エイリアン:ロムルス批判してる人ってなんなの?!知的生命体ぶってんの?カッコつけてんの?普通に面白いじゃん!エイリアンのファンってめんどくさい人多いな!
↑という結論の記事になります。
確かに今までの「エイリアン」シリーズの焼き直しだしほとんど変わってない上に、イアン・ホルムがもう亡くなっているのにも関わらずCGでの出演。ただ、今回はウェイランド・ユタニ社がブラック企業らしい描写が冒頭にあり、そこでの底辺の社員の働きぶりや、生活の苦しさのようなものが窺える。
今までは宇宙船の中の話が多かったため、ちょっと新しいなと思ったし、会社に冷遇されているというのは今の時代だと感じる人も結構いるのでは無いかなと思った。
そしてもう一つ私が比較的新しいかなと思ったのが、ウェイランド社は人間の脆弱性を重く受け止め、強い人間を作るためマウスとエイリアンの遺伝子を掛け合わせた研究を行っており、注射すると遺伝子が取り込める薬品まで作っていたこと。
しかし生物兵器よりはマシなんじゃ無いかと。
個人的には「プロメテウス」の説明不足部分が気になっていて、今回の映画公開にあたって色々噂が飛び交っていたんだけど、エンジニアが人間を作り出した張本人たちで、イエス・キリストという完璧な人間を後から送り込んだところ殺されたことに怒っている、というのが本当のアイデアだったら非常に面白いと思うんですよね。(ダン・ブラウンが飛びつきそうだな)
エンジニアが作り出した人間が非常に脆弱で、呼吸できる気体の酸素濃度や、気温などの環境にかなり制限があることを、エンジニアが「失敗したな」と思っているんだったら、ウェイランドの研究は愚かではないと思うんですよ。
「人間の愚かさは感情で物事を判断すること」
この指摘は実は間違ってはいないと思う。実際非常に感情的な人が多いと感じるし、ちょっとしたことでキレ散らかす人がいる。
私としてはそれを逆手にとるのが一番いいなと思っていて、今まで、結構いじめられても放置したりしてたんだけど、最近は「怒る時はわざと怒れ」と思っている。それが意思表示になり、コミュニケーションになるからだ。
私は怒りの限りゴネて喚くやつとか超ガキだしそんなエネルギー残ってないよって思ってたけど、わざとやるのは有効だと思う。前の職場とか本当にすごくて、怒るとzoom会議なのに10分間他者を差し置いて喚き続けるやつとか普通にいた。大体30〜40代の男性で、中には日本有数の大学を出ている高学歴男性もいた。彼らはただキレやすい人たちなので、戦略にはなっていないけど。
私が今までフィクションで一番感情を排した決断ができるなと思った人物は「ゴールデンカムイ」のウイルクである。彼は人間でありながら、土壇場で非常に残酷な決断ができる人物で、仲間を殺したあと自分の顔の皮膚を剥いでいるんだけど、どんなに感情的な人間が嫌いでも私はそこまでできる自信がない。
エイリアンシリーズでは、アンドロイドが毎回のように感情に左右される人間を否定してくるのだけど、一応、本筋としては「いうても人間には良心がある」でいつも締め括られる。けど、この残酷な正論が私はいつも好きだ。これがなければ「エイリアン」ではない。
アンドロイドの「アンディ」がキーキャラ
アンディはディスクを追加されるとウェイランドの使者みたいになって残酷な決断が可能になるんだけど、それが、今までいじめられてたアンディではなくて万能感あって私はかっこいいなって思うわけ。だけど、先ほどの話に繋がっちゃうんだよね。
つまり合理性=善と言えるのか?というテーマ。
いや、これは前述の通りずっと付きまとう話だと思ってる。
時には残酷な決断を下さなければならない時もあるだろう。だけど長い人生を見ていくと、まあバランスかなと思う。残酷かどうかは主観だから。
優しければ脆弱なのか?残酷であれば強いのか?これは一生つきまとうと思ってる。
ちなみに残酷な時のアンディはずーーっとすごい悲しそうな顔してるんですよね。見どころだと思います。
それにしてもメタファーが強烈
今回の「妊娠・出産」のメタファーも強烈だった。
サナギと化しているエイリアンを攻撃すると女性器そっくりの口が開き、例の強酸性の液体を飛ばしながら中に棘とか仕込んでくる。確実にやられるとしか思えん。。
こんなの見て喜んでる人なんかいないだろ。。
前からずっと思ってんだけどやっぱりリドリースコットは人間のreproduce過程が嫌いか、なんか歪んだ信仰とか持ってるんじゃないだろうか。それか人間が嫌いなのかもしれんが。
冒頭でメンバーが一人妊娠していることがわかり超絶嫌な予感しかしなかったしプロメテウス見てる人は「オワタ」って思うだろうけど、まあ正解です。おもしろかったですよ(笑顔)
エイリアンがCGではなくてアニマトロニクス使用なのも良かった
ただ、もしかしたら予算的な問題かもしれないけどそんなにたくさん出てこなかったかな(尺の話ですが)。
前から言ってるけどCGはかなり頑張らないとどうしても違和感が残る。実写との融合がかなり難しいんだ、、私は、長年写真のレタッチをやっているから下手な合成がすぐにわかってしまうし、AIは皮膚をなめらかにしすぎ。どんなにメイクしても、加工しなければ普通は毛穴らしきものが写って、それがリアリティになる。
そこにきてアニマトロニクスやパペットは合成ではないので、ちゃんと作られていれば綺麗に現場の絵に融合できる。そもそも照明を考えなくていいのが楽なはず。CGの照明ってなんか非現実的なんですよね。まあ当たり前なんだろうけど。
あと最後の「アレ」は役者が中に入ってるそうです。
主人公は魅力的で「次のリプリー」になれるかもしれない
とはいえ、シガニー・ウィーバーは特殊だったよな。かっこいいし。4とか本当に最高。個人的には4がラストであるにも関わらず、「完璧なリプリー」だったと思う。色気も母性愛も最強だった。
今回の主人公は個人的にはラスアスのエリーそっくりだった。薄汚い環境に汚い格好でいるのもピッタリである。銃撃戦もできるし。
終盤で下着姿みたいになってるのは1のオマージュだろうか。
全体のテンポは非常に早くて構成力あると思った
ちょっと早すぎるか?!と思ったけど、私は遅いとしんどい人なので全然いいと思った。
とはいえ冒頭の、静かな宇宙を少しの間見せてくれるのはリドリースコットの作品だなあと感心します。意外と、あの、宇宙をぼーっと見てる瞬間が好きなんですよね。
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