2026年2月7日土曜日

HELP 復讐島

予告編ではいかにもコメディ風で、パワハラ上司に復讐を!と言う雰囲気丸出しだったが…

実際見たあとの気分は少し複雑ではあった。

ブラッドリーに問題はかなりあるが、リンダにも問題がある。

この映画は平たく言って、サム・ライミ風、フェミニズム映画なのかもしれない。


リンダはバツイチであり、かつてDV旦那を亡くしている。彼女が手を離したので、旦那は死んでしまった。リンダは限界に来ていた。喧嘩した時の彼の暴力は凄まじく、彼女が口にできないようなことをされたと言う。

それでもリンダは辛抱強く、彼が変わるのを待ち続けた。それでもある日、限界が来てしまったのだ。 

そして今回のブラッドリーである。


ブラッドリーは前社長が亡くなったため、急遽交代で就任した若い新社長である。リンダよりおそらく年下であろう。イケメンだし若々しく、はつらつとして島で脱いでいた時もとても綺麗な肉体をしていた。だが、彼は自称モンスター。彼の家庭も問題があり、おそらく帝王学みたいなものを叩き込まれているため、下々の社員、特に女性社員に対しては蔑む力が強く、彼と同じような若くてピチピチの男性とノリノリで仕事をするのが好きなタイプだ。正直ホモソーシャルの類を感じた。


リンダはこの男と無人島に置き去りにされた時も、骨折して動けない彼の面倒を見た。また今回も、優しくしてしまった。「変わってくれるだろう」と信じて。元旦那との悲しい記憶を塗り替えるため、そう、まだ「男」という生き物に望みをかけていたのである。

だがブラッドリーはなかなか変われない。

そもそも相手が悪い。自称モンスターだし、おそらく代々経営者みたいな家系なのだろう。経営者はサディストやサイコパスが多いと聞く。多くの社員の生活を預かっているので、普通の神経だとやられてしまう。恨みも買いやすい。

リンダは強引にこのサイコパスを手懐けるため、わざとギリギリまで放置したり、包丁を見せびらかして片時も手を離さなかったりと用意周到である。ブラッドリーは何度か屈したようなそぶりを見せるし、元々頭の回転が良い男だ、用意した嘘のような謝罪や敬意の言葉も並べ立てるし、なんなら体まで売ろうとしてくる。


無人島でサイコパスと二人きり。女性が圧倒的に有利な状況の中、さまざまな可能性が考えられ、サム・ライミはほぼ全てを映画上に再現した。息を吐く間もないほど、そのさまざまな可能性が展開され、最後の方になかなかなどんでん返しがある。

リンダがブラッドリーを追い詰め、いかに今まで自分のサバイバルスキルをフル活用して二人を助けてきたか、ブラッドリーに言わせながら、涙を滲ませて振り返るシーンが切なかった。

今回も頑張った。男を愛で変えられると思っていた。だけど、今回も、男運が悪かった。こいつも、変わらない。

もう、期待などできない。


その一瞬の絶望は通過儀礼となり、女性は大きく飛躍する。誰かが変わるなど、期待してはいけない。男に愛されるなど期待してはいけない。自由に生きなさい。


サム・ライミが60代で出した結論だ。

無論、最近じゃあ無人島で恋愛ものってほんと少なくなりましたからね。一昔前なら間違いなく恋愛ものになっていたでしょう。このくらいが時代に合っているのかもしれません。

それにしても、過去に男を捨てて、アウトドア(サバイバル)が趣味、仕事に生きる中年女となるともう自分と被るところがありすぎて笑ってしまいます。

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