2022年12月11日日曜日

MEN 同じ顔の男たち

これは前から楽しみにしていた映画なのですが、まあいまいちという評価が多いし、実際そうだと思います。映画としては、ですけど。

これは女性向けですね。

 

そりゃー女性からしてみれば、「男はみんな加害者」になる時期ってのはあると思います。私は今実際そうなので、別段感情移入に時間はかかりませんでした。

そうよ。大家さんも、警察官も、教会の神父ですら、どいつもこいつも同じ「男」。どいつもこいつも、信用できない。どいつもこいつも、味方のふりして近づいてきて、欲しいのは私(女)の身体。 

男はみんな同じ。男は加害者。男は諸悪の根源。男は女性の人生を奪い取り、不幸にする。

こないだ実家で父親に「男をすべて同じにくくるな。」と言われたんだけど、そういうこと言っちゃう時点でもう娘に対して、不信感を植え付けている。

(そもそも娘が男性不信になるのは、父親の対応がいまいちだからだと思う。異性の肉親って、最初に見る異性だからね。そういう意味では、親の責任は重い。)

ある意味タイムリーな映画ではあります。今、男性不信が加速している時代で、日本では少子化が爆速で進行している。その反面、都心ではベビーカーをバスに乗せるなだの、子育て妨害も多い。男性はもはや女性を紳士的に口説く術すら学ぼうとしない。

人間って本当に、わがままな生き物です。 

オチが非常に納得いく内容でした。だから、一応感想を書こうと思えました。しかし、このオチは、男性には理解不能かもしれません。

映画の中の男たちは、ただ、ひたすら、這いつくばってまで、主人公の女性をもとめて近づいてきます。

まあ、そういう悲しい生き物だっていうことなんだと思います。 

コロナ禍で女性と関わる機会がさらに減り、最近は40代女性も被害を受けるようになりましたね。20代女性なんて、どのくらい気をつけたらいいんでしょうね。スカートなんてはけたものではないですね。盗撮が横行してますから。梅毒が流行る理由も…、年齢分布を見れば状況が明らかであると言われていますね。

 

ちょっとネタバレっぽくなってしまいますが、意味不明な現象がありました。考察の余地はあると思いますが 

教会にある謎の石像。

あれはなんだったのか、というと…。

多分ですが、「子供を産めない男性」が子供を産むことができる「何か」を表しているのだと思います。

両性具有なのか、わかりませんが、森の神、みたいなものでしょうか。

 

創作側の立場で言うと、男性は子供を産むことができないから、女性を求めてさまように運命づけられている。だから、見た目は男だけれど、子供を産む生き物をつくった。(というか、産めれば、女になれるという願望?)

ということなのかなと思いました。しかし、産まれてくるものを見ていると、ろくなアレじゃないので、ヒロインは途中で怖がることすらやめてしまう、あのくだりはちょっと理解できる感じがします。「男ってしょうがない生き物だな」というあきらめ。

A24らしい、神話のようなものを感じました。もうちょっと、説明が欲しかったかな。

 

A24作品のリストを見返したら非常に面白かったです。今まで観た「なんじゃこりゃー」映画は全部A24でしたw

しかもパティンソン率結構高め。実は見てて感想を書いてないものも多いです。だってポール・ダノがどんな作品出てるのか気になって観た「スイスアーミーマン」なんてさ。「もしリドラーがこの体験を通して気が狂ってしまったのなら…」と思うとすっごい納得いっちゃうっていうか、キチガイ映画ですからね。ギャグなのかもしれないけど笑えないっていうか…。

最近で言うと、「LAMB」のほうが面白かったです。なぜかというと、最初っから、「その子は人間じゃないよね。いつかこの家庭は崩壊するよね。」ってわかっているから。そのいつか、がいつ来るのかがとても怖くて、だから、平和なシーンが続いても、ろくな終わり方しないってわかってるじゃないですか。それがよかったなあ。

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