見終わった後の率直な感想としては
ありえない。
ありえないんだが、普通に楽しませてもらった。
だが、どう考えてもありえない。
私はタイムトラベルは「無理」「不可能」と捉えているので、タイムトラベルの概念が出てきた時点で「おわた」と思ったけどまあ映画なので許そうと思った。
しかもこの映画、構成が非常に巧妙。
バーテンが仕事をしているところに細身の男性が客として話し掛けてくるのだが、この人の話がとてつもなく長い。
なんと尺にして、映画の半分近くは「俺の人生語り」である。
彼は様々なひどい目にあってきた、という話で、これがなかなか面白かった。
普通なら、そんな語り延々と聞かされてもどっかで飽きると思うんだが、どうにも構成がうまくて引き込まれる。
そして映画も後半に差し掛かったところで、バーテンが「お前をそんな目に遭わせたやつに、会わせてやるよ」という。
ここで初めてタイムマシンが突然姿を現して、突然SF映画になるんだが、メカメカしいものではなくファンタジー的な要素を感じた。彼らは、この作品の中で、見たこともない未来などには行かないからである。
この映画は語れば語るほど、ネタバレだらけになってしまうので、暇だったら観てみると面白いかも、とだけ言っておきたいのだが
私は個人的にやっぱりちょっとありえないなと思ったし
ぶっちゃけ気持ち悪いなと思った。
一つだけ言えること。
自分がもしこの状況に置かれたとしても、映画のように、自分自身を正せるようにはしておきたいと思う。それが、おそらくメッセージではないかと思う。
でもそんなこと抜きにしても、この映画の「ストーリーテリング能力」には脱帽だ。しかも徐々にちゃんと「もしかして」と勘づくようにできているのだから、すごい手腕だと思うよ。
そうそう、私が時間旅行を否定する理由も、この映画には描かれている。つまり人がおかしくなっちまうんじゃないかって、思うんだ。まあまず、おかしくなるだろうね。こんなふうに。
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