2021年8月9日月曜日

「プロミシング・ヤング・ウーマン」観てきました

最初、この映画にまったく興味がありませんでした。

ビジュアルがかなり裏切ってくるんですよね…wピンクでキラキラしてるっていうか。

しかもタイトルの「promising」は英語がある程度できる人ならすぐにわかるのですが、「将来を期待されている」「将来有望」「大変優秀」ってことになります。かなりの誉め言葉です。タイトルだけ聞くと、やはりキラキラ映画なのかなって思いますよね。

promiseは約束のことで、「将来を約束されている」という風に私は覚えました。her future is promisedでないのは、たぶんアメリカ人が省略するのが好きだからでしょう。独特の言い回しですがよく学生さんやアスリートなどに使われる言葉だと思います。

興味をもったのは実は昨日です(笑)。

最近楽天マガジンに登録して、複数の女性誌に目を通すというタスクを自分に課していました。理由としては、デザイナーは多くの先輩方に「女性誌のデザインを盗め」と教わるからです。また、トレンドの勉強にもなるし、最近までユニクロにお世話になっていたけど、「いい女プロジェクト」としては大人のファッションを相場を含めて勉強したく、楽天マガジンに登録しました。

さて女性誌には映画紹介コーナーが1ページだけついてくることが時々あります。これが字が小さいのでよみづらいのですが、昨日は珍しく、複数の雑誌で紹介されてたんでこの「Promising Young Woman」のあらすじに目を通しました。

そしたら驚愕の裏切りが。なんとこの映画、スケベな男に制裁を加える女性の話というではないですか。全然キラキラしてません。

そして映画を観ながらずっと思ってましたが、「将来を約束された若い女性」というのはひどい皮肉タイトルです。今では涙なしでは語れないタイトルとなってしまいました。

ある日、「将来有望な」大親友が学生のどんちゃん騒ぎでレイプされ、隠蔽され、彼女はひっそりと自殺し、忘れ去られた。

このおぞましい出来事をヒロインの「カサンドラ」(名前が皮肉)ことキャシーはずっと根に持って怒っていました。

その彼女の復讐劇が主なストーリーとなります。

美人でスタイルもよくてきれいなブロンドなのに常にけだるげで死に場所探してるような、やる気のなさ。しかしスケベ男をひっかけたら復讐の鬼が覚醒します。

このギャップが、紹介文通り「ちょっとしたブラックコメディ」にはなってるんですが、全然笑えなかったです・・・・・。

私に言わせればあまりにもリアルなホラー映画でした。

精神的にグサグサ来ますね。そういえば、無関心な女性も騙して脅かしてたので結構怖かったですね。実害がないようにやり遂げるところがまた巧妙でいいなと思いましたが。

ヒロインの頭の良さが復讐劇としては独特なのかなあ。

なんだかんだ綺麗にまとめやがったノマドランドよりは相当気に入りましたが、内容が激しいのでアカデミー賞は難しかったのかなぁw特に視聴者が男性の場合、どう評価していいものやら悩むのではないですかねぇ。

カップルで来てる人いたけど本当に大丈夫なのか?って心配しました。

男性陣の言い訳っていつもマジでどうしようもないんですよね。しかも焦ると罵詈雑言が飛び出すし、挙句の果てには暴力で黙らせようとしてくる。そして最後は子供みたいに泣く…。

特にキャシーの「泥酔芝居」にすぐに騙されるバカなメンズが、しらふだと気づいたとたんに罵詈雑言なのはどうかと思いましたよ。

関わらないほうがいいなって思いましたねぇ。

男性のしょぼい言い訳や、浅い考え方はスキャンダルでも拝見することができますね。

テンポやストーリーとしては、スキャンダルのほうが爽快感がありました。


ちょっとね、プロミシング・ヤング・ウーマンは、「血の出ないタランティーノ」的なものを感じました。後味悪い、憎悪が飛び交う恐怖映画だけれど、ファッションなど魅せたいところは見栄えがする感じで、ヒロイン自体は美しかったです。

笑えるかって言われると、笑いの種類としてもやはりタランティーノ的な感じ。皮肉な感じです。

私はこのストーリーあんまり好きではないんですけど(途中でマジギレしそうになるので…それも狙いですよね)、ラストは少しほっとしたものの、

将来有望な女性の未来を完全に摘み取ったことは取り戻せない重罪だと思うし、
結局まともだったのって弁護士だけ?なんだかなぁ…。やっぱりもやもやしますねw

とはいえ、途中ですごいひねりが効いてたので、初見だとワクワクするかと思います。

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