2022年3月12日土曜日

ザ・バットマン

およそ2か月間くらい、途中帯状疱疹という奇病に罹りながらもずうっと心待ちにしておりました「ザ・バットマン」、ついに観て参りました!

あまりにも期待が強すぎて、もし気に入らない展開とかになったらどうしよう。失望させられたら。などと思ってしまいましたが、見事に期待通り。

私は今作の「あまりにも暗すぎて、黒すぎて、陰キャすぎるブルース・ウエイン」のビジュアルに夢中になっていましたが、なんと、

映画本編ではもっと暗いんですよ!!!!

陰キャ好きホイホイってな感じで

通常の精神状態の人々からすれば、「バットマンの方が病んでるのでは…????」っていうくらい、ものすごい暗かったです!!

まあ、でも、そもそも彼は病んでるキャラなのかもしれないですね。

私は、バットマンという昔からいるキャラクターにはいろいろと疑問を持っていて、「大富豪なのになんで夜な夜な変な格好でヒーローしてるのか」の答えは、「病んでるから」という回答が得られたかなとは思っていますw (それもどうなのって感じではありますが)

ただ、「じゃあ昼間なにしてんの」はいまいち回答が得られなかったというか、単なる昼夜逆転野郎になっている気もします。しかもウェイン・エンタープライズが何をしているのかもいまいち明らかではありませんでした。予告編にある通り、もうちょっとがんばってもらえませんかねと言われ続けるだけで……

私が初めて観たバットマンって多分これなんですよね。アメリカでなんとなくやってて。バットマン、有名だったけど「なにやらキモイ」って思ってましたw

https://www.cancelledscifi.com/2020/09/26/classic-sci-fi-tv-batman-1966/ 

でも、今作は、彼をスーパーヒーローではなく、「どことなくキモイ陰キャ」として描いてくれたのが、すごく納得がいきました。

やはり、彼は暗いのですよwあと、コミュ障がひどかったですww金持ちなのに…イケメンなのに……。過去にひどいことがあったからとはいえ、もうちょっとなあ、って思いますが、クリストファーノーラン版があまりにもヒーローすぎて、どうにも鼻につくので、やっぱパティンソン君バージョンがいいなあ!

 

ストーリーやプロットについて

果たしてバットマンは、ウェイン・エンタープライズは善なのかという根本的な問いを投げかける、 バットマンが煙たがられたり、疑われたりする感じが、すごくリアルで説得力はありました。「なぜその格好」はわかりませんでしたが(笑)しかも、格好も結構揶揄されててリアル感ありました。

そして、世の中の悪にしか目を向けず、どこかひとりよがりになっているブルースという青年の成長物語でもあったりします。

私はしきりに今作のブルースを「かわいい」と言ってきましたが、それもそのはず、彼はまだ中身が少年というか、頭脳明晰でありながら、父親を小さい頃に亡くしたことにこだわり続け、少し被害者ぶっているきらいがあります。自暴自棄な感じですね。

バットマン自体が好きな人はちょっとどうなの?って思うかもしれなくて、私は、これ「バットマン」じゃなかったら、もっと好きだったかもという作品ですw根底を覆すような意見ですが。


映像について

映像も非常に暗いです。かなうのであればドルビーシネマがいいと思います。私はドルビーシネマで観ましたが、恩恵はかなり受けられたかなと思います。

予告編にもあった、暗闇での戦いは「ドント・ブリーズ」みたいで格好よかったですね。というか設計っていうんですかね。銃を撃つ、その時だけ人が見えてまた真っ暗になる、のテンポとかよかったですね。

3時間近くあるのにテンポが結構速くて、ここのブルースもうちょっと観てたいんですけど~!っていうのもすぐ次に行っちゃうので、字幕観てるのが惜しくて、がんばってヒアリングするようにしていました。

セットもかなりこだわりを感じました。特にウエイン家のリビングがなんかすごかったです。あんなんあるんかいなっていう。ちょっとテリーギリアムとかその辺に似てるかなあ。

あとドルビーでよかったなと思ったのが、みんな大好きカーチェイス。バットモービルのエンジン音凄かったです!映画館が振動していて、久々に臨場感のある音響体験ができたな~と思いました。


男女の微妙な関係性

マットリーヴス監督は「クローバーフィールド」しか観ていませんが、前にも書いたとおりあまりにも臨場感がすごくて、あまりにも完成度が高く、大変感動しました。

そんな監督ですが、バットマンとキャットウーマンのとても微妙な関係性を描くのがすごく上手かったと思います!

この感覚は、マッチョなヒーローものだとなかなか、観ることがかなわないと思うので、少々驚きました。女性視聴者として、これは指摘せざるを得ないですね!

ブルースはあんな陰キャの世捨て人人格で、頭はいいのに気遣いが全然できないので、キャットウーマンには散々怒られています。

捜査中はすべて録画してるんだけど、キャットウーマンがブチギレてバットマンと口論になり、とんずらされるシーンがあるのですが、その口論の録画内容をずーっと観てるシーンがなんか可愛かったですw

男性の頭脳は「この子かわいいし優秀だから相棒として使えないかな」と思うけれども、反抗されて少し執着を燃やしてみたりする。かなり単純です。

女性の頭脳は、ブルースの持つ「ゴッサムを救う」という大義は理解できない。自分の周りのことで精いっぱいだ。いい男でも、利害が一致しなければあっさり捨てる。器用と言えば器用だし、合理的。

この2者のすれ違いや考え方の違いなどが結構細かく描写されていて、恋愛ものにはほど遠いですが、 これが現実じゃないかなーと女性としては感じました。

ノーラン監督だとこうはならないかな…?と。 

悪人たちがセリーナ相手だと態度を変えるのも面白いですよね。


キャラクター造形が非常に良い

役者もなかなか錚々たるメンバーですが、きっと監督が丁寧にキャラクターを創り上げているのでしょう。それぞれの役者の持ち味を生かしながらも、個性が非常に豊かで、「こいつ誰だっけ」が無いように、わかりやすく描写されていました。

ブルース・ウエイン(バットマン)

マジで暗すぎてビビるくらい暗かったけど、それがよかった。初心者バットマン感がすごくいいんですよね。時々がんばりすぎて失敗しちゃうのもかわいい。

カウルを脱ぐと、ものすごい疲れた顔をしていて、でも、ひどい服装をしながらすぐに捜査の動画を流して分析を始めるという、真面目すぎて崩壊寸前みたいなやばい人でした。

とはいえ、キラキラブルースウエインだったらまったく観ようとも思わなかったので、これが視聴者にどのくらいささるかはわかりませんが、説得力のあるキャラクターになっていると思います。あと単純にめっちゃ私好みでしたw

パティンソン君の芝居はかなり繊細でした。カウル被ってたら目でしか演技できないのに、なんか泣きそうになってる目をしてたりとか、凄いなって思いました。

キャットウーマン

アン・ハサウェイバージョンも凄かった記憶がありますが、ゾーイクラヴィッツの猫目がすごく猫っぽくて、かわいいし、キャットウーマンっぽさが出ていて、ピッタリだと思いました!ショートカット、良すぎ。

性格はギャルっぽいのがツボりました。陰キャとギャルの凸凹コンビ。ラノベにありそうwギャルが陰キャに突っ込みいれてるのが私的にはちょっとしたコントでしたね。まあ、この子は言うなれば逆。陽キャですよね。

リドラー

リドラーもめずらしくツボなキャラクターでした。データの扱いなどに長けている頭脳派で、ネットをうまく使って支持者を得るなど、大変今時なヴィラン像と、日本にもいそうながり勉ルックス、色白童顔、ダサメガネが良くマッチしています。また、お芝居も狂気な喋り方が迫力と個性があるし、普通に演技力すごいなと思いました。なんかね、観てて面白いキャラなんですよね。不快感がありそうで無い感じ。

ペンギン

こいつどう出るのかなと思っていたら、お笑いポストでしたwかなり、ユーモラスです。コリンファレルやるなあ~!!こんなのもできるのかwと。

アルフレッドとゴードンはまあ大体想像の範囲内でした。

 

パンフレットなんですけど、暗いブルース・ウエインの写真いっぱい欲しいなって思ったんですけどほとんど入ってなかったので、ブルースに期待する人は買わないほうがいいかもしれないですwww

もうちょっと彼を入れてくれてもいいんじゃないかなー

女性ファンの大半はパティンソン君目当てだと思うんだがw

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