2022年4月16日土曜日

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密、観てきました(タイトル長ッ!)

公開された週末、私はHitman's Wife's Bodyguardなんか観てたんですけどツイッターは

「マッツ沼」

であふれかえっておりましたw

マッツ・ミケルセン美しす!北欧の至宝!とハマる人が続出、それにともない、今まで影で息をひそめていた「すでにマッツ沼に浸かっているファン」が様々なマッツの有益な情報を垂れ流す。

まあ、それは現象ですよね。

私はマッツ沼にはハマらなかったです…。

なぜか、デスストランディングでも「あ、この人ね」くらいで…。

むしろ、ダンブルドアに始終なんというか、感情移入すると同時に、あこがれも抱きました。

私がハリーポッターファンになったのはいったいいつの頃だっただろうか。

最初に入ったWEBの会社がセクハラの権化みたいな男が仕切っていて、嫌だなあと思いながらなんとか一年勤め、退職したのち(若気の至りで次も決めずに辞めた)、なぜか「そうだ、イギリスに行こう。」 と、誰もいかないような冬の暗くて日没が早いロンドンへでかけてしまいました。旅費もアホみたいに安かった。当たり前ですが。当時すでにハリーポッターにドはまりしていたので、ロンドン、オックスフォードの主要ロケ地をめぐる旅にしたのです。

あの頃から、やはりダンブルドアというキャラクターは神のようでありながら、有限の命をもっているからこそ、朗らかで、寛大で、高潔な人物であったところにいつもあこがれていました。

しかし、彼も人間。

過去の過ちを正していくのが、今回のテーマと言えます。

もう既にたくさんの人がつぶやいているので言っても良いかと思いますが、ダンブルドアは同性愛者で、グリンデルバルドとは恋仲でした。

私が凄いなと思ったのは、ダンブルドアは決して、グリンデルバルドが嫌いなのではないと感じたところです。

ダンブルドアは、今でもグリンデルバルドの「良さ」を知っていて、恋心も覚えていると思うんですよ。それでも、大義をとって彼から離れた。あそこで、「お前なんかもう大っ嫌いだ」とか言っちゃったら確かにイメージダウンですが、JKローリングさんはダンブルドアを、真に高潔な人物として創り出した。それが最後までぶれなかったのがかっこいいなと思います。 

ダンブルドアはヒーローぶらないし、権力者に選ばれそうになると「勘弁してよ…」と言い出す始末。彼の楽しみは、小さい子供たちを善良な魔法使いに育てることなんでしょうね。それは、過去のいざこざや恋の記憶がぶり返されても、まったく揺らぐことがない。あのメンタルの強さになんだか感激してしまいました。

彼は本当に寛大で博愛で、権力などの欲が無いんですよね。

問題は結局は支配欲に溺れるグリンデルバルド。なんだかもう、どう見ても悪役なんだなって感じで、ちょっとこちらのキャラクターは面白みが少し少なくなってきたかなという感じです。

マッツ・ミケルセンに交替したことに関しては、私としてはやはり中二病感が足りないなと感じました。せめて衣装をもう少し、前のジョニデみたいにしてくれればなあ。

大人っぽさは抜群だし、ジュード・ロウとカップルだったという設定で見ると非常に良い組み合わせだとは思いますが。ジュード・ロウが少し童顔でかわいいので、マッツが渋くて色気もあり、バランスとりやすいんですよね。絵的には。

今回は他のキャラクターにはあまり目がいかなくて本当にダンブルドアばかり注目していましたが、エディ・レッドメインはマジではまり役だと思うし、あと塩顔の兄ちゃんが本当に最近気になる。

あまりにもテセウスの顔が塩顔で表情やリアクションが弱くて、ちょっと笑いそうになってた前作に比べると、今回だいぶ表情がついてきてかっこよくなってきたなと思いますが、なぜか笑ってしまうシーンが多い。

クリーデンスがすごくスネイプっぽくなってきていい感じだなと思っていたのですが、彼はもう次作はいないのかな?ちょっとわからないですね……。やっといい感じに仕上がってきたなと思ってたのですが。

クリーチャーでは「麒麟」がとても可愛かったです。独自解釈の麒麟だと思いますが、ちゃんとキィリンみたいに発音されてたので間違いなく中国の麒麟だと思います。

 

余談

エディ・レッドメインが映画のプロモーションで色々トークショーで話してくれたおかげで、エディと、パティンソン君と、そしてアンドリュー・ガーフィールドがルームメイトだったという伝説(笑)を知り、すっごく萌えてるんですけど。なんという豪華な組み合わせだよ!

あまりにも美味しい話なので色々なトークショーとか観てみたんですが、彼らの話を継ぎ合わせるとこんな感じ

・15年前、イギリスの若い俳優たちは冬の雨季のロンドンを離れて明るいLAに移動し、ルームシェアしながら仕事を探していた

・その中にいたのがエディやパティンソン君やアンドリューガーフィールド

・でも全然真面目にやってなくて、ホテルのラウンジでピンポンとかしてた(笑)

・お金がなくて、カクテルを一杯頼んで回し飲み。食べものを注文しないといけないときは、ハンバーガーを一個頼んでひとり一口ずつ食べてた

・それで7~8時間潰してた(他になにかしろよw)

・ジェイミーはパティンソン君と夜クラブに行くのが嫌だった。だってみんなロブを見るんだ!俺はカルバンクラインの顔なのにw

 

でもやっぱり一番面白いのは、パティンソン君のバットマントレーニングをめっちゃ褒めていたエディ君なのに、でもロブのオーディションは変だよ……と正直にバラしてたところですかね…

パティンソン君はエディがオーディション出ると大体拍手喝さいが聴こえてくるんよって言ってたそうですが。

仲良いなあ。しかもどちらも良いキャラだ。 奇しくもどちらもハッフルパフ♥

2022年4月9日土曜日

ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード

ひたすらギャグとブラックジョークが続く犯罪系?ドンパチな映画。

ファンタビが公開されているのにも関わらず、こちらを先に観に行った。

理由としては、ファンタビは大作なので、しばらく放っておいても観れるから(笑)

私は、これに前作があることを知らず、ずいぶん長い名前だなと思っていた。しかし、続編としては秀逸なネーミングセンスだとは思わんか。

しかも、ろくに宣伝もせず(笑)、観たのはYouTubeの予告編一個だけ。しかし、すごいキャスティングだ。ライアンレイノルズ、サミュエルLジャクソン、アントニオバンデラス、モーガンフリーマン。

アカデミー賞狙ってるわけでもあるまいし、そんなに大御所ばっか使っちゃって大丈夫なのか。

しかし、私はこういうそれなりに贅沢に金つかってそれなりにバカやってあっさり終わる映画が結構好きで、フリーガイもそんな感じだったと思う。フリーガイの方が良心を感じたけど、この映画はバンバン人が遠慮なく死にます。

キャラクター別に語ったほうが圧倒的に面白いのでそうしてみます。

主人公マイケル・ブライス(主にブライスと呼ばれることが多い)

ブルースウェインが同情しそうだが、幼い頃自分のせいで母親が死んだと思い込んでいる。繊細さを抱えており、優秀なボディガードであるにも関わらず失敗がトラウマになり、仕事を辞める決意をしたところから始まる。

しかし、幼い頃の事故までもがひどいギャグで、笑っていいのかわからない。私は性格が悪いので笑っちゃうんだが。

シートベルトに異様な執着を見せる安全派だが、よくある物語の中盤でブチギレてシートベルトをつけなかったことにより事故って飛び出す。

そういう笑っていいのかよくわからないギャグのオンパレードなんだけど、映画そのもののテンションとしては、もう最初から誰が死んでもギャグみたいにしか感じられない。

フリーガイでゲームのキャラクターになって車に跳ね飛ばされるのは安心して笑えるが、今回は生身でなんども跳ね飛ばされ、大体生きてます。

だけど実をいうとブルースウェインと同じで、父親離れするとか、精神的に強くなるとかそういう話だったりする。その辺の繊細さや切なさみたいなのは、大事にしたいところ。

 

ソニアさん

ラテン系のお姉さん。非常にアクティブで血の気が多すぎる。

仕事を辞めるぞと決意した主人公が、よく西洋人がやる「ビーチチェアの上でグラサンかけて読書」を始めようとしたところ、ソニアの銃撃戦に巻き込まれる。

もうそこからはあまりにも強引すぎる展開なんだけど、どういうわけか映画全体の雰囲気として激しいバトルに楽し気で楽観的なBGMをつけてくるので普通に楽しかった。

強烈な下ネタを含めた真剣な不妊治療の話をよくする。笑っていいのかわからないと思うかもしれないが、たぶんこれは今回のメインテーマであり、あんまり真剣にとらえてはいけない。不妊治療もギャグなのである。

この女優さんはもっと評価されていいと思うけど、ハウス・オブ・グッチにも出るくらいだから、それなりに有名みたいですね。暴力的だったけどかわいかったです。

 

ダリウス・キンケイド

サミュエルLジャクソンが演じる最強で情け容赦のない殺し屋で、そりゃもうゴミを捨てるかのごとく人をヘッショしていく。 彼のアキレス腱は嫁の「ソニア」である。そう、不妊治療は実はソニアとの問題であり、よくある、男女のどっちが問題で子供ができないのかですれ違いが生じており、その辺は不妊治療で個人的に傷ついていない人だったら笑って観れると思う。

冷血漢に見えるけど、奥さんは大事。酒場で荒れてみたものの、ブライスほどひどくはないのがちょっと笑えました。男の哀愁みたいなものを感じました。

 

アリストテレス

アントニオがバンデラスしている素晴らしい悪役だ。

アンチャーテッドでは素晴らしい演説をしたあとあっさり消えてしまうが、今回は割としぶといぞ!

しかも失恋した傷をひきずってセクシーダイナマイトだし、美しいし、声が最高だぞ。アントニオにバンデラスしたい人はぜひ観に行こう。

これ以上素敵な悪役は、昨今なかなか……。

 

モーガンフリーマンの役名がちょっとわからんのですが(笑) 役割を言ってしまうとネタバレなので控えます。

モーガンフリーマンが出てきただけですっごい画面が引き締まり、謎の感動すらありました。彼の存在感っていうのはすごいですね。バンデラスがカリスマ性を持つ悪役だとしたら、モーガンフリーマンはいるだけでアカデミー賞っぽい重鎮感があり、画面に愛があふれ出す!という感じです。

 

なんとなく選曲とかも(エイスオブベイスとか)それ、懐かしい!と思っている世代向けだと思うので、20代だとちょっとわからんと思いますが。パーッと笑いたい人にはうってつけの映画です!!

映画館のどっかでたまに声出して笑ってるおっさんがいたのですが、今作に関してはマジで許しますww


2022年4月3日日曜日

「ナイトメア・アリー」観てきました

実はギレルモ・デル・トロ監督のことをよく知らず、初めてちゃんと知ったのはおそらく「デスストランディング」ですw

小島監督が好きならきっとクリエイティブな人に違いない!と思って観てきました。

全体的な感想としては、やはりクリエイティビティのレベルが高いなという感想です!映画をつくるために生きてる人なんだろうなあ~という感覚。いいものを見せてもらってる感覚。

衣装や舞台や印象的な小道具のディテールなどのこだわりを感じましたが、それが主張しすぎず綺麗に画面におさまってる感じですね。わざとらしさがないのがいいなあと思いました。

ただ、ギレルモ・デル・トロ監督は結構残酷なシーンでもがっつり見せていく。マットリーブス監督は必ず残虐なところをぼかすのですが(それが彼の優しさでもあり、好きなところでもある)、ギレルモ・デル・トロ監督はがっつりいくよ!ってな気概を感じました。そしてそれは脚本そのものにも反映されてるなって感じがしました。もう、途中からオチが見えてくるんですけど、躊躇なく残酷な世界にひきずりこんでいく。

ホラーやサスペンス映画っていうのは、残酷かどうかでまず二分されると思うんですけど、その残酷さも、ビジュアルが残酷なのか、メンタル的に残酷なのかでさらに二分されると思いますが、この作品は両方取りにいっちゃうよ!っていう感じがしました。

なのでまあ、あんまりいい気分になる映画でもないし、エモくて泣ける話でもないんですけど、ビジュアルがとにかく美しくて、ぼーっと観れちゃう感じですね。

今作品は、役者のメンツがすごいなというのも観に行った理由なのですが、期待を裏切るどころか大幅に上回る、役者の魅力を限界以上に引き出している作品だと思います。その点では観に行ってよかったな~と思っています。

 

ブラッドリー・クーパー

やはり超・イケメンでした。 ハリウッド映画業界、たくさんのイケメンがいるものの、今のところ私の中では現役で一番ハンサムなのは彼だと思います。でもこれは、好きという意味ではないです。客観的に見て、造形がめっちゃ美しいと思う。

あと、彼は決していい人を演じることばかりではないですが、今回も美しくも悪い男です。そういう役もやっちゃうのがすごいと思う。

 

ルーニー・マーラ

彼女今回も素晴らしかったです。ルーニー・マーラのファンだったら話がえぐくても行ったほうがいいかもしれません。可憐で可愛らしいのに、時々ドスの効いた低い声になるじゃないですか…あれがかっこいいんだよね。彼女は。話を通して色々な衣装で現れるのも素敵でした。

 

ケイト・ブランシェット

この人の魅力はとどまることを知らんのだろうか。歳を重ねるごとに美しくなってませんか?今までで最強に美しくて、最高に怖かったです。メイクも衣装も完璧で、さらに仕草がすごい!

脚をそろえて斜め横に流して座るのがあそこまできまる女優がいるだろうか。ハイヒールでの歩き方も完璧だ。

あと芝居も完璧なんですよね。発声が美しい。スタンとは、ひたすら駆け引きをする相手なんだけれども、感情を隠したり見せたりにじませたりと、芝居が細かい。なんかもう天才。

どうやったらああなれるんだ。なりたいと思っているわけでもないんだけど、やっぱりあこがれずにはいられませんでした。

ウイレム・デフォーに関しては言うまでもないです。脇役のプロ。完璧でした。

 

しかしやはりすごいのはラスト。ラストのブラッドリー・クーパーのあの笑い。かなり尺を長めにとってるんですけど、ギレルモ・デル・トロ監督は、普段は、尺短めにしてどんどん切っちゃうんですよね。ギリギリセリフが終わってすぐ切ったりする。なのに最後の笑いのところはブラッドリー・クーパーをドアップにしてたっぷり笑わせる。

なんかいいものを見せてもらいましたよ~。色々参考になるというか。

すごい暗い話なので、あんまり、デートとかにはおすすめしませんがww