物語の核心には触れませんが多少のネタバレ記事にはなります。
さて最後はメアリーとの思い出のホテルへ向かいますが、そこでアンジェラとまた出会います。彼女は、どうやら父親の遺体のようなもの(例によってまたよく見えないし顔もない)を前に、炎に包まれていました。
「これ、なんなん?」と思ったのですが多分「煉獄」ではないかと思いました。
煉獄の正しい意味ですが、カトリックにおいては罪人が罪を浄化し天国へいくための通過儀礼だそうです。地獄の炎ではありません。最初はアンジェラは被害者なのに焼かれて死ぬんか?と思ったんですが、多分カトリックの解釈に基づいていれば、あのまま炎の中を彷徨ったあとじき天国に召されるのではないかと思います。
また、「罪を洗いながせ」と書かれた本を見かけることもできました。
で、私はサイレントヒル1をやってないので、後から知ったのですが、サイレントヒルは罪人を呼び寄せてしまう場所らしいのです。
ジェームズの罪の告白はかなり終盤で、そのあとは怒涛の展開で三角の人をきちんと倒せたらラスボスが待ち受けていますが、すごい強いわけでもないんだけどあまりアイテムを提供してもらえなかったりして最後はかなりきつかったです。あとアンジェラの時も思いましたが、「精神的なストレスがかかる」ゲームだなと思いました。
ですが、そこがサイレントヒルの魅力だと私は思います。
ただ敵を倒し続けるホラーゲームなら腐るほど存在するからです。
ジェームズは罪の意識に苛まれており、自分を責め続けると同時に、罪から目を逸らし逃げたいという気持ちもあるわけで、色々な感情が彼の中に渦巻いており、それがあの異形のものたちとなって自分に襲いかかってくる。そして案の定、マリアはジェームズの作り出した妄想のメアリーの姿でした。
それらの彼の葛藤を全て片付けて、罪や感情と向き合い、認め、「次の人生を送る」というエンディングに私はなりました。
あ、メアリーのいる天国に行くんじゃないんだ。と拍子抜けしましたが、
やっぱり、それが正しいよね。
一緒に死のうってのは本来の人間のあり方じゃない。
「忘れないけど、もう自分を責めない」というのが正解だと思います。
と同時に、私も数々のトラウマや憎しみとちゃんと向き合って、昇華させないといけないなと強く感じました。
良い作品ですね。確かに傑作だと思います!
しかし謎がまだ多い!
ローラがなんだったのか全然わかりませんでしたwwwメアリーの知り合いで同じ病院であることはわかったのですが、彼女は「ジェームズの未来」ということなんでしょうか・・?でも実の娘とかではないですよね。
引き続き考察してみたいと思います。ありがたいことに古いゲームなので大量のファンが考察を残してくれています。しかも日本製なので。(アランウェイクの時は英語のサイトをいくつも読みました・・)
エンディングがあと7個用意されているそうで、ちょっと気にはなるのでぼちぼち楽しんでやろうと思います。
トラウマの昇華にはゲームは実は意味がなく、こればっかりに時間かけるのはいけないなとは思いますが。ゲームはやはり現実逃避ですね。現実逃避のためにゲームを買って、ジェームスの現実逃避を終わらせる戦いに挑んだわけです。
それにしても、クリーチャーデザインは秀逸だと思います。
三角の人は、クークラックスクランが元ネタなのかなと感じましたが、素材が鉄なのがカッコよかった。あと音楽もすごくかっこいいですね。
ライイングフィギュアは、デ・キリコを思い出します。デ・キリコは「マネキン」の絵画をたくさん描いていて、サイレントヒルに出てくる頭が脚になっているクリーチャーも名前が「マネキン」です。まあ、ナースだけはどうも合点がいかないデザインではありますが。(あれは他の人も本来のナースの服装ではないと言っていました)
作品のテーマもストイックで、戦う相手は常に自分自身の分身かと思うと、非常に重たいテーマでありながら、自分があの世界に行ったらどのような責苦が待ち受けるのか、と想像が掻き立てられ、2度美味しい作品だと思います。
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