2026年2月1日日曜日

アマプラで面白かった映画(15)コンティニュー

 https://eiga.com/movie/94887/

原題は「BOSS LEVEL」であり、最初からレトロビデオゲーム画面のような演出になっており、実際にアーケードゲームが出てくるシーンもある。

いわゆるループもので、あまりにも出だしから激しい戦闘に巻き込まれるため、最初は主人公がどうしてこうなったのか思い出す時間すら与えられない。最初はアクションものでギャグなのかなという印象しかない。ここでチープな映画だと見限ってしまうと少し勿体無い。

実は一応ちゃんとしたSFであり、主人公の元奥さんは大変優秀な科学者である。

やっと一ヶ月前(ループに入る前なので「昨日」になる)の記憶を反芻する機会を得た主人公。

デルタフォースの任務に没頭し、妻子をほったらかしにしたため離婚され、軽薄に気の赴くまま、女をとっかえひっかえ抱いていた主人公。だが元妻は、主人公の以前の気概を見込んで、ある重大な任務を課していたのだ。

主人公がアホで軽薄すぎるので、気づくのに恐ろしく時間がかかっているが、それが逆にリアルだし、我々にとっても理解しやすい内容になっていた。

主人公がループを出なければ、世界が崩壊する。この辺はちょっと矛盾を感じた。主人公が何度も世界の終わりを見るという現象は、果たしてループでもありなのだろうか。

それはともかく、この体力や戦闘能力がずば抜けている以外どこか軽薄でポンコツな主人公が、実によくいる「うだつの上がらない」「パッとしない」「いい加減な」男であり、感情移入しやすいと同時に、こういう人に限って息子は溺愛してたりするので、実に息子とのやりとりが微笑ましく、共感しやすい。息子も男の子なので、厳しくて真面目な母親よりは本音を男に漏らす。だが息子は母を笑顔にする方法を考えていて、その辺も健気で胸を打たれる。

本当は主人公も妻と子供の元に戻りたいと思っている。それを知ってか、妻はこの重大な任務を彼に任せたのだ。つまりこれは試練だ。壮大な、試練を乗り越えることで、男はまた妻子と一緒になれる。「世界を救う任務」=「再婚」という実に地に足のついた内容になっており、なかなか唸らせる脚本である。構成がとても上手い。

何度も死ぬシーンは正直グロいし、首を何度も斬られ、「銃より痛い」なんて言っている。かなりのタフガイでもある。彼、実は痛みを毎回ちゃんと感じているのである。発信機が歯に埋め込まれていると察してなんと自ら歯を抜くくらいだ。12モンキーズのブルースウイリスかよ。

だけどこいつ、口調も態度も軽薄だがループを抜け出す方法はちゃんと模索しており、ループを利用してミシェル・ヨーに剣術を習ったりする。ループを繰り返すと記憶が残っているため、初対面のミシェルに次のレベルの剣術を習うなどしてレベルアップしていくのだ。
(それにしてもカフェでグダってたらミシェル・ヨーが普通に入ってくる展開は、笑った)

ループものを見ていて思う。

人は諦めなければ必ずレベルアップできるのだ。要はやるかどうかだ。

こんな胸熱な内容でありながら、主人公が最後まで軽薄なのがとてもいい。アメリカ人らしい性格だ。

そこにあるのは普遍的な愛であり、大袈裟に演出や強調されたものでもない。
最後の任務に挑むときの彼のセリフなんて、「What the hell」である。彼の口癖だ。


人生なんてこのくらい簡単な気持ちで、天命に挑むべきなのかもしれない。


2026年1月28日水曜日

アマプラで面白かった映画(14)「スマイル」

※少々ネタバレを含みますが、結末には触れないでおきます。


当時劇場で見ようか少し迷ったホラー映画です。

シンプルで、よくあるテンプレホラー映画なのですが、私が好きになれたのは以下の点。

・主人公が女性であり、母親との確執でトラウマを抱えていること。

・イット・フォローズや、「リング」と同じで、他人に移すことができる呪いであるにもかかわらず、主人公が自分で解決しようとしたこと。

笑顔そのものは単なる演出上必要なものという感じで、その笑顔は本人の笑顔ではなく、取り憑かれた証となります。

ホラーの傾向としては、おそらく低予算で役者がいかに「取り憑かれた」感じを演じられるかにかかっているような内容でしたが、非常に上手かったです。この辺アメリカ人って得意だなと思う。リアクションがでかい、叫び声がでかい、本気で叫ばせると日本人の数倍は叫ぶよな。

まず主人公が自分で解決しようとしたところ

ここはとてもよかった。

医者だからというのもあるかもしれないが、リングと違って彼女は一人で呪いを解決しようと試みた。一人でいれば、誰かに移すこともないだろうとの考えである。

取り憑かれたものは大量の幻覚を見る。そこに実は何度か母親が映っているのだが、我々は途中まで「どれが母親か」わかっていない状態で映画を見ているので、だんだんわかるようになってくる。

そして、誰にも移すまいと頑張る主人公の前に、過去のトラウマである母親が姿を現す。

この物語は、主人公が母親を見殺しにしたトラウマから立ち直れるか、を試される物語なのである。

私にもいろいろな確執があるし、結局は母親をあの世に送らねばならない日が来る。だがどうしても愛せなかった、好きになれなかった場合はどうだろうか。主人公はそれを上回るような、嫌悪感と恐怖を母に抱いていた。


トラウマにつけこむ「悪魔」

トラウマにつけこむ悪魔といえば、「ヨハン・リーベルト」を思い出す。あいつは私の好きなキャラクターが酒飲みの母親を見殺しにしたことを調べ上げて、まるでゆするかのように、マルティンを揺さぶってくる。相手が隠し持っている過去のトラウマ、罪悪感を苗床にして彼らは蔓延るのだ。

しかも途中からわかってくることだが、凄惨な自殺や殺人を誰かに見せることで、それは伝染していく。つまり「トラウマを植え付けていき、毎回誰かを死に追いやる」を繰り返すというとんでもない悪魔である。これは元は人間なのかもしれない。トラウマがどれだけ人を狂わせるか、「彼」はよくわかっているのだ。

ここから先はまるで「サイレント・ヒル」のような展開になる。

サイレントヒルの主人公たちは皆、過去にわだかまりや罪悪感を抱え、サイレントヒルにやってきて、その罪悪感と向き合い、贖っていくのである。

サイレントヒルfの雛子は、実は過去の追体験をしており、彼女自身は高校生ではない。彼女の思い出の中で生き、記憶にある同級生の言葉「裏切り者」などが彼女を責めるという設定だ。最初はそれがわからないので、なんで最初から裏切り者と呼ばれているのか、大層困惑したものだ。

主人公は過去のトラウマと戦うことで、悪魔をやっつけようと試みる。これはすなわち、彼女の過去の罪悪感と戦うことだ。

彼女はそもそも、わざわざ実家を壊さずそのまま保管しており、映画の中で「早く土地にして売っちゃいなよ」と言われている始末である。

つまり過去から全く立ち直れていない。


果たして彼女は自分のトラウマと戦って打ち勝つことはできるのか?

結末はぜひ自身の目で確かめてほしい。


海外の悪魔ものは正体がわからずじまい、ということが大変多いのだが、

この作品がいいなと思ったのは、「トラウマが伝染する」のは現実に大いにありうる話だからだ。つまりこれが悪魔や呪いじゃなかったとしても、全然成立するものである。

だからあなたが、もし、誰かが凄惨な自殺をするのを見てしまっても、決して真似をして後を追ったりしないでね、と言いたいのかもしれない。

それから余談なんだけど、実はサイレントヒルfとそっくりのシーンがある!顔をアレするシーンである。

もしかしたら竜騎士07さんはこの映画を観たんだろうか。ちょいちょい似ているような感触はあった。


2026年1月4日日曜日

新年恒例ステイサム映画「ワーキングマン」

ワーキングを名詞にしたら「ワークマン」になるということで日本でも相変わらず期待値が高かったステイサム正月映画である。(なお形容詞は「ワーキング」の方がもちろん正解である)

いつもと同じ、恒例のステイサ無双映画であったが、今回はちょっと構成が中弛み風で、甥っ子から鼻風邪をうつされた私は酸素欠乏気味で、途中で一瞬寝落ちした。

なにしろステイサムが強すぎるので、ほとんど敵に苦戦しない、イコール、あっという間に戦いが終わってしまうから、尺が持たないのであるw

元軍人のイギリス人で、今は現場監督のような仕事で現場に出ているという設定のため、労働階級出身のステイサムのイギリス英語は普段のステイサムを見ているようでファンとしては大変喜ばしい。

ただ、残念ながら現場で工事用具振り回して戦うのは序盤のみである。流石に仕事場を荒らすのは程々にしておかないとね。

上司の娘さんを救出すると決めてからはまるで諜報員かのように丁寧かつアクティブに捜査を始めるステイサム。しかしこの敵軍団が多すぎるのとイマイチなキャラでもあった(まあ、映えるといえば映えるんだが)。

個人的に称賛したいのが、この誘拐された娘さんというのが途中から異様に強いことが判明し、人殺しも厭わなかったところであるwダメだよ〜人を殺しては〜と言いたいところだがやらなきゃやられちゃうんで、、、、、、

ステイサムは相変わらず強いんだけど今回、とにかく正確な動きと、止め方が本当に毎回だけど、上手い。なんというかダンスや、「格闘の仕方VTR」でも見ているようである。ステイサムが理想的な体格をしているからというのもあるかもしれないが。脚が長い!!

また、ボスのところに潜入捜査する時はスーツが必要になり、ちゃんと仕立てたものを着ていくので、今回もまたまた外さない、「スーツステイサム」が拝めるぞ!

ヘルメットにネルシャツ、お馴染みのニット帽に戦闘服、テーラードスーツと、あらゆるお着替えも楽しめるステイサム映画だが、極め付けは・・・・

パパステイサム

可愛い8歳くらいの娘さんがいる設定だ。

娘さんと会話する時は電話越しでもいきなりニッコニコ。ものすごい身長差なのに対等に会話する姿が微笑ましい。ファミレスでお互いでっかいパフェを頼んでいて可愛すぎた。

ああ私の父親もステイサムだったら・・・・否、あの年齢だと旦那か。

リーアムニーソンは父性ナンバーワン俳優であるが、ステイサムもそろそろ二番手に入ってくるだろうか。

とりあえず新年一発目として英気と殺気を養うには最高の映画であった。今年もステイサムのようにクールに間違うことなく確実にトドメを刺していきたいと思う。