2018年7月8日日曜日

BANANA FISHはみんなできれば見てくれ。というわけで紹介の投稿だ。

私がBANANA FISHという作品に出会ったのは、大学生の時だった。

当時、美術教育学科を受けた私は、実技の試験があった。水彩で自画像を描くというもの。その試験は長時間に及ぶので、私は前に座っているセーラー服の女の子の絵をちらちらと見ていた。彼女は結構絵が上手かった。教育美術なので、周りを見渡すと結構「へったくそめw」みたいな人が多かったので、ひときわ目立ったのだ。

彼女は案の定合格した。

私は女性にしては背の高い彼女をよく覚えていたので、入学時に「番号隣だったよね」って話しかけたが、私が後ろに座っていたからか、彼女は少し曖昧にうなずいた。

そんなどうでもいいきっかけで仲良くなった彼女、福井の田舎から出てきた割に、この衝撃的な作品
BANANA FISH
を私にかしてくれた。

先日も彼女の話はこのブログに登場している。彼女は、東京に来てから完全に変わってしまった。男を次々に変え、仕事も続かず、男を追っかけてフィリピンにわたって、今そこで、まともな暮らしをしている。不思議なもので、仕事も定職についているそうだ。

原作を読んだ人ならわかると思うが、最後の図書館のシーンの舞台を、どうしても彼女が見たいと言い出し、一緒にニューヨーク旅行に行ったこともある。図書館ではセキュリティに訪問理由を尋ねられ、「観光」と答えた。
本当に奇天烈な人だった。

そんな様々な思い出が詰まっているBANANA FISHであるが、これ少女漫画である。

第一話から、女性キャラが出てこない。

これでもかっていうくらい、むさくるしい男が次から次へと登場する。

主人公アッシュの兄貴は米軍の退役軍人。
この兄貴がいきなり冒頭から銃を乱射する。

ニューヨークの話だけど、完全に「裏」の社会の話だ。
どう見てもイタリアマフィア系のボスが出てくる。
アッシュのたまり場は完全にダウンタウン。酒やたばこ、ドラッグなんかは日常茶飯事である。
第一話の最後はアッシュが銃で走行中の車の中の人物に鮮やかなヘッドショットを決めている。

そんな少女漫画だ。

そして、もっともっと危険になる。

本当に最後まで原作通りに展開するんだろうか……。

BANANA FISHの正体も恐ろしいですが…

それよりも、すでに伏線が張られてますが、
児童ポルノ(今でも問題になってますね)、少年のレイプ、薬物中毒およびそれによる自殺、ナイフ乱闘なんかもふつーに出てきます。
敵は太ったおっさんが多く、結構胸糞悪いですね。

ハードボイルド。

BLとか堪能している場合じゃないです。
あと個人的に、ゾンビとか非現実的なものはもう見てもあんまり何にも思わないっていうか…
BANANA FISHの場合は、現実に十分ありえる話だからこそ、見入ってしまうのですよね。
未だにレイプも薬物も児童ポルノもなんにも解決してないですからね。
アッシュたちは、それと真っ向から勝負していきます。しかも被害を受けながら、です。アッシュはすでに何度も被害を被っています。

我々、その恐ろしさ知ってるよ。というだけでも、ちょっとはましな社会を築く気になれる…そんな作品なんじゃないかなと思います。

汚いものにふたをして、見ないふりをするのは簡単です。
でも、自分が当事者になった時、耐えられますか?っていう。
社会問題って、ちゃんと見てないと、いつ巻き込まれるかわからない。同じ人間として、目をそらしてはいけないと思うんです。

公式サイトのリンクはここよ!

個人的にはアッシュがメガネをかけて変装して、ものすごい優秀な(気弱な)生徒のふりをして出てくるシーンが好きです。楽しみ~
(あと、心理テストしてる時your wife?って言ってるシーンまだ覚えてる…w)



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