私は第4話は蛇足だと思うのですが、結果はわかったのでよしとします。
もしかしたら見つからない凶器のエピソードなど、他にも予定していたのかもしれないですよね。
最後にまた父親が泣いていましたが、父親の問題だと言えるのでしょうか。確かに未成年のしたことだから、父親に責任はあると思います。臨床心理士もまず父との関係を聞いてきました。男の子はまず父親の影響を受けるし、彼が小さかったから、特に顕著にそれが出ると思ったのでしょう。実際ほとんどの場合そうだと思います。
ただ、私は最後までジェイミーの心理状態が気になっていました。
おそらく間違いなく刺殺をしていると思われます。でなければ逆にあんなに冷静でいられるはずがありません。むしろあの冷静さは、彼の残虐性を示していると思いました。怒りながら何度か「あの子はビッチだった。そう思うだろ?!」と臨床心理士に問いかけていたからです。 そこには罪の意識や後悔がほとんど感じられませんでした。最初こそ泣いていましたが、「やらかしたことがバレたから」と言うふうにも感じられました。また、隣に父がいたからだと思います。
つまり第3話が何を言いたかったかというと、ジェイミーは「ケイティは殺されて当然だ、僕が悪いんじゃない、けしかけたのは向こうだ」と言いたかったんだと思います。
ですがどんな理論をこねくり回しても、貢いだキャバ嬢が付き合ってくれなくても、お金を貸した配信者がお金返してくれなくても、殺していい理由にはなりません。
殺したい気持ちだけはわかります。私もなんとかしてセクハラ野郎を消したいと思っていました。でも殺すのは絶対にいけない。向こうもなんとかして私を手に入れようと毎日願掛けをしていたと思いますが、縁切り神社に縁切りをお願いしたら私の願いの方が勝ちました。(目には目を、願いには願いを)
殺したいほど憎い相手に対して、法的に問題のない範囲でギャフンと言わせてやる方が遥かに安全で効果的だと私は思っています。
ただ、今回の問題は実はそこではないんだと思っています。発端はインスタグラムでした。これがもし、インスタがない場合どうなっていたでしょうか。
思い返すに、私の時代は直接罵声を浴びせる、聞こえるように陰口を言う、仲間外れにする、といったいじめが主流でした。ですが、どちらかというと日本らしく、男子が女子をランキングすると言うことが堂々と行われていました。
女性はもしかしたらやっぱりすごく強くて、そういったことに耐えられて、報復として殺しなどは考えない。男性は耐えられなくて、怒りを抑えきれず殺してしまう、精神的に弱い種族なのかもしれません。
そして「インセル」にも大変問題があると感じました。
インセルはインターネット上でコミュニティを作ってしまっており、一度はまってしまうとなかなか抜けられないのではと推察します。一度女性嫌悪を自認したら、なかなか次の恋愛にはいけないでしょう。悪循環です。しかも、私のような独身女性がよく言う「もう恋愛めんどくさくて無理」ではないのです。彼らは真剣に女性を憎んでおり、暴力や殺害を推奨し合うコミュニティなのです。
そして多感な10代でこのような思想に染まってしまうと、なかなか考えを変えることができないでしょう。自称インセルの人たちには根本的な治療が必要だと私は考えます。
(ジェイミーは自分がインセルだとは言ってませんが、言われて怒るということは心当たりがあると言うことだと思っています)
つまり発端は別にインスタである必要はなかったわけです。世の中にはXもあるし、フェイスブックもあるわけです。インターネットが一般人に広まってからは、迷惑メール、フィッシング詐欺に常に攻撃を受けていて、私は先日LinkedInで外国人にメールで口説かれましたが、写真を画像検索したら同じ写真で3名いたので「大した詐欺師ですね」と返信したら返事が来なくなってしまいました(つまらん)。LINEグループでいじめられるなんてのも聞いたことあります。
何かの教育が必要だなと感じるのですが、おそらくは「ネットリテラシー」と言う分野になると思います。私が教育実習をしていた時代にはなかった科目になりますね。
まずはインターネットで見たことを一度は疑うこと。
あと何が危険なのかを教える。「インセルって言ってる奴らに関わるな」「あいつらは殺人をする団体で、同じことをしたら一生が台無しになる」と言う教育をすると言うことになります(他にも色々あるけど)。
また、差別用語をネットで書かない、他人をネットで攻撃しないと言うリテラシーも必要になってきます。
あとは、女性を憎んだり、女性からの評価を過剰に気にする症候群は、もしかしたらやはり父親が話を聞いてあげるべきなのかもしれません。
13歳なんてまだモテ非モテすら気にしなくていい年齢のはずなのだから。
ジェイミーは頭の良い子と言われていました。しかし最後に謝罪したのは、父に対してだけでした。これから年を重ねるにつれて、罪の重さに驚くと思います。父親ひとりではインターネットを止めることはできない。様々な場所で、教育をしなければならない時代なんだなと思いました。
私がとても運が良かったなと思うのは、たまたまアメリカで受け取っていた父の会社の福利厚生であった日本の学習雑誌が、実に丁寧に性教育を説いてくれていたことでした。少女漫画テイストで描かれていました。あの雑誌がなかったら、私はもっと母親を恨んでいたと思います。