あの興奮が忘れられず、終わってしまう前にと観てきました。
今度は普通の画面だけど、Sony Digital Cinema 4Kという案内が出ました。これはキャッシュトラックの時も出たのですが、この上映方式はコントラストがとても美しく、通常サイズのスクリーンでも非常に快適に鑑賞することができます。黒が結構黒いです。IMAXのほうが全体的に明るいのですが、NOPEは夜と昼のシーンがあるので昼シーンはIMAXのほうがいいかなと思います。
また、NOPEはスクリーンが大きいほうが迫力あるシーンがいくつかあるのですが、やはり終盤は小さいスクリーンでも手に汗握りますね。結末を知っていても、見せ方が上手いんだなと思います。
あと、やはり音響はこの映画にとってなくてはならないもので、音で「それ」が近づいているのを知ることができます。気配の代わりですね。主人公たちも近づいてくるとなんとなく察知し、一番近い時はすべての電子機器がダウンするのでそれの演出もいいのですが、音楽がぐにゃーんと歪んで消えていくあの演出はNOPEにはとても重要。
そして独特の音は、やはり劇場で聞かないと、狙った演出にならないと思うんですよね。
音が大きい時は、「あ、怒ってるな」っていうのが本能的に感じ取られるようになっています。
また、Spotifyでサントラが聴けますが、弦楽器の使い方がとにかく素晴らしい。
スタッフロールで大量の弦楽器奏者の名前がつらなっており、弦楽器がこの映画の3割くらいをつくっているといっても過言ではありません。非常に重要な役割を果たしていますし、センスがいいですね。
主題について、多くの方が困惑しているようですが、2回目の視聴でやはりテーマは「動物愛護」であり、「動物を支配することの危険さ」を警鐘しているのがよく伝わってきました。エピソードを追うごとにそれは強くなっていく。だから、 ゴーディーは伏線であり、人間にとっては注意喚起を促す事件でありました。なのに、それを生き延びた人たちはなぜか学習しておらず、傲慢にも次の生き物を手なずけようとする。その結果、ゴーディーの回想シーンの後、最後がラスボス「Gジャン」なのだと思います。
私はこの映画を観ていて今まで出会った色んな生き物のことを思い出しました。
海でダイビングやスノーケリングを楽しむうちに、水族館に行く気が失せました。水族館の生き物は「飼われている」から、とても快適な環境で美しく観ることができますが、まったくライブ感がない。あれじゃ映像と大して変わらない。また、飼われているものを見る「不快感」がありました。それは、この映画に通ずる、「人間の傲慢さ」が原因だったのだと思います。
こないだ野生のイルカが人間を噛む事件がありましたが、イルカもストレスをためやすい生き物です。野生の生き物には手を出してはいけない。これは大原則で、ダイビング中も基本的には一切生き物には手を触れませんでした。ウミガメは結構近づいてきますが、触るのは禁止されています。マンタ鑑賞ダイビングでは「取る距離」が定められており、それを逸脱するダイバーは手で制止されていました。
だけど、人間だってそうですよね?
セクハラの何が問題かというと、その辺の見知らぬ女性をいきなり触ったり、距離感を間違えるから反撃され、警察に訴えられるわけです。治安なんですよ。動物や人間にはそれぞれパーソナルスペースや、なわばりがあるということだし、「見てはいけない」も同じです。私はあまりにも職場で好奇の目にさらされるのに限界を感じて辞めましたし、若い頃は本当に様々な目線にさらされたなと思います。ピリピリするのはそのせいなんですよね。
2回目、気になったのは
エンジェル、やっぱりいいですね。大変お気に入りのキャラクターです。
オーディションに参加したブランドン・ペレアは、台本通りの「気のいいハッピーな家電店員」を覆す芝居をして、ジョーダンピールに採用されました。これすごくいい話だと思います。役者の解釈によって、キャラクターが造形され、あの「生意気なのにいいやつなエンジェル」が出来上がったわけですよ。
エンジェルはいいやつだけど、最初からやたらいい人だと視聴者はかえって不自然に感じるし、なんなら疑ってしまうかもしれません。
エンジェルは最初退屈そうに皮肉をまじえながら接客をし、なんだかんだで事件に巻き込まれますが、始終かったるそうに元カノの愚痴なんかを言っています。でもそれがあとで効いてくる。やたら首を突っ込みたがり、助けてくれる言動から、「なんだいいやつじゃん」と好感を持つわけです。
私が気に入っているシーンはやっぱり「We're in trouble!」って言いながら家に入ってきて包丁持って机のしたでプルプルしてるシーンですね。かわいすぎて何度観てもお気に入りですww包丁で勝てる相手じゃないところが、エンジェルの天然でかわいいところをあらわしていますね。
その後も、本番の作戦中に「正直言うと怖くて…」と言っているし、ビビリがひとりいるほうが癒されますね。
あといいなと思ったのは、作戦中に「ねえ、これってさ、人のために、地球のためになることなんだよね?」って聞いてくるところですね。このまさに天使な性格により、彼は厄災をまぬがれたのかもしれません。まさに、天使。
あとご老人も2回目はますます好きになりましたね。いいキャラですよね。彼は、最高傑作を撮影できるなら死んでもいいと思ってたんでしょうね。格好良かったです。カメラマンの神ですね。
クリーチャーの雑な造形が批判されがちですが、まあ、あんなもんかなと思いつつ、もう一工夫は欲しかったですかね。明らかに布にしか見えない時もあるし。 変形したあとスッと戻る感じは不思議な生き物という感じで好きですし、なんかああいうの海で見たことある気もします(サイズは手のひらだが)。
NOPEの看板を見て感動のあまり泣き出すかわいいブランドン・ペレアはこちら。自分で動画アップしてるのが笑えるけどw
First reaction captured. An example of how much this means to me. Thank you to everyone that has ever supported me. It means more than you’ll ever know. Glory be to God. pic.twitter.com/VYp9kUC9BP
— Brandon Perea (@BrandonPerea) June 29, 2022
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