2023年8月14日月曜日

問題作「Barbie」を紐解く

この映画はCMやビジュアルを観てから大変期待していましたが、思っていたよりはシビアな内容だったと思います。

まず日本人男性で40代以上だとこれはきついかもしれません。一緒に見に行くのは避けたほうが無難でしょう。日本人男性にはこの映画は刺激が強すぎると思います。

かつて「プロミシングヤングウーマン」を見た時もそう思ったのですが、あれは明らかに怪しいからダメな人は避けると思うんです。でもバービーは難しいんじゃないかなとちょっと思ったので。

以下、ざっくりを感想をまじえながらどの辺がヤバかったかまとめようと思います。

個人的にはとても勇気づけられる映画ではありましたが、絶賛しようとは思いませんでした。

 

バービーは、なんにでもなれる。女の子は、なんにでもなれる。というのが、バービーのコンセプトでした。

バービーはそれを信じて疑いませんが、身体に異変が生じたため、原因を探りに「リアルワールド」(カリフォルニアのどっか、ロスの近く)に旅に出ます。

冒頭の世界説明の時点で、ケンが思ったよりかなり不安そうにしているのが印象的です。彼は、本気でバービーを愛している(ということになっている)のですが、バービーは友人としてしか見ていません。

ですが正直うざキャラになっているケンは、印象自体があまりよくありません。また、かなりの依存症であることも示唆されます。

このタイプの男性は、病気に近いですが、現実世界には腐るほどいます。


バービーは現実世界で女性のステレオタイプとして扱われ、セクハラされまくります。この辺ですでに気分の悪い方もいらっしゃることでしょうw

バービーが女の子に「バービーはファシストよ」とすごい悪口を言われ、嘆き悲しんでいるところに、ケンは別行動で「バービーのおまけではない、男性が中心の世界」を見て感動します。 

悪夢の始まりです。

ケンは一足先にバービーランドに帰り、なんとバービーランドを男性優位の世界に洗脳してしまいます。

ここの描写も極端ですが、印象的だったのは、今までキャリアウーマンだったバービーが「頭使わなくてよくなったから楽だわ!」と言っているシーン。このセリフ、実は私たち女性にも突き刺さります。

男性優位の社会では、重い責任や面倒な仕事は男に任せておけば楽ができます。30年前くらいまではそうだったかもしれません。この怠惰な発想が、女性の自立を妨げてきたのです。

しかし、いくらケンが頭悪くてセンスがないからといって、この世界はどうしたことでしょうか。男性は偉そうにしているだけで、ごりごり働いているわけでもなさそうです。工事のシーンだけがあり、そこでは「KEN AT WORK」というギャグな看板が立っています。工事しかできんのかい!

他のケンは女にビールを持ってこさせるか、それっぽくサンドバッグ殴ったりしているだけです。

リアルワールドを一通り体験して目が覚めかけているバービーは洗脳されず、ケンから世界を取り戻すために一計を案じ、ケンたちを騙して同士討ちを誘発します。

(この作戦会議のシーンでリアルワールドの女性が数分間ぶちまける「女の苦悩」は首がもげそうなくらいうなずきました)

この辺のシーンは「プロミシングヤングウーマン」と同じで、目を覆わんばかりの「男のバカさ」が描かれております。これ、さらに気分が悪くなること、うけあい。

特に笑ったのは、「ゴッドファーザー」のよさを男性に語らせれば夢中になって隙ができる、という作戦。ひどいですねww

私が女性だからかわかりませんが、ゴッドファーザー観たとき、全然頭に入ってこなくて、唯一覚えているのが、女性がブチギれて家じゅうの食器を割るシーン。

男性向けの映画なのかもしれないですね。

 

私は、ちょうど先週体調を崩しており、「真の男女平等はお互いに助け合うことだ」という結論に至っていました。ひとりで生きていくのは苦しいかもしれない。だけど、依存関係は正しい関係ではない。ましてや、お互いの性欲を満たすためのパートナーというのも違う。

ケンはどうしても手に入れることのできないバービーを前に泣き崩れますが、彼に必要なのは自立だったのでした…。


私は、この映画は多くの真実を突いていると思います。

まず、バービーランドでは、女性が自立していますが、男性は脇役として飾りのようにおかれていました。バービーは政治に学問に大活躍しているのに、男性が表彰されるシーンがありませんでした。この時点で、この世界は不平等ということになります。

不平等ではかならず軋轢が起こり、反乱が起きます。

ですが、哀れな男たちは、「女性に認められたい」という承認欲求で生きているため、女性を殴ったり殺すことができないのです。

我々女性が権力を握れば握るほど、男性側にもストレスがかかる。

「どうしたら平等になれるのか?」それは、お互いに依存しない生き方を見つけ出すこと。

男性の自立は、女性と平等な土俵で戦い同じくらいの成績を出すことなのかもしれません。

またもう一つのテーマがあります。それはバービー自身のテーマです。

マーゴットロビーのバービーは「ステレオタイプ」のため、特技がありません。 キャリアもありません。絶望して泣くバービーは、下手すると笑っているときより全然かわいいのですが。

「でも、それでもいいんだ」というのがメッセージです。

もちろん、可愛ければなんとかなる、みたいな話ではありません。

別に、「大統領」「弁護士」「看護婦」などの大層な職業につかなくても、落ち込まないで!ということなんだと思います。

「普通のバービー」で、いい。

そして、恋をしたりケンと結婚をしなくてもいい。

でも、ケンが自立してしっかりしたら、対等な話ができるようになるかもしれません。

ライアン・ゴズリングの役どころは大変だったと思います。ケンは元来悪いキャラクターではないのです。そんな「もとはイイ子」でも、抑圧され自分の使命を間違えると悪党になってしまい、似合わない毛皮のコートを羽織って、無駄にサングラスを二個もしています。

甘えん坊な自立できてない男性なら「女性が相手にしないのが悪い」というかもしれませんが、優秀な遺伝子を選ばなければいけない我々としては、子供に子供をつくらせるわけにはいかないのです。

かっこつけているよりは、素直に自分の問題点を語ってくれたほうが我々も寄り添える。映画はまさにそういうことを言っているように感じました。

ですが、正直映画自体が男性の問題まではしっかり解決していないので、男性が不満を持つか、メッセージを受け止められるかで、感想が変わって来そうですね。 

マーゴット・ロビーが面白いなと思ったのは、

彼女、泣いている時のほうがかわいくて美しいんですよね。

すごく不思議でした。

冒頭のハッピーなマーゴットもいいのですが、どうしても笑顔が張り付いているような印象を受けました。

途中から、なんども涙を流すバービーが、口調も変わり、だんだん大人になっていくのが、とてもよかったです。 


決してハッピーな映画ではないし、結婚に夢を見る女性には絶望を抱かせ、依存している女性は夢の世界からたたき起こされ、独身女は「もっとしっかりしろ!」と叩かれているような、厳しい内容だと思います。

と同時に、現実だからこそ、みんな苦しいから完璧でなくても、落ち込むなと励まされているようにも思えます。

2023年8月11日金曜日

歴代ブルース・ウェインを比較する

本日アマプラでバットマンVSスーパーマンが見られるようになったので、一通り実写は見たことになるので、まとめたいと思う。

私が子供の頃は、キートン版が大流行しており、またジョーカーがとにかく人気だった。

しかし、マイケルキートンは実はあんまり好きではない。顔立ちがキツく感じるのである。

彼の出演した2作品はティム・バートンの実力が遺憾無く発揮されており、世界観やビジュアルは本当に素晴らしかったのだが。

3作品目に差し掛かって、私は感動した。

正直、あまりイケメンとは思わなかったが、見れば見るほど惹きつけられるブルース・ウェインであった。

ヴァル・キルマーというのは不思議な役者である。

3作目は、リドラーとトゥーフェイスがタッグを組んで悪さをやらかす回なのだが、

なんとリドラーはウェインエンタープライズの研究員である。社員なのだ。

冒頭で社内視察を行うブルースのところに、自己中なエドワードが直談判にやってくる。マインドコントロール装置を会社から発売しないかと。ここのブルースが素晴らしいのだ。

最初はとても礼儀正しく、温かい笑顔で社員と握手を交わすが、一旦秘書に預けるようにいう。婉曲に断ろうとしているのだが、エドワードが気が短いため、即答を要求すると、ブルースは声をそれほど荒げるでもなく、「答えはノーだ」ときっぱり告げる。

この一連のシーンが素晴らしかった。ヴァル・キルマーこそ、理想のブルース・ウェインであるように感じた。

ヴァル・キルマーは声も素晴らしい。皮肉なことに彼は声を病気で失ってしまったが、おそらく歴代ブルースの中で一番声のイメージが合っている。上品で、暗い響きのある綺麗な声だ。

また、この映画はアクション映画に見せかけて、ブルースが過去のトラウマに苛まれており、きちんと自分の過去を思い出せないという可哀想な設定がついている。その設定が不安定で繊細なブルースを作り出しており、実に味わい深い。ヴァル・キルマーが演じるとなんとも危うげな雰囲気が出るのである。リアリティがあった。

また、相棒である「ロビン」が加担するのだが彼にまつわる一連のシーンも素晴らしい。まずロビン自体がすごいイケメンなのもいい。ロビンを自宅に引き留めたいブルースのそっけない勧誘の仕方もかっこいいし、ロビンが孤児になった原因はバットマンだと思い込んでいて、ブルースの胸をドカドカ叩きながら泣くところもいい。あの時のブルースの慰め方も素晴らしかった。

しかし一番良かったのは、ロビンが一緒に戦いたいと言った時のブルースの断り方だ。劇中で一番真摯であり、一番ちゃんと怒っていた。

このブルースは感情表現が少なめなのにも関わらず、抑え込んだ感情が滲み出るのを見落としたくなくて、一生懸命に見入ってしまう。ブルースは恋愛も繊細で、初めての恋だと言い切っているが、それによって騒ぐでもなく、静かに思いを成就させていく。

こういうヒューマンドラマの描き方が結構良かったのに、なんとなくチグハグになってしまうのがバットマンという素材の悲しいところである。

その次の作品は、バットマンスーツに絶望を覚えたキルマーが降板してしまい、ジョージ・クルーニーにお鉢が回ってきた。

さてこの回が最悪だと言われているが私もそう思う。

単純にブルースらしくないブルースなのである。何一つブルースらしさが感じられない。

ジョージ・クルーニーは大好きな役者だが、全く向いてないと思った。

悲壮感が全く感じられないのである。金持ち感はあるしイケメンだが、コミュ障でも陰キャでもない。

またヴィランにポイズンアイビーが入ったことで、色恋沙汰が発生して余計品格を下げてしまった。

Mr.フリーズは完全に脳筋だし、バカすぎて感情移入できない。

そもそもだがジョージ・クルーニーが髪の毛を綺麗に刈ってしまってるのもかなりおかしかった。

ブルース・ウェインは前髪長めが正解。あれが、危機に陥るとばらけてくるのがセクシ〜なのである。

さてこのあとはクリスチャン・ベール3部作。作品として完成度が高いし、今の若い人、同世代はみんなこっち派かもしれない。でも私はクリスチャン・ベール版はあまり好きではない。

(余談ではあるが、妹が激ハマりしていたので血は争えないと思うが、私はやはり繊細ちゃんブルースが好きである)

ノーラン版ではブルースの悲壮感は出しているが、ブルースの内面には迫っていないと感じるのである。

外見は素晴らしいし、バットマンになっていく過程もよく説明されているが、私は感情移入できなかった。

その次はベン・アフレック。

冒頭からしっかり社長をやっており、社員を助けるシーンが出てくる。どちらかというとブルースの話なのかもしれない。が、このブルースにはいくつか問題があり、それはよく世間でも言われていることだ。

彼は完全にやさぐれ切っているようなところがあり、結婚もせず、悪い奴らを拷問するし、銃も撃つ。多分何人か殺しているかもしれない。会社の運用はしっかりやっているようなのだが、なんとも荒廃感漂う哀れなブルースである。(しかし普通に考えたらこうなるかもしれない)

一番きついなと思ったのは、スーパーマンに吐くセリフである。これがこのブルースの全てを表していると思った。

「お前の両親は、お前は目的を持って生まれてきた、と教えただろう。だが俺の両親は違った。

路上でいきなり人が死ぬ、ということを教えてくれた」

セリフこそ淡々としているが、激しい怒りが秘められているのを感じる。

またこのバージョンのバットマンは私に言わせればもはやターミネーターや殺戮マシーンの類であり、美しさや妖しさ、ミステリーなどどこにもなく、全く惹かれるものがなかった。


荒れ切ったバットマンが作り出されたあと、まるでそれにリセットをかけるようにして生まれたのが、我らがパティンソン版バットマンである。

マット・リーヴスの表現はどこまでも地に足がついており、改造車はあるものの空飛ぶ飛行機などブルースは所持していない。普段の移動は普通のバイクである。スーツは防弾だがそれ以外の特殊な加工はなく、空を滑空するウイングもお手製の危険な代物である。

そして何よりブルースが脆弱で不安を煽るような存在であった。

これは、ゴッサムシティそのものを表しているのかもしれない。

私たちの住む日本という国も、なんだかこれに近いような気がしてならない。

マット・リーヴスは、お金持ちでもどうしようもない現実的なブルースを描くことで、世界の危機感を示している。ブルースは疲弊しているが、焦っている。ヒーローになろうとすら思っていないが、とにかく過去のトラウマを克服するためには、悪党をぶん殴りたかった。悪党が、怖くなって街を徘徊できないようにしたかっただけなのだ。

ブルースは哀れな精神病の青年で、その目と精神は10歳から成長していない。

だが、今までで一番惹きつけられたのがこのブルースであったことは間違いない。


映画にはヒロインが何人も出てくるが、みなブルースに惹かれる理由はその繊細さや危うさである。「何を隠しているのか」が気になって、毎回ブルースを質問攻めすることになる。そして毎回ブルースは困ってしまう。キートン版でも緊張して自分の正体を話せない。キルマーはもっと大変だ。トラウマを引き出すものを見ると会話が止まってしまうくらい深刻である。キルマー版は女性がブルースのトラウマを助けるような展開で、ほっこりして終われる。パティンソン版は、セリーナに興味を持たれると恥ずかしそうに俯くのだが、全身で愛されたがっているのがかわいい。寂しがり屋のブルースである。

妹は脳筋なので、クリスチャンベールのスーツ姿萌え!!しか言っていないのだが、私は女性ファンを増やすならやはりブルースのもつ危うさは描いた方がいいと思っている。それだとヒーローとしてはあまりにも不安なのでは?と思われるかもしれないが、トラウマを抱え苦悩しながら戦うブルースの姿に、おそらく多くの男性も勇気づけられているのではないかと、私は推察している。








2023年7月23日日曜日

MISSION:IMPOSSIBLE DEAD RECKONING PART1

私はTVシリーズを英語で観てた「オリジナルのファン」なのでタイトルはできれば英語で書きたいし英語で発音したいほう。

スパイ大作戦から受けた影響は計り知れないので、オリジナルは本当にリスペクトしている。

トム・クルーズはシリーズ一作目で私が大好きなジム・フェルプスを殺してしまったため、非常に心証を悪くしたのだが

今回は面白かった。

面白いが、トムがナルシスト&フェミニスト(&女好き)でそこがいいような、悪いような。

要は、イーサンってキャラクターは、一種の人たらしであり、

自分のルックスに異様な自信があるため(まあトム・クルーズの顔ならわかるが)、女性に初めて接触しなければならない時は、意味ありげに間をとって「君に興味があるぜ」という目線を送る。トム・クルーズが昔からやりがちな手であるw

しかし、彼は生粋のフェミニストであるため、女性の素性を知らなくとも、極悪犯罪者でも助けてしまう。しかも命をかけて。

それに感動した女性たちに助けられてる、みたいな話であるw

なのでトム・クルーズは嫌いになれないし、むしろ年とってもあれだけ映画づくりに命がけなのは、非常に評価したいところ。若い時だけモテればいいやと、散々女遊びして適当に来た役だけこなして、少しずつ引退していくタイプとは貢献度が違う。

歳を重ねることにより評価が高くなる役者ってのはたまにいて、ブラピなんかもそうである。彼は実はほとんど変わってないんだけど、「歳をとってもすごい筋肉」とかでやはり評価が上がる。映画作りの方も結構やってるし。

話も結構面白かった。

冒頭の潜水艦事故の見せ方も非常にうまくてひきがあり、

砂漠のシーンでは、レベッカ・ファーガソンのリアル女スナイパーが格好良すぎてしびれ散らかす。

次に空港でめんどくさい爆弾を見つけたときも、頭が混乱しかけるがそれをうまく利用した脚本。

私が気に入っているのはローマでのカーチェイスの一部。カーチェイス自体は実は嫌いな部類に入るのだが(うるさいし、誰か絶対轢かれてるし)、

今回は、ヒロイン(新登場)がポンコツドライバーのため、わけあってトムが運転を教えることになる。

「もしも自動車教習所の教官がトム・クルーズだったら……?」

相当テンションがあがる。

トムじゃなくてステイサムがいいとか、リーアムが本命とか、別にパティンソン君でもいい(教えるの下手そう)とか思うけど、(ハリソン・フォードは断りそうw)

トム・クルーズが教官っていうのは頼もしい。映像を見ているだけでも、相当腕があるのがわかるし、彼は飛行機操縦もそうだけど、冷静で的確なのだ。絶対女性を怒鳴りつけないし、超ポンコツドライバーにも優しいし、ぶつけて事故ると命を心配してくれる。

ザ・いいひと なのだ。

パーティーシーンは隣の人が寝ていたくらいには静かなのだが、実は水面下で大きなせめぎ合いが行われているシーンだ。ポーカーが静かなのと同じだ。

レベッカ・ファーガソンが剣で戦うシーンがかっこいい。近年本当に私のお気に入りの女優さんだ。

最後はオリエント急行が舞台となる。これは終わるまでずーっと苦しい。ずっとずっと手に汗握って疲れるシーンである。

 

偽名かもしれないが、「グレース」

このポンコツドライバーが、成長する物語なのかもしれない。

関係ないけど、「ガブリエル」結構好き。

列車のシーンはアンチャーテッド2とよく似ているし、アンチャーテッドにもガブリエルって出てくるので、案外ゲーム好きな脚本家だったりして?

 

とある強大な力を持つアイテムを取り合いし、だが、「使い方がまだわからず」なのは、筋書がかなりインディージョーンズと似ている。

インディーは太古のオーパーツがネタなので、ネタの違いかな。歴史ものも大好きだし、特にキリスト教がからむと萌えるんだけど

今回は、AIが絡んできます。まるで時事ネタじゃねーかって感じですが、これはありうる話だなあって思いました。

2で話が大きく広がるといいなあと思っています。


デッドレコニングとは:(ネットでしらべた)

推測航法(すいそくこうほう)とは航行した経路や進んだ距離、起点、偏流などから、過去や現在の位置を推定し、その位置情報をもとにして行う航法のこと。自律航法(じりつこうほう)や、デッドレコニング(英語: Dead Reckoning)とも呼ばれる。

つまり衛星のGPSが使えない時とかに使われたりする方法のようです。

 

2023年7月15日土曜日

君たちはどう生きるか

これから観る人も多いと思うので、ネタバレしない程度に感想を書きたい。

 

一番言いたいのは、主人公の眞人がとにかく可愛いということだ。

始まって数分で大変気に入ってしまった。

こともあろうに、疎開先では「ぼっちゃん」「ぼっちゃま」と呼ばれている。

眞人の父親は戦争の軍需産業で儲けており、自宅はお屋敷になっている。誰の目から見ても豪邸だ。

なので眞人がぼっちゃまと呼ばれるのにはなんら違和感はない。

ところで、なぜ舞台を戦時中にしたのか?!と違和感を持ち調べたところ、つまりあの眞人は宮崎駿監督本人なのではないか?という推測が浮かび上がり

さらに調べたところ、以下が一致。

・宮崎駿監督は裕福な家の子供だった
・父が軍需産業をしていた

しかも、母親がでてくるがネットに載っている写真そっくりである。髪型をわざとかくらい似せていた。つまりあれは宮崎駿監督なのだ。

私が眞人で気に入ったところはその端正な顔立ちやまっすぐな視線以外にもある。今の時代ではあまり見ることのできない、硬派な気品や品性である。良い意味でプライドが高いところがよかった。なのに、自分がミスるとすぐに謝るあたりは、しつけがされているし、素直である。ひとりになれば母を思って泣くところなど本当にかわいらしい。

また、危険を感じると自ら様々な道具をかき集めて武器を作り始めるところもよかった。

宮崎吾朗監督が、自分の作品に自分を登場させているのだとしたら、アレン王子ということになるが、私はアレン王子も大好きではあった。

しかし、眞人には勝てないだろう。眞人はびっくりするほど自ら戦う意志が強い。不愛想だがとにかく気が強い。宮崎駿監督らしいキャラだと思っていたらほぼ本人だったわけだ。

アレン王子は自分の在り方に疑問を持ち、生き方は模索している最中で、その弱々しい感じに共感したが、眞人はどちらかというと生まれつき戦う王子様である。

 

さて、私はもうひとつ有名な作品の主人公を思い出した。宮崎駿監督の弟子とも言える、庵野秀明監督が生み出した碇シンジである。

私はなぜか昔から碇シンジが嫌いであった。理由は色々あるけど、男性の醜い面を赤裸々に描きすぎていて、好きになれなかった。作品の傾向としても、都合よく美女3人が出てきてからんでくるのも好きではなかった。

しかしあれが庵野監督本人だとしたら…。

 

私が果たして宮崎駿監督のことが本当に好きかどうかは疑問がある。

今までの映画を観ていると、もののけ姫あたりからとにかくぐちゃぐちゃな敵や気持ち悪い生き物が大量に出てくるようになった。監督が病んでいるのか、もともともそういう志向だったのか…。なので本人の精神のありかたに少し疑問を持っていた。 

庵野監督はシン・エヴァンゲリオンでようやく「ハッピーエンド」というのを作れたんじゃないかなと感じた。自分の中のわだかまりに決着をつけたんじゃないかなと思った。

今回の宮崎駿監督もそんな感じがしたのだ。

 

宮崎駿監督の母親がずっと病気だったのは、実は鈴木敏夫プロデューサーのポッドキャストで初めて知った。彼は話がうまくて、するすると内容が入ってくるんだけど、母親が病気の最中料理をしていたから鈴木さんにもふるまってくれたのだそうだ。

個人的には、ナウシカの時から「ナウシカは監督の理想の女性なんじゃないかなー」と思っていたり、その後も女性が活発に活躍するアニメーションを観ては、おそらく彼の理想なんだろうなと思っていた。そして今回の眞人の母親ももれなくそのタイプである。

監督は、今回の作品で眞人に母親に対するわだかまりを解決させていると思う。つまり、彼自身が永遠にあこがれてやまない母親に対する思いをやっと昇華できたのではないかと。


今回は、監督の自伝の側面からの感想というか解釈を書いたが、物語本体に対する考察も書きたいと思っている。が、完全なるネタバレになるので、別のところに書いて後日公開できればしようと思う。

作品全体の感想としては、相変わらず清潔感のある行動力と思い切りのよい主人公、テンポよく進むキレのあるストーリー、謎が謎を呼ぶミステリーのような展開、90%がメタファーではないかと言えるような奥が深いたとえ話ファンタジーだったのではないかと思う。個人的な思いを昇華させる作品にしてはボリュームも表現も盛りだくさんだ。

味で言えば虹色だけど、美味しかった。



ところで先日お高いワインというのを試飲したのだけど、口に含んでから飲み込んだあとまで、大体8種類くらいの味がした。つまり「いいものは複雑さを内包している」ということだと思う。

2023年7月11日火曜日

エスター ファースト・キル

最初の「エスター」映画の感想はこちら。

https://pecharat.blogspot.com/2021/10/blog-post_29.html


アマプラに来るの早すぎでしょ!と思いつつ観てみた。

結構面白いと思う!

初回「エスター」ではとんでもないどんでん返しに多くの人が度肝を抜かれたことだろう。そりゃないわーって思った。

今回は、その設定をベースに活かしつつの展開。多くの視聴者にとって、事前にネタバレしている状態である。

だがしかし!

エスターの思惑とは別に、「別のどんでん返し」が今回も待ち構えていた。

 

エスターの欲望は、「父親の役割を果たす成人男性と恋仲になること」である。

この設定自体がタブーすぎるので、中には性的嗜好にどハマりするやばい視聴者もいることだろう。しかし面白いのは、世の中の性犯罪者は男性が多いのに比べて、エスターシリーズは女性が仕掛けていく物語である。

さて、エスターの母親役となる女性は、別の罪を隠し持っていた。これが今回のどんでん返しである。ボケーっと自宅で見ていた私は思わず「今回もやりやがった…」と心踊らせた。

女性VS女性の醜く、狡猾な争い。

そこに加わる、正直どうしようもないアホの息子(兄)。

そして、何にも知らない鈍感すぎる父親の男性。

一つのブラックコメディがここには展開している。

どっちもどっち、誰もが罪を抱え持つ家族。

一体誰が生き残るのか?!!


前回はエスターが一体どう生きるべきだったのかと保護者視点から頭を悩ませたが、そんなものも吹っ飛んでいった。

エスターは犯罪者でもなんでもない。エスターという、生き物なんだと思う。

彼女が欲望を満たしたエンディングなんかも見たいなと思った。


ところで、

「羊たちの沈黙」の続編である「ハンニバル」は、原作では別のエンディングがあるのだという。ウイキペディアで読んでしまった。

なんと、レクター博士の欲望を完全に満たすエンディングなのだという。

ジョディ・フォスターがそれを拒否し、次の代役も拒否したため、映画はあのようになった。

私は思った。もしかしたら、トマスハリスは、レクターそのものだったのではないかと。著者が、そういうエンディングを望んでいたのではないかと。


思わないか。それがタブーだったとしても、

悲しきヴィランの欲望が一瞬でも満たされるエンディングがあってもいいんじゃないだろうか。


個人的に、「ロードオブザリング」3部作の、ゴラムの終わり方が非常に好きだった。正しい終わり方だと思った。

最後の、ゴラムのあの幸せそうな笑顔が忘れられない。

とても純粋な魂のヴィランであった。

彼に、一瞬でも、あの笑顔を与えた作者は非常に優秀だ。視聴者がヴィランに「気の毒だ」と思っていた気持ちを、あの一瞬で全て満足させたのである。


その点から見ると、エスターシリーズは二流ホラーだと言わざるを得ない。私はやはり、人のエモーションに着目していたいと思う。

とはいえ、非常にテンポがよく、楽しめるホラーなので、とりあえずホラー映画を観たい方にはぜひ。

前作に比べるとすこし残虐表現が減っているかも。

2023年7月3日月曜日

聖なる鹿殺し

この映画はタイトルが気になってはいたんだが、今の今まで見ていなかった。なにしろタイトルが意味不明すぎるのである。

しかも中身も意味不明だった。

ジャンルは心理的ホラー。ちょっとアランウェイクなどの世界観と似ているかも。

 

とある条件が「マーティン」から提示され、それを果たさないと主人公以外の家族は全員死ぬのだという。

まずこれが「???」であり、A24だしヘレディタリーみたいに、とある法則に従って呪いがかけられているのかなと思っていた。

しかもマーティンは、その彼がつくったであろう「呪い」の内容をペラペラとしゃべってしまうのだが、これは、顔色ひとつ変えず彼が語る、「挑戦状」なのだ。

マーティンは、主人公をとにかく苦しめたいらしい。

ほかの人の考察を読むと、呪いが始まる前は主人公に父親になってほしくて、しつこくつきまとっていた、ということになっている。だが、主人公にはすでに妻とふたりの子供がいるのだ。そう簡単に離婚することもできない。

 

しかしこの映画の謎なところは、「どうやって呪っているのか」とか「そもそも呪いなのか」がまったく語られないところである。まるでNOPEと同じだ。NOPEも、結局あの生命体がそもそもどこから来たかすら語られない。

しかしだからこそ、たったひとつのディテールすら見逃したくなくて見入ってしまうし、後から色々気になって、巻き戻して何度も観察したくなる。

特に、「妻」が呪われないのが気になった。なぜなのだろうか。 

ひとつ、考察があるとすれば、この映画で悪いのは主人公であることは間違いない。しかも、彼はそんな挑戦をされておきながら、マーティンに土下座するどころか、捕まえて殴ったりする。そんなことをしても、他の3人が死ぬだけだ、と言っているのに。

「イニシュリン島の精霊」を見たときも思ったが、コリン・ファレルは最近こんな、「男の悪いところ」むきだしの役ばっかりである。しかもそこでも、バリー・コーガンと共演していた。(アイルランドの話だからってのもあるけど)

そこで、妻はどうしてるかというと、なんと旦那をきちんと疑って、自ら捜査をし始めて真実に行きつき、きちんと旦那を責めている。それが理由で生かされているのかな?とちょっと思った。

 

私の考察はまず

1.おそらくエンディング後も何か起きて結局、娘はマーティンになびき、主人公もマーティン側に屈服せざるを得なくなるだろう。妻はマーティンが「あんたの旦那浮気してるよ」と言っても一切驚かなかったし怒らなかった。彼女は、常に計算高く、「旦那が信頼できないなら逃げよう」と思っているに違いない。

それを見越して、マーティンは異常な執着心で主人公を巻き込もうとしていて、それはまだ続いているのでは。不幸にしたいのではなく、「手に入れたい」のでは?

2.どのみち主人公が屈して土下座して、許してくれ、俺の命をとってくれ、とでも言えば、許してもらえたのではないだろうか?

マーティンがどのような力を持っているかは、一切描かれていないが、何かしらの力で彼はあの家族の運命を握ってしまったのだ。もしかしたら呪術を勉強して実行したら、うまくいってしまったのかもしれない。(カリスマがあるとかではなさそうだったので)

主人公が突然、「これは呪いだ」と言わんばかりにいかにも呪術に使いそうなアイテムを部屋で探し始めるシーンがあるが、あのシーンだけが、「マーティンは呪術を使ってる」ことを示唆している。

 

さてこれを読んでいる方が、どのくらい霊力や呪いを信じているかはさておき。

私はインディージョーンズで大喜びしちゃうタイプなので都市伝説や心霊スポット、いわくつきの場所やアイテムには何か起きてもおかしくないと信じているほうだ。

タイには「徳を積む」という仏教の教えが浸透しており、それのせいで人が生きやすく生活しているといっても過言ではない。

フランスの古い教会に行くととんでもない安心感を抱くこともあった。

因果応報も必ずあると思っている。

私は本当は、神様の力を借りずに生きるべきだと思っていたが、あまりにも不運が続いたので、ついに京都のとある神様の元を訪ねた。

なんなら私の命をとってもいいので、とにかく縁を切りたい人がいる、と念を込めてお祈りしたのである。(いうまでもないが近所の神社にもお願いはしたが効果がなかった)

なお、京都にはほかにも「強い効果がある」と言われているアイテムや神社がある。そこの神社のお守りであれば、郵送してもらっても効果があると言われている。

 

さて、その後私は効果が出る瞬間を目撃してしまったのだ。誰を苦しめるかなど、私が決めることではなかった。私は、縁を切りたいと言っただけであとは神に采配をお願いしたのだ。

まあ、大したことではないけど、縁はしっかり切れました。

というのは、実はそこの神社でお願いするととんでもないことが起きる人もいるというので、覚悟の上だったのですが、命に別状はありませんでした。ちょっとメンタル壊されかけただけですw

 

私は神に生かされた、と大変感謝し、お礼参りも行きました。

最近思うのですが、人生は時々整理して「捨てるものを捨てる」ほうが、運が開けるのではないかと思っています。婚活していた時は、縁結びの神様にお参りもしてましたが、何も起きませんでした(笑)


2023年7月2日日曜日

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル、今年の映画の首位を争う結果に!(個人の首位です)

俺たちのハリソンもついに80歳を越えようとしている今日この頃。

実はそれほど期待していなかった「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」でしたが、ガンガン引き込まれ、息つく間もなく怒涛のクライマックスへ突入。とてつもない熱量とスピードを感じました。「またあのジェットコースター乗りたい!」という感覚。懐かしの、アンチャーテッドをプレイしているような、中毒性のあるスリルがそこにあったと思います。

あの中毒症状を引き起こす冒険活劇エンターテインメントが帰ってきた!!

そう思いました。


この映画の唯一の欠点を先に挙げておきます。私は、このシリーズのありえないSF設定とかは全然楽しいのでいいんですが、

ダイビングにおける急浮上は非常に危険です。減圧症はかからない人も確かにいますが、かかった身としては慎重な浮上を強くお勧めします(イントラかダイコンの指示通りにすることと、うっかり浮上しないために、息をちゃんと吐くこと)。また、映画でダイブ前に怖くてお酒を飲んでますが、あれはタブーですww絶対に真似しないでください。

減圧症の危険性はどのくらいかというと、マイクロバブルが脳内血管に残ってしまったり、脊髄を圧迫した場合は生命の危険があります。

そんなこと言ったらバイクから飛行機に乗ったらもっと死ぬやろとか、列車の上で障害物に当たって落ちたのになんで生きてんだとかツッコミどころ満載なので、あんまり意味がないかもですが、念のためw 

ダイバー役のバンデラスはやはりかわいかったです。はしゃいでました。

個人的にはネタバレするなとハリソンが動画で言っているので詳細は伝えられませんが、とにかくダイアルが引き起こす奇跡の力が無茶苦茶すぎて面白いです。ここはかなりドキドキするので見入らざるを得ない。

映像としても見ごたえがあります。

また、そこからの、インディーの、散々伏線張った結果の最後の夢が、もう切なくてね。

ハリソン・フォードの演技力たるや!!!いつもエンタメ系の映画が多くてアカデミー賞には縁がないものの、芝居の力はものすごいものがあった。普通に感動していい話だなって思ったし、冒頭からここまでインディーは考古学に切ない憧れをもって臨んでいたのだと思うと、胸が痛みました。

インディジョーンズシリーズの好きなところはそこなんですよね。

必ずヒューマン・ドラマが絡んでくる。

特に最後の聖戦は、ヘンリーがインディーを失ったと思った時の「私は心の準備が出来てなかった。あの子にはなんにも教えていないのに…」のくだりとかぐっときます。

あの映画ってずっと冒頭から「わかりあえなかった父と息子」が衝突してる話で、お互いをわかりあって、そして、クライマックスで「父」を意識してその手を取るところまで、実に見事に書かれた脚本だと思います。

また、今回はヒロインのヘレナが「お金しか信じない」と言って実に現代人らしく考古学の夢を無視しますが、最後にお金より大事なものを見つける、という話にもなっています。この変化もぐっときますね。全員が救われて終わる、いい話だったと思います。


私が初めて見たインディーは「最後の聖戦」で、その時はアメリカにおり10代前半でした。あの頃やはり大ヒットを飛ばしており、コカ・コーラがコーラを聖杯に見立てたパロディCMをやっていたのを非常によく覚えています。

あれから34年、私はインディーのことを忘れることはなかったし、インディーのおかげで「アンチャーテッド」というゲームも出来たんだと思うし、考古学がヒットしたから「スプリガン」もできたと思うんですよね。インディーのおかげでナチスのことも知ったし、戦争に興味をもち、コールオブデューティーをプレイするきっかけにもなった。

そういう意味では非常に私の人生に活力をくれたシリーズだったと思います。

 

あとやっぱりハリソン・フォードは、大好きです。特にインディーは、ちょっと内気な感じがするのがいい。暴力はふるうけれど、ほんとはやりたくないんだ感があっていいなと。あと純粋すぎて考古学の遺物に執着しすぎな変人なところもいいですね。