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モルカーの見里監督が、東京藝大を卒業するときに作った作品「マイリトルゴート」が無料配信されているので、さっそく観てきました!
いやあ凄まじいどす黒さを感じました。
冒頭からグロ表現。人形はすごくかわいいのに。モルカーがなんであんなに闇を隠し切れないのか、心から理解できる内容の作品でした。
かねてから、童話には黒い裏設定があるとか、世界中に散らばる前のグリム童話はグロかったとか、言いますが、実にそんな感じの内容です。冒頭から、ホラー映画みたいな内容でしたが、それが示唆している現実の犯罪を読み取ってしまうと、さらに恐怖感が増していきます。
見里監督の、人間(大人)嫌いはガチなんだなと思いました。
暗い過去が、素晴らしい芸術を創るとは、信じてなんかいないけれど、
私も、自分の親が基本的には嫌いで、実家を出た理由は、実は、実家にあるものすごい切れ味のよい包丁で、誰かを刺してしまいそうな、予感がしたからなんですよね。
ジブリ映画というのは結構ダークなものを抱えていることが多いですが、例えば、ゲド戦記で、原作では息子が親を刺すシーンはありません。でも、アレンは、長く親と一緒にいすぎたんだと思うんですよね。それが、宮崎駿監督の息子の、気持ちだったんだと思います。
また、千と千尋の神隠しは、私が一番好きなジブリ映画ですが、最初から最後まで、千尋が自分のように思えてなりませんでした。うちの親も、まったくもってあんな風に、自分勝手に娘を付き合わせる感じの人たちでした。
私には、妹たちがいたので、同じ感情を共有する相手がいたのが、幸いでした。
ITというホラー映画が流行りましたが、ピエロ自体は、なんの怖さも感じなくて、むしろゲラゲラ笑って観ていたんですが、唯一怖かったのが、女の子に迫ってくる父親でした。
なぜ、親というのはあんなに自己中になってしまうのでしょう?
自分もそうなってしまうんじゃないか?
そう思うと、とても子供をつくる気になれず、ずっとそのまま生きてきてしまいました。彼氏ができても、こいつは明らかに傍若無人な父親になるな。と感じたら別れるようにしていました。
そして、父親というのは、生物学的には女性ほど、母性本能的な、「子供を守らなければいけない」本能があまり備わっていないようなのですね。パワハラやセクハラをしてくるのが大体男性なのは、弱いものを守る意識が希薄だからなのだと思います。
優しい男性が一番いい。とほとんどの女性が言うし、壁ドンとかしてくるのはフィクションだけでいいと、たいていの女性は思っていると思いますが、それは、無意識に、将来的に子供を守れる父親になるかどうかを判断しているからだと思います。
ちなみに、私は美大藝大には行かせてもらえなかったので、教育学部の美術科に進学しました。
藝大卒の教授がたくさんいまして、卒業制作をつくれば卒業できるので、とても楽しかったですね。(教員免許取得も必須ですが、ちゃんと実習やれば自動で取れました)
卒業制作というのは、記念にもなりますし、就職活動にも使えるし、アイデンティティとして残るものになります。見里監督がこんなに怖い題材を選んだのは、ご自分のアイデンティティになにかそういう、大人の人間に対する嫌悪感などがあったのでしょう。
私の卒業制作は絵本三部作で、内容は、読ませた人に言わせると、
「全部『死』がテーマ」
だそうですw
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