シザーハンズがアマプラにやってきた!
おそらく20年ぶりくらいに観ただろうか。
不思議なほど色あせない良作であった。
同じ感動が味わえるというのはさらに感動が増す。
おそらくティム・バートンの最高傑作だろう。エドワードが、ティム・バートン本人ではないかと思うようなメイクをしている。実際モデルだったのではと言われている。
この美しい物語の主人公に抜擢されたジョニー・デップは、この作品で一躍日本でも有名になった。私もこの作品で好きになったし、実をいうとこれ以上ジョニーがいけてる作品は無いんじゃないかと思っている。似たようなメイクの作品があるにも関わらずだ。この時が、この役が、一番ピュアで美しかったのだ。
脚本の構成も隙がなく、美しく整っている。間髪入れずに進むストーリー、そしてあまりにも雑多で下世話なご近所やマスコミの喧騒の中、エドワードのピュアさはいっそう輝き、ヒロインのキムの大きな瞳がひときわ煌めくのである。
私はエイリアンシリーズですっかりウィノナ・ライダーの大ファンになってしまったし、今観てもやはり存在感がすごいなと感じる。
純粋で可哀そうな、陰キャの男の子の話というのはいまいちエンタメ性がないので、この作品が大ヒットしたというのは素晴らしいことだと思うし、今後も陰キャ男子の映画が増えればいいなと思う。
Wikipediaを読んでいたら、トム・クルーズに主役を打診したところ、「ハッピーエンドがいい」と言われ交渉が決裂したそうだが、いい話だ。
トムクルーズに演じさせていたら、こんなに好きにはなれないだろう。そもそも、トムは陽キャの帝王みたいな人であるww
それにあれをハッピーエンドにしてしまうと、物語の重みが一気になくなってしまう。世間のエゴとそれに抗う若者たちの純粋さのコントラストが失われてしまう。
ジョニー・デップが陰キャかどうかは怪しいところだけど、彼の生き方を見ていると必ずしもハッピーとはいいがたい。
あと、エドワードは寡黙だが実はきちんと喋ることができるというのもいい。
時々発する言葉の重みが段違いである。それにこのころはジョニーの声もかわいい。まれに発する声がかわいいなんてかなり美味しい設定だ。
この映画で取り上げられている「人の嫉妬」「エゴ」「野次馬根性」「しつこいマスコミ」などの問題はSNSやスマホがどれだけ流行ってもまったく変わっていないところが、この作品の本質を強固なものにしている。
はさみというツールが変わらないのも、見越していたのかわからないが、すごい思いつきではないだろうか。今でも美容師ははさみとシェーバーで人の髪を切る。義手という選択肢はあったものの、はさみを無くしたら特別ではないと言われてしまい、散々利用された挙句「マイノリティはバケモノ」として追放され、なんともいえずもどかしい気分になるが、そこが人間社会の本質をとらえているといってもいいのかもしれない。
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