当時話題になっていたのですが見逃した作品です。
「面白い」という表現はちょっと間違っていると思いますが、アマプラで骨のある映画を観たい人むけにあえてタイトルは変えないでおこうと思います。
私はこの映画の主旨をあえて何も見ないでいきなり見始めたので、最初はかなり翻弄されました。
ホラーやサスペンスに近い怖い映画を想像していたのです。ドロドロな心理戦とか。
しかも序盤では、「息子を誰がいじめたのか」で確実にドロドロ心理戦が行われていたので、そういういじめ映画なのだと思っていました。
しかし後半になるにつれ、衝撃の真実が浮かび上がってきます。実はいじめられていたのは別の生徒でした。
最初こそ「誰が悪いのか?」と思っていましたが、どいつもこいつも少しずつ罪を重ねている。
湊の母親が校長に「今どんな気持ちですかぁ?」って訊くのもちょっと意地悪いなあと思ったし。
校長が子供を転ばせていた時は真っ黒じゃんって思いましたが、終盤での彼女の
「誰かにしか手に入らないものは幸せって言わない。
誰でも手に入るものを幸せって言うの」
が重たいなって思いました。とても好きなセリフです。これって、「結婚は許されない」とわかっている彼に向かって言ってると思うんですが、婚活がうまくいかなかったり、どうも自分は結婚できなさそうだから幸せじゃないのかも、と思ってる人誰にでも刺さると思います。
私が一番悪いなと思ったのは星川の父親ですが、そもそもですが「世界が、多様性を受け入れられないから、世界が悪い」と言う結論なのではないかと思います。この世は世知辛い。テルマ&ルイーズみたいな、幸せな逃亡劇みたいなものを感じました。
クィア系映画の中では良心的な方ではないかと思います。いじめに絡めているのがよかったです。あと星川くんがどんなにいじめられても、ニコニコしているのがなんとも印象的でした。
あとなあ、やっぱり「女子生徒は優しいし、庇ってくれる」んだよなあ。
まあ男子の悪いこと悪いこと。私のいた中学もそうだったなあ。なんでああなっちゃうんでしょうね。女の子がめっちゃ強くてほんとウケました。「は?!」とかよかったです。
まあこれ日本だけの話じゃなくて、そういえば、ブログには書きませんでしたが、「ムーンライト」もいじめを絡めた話で、あの映画もよかったです。これ系の映画ってやたら「男らしくないぞ!」って言葉が出てきて、中性的な少年が好きな私はちょっと彼らに同情するのでした……
0 件のコメント:
コメントを投稿