しまった、雨の到来について間違った解釈をしていたので、ここで訂正する。
雨の到来の息子は、「鷲の飛翔」だ。
チャールズがネイティブアメリカン的ルックスと言動なので、うっかり勘違いしてしまった。
チャールズについて復習しよう。チャールズの親は父が黒人、母がネイティブアメリカンだった。チャールズの体格は雨の到来たちに比べると一回り大きい。かなりガタイがよく、頼りがいがあるのは、黒人の血を引いているからなのかもしれない。そういえば、肌が結構浅黒いなとは思っていた。
チャールズはネイティブアメリカンにも属さず、13歳で放浪の旅に出たようだ。その過程で、素晴らしいサバイバルスキルを身に着けたというわけだ。道理で弓矢の扱いが抜群である。
さて、雨の到来の息子、鷲の飛翔は、白人の蹂躙に完全にぶちぎれて、コーンウォール油田に突撃してしまった。だが鷲の飛翔、上半身裸なのにものすごい強い。というか、スピードが速すぎてピストルの弾に当たらないのだ…。
最初、ダッチは「なんで雨の到来とつながってるんだ」と驚いていたが、俺はなりふり構わずこの息子を助けることにした。雨の到来にはいろいろと、世話になったというか、精神的な絆が出来上がっていたんだ。薬ももらったし、なるべくなら彼らには幸せでいてほしい。
どういうわけか、ギャング一味がついてくることになった。
激しい戦いののち、ダッチが「ここには大金があるはずだ」という。そうか、それが目当てでついてきたんだな。
まあそこまではよかったんだ。
債券を手にいれ、帰ろうというときに、俺はコーンウォールの連中に捕まってしまった。殺されるかもしれないというときに、倒れた俺は確かに見た。ダッチは、静かにそこを去ろうとしていた。
見捨てられた。
そう思った。俺が病気なのも知ってるし、最近反抗的なのも十分承知している。ここで見捨てれば、かわいそうなアーサー君を他人の手で処分することができる。
ダッチはそういう計算高い男だ。あまりにもショッキングで、予期していたことだったにも関わらず、怒りが湧いた。
そこに割ってはいってくれたのが、鷲の飛翔だった。
彼は強かったが、そのせいで重傷を負ってしまう。
俺とチャールズは雨の到来まで息子さんを送り届けた。あまりにも、悲しく、怒れる事態に、俺は、このまま雨の到来のネイティブアメリカンたちとともに過ごしたいと願ったが、チャールズには止められた。
「ここは俺が面倒を見る。アーサーは、ギャングたちに必要とされている」
これ以上何をしろというのだ。
一体俺は、ダッチと今後どんな風に過ごしていけばいいというんだ。あと少しで逃亡資金がたまる、なんてダッチは言っていた。その逃亡まで、俺の命はもたないかもしれない。
最近はひとつミッションをこなすと、咳き込んで座りこんでいたが、今回は道のど真ん中で倒れてしまった。誰かが介抱してくれたのはなんとなく覚えている。あの時助けたドイツ人のファミリーだ。あの時は元気だったし、そもそも俺は他人の家族を引き裂くなんてことはしない。
こんな時に、彼らが恩を返してくれたおかげで、俺はもうちょっと、生き永らえることになってしまった…。
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