1995年のアメリカ映画。だいぶ古い映画ではあるが、Xでおすすめされていて見てみた。序盤がイマイチ飲み込めず、あとクライムムービーがあんまり好きじゃないらしく頭に入ってこなかった。
中盤くらいから、ケビン・スペイシーの本領発揮といったところか。
私はケビン・スペイシーのちょっとしたファンなので(不祥事で表舞台に立てずにいるが)、彼が普通の弱そうな詐欺師をやるとは思えなかった。
これは絶対ケビン・スペイシーが何か企んでるだろうと。
映画の序盤で、麻薬密輸船が燃えており、その事件でケビンスペイシー演じる「キント」だけが生き残っていて、事情聴取を受けている。
でもおかしいと思わんか。この時点で。
他のメンバーは皆殺しで焼かれているし、一人だけなんとか生き残った男は、全身に火傷を負って息も絶え絶えである。
なのにキントは無傷。しかもやけに冷静だ。
他にもキントの話はおかしなところがあった。
「コバヤシ」弁護士が出てくるのだがどう見ても日系ではない。
百歩譲って彼のオフィスにあるヘンテコりんな日本語はまあ、良しとしてやってもいいが。
話も終盤に差し掛かると、「そもそも全部キントの作り話の可能性もあるからなあ」という気分になってくる。何一つ証拠がないことに気づいてしまう。
そして最後嫌な予感が的中するのだが、
おそらく初見では無理だ。特にケビンスペイシーが悪役をやりがちなことを知らない人も多いから。
ただ、ヒントがないわけではない。
特に途中でやけに冷静に敵を殺すキントのシーンもあるのでね。
2度見ると、2度美味しい名作である。バタフライエフェクトと似て、脚本が秀逸。
ケビン・スペイシーの演技はこの頃から天才級である。天才だからこそ不祥事を起こしてしまうのかもしれないと思うくらいだ。
彼はどちらかというと小さめの声で早口で喋る「おしゃべりキント」なのだがそれにもかかわらずものすごい滑舌がよく、英語の教材みたいな喋り方をする。というかアクセントが正確でクセがないのだ。その上、癖のない声なので印象にすら残らないのだがだからこそセリフの内容に集中できる。
本当に彼は素晴らしい役者だと思う。
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