のっけから厳しい結論を言うとすごいつまらない映画でした(ひどいww)。
別にクリント・イーストウッドが悪いわけではないのかなと思いますが。
脚本がとにかく酷い。ストーリー展開が緩すぎて雑すぎる、次に何がくるのか想像もつかないが、いわゆるドキドキして待てるようなものではなく、あまりにもあてどなくふわふわしすぎている。なんだかんだで国境に着くのを延長するように同じ街を出たり入ったりするだけ…。
例えばこれがあてどもなくメキシコの荒野を転々と放浪する話だったら、俄然面白かったと思うのですが、同じ街にダラダラステイして、中途半端に仲良くなってるのに帰らなきゃいけないってずっと言ってるわけなんですよね。
いやそこも、描き方によっては、エキサイティングな書き方が出来たと思うんですよ。私が書くんだったらそうしますね。テンポよく色々出来事が起きればいい。だけど、出来事も主展開に関係ない乗馬の話とか(これ後から生かされるのかなって思ったけど全然関係ないし…)で、とにかくダラダラダラダラ話が続くwクライマックスみたいなのが来たかと思ったら一瞬で終わって笑うしかない。
じゃあ、人間ドラマをもっと深く描くのかというとそうでもない。身の上話がさらっとしすぎているし、貧困問題でもないし、美人な未亡人にセクハラ男が迫っているわけでもないwもし、未亡人がマジで困ってるとかだったら、深みが出たと思うんだけどな。
何がしたいんだよお前ら、これヒューマンドラマじゃないのかね。と思っていたんだけど、ヒューマンドラマではあるんですよ。だけど、説得力がないし、それに十分フォーカスしてないから、全然泣けませんでしたw
もしきちんとヒューマンドラマにフォーカスして描くのであれば、主人公のひとりである少年の成長にフォーカスしなければなりませんよね。
まずは母親との関係。かなり悪いし、母親自体も確かに悪い女というか、狂人だなと思ったんですけど(その辺は緊張感あってよかった) 、十分に追っかけてこないのでその後あまり緊張感がありませんでした。緊張感がないから説得力がない。また、母親と完全に縁を切るのか、彼女と少しは和解するのかとか、未練の辺りもきちんと描かれていなかった。これは一生涯ひきずるのでは…?
次に父親との関係。よく知らない人のところへ行くのに、少年がかなりあっけらかんとしている。父親の住んでいる環境へのあこがれよりも、彼の人格とか、少年の具体的な未来とかの話をするべきだったのでは……。馬に乗れるとか、そうじゃねぇだろってちょっと思った。
テキサス男のバカさ加減が露呈してしまうので時代遅れ。男子は馬に乗れれば出世できるわけではない(笑)もちろん、舞台の年代は1970年代くらいなので、いいっちゃいいんだけども、1970年代以降はやはり大学を出るとか、何かの資格をとってアメリカで成功するのが本筋だと思うんだが(主人公がロデオで失敗してるんだから、勧められないはず。馬に乗るのは趣味程度にしとかないとな)。まあ、主人公がロデオ失敗男なのでしかたないのか…。
メッセージ自体は時代遅れではないので、残念なんですよね。
その点、「グラン・トリノ」はかなりしっかりしてましたよね!あれも少年が出てくるけど、ちゃんとクリントが建築現場に連れていって紹介をし、工具を一緒に買いに行ってあげたりする。あれは具体的ですごくいいエピソードでした。しかしあの映画の凄さは驚愕のエンディングと、グラントリノが車であることなんですよね…w
また、運び屋に関してはクリントがいい具合にしっかりとメインキャラクターを演じていて、彼を中心に話が進むので大変面白かった。クリントじいちゃんの自由で楽しい生き方にほれぼれするし、それがキャラクターとして生かされていたんですよね。
だけど今回は、
主人公の性格がふわふわしていていまいち掴めない(脚本が悪いのかもしれないが、荒々しい性格なのか、穏やかなのかポンコツなのかいまいちわからない。が、頭がいいことは確か)
少年に悲壮感がない(あんな母親から逃げてきてストリートライフを生きてたなら、もうちょっとアッシュリンクス感を出してほしかったw)
キャラが立ってたのは女性のキャラクターだけですかねぇ。
唯一面白いのはオンドリのキャラクターなんですよね。
こいつの名前が「マッチョ」で、攻撃力が強いので、もはやこれはオンドリのドラマなのでは………
って思いましたw
オンドリに芝居をさせるのは大変だけど、もうちょっとオンドリを活かせたら独特な映画になったかもしれないですねw(活かしきれてないのでちょっとうるさかったですwww)
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