお勧めできません。

逆にこれだけ、笑顔でチャラいからこそ、詐欺師感が説得力あるとも言えます。


ジェンダー問題にも少し絡んでくる、「リードが信じる、ただ唯一の宗教」

リードが信じるという唯一の宗教は、最後に明かされますが、私はこれ、男性の持つ悪い側面をそのまま宗教にしたのでは?と思っています。

リードの過去は明かされていません。

ですが、浅いロジックで若い女性を論破しようとしたり、束縛して帰そうとしなかったり、平気でホイホイ嘘をついたり、サディスティックな行動を起こしたり。

まるで性的なことには興味がないのですが、あのマンスプは典型的な嫌な男の悪い癖ですね。

この作品、最後まで見ると、さらにこのリードが「悪い男」の典型であることがわかってきますのでぜひ見ていただきたい。


シスター・バーンズの勇敢な美人キャラが最高


シスター・バーンズは最初にリードに反論した勇敢なキャラクターです。とにかく美人だしかっこよかった。しかしだからこそ、リードには狙われます。
あと彼女は少し、モルモン教徒らしくないところがあるなと思いました。仕方なく入っているのかな?


連続するどんでん返し


対してシスター・パクストンはよく日本にもいる、「男に合わせて笑顔でご機嫌を取っておけば殺されない」と考えるタイプです。正直だめなんじゃないかなと感じましたが、終盤になって本気を出しますのでお楽しみに…終盤の活躍は、彼女が従順で意志が弱く、臆病だからこそ感情移入もしやすいし、恐怖感が増して大変スリリングです。


ギリギリまで、結末がわからない、秀逸な脚本


私は最後まで、彼女らが生きて帰れるのかさっぱり予測がつきませんでした。A24であれば最悪なエンディングも十分あり得るからです。非常に緻密な脚本で、逃げる逃げない、攻撃するしない、彼女たちの、ある種冷静な知能戦が、勝てそうで勝てない、何かに騙されているという細かいディテールの詰め込みでありながら、筋が通っていてスッキリする内容でした。


そして宗教を扱う作品として、私が感じたことです。

エクソシストのような、対悪魔系ホラー映画は、純粋なキリスト教徒の話になります。キリストを信じているからこそ、悪魔が悪になる訳です。信仰が厚くなければ成り立ちません。

ですが、今回は宗教の根底を揺るがそうという男を、「異端者」としています。

その異端は、決して悪魔を勧めているわけでもなく、悪魔にも取り憑かれていません。

信仰とはなんなのか?終盤でパクストンが唱えることが真実だと思います。奇跡とは決して、傷が癒えるとか、死から蘇ることではないんですよね。

パクストンすら、祈りに効果はないとはっきり言及しています。盲目ではないのです。では信仰とはなんなのか?それは自分の生きる上での信条や選択を信じることだと、私は思っています。リードが言っているような、「キリストをヒーロー扱いすること」ではないと思っていますし、盲目に聖書を信じることでもないと思います。

非常に奥の深い内容で、ロングレッグスのような妙な悪魔論や奇蹟にも頼らず、リアリティやロジックがある、良質な作品でした。

2025年4月10日木曜日

アドレセンス最終話

私は第4話は蛇足だと思うのですが、結果はわかったのでよしとします。

もしかしたら見つからない凶器のエピソードなど、他にも予定していたのかもしれないですよね。

最後にまた父親が泣いていましたが、父親の問題だと言えるのでしょうか。確かに未成年のしたことだから、父親に責任はあると思います。臨床心理士もまず父との関係を聞いてきました。男の子はまず父親の影響を受けるし、彼が小さかったから、特に顕著にそれが出ると思ったのでしょう。実際ほとんどの場合そうだと思います。

ただ、私は最後までジェイミーの心理状態が気になっていました。

おそらく間違いなく刺殺をしていると思われます。でなければ逆にあんなに冷静でいられるはずがありません。むしろあの冷静さは、彼の残虐性を示していると思いました。怒りながら何度か「あの子はビッチだった。そう思うだろ?!」と臨床心理士に問いかけていたからです。 そこには罪の意識や後悔がほとんど感じられませんでした。最初こそ泣いていましたが、「やらかしたことがバレたから」と言うふうにも感じられました。また、隣に父がいたからだと思います。

つまり第3話が何を言いたかったかというと、ジェイミーは「ケイティは殺されて当然だ、僕が悪いんじゃない、けしかけたのは向こうだ」と言いたかったんだと思います。

ですがどんな理論をこねくり回しても、貢いだキャバ嬢が付き合ってくれなくても、お金を貸した配信者がお金返してくれなくても、殺していい理由にはなりません。

殺したい気持ちだけはわかります。私もなんとかしてセクハラ野郎を消したいと思っていました。でも殺すのは絶対にいけない。向こうもなんとかして私を手に入れようと毎日願掛けをしていたと思いますが、縁切り神社に縁切りをお願いしたら私の願いの方が勝ちました。(目には目を、願いには願いを)

殺したいほど憎い相手に対して、法的に問題のない範囲でギャフンと言わせてやる方が遥かに安全で効果的だと私は思っています。


ただ、今回の問題は実はそこではないんだと思っています。発端はインスタグラムでした。これがもし、インスタがない場合どうなっていたでしょうか。

思い返すに、私の時代は直接罵声を浴びせる、聞こえるように陰口を言う、仲間外れにする、といったいじめが主流でした。ですが、どちらかというと日本らしく、男子が女子をランキングすると言うことが堂々と行われていました。

女性はもしかしたらやっぱりすごく強くて、そういったことに耐えられて、報復として殺しなどは考えない。男性は耐えられなくて、怒りを抑えきれず殺してしまう、精神的に弱い種族なのかもしれません。

そして「インセル」にも大変問題があると感じました。

インセルはインターネット上でコミュニティを作ってしまっており、一度はまってしまうとなかなか抜けられないのではと推察します。一度女性嫌悪を自認したら、なかなか次の恋愛にはいけないでしょう。悪循環です。しかも、私のような独身女性がよく言う「もう恋愛めんどくさくて無理」ではないのです。彼らは真剣に女性を憎んでおり、暴力や殺害を推奨し合うコミュニティなのです。

そして多感な10代でこのような思想に染まってしまうと、なかなか考えを変えることができないでしょう。自称インセルの人たちには根本的な治療が必要だと私は考えます。

(ジェイミーは自分がインセルだとは言ってませんが、言われて怒るということは心当たりがあると言うことだと思っています)


つまり発端は別にインスタである必要はなかったわけです。世の中にはXもあるし、フェイスブックもあるわけです。インターネットが一般人に広まってからは、迷惑メール、フィッシング詐欺に常に攻撃を受けていて、私は先日LinkedInで外国人にメールで口説かれましたが、写真を画像検索したら同じ写真で3名いたので「大した詐欺師ですね」と返信したら返事が来なくなってしまいました(つまらん)。LINEグループでいじめられるなんてのも聞いたことあります。

何かの教育が必要だなと感じるのですが、おそらくは「ネットリテラシー」と言う分野になると思います。私が教育実習をしていた時代にはなかった科目になりますね。

まずはインターネットで見たことを一度は疑うこと。

あと何が危険なのかを教える。「インセルって言ってる奴らに関わるな」「あいつらは殺人をする団体で、同じことをしたら一生が台無しになる」と言う教育をすると言うことになります(他にも色々あるけど)。

また、差別用語をネットで書かない、他人をネットで攻撃しないと言うリテラシーも必要になってきます。

あとは、女性を憎んだり、女性からの評価を過剰に気にする症候群は、もしかしたらやはり父親が話を聞いてあげるべきなのかもしれません。

13歳なんてまだモテ非モテすら気にしなくていい年齢のはずなのだから。

ジェイミーは頭の良い子と言われていました。しかし最後に謝罪したのは、父に対してだけでした。これから年を重ねるにつれて、罪の重さに驚くと思います。父親ひとりではインターネットを止めることはできない。様々な場所で、教育をしなければならない時代なんだなと思いました。


私がとても運が良かったなと思うのは、たまたまアメリカで受け取っていた父の会社の福利厚生であった日本の学習雑誌が、実に丁寧に性教育を説いてくれていたことでした。少女漫画テイストで描かれていました。あの雑誌がなかったら、私はもっと母親を恨んでいたと思います。