2023年1月14日土曜日

SHE SAID 観ました

映画「スキャンダル」(2019)と内容が似ていますが、今回はよりドキュメンタリーに近い体裁になっており、真に迫っていて緊迫感があり、無事告発記事の発行までたどり着くのかが心配になるという意味では、強く引き込まれる内容でした。

さて今回のセクハラ事件ですが、FOXよりはある意味大変有名であった、「映画界でのセクシャルハラスメント、および性的暴行・虐待」の事件で、特に「ワインスタイン」と聞いたら「あ~~有名だよね!」と思い出す人、多いと思います。FOXの方があまり興味がなかったのは、私がFOX派ではなかったのと、日本では映画の方が浸透していたので「あのキラキラした女優たちが(ある程度想像はしていたが)本当に性暴力を受けていたとは…」とわかっていても結構ショッキングではありましたね。

ワインスタインの性的嗜好は非常に醜く、とにかくしつこい。録音された音声が流れるのですが、まあとにかくしつこい。ホテルの廊下での会話らしいのですが

何度「嫌です。部屋に入りたくありません」と女性が言っても、

「5分だけでいいよ。1分だけでいいよ。何もしないから。今日だけだよ。明日から忘れてあげるから」と意味不明な誘いを続けます。これが実に3分5分くらい押し問答が延々と流れます。女性が泣き声で嫌がっても、まあ、しつこいです。

でも日本人はまた別の意味でしつこいですからねぇ。ある意味まだ紳士的なのかもしれませんが…。

一番えげつないなと思ったのが、女性と二人きりで仕事をすることになったワインスタインが、何度拒否られても最終的に押し倒し、

「一回だけ挿れさせて」

と言うシーンですね。「Just one thrust」という英語がunbelievableでしたね。ええ~そういう言い方するのぉ~!!!これはショッキングだ…。しかも大手映画会社の社長が……。

チャラい日本人大学生が「さきっちょだけだから!」って言うのとだいぶ重みが違うと思いません?女性は、ワインスタインのことを尊敬できる上司だと信じて部屋に入ったのに。ただの本能に負けた雄豚だったなんてね。ガッカリですよね。

そのあと死にたくなった、なんてのもよくわかります。死にたくはなるよな。。

私なんか、検査器具をいきなり入れられただけで死にたくなった。あの時は、「私は医者から見たら家畜なんだな」と思った。 

なんかこの、人間の尊厳を奪う行為、、どうなったら無くなるのでしょうね。

まあ、逮捕するしかないわけですが、この映画の大半は報復を恐れて声を上げられない女性たちの悲しいお話で、最後らへんは今思い出しても泣けます。

私の受けていたセクハラはちょっと証明がしづらいので、せいぜいインターネットの会社クチコミに書くくらいしかできませんが、それでも十分だと思っています。

会社をセクハラで辞める時、次の面接で不思議がられるのはアメリカも同じようで、私も説明がしづらいんですよね。一番の理由はセクハラだったんですけど、それをブラックと呼んでいいのかわからない。残業時間が凄かったわけではないから。

ただ、ミラマックスの場合、辞めるときに「セクハラについて口外しないこと」と契約を結ばされた上で示談金をたくさんくれるようです……wふざけんなよって思いますよね。

 

しかしワインスタインの性的嗜好はちょっと頭がおかしいとしか思えなくて、それであの名作映画を数々と生み出せるのは、才能と引き換えになんか失ってしまったんですかね…。

(なにかというと「妻と子供が」って言うらしいです)

 

経営者で結婚していて、よその女に色目を使いたがる人はものすごいたくさん見てきました。ほぼ例外はなかったと思います。なぜか権力を持つとよその女に手を出したくなるみたいで、実際不倫して左遷された部長もいました。

映画では「殴ったりレイプをするようだったら必ず報告しろ」と人事が言っていましたが、なにかあってからでは遅いし、そもそも女性社員の前で脱ぐ時点でもうダメよね…。露出狂よ。

キャリー・マリガンってもう女捨ててるようなところあるかなあと思っていたけど、私的にはまだまだかわいいと思った。けど一番好きなキャリー・マリガンは 、男に性的に絡まれた時

「Fuck Off!!!!」

って大声で叫ぶ彼女。


映画のテイストとして、「スキャンダル」は特にトランプのあがきがユーモラスに描かれていて最後までブラックジョークテイストがありましたが、「SHE SAID」はかなり真面目です。

スキャンダルのように実際のセクハラを映像で観るわけではないので、フラッシュバックなどはないと思います。ですが、彼女らの怒りがものすごいよくわかる人間としては、感情移入しかないですね。

0 件のコメント:

コメントを投稿