リーアムファンとしては観るしか選択肢はありませんでした。
ですが、正直言って今回はここ数年で一番の駄作だと思います。思いますが、リーアムファンとしてはやはり、レベルの高いリーアムの悲しむ演技にどうしても泣かされます。本当にエモい芝居が上手いので、こんな安っぽいアクション映画に出てないで、もうちょっと重い映画に出ればいいのに…。彼が表情を変えただけで、映画が生き生きと生命力を持つくらいの力があるのに。
リーアムは、貧乏な兄弟の物語に心打たれたのでしょう。もちろんそういったシーンも多いのですが、アクションやサスペンスに重きをおいているので、いまいち伝わってきません。弟さんが失語症で、そういった「マイノリティ」しかも、退役軍人の戦時中の怪我から来る症状であることに重きをおけば、エモい話になりそうですが、あくまでも氷上のサスペンスとカーアクションにフォーカスしているなと感じました。
リーアムの見どころと言えば後半で、弟が危険な目にあったり、真の悪党が判明してからの例の「リーアムの静かな怒り」が発動してからが最高ですね。特に「あいつはやっつける」と決意したドアップの顔がよかったですね!
でもね、ひとつ大きな欠点がありました。
悪党の動機があまりにも非情でサイコパスで、理解不能なのです。
帰宅してからレビューを読み漁って、やっぱりあいつらは金以上のモチベーションもなく人間を見殺しにしようとしていたと確信し「なんともつまらん」と思いましたw
ターミネーターならわかりますよ。彼らは命令に従って動いているだけなので。でも普通の人間が、国家規模の諜報機関のフィールドワーカーでもあるまいし、人殺しに容易に加担するんでしょうかね。
多くの方が書いている通り、「アイスロードを渡り切れるか」のほうに重点をおいたほうがすっきりはしますが、アイスロードには正直、何もありません。
本当に氷しかない。
空にはオーロラがかかり、幻想的な雰囲気の中、ドライバーたちはノリノリで音楽を聴きながら緊急のレスキュー装置を運ぶだけなので、ここでトラブルが起きるとしたら、やはり氷が割れる、くらいしかないんですよね……。
舞台としてはとても綺麗なんだけど、こりゃーストーリーが作りにくいなとは感じました。悪党が細工をしてたあたりから話は面白かったんだけど、動機がまったくもって理解不能、です。
ただ、あんなにひどい悪党にいろんなことされても、横転したトラックを丁寧に立て直すわ、壊されたトラックをその場で修理するわ、牽引を完璧にやってのけるわ、リーアム側の兄弟の実力(特に弟)はとてもしっかりしていて、実直に生きていくことの勇気をもらえますね。
弟キャラは本当によくて、この映画の清涼剤なんですけど、失語症で兄もキレたりするので(マイクの欠点は、すぐに人を殴るところwたまにスカッとするけど)、周りに振り回されて大変だなと思いました。
特に散々いうこと聞け!と怒鳴るシーンがあるけれど、弟が正しいことを言ってるシーンとかは、「こういうのあるよね」って共感しました。
なかなか、正しい意見が通らない世の中ですが、いずれ報われると信じたいところです。
0 件のコメント:
コメントを投稿