最初の「エスター」映画の感想はこちら。
https://pecharat.blogspot.com/2021/10/blog-post_29.html
アマプラに来るの早すぎでしょ!と思いつつ観てみた。
結構面白いと思う!
初回「エスター」ではとんでもないどんでん返しに多くの人が度肝を抜かれたことだろう。そりゃないわーって思った。
今回は、その設定をベースに活かしつつの展開。多くの視聴者にとって、事前にネタバレしている状態である。
だがしかし!
エスターの思惑とは別に、「別のどんでん返し」が今回も待ち構えていた。
エスターの欲望は、「父親の役割を果たす成人男性と恋仲になること」である。
この設定自体がタブーすぎるので、中には性的嗜好にどハマりするやばい視聴者もいることだろう。しかし面白いのは、世の中の性犯罪者は男性が多いのに比べて、エスターシリーズは女性が仕掛けていく物語である。
さて、エスターの母親役となる女性は、別の罪を隠し持っていた。これが今回のどんでん返しである。ボケーっと自宅で見ていた私は思わず「今回もやりやがった…」と心踊らせた。
女性VS女性の醜く、狡猾な争い。
そこに加わる、正直どうしようもないアホの息子(兄)。
そして、何にも知らない鈍感すぎる父親の男性。
一つのブラックコメディがここには展開している。
どっちもどっち、誰もが罪を抱え持つ家族。
一体誰が生き残るのか?!!
前回はエスターが一体どう生きるべきだったのかと保護者視点から頭を悩ませたが、そんなものも吹っ飛んでいった。
エスターは犯罪者でもなんでもない。エスターという、生き物なんだと思う。
彼女が欲望を満たしたエンディングなんかも見たいなと思った。
ところで、
「羊たちの沈黙」の続編である「ハンニバル」は、原作では別のエンディングがあるのだという。ウイキペディアで読んでしまった。
なんと、レクター博士の欲望を完全に満たすエンディングなのだという。
ジョディ・フォスターがそれを拒否し、次の代役も拒否したため、映画はあのようになった。
私は思った。もしかしたら、トマスハリスは、レクターそのものだったのではないかと。著者が、そういうエンディングを望んでいたのではないかと。
思わないか。それがタブーだったとしても、
悲しきヴィランの欲望が一瞬でも満たされるエンディングがあってもいいんじゃないだろうか。
個人的に、「ロードオブザリング」3部作の、ゴラムの終わり方が非常に好きだった。正しい終わり方だと思った。
最後の、ゴラムのあの幸せそうな笑顔が忘れられない。
とても純粋な魂のヴィランであった。
彼に、一瞬でも、あの笑顔を与えた作者は非常に優秀だ。視聴者がヴィランに「気の毒だ」と思っていた気持ちを、あの一瞬で全て満足させたのである。
その点から見ると、エスターシリーズは二流ホラーだと言わざるを得ない。私はやはり、人のエモーションに着目していたいと思う。
とはいえ、非常にテンポがよく、楽しめるホラーなので、とりあえずホラー映画を観たい方にはぜひ。
前作に比べるとすこし残虐表現が減っているかも。
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