この映画は公開された週末に賛否両論の不可思議な感想が散見され、「いったいどういう映画なんだ……」とまったく見当がつかないまま観に行きました。
予告編を見た感想では、「シン・ウルトラマンよりはマシだろうな」と思ってたのですがほんとそういう感じでした。
シン・ウルトラマンのセクハラシーンが気にならない人は別の感想を抱く可能性は高いと思います。
やはりヒロインがセクハラ的な目線で撮られるというのは、昭和のおっさんの下卑た視点であり、令和的にはちょっと女性視聴者の怒りを買うと思いますし、作品全体の品性が下がると思いますね。
その点では本作は素晴らしかったと思います。
ヒロイン「ルリ子」は美しいけれど、キツすぎない。外見は超可愛くて、お姫様扱いですが、めったに笑わずテキパキした「デキる女」でありながら、時折見せる「デレ」が完璧な塩梅。
個人的に庵野作品のヒロインの中で一番ツボりました。一番いいと思います。
綾波はちょっと狙いすぎかなと思ってたし、アスカも強烈すぎるところがあるので…。
また、作品全体に漂う男女関係の清潔さもよかったなと思います。
こないだターミネーター観てて思ったんですがジェームズキャメロンに代表される当時のハリウッド映画って、世界の危機が迫ってるときにラブシーンとか入れてくるんですよね、「今ターミネーターが襲ってくれば面白いよな」とか思っちゃいますねw
主人公もよい。
主人公はちょっと(´・ω・`)なキャラクターで、「人をいとも簡単に殺す能力を持たされた」ことに始終戸惑いを見せ、戦わず解決する方法はないのか、と苦悩しています。またルリ子に言わせると「コミュ障」。
最近コミュ障ヒーローが流行っているのか…??
とはいえ、喜々として人を殴り殺していたら、とてもじゃないけど平和を目指したヒーローとは言えません。
主人公の、池松さん、結構棒読みというか朴訥すぎる喋り方だったんだけど、あれはキャラに合わせた演出なんだろうか。でもわざとでなくてもあの本郷だったらあってるんですよねwペラペラしゃべれる一文字みたいなキャラだったらヒロインと恋愛関係になってしまってたかもしれません。しかしこの映画のいいところはストイックなイメージだと思います。
池松さんは芝居自体はめちゃくちゃ上手いので、セリフだけ棒にしたのかなってちょっと思いました。
他の役者さんも配役がすごくよかったです。
一番よかったのは森山未來くんですかね。彼は、昔からお気に入りの役者さんで、特に今回は清潔感や高潔感が出ていてとても美しかったです。私のイメージする森山くんのいいところが存分に生かされていたのが嬉しかった。
本郷奏多くんも昔からお気に入りなのですが、アルミンやった時あれもう悪役辞めるんかいな。ってちょっとがっかりしたのですが今回悪役に返り咲いておめでたい!悪役のほうが絶対いいとこ引き出せるタイプの役者だと思います!
あと松坂桃李くんはすぐに声でわかりました。彼がいい声で本当によかったです。
斎藤工さんと竹野内豊さんは素顔で出てくるのですぐにわかりますが、こんな脇役に使うのは贅沢かなと思いつつ、ふたりとも黒いスーツに身をつつみイケメンっぷりを発揮!
竹野内豊さんはなんであんなにスタイルがいいんだ……。びっくりしちゃったよ。
斎藤工さんに関してはやっぱりウルトラマンのほうがいいですww
テーマは「幸福とはなにか」みたいなところだと思うんですが、ヒーローは悲しみや苦しみを忘れてはいけないんだというストイックな脚本がとてもよかったです。
ただ、なんというのか、終盤になると少し緊張の糸がきれたような、冗長な感覚が少しありました。
個人的には終わり方はあんまり好きではありません。が、作品の特に前半から中盤までの描き方はエヴァンゲリオンっぽい庵野節をすごく感じましたし普通に面白かったです。
原作はYouTubeで2話までしか見てなくて、仮面ライダーに「されてしまった」理由は知っていたので少し助けにはなりましたが
庵野さん作品特有の「長くて難解な説明セリフ」が多いので、一回だとちょっと理解できなかったかもしれません。 (全部一回で理解できれば、予習は必要ないかも)
ただ、それがないと脳筋ヒーローものになりかねないので、設定自体は面白かったです。もし続編があるならAIをもっとからめて欲しいなと思いましたが、一文字の性格があんまり好きではありませんでしたwやっぱりストイックなヒーローが好きですね~。
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