ついに俺たちのリーアム兄さんも70歳を越えた。
そして今作が彼の出演100作目の映画だという。
今年実はリーアムは三回目なのだが、どうにもいまいちぱっとしない映画が多かったが今回は良い。観た後爽快感があり、明日も気楽に頑張ろうと思えた。
映画はいたって普通のミステリーで、ものすごいどんでん返しがあるという風でもなかった。
ただ、1939年あたりのアメリカの表現が徹底していて、役者が実に自然に溶け込んでいて画としては見ごたえがあるし、美しい。
特に主役のリーアムはハマり役で、ずっと見ていても飽きない。
よくネットで「一緒にいて安心できる人が最高の相手」という恋愛のアドバイスがあるんだけど、リーアムはその点では100点満点である。この混迷した時代に、精神崩壊をギリギリの瀬戸際で食い止めながら、リーアムを見ていると、まるでそんな混沌など存在しないかのような安心感と包容力を感じる。
それではなぜリーアムが良いのかと考えてみた。自己分析では、
まずは特筆すべきその声。
しわがれており、今までも年齢より老いた声を出すような人だと思っていたが、その割に字幕を観ていなくてもはっきりと聞き取れる。彼にはおそらくテクニックがあり(いわゆるparticular set of skills...)役者をやり続ける間は、発声練習をしているに違いない。
全身からあふれ出す善人オーラ。
リーアムは人の良さで知られている。違法アップロード映画についてめくじらを立てるというよりは、「違法だよ~」といつものペースで注意したり。格闘しかけてくるアンソニー・ホプキンスにニヤニヤしながら相手をする動画なんかも上がっているw
その善人オーラがいちいちどのシーンでも発揮されており、字幕を観ているのが本当にもったいないのだ。
表情の芝居がわかりやすく、魅力的でかわいい。
彼はもともと表情をつくるのが非常に上手い。一番うまいのは「悲壮感」の顔。これはリーアムがやると無茶苦茶ハマるので、シンドラーのリストはリーアムで本当によかったと思う。
その次に有名なのが怒るリーアムである。これはなんかしらんけどギャップが凄いので96時間でハマった人がたくさんいる。
それから、女性に対する優しい顔。一番いいのはお子さんに対する優しいリーアムフェイスである。これは誰もが癒される。そして、女性に困ったことをされた時の戸惑いを見せる表情などもかわいらしい。
私は「クールリーアム」も好きである。時折見せる「飽きれて見捨てるような」顔。まあとにかくどんな状況も顔で表現できてしまう人なのだ。
話の筋はそれほどおもろくはないので省略するけど、リーアムの作品には暴力がつきまとう。なぜか、窮地に陥るとやたら殴ったりけったりするのである。なので血の気の多さは健在である。この強さと優しさと誠実さの奇妙なバランスこそがリーアム・ニーソンの味ではないだろうか。
あとはやっぱり、衣装だ。
マーロウは基本的にずうっと背広で、何種類かを使い分けているが、ダンディズムがすごい。また、帽子もよく似合う。調査する時は必ずタバコを持ち歩き、相手に勧めることでアイスブレイクしている。トレンチコートも相変わらず似合う。一生着てて欲しい。
まあちょっと、リーアム以外に褒められる部分があまりないんだけども、「リーアムファンだから観に行ったけどよかった!」と素直に言える作品である。
リーアムファンじゃないとちょっぴりきついかもしれない。意外と話が長いのである。
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