2025年3月30日日曜日

やっぱりパティンソンが可愛い「ミッキー17」

久々に見たパティンソン君は一児の父になったにもかかわらず、相変わらず迷子の末っ子王子様オーラが抜けておりませんでした。最高か。

しかも今回SF的な設定でパティンソン君が増えるわけです。画面上には最大2人ですが。

この世界では、人類が別の惑星に移住する宇宙開発のための「エクスペンダブル」つまり消耗品になる人間を募集していました。なりたがる人があまりいなかったのか、主人公のミッキーは消耗品枠で移住計画に参加し、訳あって地球を逃げ出します。

そして過酷な惑星開発の途中で死んだら次のミッキーが「プリント」複製されるというシステムです。

このシステムで、17番目が死んだと思われていたら生き残っていて、18番目がプリントされてしまっていて、そこでマルティプルズという違反が起きてしまいます。

全体的にブラックコメディテイストなので、悲壮感は和らげられていますが、過酷は過酷です。

ロバート・パティンソンは悲惨なキャラが似合いますが(選んでるのか?)、今回倫理観ギリギリを攻めてくるので(倫理的にはアウトなんだが、SFというのは本来そういうもので、映像的にはギリギリということです)、「パティンソンいじめないでよぉ!」と思うタイプの人には向いていません。が、私でも結構胸がギシギシと痛みました。

この映画は好き嫌い、共感できるできないが分かれると思いました。

私は結構共感できた方です。

ミッキー17と18の性格がちがいすぎて面白かったから、というのもある。

どちらもベースは自分自身。記憶は一週間単位のズレしかない。つまり自分の分身みたいなものです。ですが、やはり人間だからなのか、複製するたびに少しずつ性格が異なり、17と18は極端に違いました。

17は元々のミッキーの性格だと思います。おバカで素直でいい人キャラ。言われた通りに労働をこなして殺されるのが契約であれば仕方なく受け入れてきました。

しかし18から性格が豹変します。予告編で、なぜパティンソン君が変なアホ声で喋るのかよくわかりました。18は17に言わせれば「サイコパス」。冷酷冷淡で、表情も声も違うww表情でもどっちか大体わかりますが、喋らせれば一発でどっちかわかります。

この二人が口論するシーン、終盤の会話のやり取りなどもめっちゃ面白かったです。

「なんでお前はそんな扱いされて笑顔で受け入れてんだ!やり返せ!ばか」的な罵られ方をしてしょんぼりする17もめっちゃ可愛いし、全く同じ外見なのに「そういうこと言ってるんじゃねぇよ!」と怒り出す18もめっちゃ面白かったです。言うなれば、自分の別人格と対話しているんだとも言えます。私の脳内会議なんて大体こんなもんです。

ただ、ポン・ジュノ監督が深いなと思ったのは、実は18にはいいところがすごくたくさんあることがどんどん判明していくところなんです。特に終盤の会話でやたら過去の思い出を悔やむ17に「あれはお前のせいじゃないぞ。何度も言ってんだろ」と冷たいけれど17を救うような言葉を投げかける18。真相はどっちなのかわかりませんが、これは

「実は記憶というのは受け取り手によって解釈が違う」

ことを示唆しているのでは?と思いました。

これってとても重要で、ミッキーに兄弟がいない場合(出てきませんが)ミッキーは「あれは自分のせいだ」と思い込んで自分を責め続けると思うのですが
18が出てきたことで、「実は自分の解釈が違っていて、自分を責める必要がない」という考え方が登場する訳です。そこで、17は救われるわけ。

私は妹が2人もいるので、たまに2人に昔の記憶を吹っかけて、どう思うか聞いたりします。子供の時は親とは全く視点が異なるので親だと共感はまず得られないというのがあります。ですが、年齢が近い姉妹に同じ記憶を思い出させると、過去の記憶を正すことができる訳です。もちろん、「あれは最悪だった」という嫌な結論で終わることも多いですが。

ずーっと自分が悪いことをしたから罰を受けているという解釈は、わかるにはわかるのですが、そこを脱却しないと次のステップへ進めないというのはあると思うんです。サイレントヒル2もそういう話なんだと思っています。

17は少々アホですが、素直なので、18の強気な意見や考え方に多少の影響を受け、これからも何かと嫌なことが起きた時、18ならどう思うのか?と考えるようになるでしょう。あれは一見はただの事故で誕生した複製ですが、自分の新しい視点が生まれたと考えることができます。

女性の視点から観る「ミッキー17」

ナーシャがとにかくすごいですよね。

ナーシャはミッキーの恋人ですが、18が現れて増えたとき言い放った言葉が衝撃的でした。

「どっちもミッキーなのでどっちも私のもの!」

なんだそりゃ!って感じです。同じ肉体が2つあって、記憶もほとんど同じで人格だけ違うのに、気持ち悪くねぇのかよって思って、その時、17が麻薬みたいなものを見つけて酔ってるからだろ!ってツッコむのですが、彼女は多分本気で言ってると思います。

なのでナーシャも、これも捻りのある設定で面白かったのですが正直ちょっと頭おかしいところがあるんだけど、言うなれば、重い女、愛が深すぎる女であることが後半はわかってきて、いいなと思いました。

ただ、まあ、私は、双子のどっちかと付き合っててそっくりの奴がもう一人現れても普通に一人目を選び続けるし割と勘がいいので騙されないと思います…w

ある意味、ナーシャもちょっとサイコなところがあって全体的にまともな人を探すのが難しいところが、ポン・ジュノなんじゃないですかね。

雇い主のサイコっぷりも、ある意味アメリカ人の考えるラスボスより狂気感じたし、自称友人のあいつも、、、ものすごいヤバかったですwww

スカっとする復讐劇というよりは、絶望的な状況まで持っていって、なんとかかんとか辛くも解決するという感じだったので、笑えそうで笑えないギリギリなところ攻めてくるなと思いました。ストレスは溜まるので、やっぱその辺がポン・ジュノだなって思います。ブラック企業の闇を暴く社会派ムービーと捉えることもできます。SFとしては少し弱いかな、と感じましたが、SFじゃないとこの設定使いづらいですからね…

2025年3月20日木曜日

ロングレッグス

この映画は予告編の映像が本当に素晴らしく、もう絶対観たくなるような素晴らしい出来の予告でした。笑

連続殺人現場に残される、謎の暗号。不気味な人形。追われる若い女性のFBI捜査官。奇妙なシリアルキラーの気持ち悪い声など・・・
「羊たちの沈黙」「セブン」アランウェイク2や、ザ・バットマンのノリとも似ていました。ザ・バットマンが凄いなと思ったのは、バットマンがバットマンの格好してなかったら完全に狂気のシリアルキラー殺人事件・テロの話になっちゃうところなんですよね、ちゃんと大量の暗号も出てくるし、グリーティングカードや爆弾も届くし。

ロングレッグスは誕生日(訳あって少しずつずらしたりするが)に殺人事件が起きるので、予告の暗号もバースデーカードで届いたりします。その辺もお約束と言ったところでしょうか。

雰囲気は抜群の良さで、ホラーというよりは、ちゃんと殺人事件の捜査をする刑事ドラマになっていました。

よくあるパターンで、主人公は犯人と特別な繋がりがあるという話でした。

そこまでは非常に面白かったんですよ。

ですが、オチがちょっとアレでした。オチは、やはり羊たちの沈黙には遠く及ばない内容でした。どちらかというと、シャラマン監督とか、ジョーダン・ピールが得意な分野ではないかと思います。どっちに振りたいのかがちょっとわかりにくかった。ただ、アメリカ人はこういうの好きな層がいると思います。とはいえ、この料理方法はちょっと、と思いましたけど。

予告編に十字架の掲げられたドアがあったのをよく覚えていて、しかもそのあと牧師が登場するので・・・つまり、キリスト教(と悪魔崇拝)をある程度理解している前提の話になると思います。


もうちょっと描写が欲しいなと思ったところは、やはり人物の心理描写です。

主人公の女性の心理はまあまあわかりやすかったですね。途中で犯人と同じ行動を取るところがあり、「あれ、感化されてないかこれ」って思ったり。

ですが、母親は何もかも忘れたなんてことはないと思うので、もうちょっと葛藤が欲しかった。

犯人もそうです。彼がロングレッグスになった理由が推測することしかできず、それもほんの数秒のカット。生まれたことを嘆いている、しかわかりませんでした。だからバースデーに固執するんだと思うんですが、、なんで化粧をしているのかは未だわからず。あと女性に異様にこだわっていて、殺すのはいつも女の子なのですが、一体何があったというのか、、

ここで、もし我々映画オタの行間を読む(読みすぎる)推理能力を発揮するのであれば、ロングレッグスは「実は不細工で」「不細工と母に罵られたことを根に持っていて」「化粧で誤魔化して」「でも女が嫌い!」とかになるかな。ジョーカーっぽい。

ニコラス・ケイジの演技力自体は素晴らしくて、さすがだな〜と思うのですが、だからこそもったいなかったです。あと、なぜか序盤で突然歌い始めますが歌が、めちゃくちゃ、うまいですw

あともう一つよろしくないことがあります。英語が理解できないとわからない箇所がありました。(これは洋画でよくあることなのですが)字幕問題。やや深刻かもしれません。

ですがそもそも悪魔がどうたら、黙示録がどうたらとかなり話を複雑にして、悪魔の数字から計算までさせるので、ぼーっと観られる映画ではございませんでした。ぼーっとしたいならセリフが一切ない「Flow」がいいですね。



2025年3月16日日曜日

Flow を観てきました

アカデミー賞長編アニメーション受賞作品です。

今日は英会話の先生が退職する日で、無理やりブッキングしたため昼過ぎまで予定が空いてしまい、家にいると絶対だらだらするので映画館を調べてこちらの映画を見ることにしました。

全編CGで作成されており、主要ソフトウェアは無償のBlenderです。

Blenderは無償のため、多くのクリエイターが使用していると思います。私も学習しました。

それではFlowの感想ですが、小学生レベル風の感想と、大人の拗らせオタク風の感想2種類用意しましたので好きな方を読んでください(ぶん投げ) 


小学生風の感想

ネコちゃんがリアルなのにちょっと漫画風で、とても可愛かったです。犬はちょっとうざかったです。特に、人の食べ物を勝手に食べるのは良くないと思いました!
猿は、役立たない持ち物を大事にし、鏡ばっかり見ていてインスタグラマーみたいでした。
最後の方はよくわからなかったけど、みんな仲良くしようねってほっこりして終わりました!
ネコちゃんがかわいいのでおすすめです!


大人の拗らせオタク風の感想

紀元前3000年頃に、地球上で大洪水が起きたと旧約聖書には書かれている。これがかの有名な「ノアの方舟」伝説である。

旧約聖書によると、神は堕落した人類を嘆き、大洪水で一度人類を滅亡させることにした。だがただ一人、600歳の信心深く善良な「ノア」を選び、方舟を作れと命じた。ノアは、洪水が来ることを多くの人間に伝えたが信じてもらえず、自分の家族と、動物たちをそれぞれつがいで方舟にのせ、洪水の被害を免れ、のちの人間は全てノアの子孫だという。

さてFlowでは注意事項にもあるように、津波がやってくる。主人公は猫であり、猫はあまり水が好きではないので一生懸命逃げる。なおも上がり続ける水位に、私はこれが大洪水であると確信を得た。
しかし、人間が見当たらないのである。
これについては、これからも多くの考察がなされると信じている。猫が冒頭で、人間のベッドに戻るシーンがある。しかもその部屋には、猫の彫刻やスケッチが置かれている。明らかに人間のものだ。だが人間が一人も出てこない。

もしかしたら、これはすでに旧約聖書に書かれている大洪水が起きている途中経過であり、事前に情報を得た猫の飼い主は、さっさとボートで逃げ出したのかもしれない。
とにかく人間が出てこないのだが、人間の残した「もの」は大量にある。
家があり、都市があり、謎の石像のようなものがたくさんある。

さて、私がこれが旧約聖書をモチーフにしたのではないか?と考察したのにはもう一つ理由がある。謎の宗教的遺跡が登場するからである。明らかに人間が作ったものだ。

確証はない。だが明らかに神がかった力がそこに働いていたと思う。この遺跡で行われたイベント(ここはあまり書くとネタバレなので伏せるが)のおかげなのか、そのあと水が引き始め、洪水が終わるのである。
しかし人間がやはり見当たらない。

ノアは登場しないが実はいるパターンなのか、本当に人間を滅ぼしてしまったパターンなのだろうか。

さてキャラクターは全て動物だが、これらの生き物にはそれぞれ善良な者と愚かな者がおり、これも寓話的なものを感じる。

まずは猿だ。
猿は持ち物に執着を示すが、その持ち物が全く役に立っていない。装飾品を身につけ、鏡ばかり眺めている。こんな人間はよく見かける。都会の承認欲求に飢えた若者を揶揄しているように感じる。所持することに執着を示す浅はかな人間の例えである。

次は犬。私には愚かな男性のように見えた。特に他人の食べ物を見つけるなり食べ尽くす姿などは最近話題の「食い尽くし系夫」を彷彿とさせる。非常に短絡的で、獲物を見ると本能的に追ってしまうので、物事の優先順位が理解できていない。

鳥については難しかったが、唯一猫を庇ってくれた善良なるキャラクターである。ちなみに彼は、犬が乗ってくることを最初拒否していた。彼は悪い生き物を見分けられる可能性がある。あと、多分この鳥のおかげで洪水が収まっている。(詳しくは映画を観てくれ)

カピバラについては、彼はそもそも敵対心もなければ運動神経も欲もない。ぐうたらと転がってばかりである。善良な一般人と言ったところだろうか。だが、おそらくいじめられやすい。

猫に関しては、我々が主人公に感情移入するためにも常識的な性格になっている。食べ物が必要なものにはわけ与え、犬に対しては警戒心を示し、呆れた顔で接する。ある意味ノアっぽい。

クジラはどうだろうか。私は彼は神の御使いなのではないかと思った。クジラは陸では生きていけないから、洪水の時だけ現れるとかなのかもしれない。神秘的な生き物である。しかもこのクジラだけ、デザインが現実からかけ離れているので、やはり神の可能性がある。

その他様々な考察ができると思う。まだ観たばっかりで、映像美や「Blenderでここまで創れるのか」と創った人に敬意ばかり感じていて、まだやっと足元に座ったような気分なのだ。



2025年3月9日日曜日

「ウィキッド」とても良かったです!


まあANORAより日本人ウケは良いだろうなと思っていたけど案の定

映画館は久々に両隣に人がいて、8割方埋まってた

私がこの映画、一番ウケたのはアリアナ・グランデの演技でした

彼女はお笑いの才能があると思いましたww

近いところで言うと、ハーレイ演じてる時のマーゴット・ロビーのような面白さがあります。

アリアナ・グランデは小さい頃からグリンデを演じることを夢見ていたそうで、 ものすごい熱の入れようでした。私でも見ていてわかります。カメラのピントが彼女に合ってなくても完全になりきっていてずっと画面端でも演技してましたw本当に好きなんだな〜ってのが伝わってきました。

世界でもトップクラスの歌姫がですよ・・・本当にハマり役でした。アカデミー賞は獲れませんでしたが、ノミネートされただけでも大喜びしてましたね。

あとアリアナ・グランデのスタイルの良さや身体能力(ダンス上手い)、圧倒的な歌唱力、これだけでも観る価値があります。他の人もすっごく上手かったです。

ララランドってなんだったんでしょうね。私はあれのせいでアメリカのミュージカルはもう終わったのかと思ってましたよw

半分以上はアリアナのおかげで大満足だったのに、下調べが甘くてまさかのミシェル・ヨー出現でさらにお得感マシマシになってしまいました。ものすごい盛ってきてる感あった。

ミシェルが歌うよ!みんな!!

途中から悪役になるんだけどあまりにもカッコ良すぎてミシェルお姉様に胸キュンでした。ああいうふうになりたいw

エルファバもすっごい歌が上手い人で、アリアナの綺麗なソプラノとは対照的な美しいアルトボイス。低くてカッコよかったです。

他のキャラクターもすごい存在感があって、一発で覚えられるし本当に良作だと思います。これがディズニーじゃないことがまだ信じられません。今頃ディズニーはハンカチ噛みちぎってると思いますよw

オズがジェフ・ゴールドブラムだったのもよかったですね〜、これは観る前にたまたまXで勝手に流れてきたんですが、配役聞いただけで爆笑でした。案の定の凄まじいペテン師っぷり。

ジェフ・ゴールドブラムがジュラシック・パークの時の若さだったら、あの頃みたいに「あらセクシーなイケメン」って思われたかもしれませんが、だいぶいいお年(70代)なので「あのまま調子づいて歳を取った勘違いちょいワルオヤジ(しかし尖り切れてない)」って感じでした。ロマンチスト・・と言われれば確かにそうなんだが・・笑・・ジオラマで遊んでる現実逃避野郎に見えるんだよなぁ・・

あと突然現れるイケメン王子「フィエロ」(ジョナサン・ベイリー)がものすごいイケメンで、尚且つチャラいのに歌もダンスもイケイケで、いいキャラでした。彼は真面目な演技ももちろんできるので、今後もスクリーンで観たい俳優ですね。それにしても英国にはイケメンが多いですね〜〜〜〜

私は幼い頃、アメリカで「オズの魔法使い」をビデオで初めて観て、「結構シビアな話だな」って思ったのをよく覚えています。例えばハートを失ったブリキ男は、働きすぎて愛を忘れたという設定らしく、現代にも通ずる風刺を感じます。勇気のないライオンもすごい風刺ですよね・・・

そして最たるものが「オズ」。子供の時も、「うわっすごい嘘つきだし悲しいじゃん!」って思ったのをよ〜〜く覚えています。とても怖いなって思ったんですよね、大人になると、こういう嘘や、まやかし、騙されて愛を失ったり、外見だけで中身のない人間と出会うことになるだろうと。そしてそれは間違いではありませんでした。

元々オズの魔法使いは強烈な風刺、ブラックユーモアな話だと私は思っています。(アリスはおそらく英国王室の風刺でしょうね)

今回のウィキッドも嘘やまやかし、民衆の煽動(これはなんならSNSやTVの風刺かも)が後半はてんこ盛りです。彼女らが戦っている相手は政治そのものだと私は思っています。

オズが言っていた「人には道を用意してやればいいんだ」がすごい日本の政治っぽいなとゾクっとしました。

そしてこれはパート1なので、パート2はもっと激しいことになるんだろうなと思っています。

パート1はグリンダがエルファバと知り合って仲良くなるまでの過程が「ウェンズデー」や「ハリー・ポッター」みたいな楽しさがあったのですが、もう学校を飛びだしてしまったので、今後は自立した彼女らの戦いになるんだろうなあ。

おそらく悲劇はあると思うんですよ。でも私は悲劇でも、きっといい話になるだろうなと信じています。(原作未履修ですw)

アリアナ・グランデがインスタグラムで小さい頃のドロシーの仮装を載せていますが、私がアメリカに引っ越した時、すぐにハロウィンが始まってしまい、急遽母がどこからか借りてきた衣装がやはりドロシーでした。カゴまでついていました。私は髪が短かったのですが、そのワンピースが可愛くて気に入って、学校と父の会社のパーティーの2回ともそれを着て行きました。

アメリカ人の多くの心に染み付いている作品だと思います。男子ならバットマンですかねw

2025年3月3日月曜日

謎すぎるハイテンション映画「ANORA アノーラ」

アカデミー賞発表は結構楽しみなのですが、幸い「ANORA」は見れると言うことであらすじを読んでなんとなく女性向けかと思い観てきました。

ですがこちら男性が観てもなかなか驚きのクレイジー映画ではないかと思います。

少しネタバレするかもしれないので、これから見る人は控えていただければと思います。あと気を付けるべきはR18なので特に序盤は最初からエロ・セックスシーンが多いです。グロはありません。


題材は至って普通の筋書きと思えました。

娼婦がロシア語を話せると言うだけでロシアの大富豪のおぼっちゃまに気に入られ、弾丸的に結婚します。ですが、展開に無理はなく、一週間も有料で娼婦を束縛した結果、気に入ったから結婚する!と言う感じで、女性のアノーラことアニーも最初は疑っていましたが、本気だと言うので、承諾したという感じです。しかもイヴァンは確かにスポイルはされていますが、女性に手をあげたり怒り散らしたりする性格ではありません。変な性的嗜好もありません。みんな楽しければいいという現代的なゆるキャラです。

アニーは決して頭がパーな娼婦ではありません。非常に魅力的なキャラクターです。

絶世の美女ではありませんが、魅力的なボディと、ハキハキした可愛らしい美声、そしてコミュニケーション能力で仕事をこなしてきました。私に言わせればどんな業界でも通用すると思います。そして、頭がいい。雇い主に社会保険がないなら辞めると言う交渉まで持ちかけていました。(つか社会保険ないんですねこういう業界・・)

ですが結婚はイヴァンの独断であり、両親が嗅ぎつけた途端に3人のロシア人がイヴァンのところに押しかけ、離婚するように言ってきます。

筋書きは本当に普通なんですが、ここからがものすごいハイテンションで強烈なコントを見ているようでした。笑わずに終わる観客はあまりいないと思います。

ANORAの特徴は、すべてのキャラクターが思いの丈をぶちまけ、全員何かしら主張してくるのですっごいうるさいところです。普通の脚本だったら3人が同時に喋る時はなんか工夫があると思いますがこの映画は同時に3人がハイテンションに捲し立てます。例えばロシア人2人が口論をしていると、アニーが「Excuse me! Sir!!!!」って強引に割って入ろうとします。

離婚裁判もひどかったです。弁護士は「何が起きているかわからないが、知りたくもない」と言うほどカオスな状態で、普通離婚裁判というのは当事者が主張して離婚するのに、なぜかトロスと言うおっさんがめちゃくちゃ割り込んできて、警備員に腕で制止される始末。とにかくどいつもこいつも主張が激しいw

キャラクターの解説をするともっとわかりやすいと思うのでざっくり思ったところを書きます。

アニー

激しい度★★★★★

離婚しろと言われ、イヴァンが脱走すると豹変し、2人の大きいロシア人男性相手にものすごい派手に暴れ回り、最終的に絶叫するのでさるぐつわをかまされる始末です。どっからそのエネルギー来るんだよっていう。

ANORAの見せ場の一つですね(苦笑

トロス

激しい度★★★★
しつこい度★★★★★

イヴァンの親の命令を受けてイヴァンの保護観察をしているボス。

一見紳士的だがめちゃくちゃしつこくて強引なのが特徴。激しくはないと思いきや、車がレッカーされるとわかると突然何もかもぶっ壊して逃走。結構ヤバい。

真剣にうざい上に、合法な結婚を違法だと言い切るのでやはりヤバい。あと老害。

イヴァン

激しい度★★★

最初は激しい抵抗を見せたものの、途中から酒に逃げる。非常に弱い。

弱いんだけど、私にはわかるんだよ。彼は自立したいんだよね。根は悪い子じゃないし、本当に結婚して自由になりたかったんだと思う。仕事してないから資金が尽きると思うけど。

イヴァンの母

激しい度★★★

とにかく性格が悪い。多分、この人のせいでイヴァンは自立できてない。

イヴァンの父

激しい度★★

顔だけ怖い。自分の妻が愚弄されているとき爆笑していてメンタルがマジでやばかった。イヴァンを助けろよ・・・

ガルニク

激しい度★★
愚痴っぽい度★★★★★

すごい愚痴っぽくマイペースなトロスの部下。絶妙な倦怠感を場に漂わせる。

イゴール

激しい度★★★
クール度★★★★★

唯一?まともなトロスの部下。だが仕事と割り切っているのか、命令されればいとも簡単に激しく器物破損する。アニーにはかなり手加減していたんだな。フードを目深に被っていると正直怖い。

一度だけアニーを庇う発言をしたのはすごい勇敢だなと思った。

あと多分映画見てる女性全員彼に惚れる。笑


他のキャラクターもなかなか主張が強いのですが・・・

これは私が出した結論ですが、モブキャラにも結構セリフを与えているところから思うこと。

つまり「どんな人間にもバックグラウンドがあり、それぞれの意見・信条がある」と言うテーマが隠れているのではないかと。

現代の問題点として「人の気持ちがわからない人間が増えている」と言うのが多かれ少なかれあると思います。

私はそういう人間の治療に映画は使えると思うんですよね。小説でもいいんですけど、「今このキャラクターが何を考えているか想像しなさい」と言うやつです。

例えばこの映画を観て、「イヴァンはどうしようもないドラ息子だ」と結論づけるのってかなり浅はかだと思うんですよ。

イヴァンの視点から見たら、「結婚して自立したい」「親と話して説得して、親の支配から逃れたい」と言う主張が絶対にあったと思います。親にべったりだったら、「親の話はしたくない」なんて言わないと思うので。これはですね、実はきつい話なのですが、「ボーは恐れている」状態なんですよ。イヴァンは、母親の束縛から逃れられないのです!ボーの母親と全く同じセリフを言われていましたからね。私は胸が締め付けられました。最後にイヴァンがサングラスをかけるのは、理想と向き合うことを諦めたからだと解釈しています。

また、アニーに関しても「娼婦が夢見て騙されただけだろ?娼婦なんかやってるからだ」と結論づけるのであればそれもちゃんと映画を消化できてないと言えます。

アニーは結構用心深い女性です。そもそもイヴァンも、ちゃんとお金は払ってくれていました。好きか嫌いかで言えば、普通にイヴァンのことが好きになったんだろうし、イヴァンも普通にアニーに惚れていたと思うのです。普通の恋愛をしただけなんですよね。だけど、相手がちょっと悪かった。

騙されたのではなく、あの毒親の権威に勝てなかったのが一番の敗因だと思います。

裁判では彼女の主張の方が正しかった。彼らは合法的に結婚していたし、イヴァンもその書類で勝てると最初は思っていましたからね。

例えばライバル娼婦のダイアモンドですら、私は真っ当なことを言っていると感じました。彼女は嫉妬で絶対うまくいかないと予言していて、的中したら大喜びでしたが、彼女は先見の明があったわけです。あまり嫌いになれませんでした。やっときたチャンスを掴もうという気持ちもわからんではないのです。それに、HQでの大騒動のとき、娼婦たちが面白がって列を作って見物しにきたのも、コメディではありますが、本質をついているなと。

アニーはあくまでもあの子達の一人でしかなかったんだと、娼婦はみんな本当は解放されたいと思ってるんだなと、改めて再確認するわけです。

トロスの主張は色々あるものの一番笑えたのは「お前らの世代は大嫌いだ!インスタ、TikTok、インスタ、TikTokばかりじゃないか!

老害発言なんだけど、これも的を射てるので一概に「間違っている」と言い切れないのが、うまい!

ガルニクの主張は、やはり飛行機のシーンじゃないですかね。

ここぞとばかりに「お会いできて光栄です・・」とゴマスリを始めますが、私、これ本音だと思うんですよ。

ロシア人がアメリカで生活していくのってそれなりに大変じゃないかなと思うので。高給とりだと思うし、本当にありがたいと思ってると思います。

でもイヴァンを保護観察するのはすごく大変らしく「こんな目に遭うために契約したんじゃない・・」と愚痴りまくっていました。でもやっぱり、それなりのお金はもらっていたんでしょうね。

最後にイゴールの主張です。彼はずっとアニーのことを心配していて、ちょっと気持ち悪いくらい気にかけていましたが、まあ、ちゃんとした優しさでした。アニーが警戒するほどの下心は持ち合わせていない本物の紳士。

イゴールは多分仕事だと割り切っていると思いますが、そんな彼でもやはり一度だけアニーをきちんと弁護していました。多分、彼は時が来たら辞めるんだろうなあ、と思います。

トロスは老害だしウザすぎです・・・


2025年2月27日木曜日

極悪女王

私は「翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜」でゆりやんレトリィバァを見てからというもの、「この人は一体何者なのか」と謎に思っていた。

それでこの記事を書くに当たって調べた。

なんと去年の12月にカリフォルニアはサンタモニカに移住したらしい。

アメリカに行こうと思った理由はバックトゥザ・フューチャーらしい。(ゼメキス監督責任重大だな・・・)

ますます訳がわからなくなった。

インスタ見たら「引っ越していきなり大火災が起きたので、チャリティコメディショウを行う」とのこと

強い。強すぎる。芸人以前に何か違うものを感じる。なんか持ってる。ちょっと真似できない。調べたら余計謎が深まってしまった。


それはさておき

「極悪女王」、やっと観ました。静かで快適なスクートプラスの座席で「やべぇこれしかDLしてこなかった・・・」(お前がわけわからんよ)

ダンプ松本さんが、ダンプ松本になって大暴れして、引退するまでのお話。

ダンプ松本さんは、私は一応かすってて、TVで見た覚えがある。

クラッシュギャルズはおそらく見たことがないか、記憶にない。ジャガー横田さんはよくTVで見ていた。個人的に女子プロレスラーはみんな好き。LiLiCoさんも元プロレスラーだし。自分は多分この世界向いてると思う。血の気多いし。でもまあ、オーディション受けようとかは思ったことないし、このドラマを観てフォークで刺されるのは嫌だなと思った。

佳境に入ってくるとゆりやんレトリィバァが美女の頭をフォークで刺してわざと流血させるという恐ろしいシーンが続き、私はスクートのスタッフが怯えるのではないかと少し心配した。

少しだけ。

と言うとすごい怖いドラマに感じるけどまあ、怖いは怖いんだろうけど

なんて言うのかな、「人は何かが起きないと本気にならないけど、本気出したらすごい」っていう典型的なパターンだと思う。

あとゆりやんレトリィバァの演技力が半端ではない。ますます訳がわからなくなった。天性のなんか・・なりきる力?みたいなのを持ってそうだった。逆にいうとゆりやんが何考えているのかいつもわからない。プロだ。


長与千種とは何者だったのか

このドラマを通して、ずっと千種の考えていることが気になっていた。

そもそもといえばダンプ松本が誕生した経緯であるが、実は千種に裏切られたと感じた松本がブチギレて悪党に開花したからなのだ。これがフィクションなのか、ノンフィクションなのかはわからない。

千種は、あれほど仲良くしていた松本がいたにもかかわらず、取材で「ずっと友人がいなかった。いつも一人だった」と言い切った上に、二人で会っても否定しなかった。その時の意味深な瞳に様々な複雑な思いがよぎった。

これは私の実体験にもあることだからだ。

あの時は、仲良くしてた。表面上は。修学旅行も行ったし、彼女の家にも行った。

だけど、私はずっと一人だった。

千種の気持ちはわかる気がした。松本が純粋な性格だったのが悪いのか、単なる鈍感なのかはわからない。けどこういうことは女性の社会ではちょくちょく起こることだ。

それに対して、「極悪女王」が開花するのはやり過ぎだと思うが、一時期、思春期はそれに近いことが頻発していた。突然、ちょっとしたことで友人がブチギレて冷たくなったりする現象だ。私もちょっとしたことで11歳でわざと他人を避けるようになり、ランチを一人で食べるようになった。多感な時期だから仕方ないのかもしれないが、どうにも全員余裕がない。

女はめんどくさかった。10代後半に入るともう男性陣は「男友達」ではいてくれない。周りの女は全て性の対象となり、やれるかやれないかの篩にかけられ、やれなくても一緒にいれば冷やかしなどを受けて面倒なことになる。私のいた社会はそういう場所だった。

千種はそもそも家庭環境がめちゃくちゃだ。もちろん松本もそうだったが、千種は親が晴れ舞台を見にきても全く喜ばなかった。

やはり色々とメンタルを拗らせていたのだろう。

剛力さんが可愛い

剛力さんはクラッシュギャルズで目立たない方。だけどこの役はなかなかのハマり役だった。彼女は少年体型で、ショートカットだし、プロレスラーはあまりメイクをしないので、まさに少年のようだった。

この中性的な雰囲気を活かした役で今後も頑張って欲しいと思った。

ちなみに今回は知り合いの男性に非常によく似ていたww

露出しているのに全くセクハラと無縁な世界が素晴らしい

プロレスの世界は運営は男性が取り仕切っていた。にもかかわらず、戦うという内容のためにセクハラが一切ない。ただひたすら、特訓の日々。特訓は、パワハラとはいえない。だって、彼女らは戦士になることを選んだのだから。

ちなみにスクワットのシーンが非常に多かったですが、スクワットで良かったと思いました。私は腕立てがほとんどできませんがスクワットならまあまあ行けるので。

プロレスの世界を見ていて思うこと

プロレスの舞台で、松本は個人的な怨恨から極悪女王として振る舞う。そして千種の頭にフォークを突き立て、千種の髪を刈る。

だが、それは全て「お客様に見せるためのもの」である。

怨恨が原動力でも、確実にお客様を興奮させ、楽しませなければならない。

私はプロレスを見ているといつも、「どこまで本気なんだろう」と思ってしまう。

だがその虚構と現実、本物の感情が入り混じった心理の駆け引き、それが面白いなと思う。


まあ個人的にはベタなギャグっぽいプロレスの方が好きだけどね。

例えばストリートファイトが本当に起こったら、みんな逃げるじゃん。でもそれが、リング上だったら見る、と言うことだね。とは言っても、昔から、「火事と喧嘩は江戸の華」だけど。 つまり喧嘩ってエンタテインメントなんだな。

2025年2月22日土曜日

Amazon Original 「シタデル ハニーバニー」

 ハニーバニー視聴ページはこちら

2023年「シタデル」最初のシリーズの感想はこちら

「シタデル」アマゾンオリジナルの中ではかなりお気に入りのTVシリーズですが、続編が出ることは聞いていました。が、なぜか忘れており、なぜか、マレーシア旅行中に思い出しました。

先日「暑い場所に行きたい」という理由でマレーシアにプチ旅行に行ってきたのですが、正規のフライトだとかなり高くつくエリアのため、LCCを駆使しました。ですが、LCCは基本的に機内エンタテイメントはありません。(バティックエアはかろうじてありましたが、知らないインド映画ばかりw)マレーシアからの帰国フライトは最短で6時間半あります。

行きは頭が回らずうっかりしていて、なぜか「極悪女王」をDLしていましたw(これについては後日投稿します)帰りが何もないので、マレーシア到着後に探したのですが、なんとNetflixに海外でログインするとダウンロードNGとされました。アマプラだと「作品による」という感じでした。

そこでシタデルを見つけたので、「ディアナ」と悩んだのですがわずかに評価の高い「ハニーバニー」にしました。(ディアナももちろん見ます)これのいいところは、「ハニーが前作のヒロインナディアの母親である」というところです。つまり前日譚ということになります。

インド編ということで、ハニーもバニーもインド人。全編、濃いインド英語です。(様々な言語が選べますが、英語を選択してもインド英語。)しかしインド英語、ほんとクセつよすぎでしょって妹といつも言ってます…インド人のエンジニア、Slackやメールでは非常に流暢な英語を駆使しているのですが、口頭だと訛りが酷すぎて人によっては何を言っているかわからないことがあります。

実はマレーシアも、ペナンくらいになると「ファースト」が「フォース」に聞こえる始末…。

それに辟易していた帰りだったので「これはもうインド英語のモノマネの達人になろう」と思いながら見ましたw

このシリーズ、特に前半は楽しくて、ハニーの性格が特に良かったです。ハニーが可愛くて目が離せません。あだ名が「ハニー」なのはずるいですねww

前半は特にコメディ色が強い。ハニーはもっと本名が長いし、相棒の「バニー」も本名は全然違います。ハニーはインドの位の高い家のお嬢様だったのですが、結婚がうまくいかず家出し、女優を目指します。ですがやはりというか、枕営業を持ちかけられ激怒し落ち込んでいたところを、仲良しスタントマンのバニーに「いい仕事があるんだが」と持ちかけられ、スパイの世界に足を踏み入れることになりました。

女優の卵ですが元々すごい美人なので、ハニトラでかなりの活躍を見せ組織に一応受け入れられます。

後半は「組織」に対し疑念を抱いたり、シタデルの存在を知って戸惑ったり、妊娠していることを知ってさらに思いが揺らぐという展開になっています。

時系列が入り乱れるのが、いいような悪いような。この時系列がコロコロ変わる脚本って流行ってますが、本人たちの見た目がほとんど変わらないため、結構注意しないと訳がわからなくなりがちでした。

あと個人的に面白いなと思ったのが、ナディアが娘としてすでに存在する2000年の話。ナディアが子供時代からすでにハニーの英才教育でスパイとしての素質を見せ始めていて、やたら狡猾で面白かったです。しかしハニーのバトルアクションもものすごいので、アクションスパイものとして非常に見応えがあります。

「シタデル」もそうなのですが、今回も、ヒロインが妊娠して考え方が変わり、より良い未来を子供に残したいと考え直す、というテーマは非常に良いと思います。