2026年2月11日水曜日

鬼滅の刃を最後まで読んで思ったこと(ネタバレあり、批判あり)

世の中にネタバレが溢れすぎていていつも食らうので、ついに鬼滅を最後まで読むことにした。

で、読んだ感想や思ったことをまとめて書こうと思います。

私はアンチではないが、正直鬼滅がなんでそんなに人気なのかわからないというところもあるんだけど、他の人気作品よりは話がわかりやすいので、追っかけてきた。時々アニメがやってることすら気づかなかったため、(遊郭編が苦手すぎて)無一郎にハマるのがだいぶ遅くなってしまったが…。

全部書いたあと読んでみたら、かなりの怪文書になっていたので、あんまし深く考えないで鬼滅のファンやってたい人は読まない方が良いかもしれませんw


キャラクターについての感想・考察

まずは推しの無一郎

無一郎が死ぬことは各所で激しくネタバレされていた。なんならGoogleのサジェストに入ってくる始末w

無一郎が可愛いなと思ったのは、天国に行って開口一番お兄ちゃんに「褒めてくれないの?頑張ったのに」と言ったことである。無一郎が戦う理由は、兄を殺した鬼への復讐である。その復讐を一応遂げられたということで、褒めて欲しかったのだろう(だが有一郎の気持ちを考えると、そこまでやって欲しくなかったというのが本音である)。

兄の仇を打って堂々と天国に来るのが無一郎の悲願であったに違いない。

私はそれだけでいいと思っていた。そもそも記憶喪失の時の無一郎はやたら「死」という言葉を口にしていた。これは彼がうっすら家族が全員死んだことを理解しており、自分も本当は向こう側に行きたかったからではないかと思っている。

怒りと憎しみだけで戦い続け、勝利しても後には何も残らず、彼を迎える家族は現世にはおらず、新しい家族を作るしか彼には安らぐ方法はなかったと思うが、それにしても若すぎるので難しかったかもしれない。

だからこそ、「幸せになるために生まれてきた」「幸せだった」というセリフは少し頓珍漢な気がしていて、いまだに飲み込めずにいる。不自然な気がするのだ。

兄が死んだ後、親方様に拾われて、充足した生活を送り(正直かなりリッチな生活)、友人もできて幸せだったから、苦しいことばかりじゃなかったよ、兄さんが心配することはなかったんだよ、と兄を安心させるためのセリフだったらいいと思うのだが…

また、戦闘中の「失血で死ぬ前に役に立たなければ!!」と言う感じの独白も気になった。

無一郎は他人のために動くことで無限の力を出せると言われている。それは素晴らしいことなのだが、自分の死を無駄にしないために無理矢理でも動くんだと言う強い意志は、まるで太平洋戦争の特攻隊のようだなと感じてしまった。

米軍では命を大事にする戦い方が主流で、先日「ウォーフェア」を見た時もそれをひしひしと感じた(大怪我を負っている兵士2人を搬送するために、外部からも兵士8人くらいが集結するのである)。日米どちらが正しいかはここでは議論したくないが、自ら命を他人のために使うと言う考え方は令和にはちょっと合わないかなと感じてしまった。そもそもだが、人間が一人死ぬと、兵士を補充しなければならないが、柱の場合もそうだが、人員にはそもそも限界があるのだ。舞台が大正だからいいじゃないか、で逃げたくないのは、読者は令和の人間だし、役に立ってから死にたいという考え方になってほしくないと思うから。

無一郎はひたむきだし純粋なキャラクターなのだが、炭治郎にも通ずるリアリティに欠ける異様な自己犠牲的正義がある。無一郎に関して残念なのは死んだことよりも、その思考回路の不自然さである。見方を変えると、ちょっとぶりっこさせすぎたと言う感じがした。ただ、兄にすごい執着を持っているのが、無一郎の唯一人間らしい一面だと思うので、最後までそれがあったのはよかった(彼は両親より兄の方に強く引っ張られていると思う)。

死んだことは残念だと思うが、家族と死に別れたトラウマの払拭はかなり時間がかかるのではないかと思った次第。極論を言うと死んで幸せだったとも言える。


不死川実弥と、やたら虐待される母親たち

彼は生き残ったが、彼もまた、家族をすべて失ってしまった。しかも目の前で、最後の家族を。

実にしんどかったのが、あの世で「母さんを背負って地獄を歩くよ」と言った後である。なんとDV旦那が母を連れて行ってしまうのである。

私は思わず考え込んでしまった。この作品は一体何が言いたいのだろう。

鬼滅は終盤は特に「母親」が酷い目に遭うシーンがやたら挿入されている。

童磨の母は旦那の浮気に怒り狂った。縁壱の母も子供の処遇でブチギレている。伊之助の母親も旦那の暴力に怒り、家を飛び出し、童磨のところへ行ってしまう。そもそも実弥の母が最初のDV犠牲者だった。そして死んだ後もDVを受けるようだ。

この4名の母親のいざこざの原因はすべて夫の暴力やそれに近い子供の処遇などである。

これについてはどうも作者が母親に起きる酷いことは大体夫が原因だと批判しているような、そんな感触を受けた。

そんな恐ろしいものを見てしまった実弥は今後どう生きていくのだろう。多分女性に優しい男に育っていくんだと思う。その兆しが、禰󠄀豆子の頭を撫でるシーンに込められているんだと思う。いつもは怖い性格の実弥だが、父の二の舞には絶対なりたくないだろう。

それにしても実弥のエピソードは後味が悪くてザワザワした。少年誌とは思えなかった。


無惨

ずっと鬼舞辻無惨の目的目標がよくわからなかったが、珠代さんが言うには彼は死を極端に恐れている。また変わることも恐れている。おそらく日本国家の腐敗した状況を示すものではないかなと感じた。(高市政権で変わりつつあるものの、、この漫画が執筆されていた時期を考えると、である)

最終決戦で逃げ出すシーンがあることからも、彼は正々堂々と戦うタイプではない。剣士でもないので、黒死牟や猗窩座のようなナイスファイトを見ることもできない。

彼はやたら優秀な鬼を作ることに執念を燃やしていたようだが、最後に炭治郎を鬼化させようとしたことから、なんとなく真意が見えた気がした。

炭治郎を鬼化させるのは蛇足にならないかなと思っていたのだが、あれは正しかった。炭治郎が鬼になって、人間に戻ろうとした時に、無惨が文字通り足を引っ張ろうと必死だった。

「私を一人にしないでくれ」

に全ての真意が込められていると思う。

無惨はああ見えてやはり寂しかったのではないかと思う。永遠に生きてくれる仲間が欲しかったのではないか?

最近、クロエ・ジャオがポッドキャストで「死が怖い」と本気で言っていたので、実際そういう人はいるんだと思う。永遠に生きたいけれどそんなことをしている人は無惨の他にはなかなかいない。強いて言えば、それは珠代だったが、珠代は何千年経とうと無惨を好きになることはないだろう。

ここが鬼滅の面白いところなのだ。

永遠の命を手に入れたところで、相手がいない。無惨は一言も寂しいなんて言わないけれど、本当は寂しかったんだろうなと思った。

なお珠代のことが好きとも一言も言っていない。

好きとは一言も言っていないが、縁壱の時代から連れて歩いている。お気に入りに決まっている。本当は嫁にしたいだろう。だって美人だし、鬼なのだから永遠に一緒に生きてくれる。好きにさえ、なってくれれば。

少年誌だしあまりちゃんとは教えてくれないだろうけど、実は

無惨は珠代のことが好きで、無理矢理未亡人にして自分のものにしようとした
連れて歩いていたら、縁壱に邪魔されて半殺しにされた
そのインシデントで、珠代は自由に。愈史郎を味方につけて(愈史郎のことは好きなようなので)、実質無惨は失恋したことになる。

この時から無惨はずっと珠代の代わりを探して、あらゆる人間を鬼にスカウトしてきた。だがなかなかうまくいかない。老若男女、さまざまな鬼がいたが、より強い人間が強い鬼になる。だから最後に炭治郎をスカウトしたのだろう。

つまり鬼滅は、無惨っていう死を恐れる男の傍若無人な「伴侶探し」を止める物語だったのだ。実に滑稽なのだが、珠代のことが好きと言う事実を伏せればまあ少年誌むけに描くことはできるんだなと思った次第。


珠代と愈史郎

作者が鬼滅が始まる前から作っていたキャラクターだけあって、一番の功労者である。アクションはほとんどできないのに素晴らしい活躍をし、プラトニックな恋愛であり、女性にとっては理想的な愛の姿がそこにあった。

少年誌の主人公は炭治郎のようなどこにでもいる少年でなければならないし、できるだけアクションをし、できるだけひたむきにトレーニングをする男子でなければならない。だから珠代を主人公にするわけにはいかなかったと思う。

だが実質鬼滅の主人公は珠代と愈史郎だと思っています、、、

もし女性向けの漫画にしたら、そこにはバトルはないけれども、素晴らしい恋愛ものになったかもしれません。


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