2022年8月27日土曜日

「NOPE」観てきました

我慢できずに公開初日に\(^o^)/

これは超大作ですよ!!!!

私的には2022年ランキング2位ですね。

1位は「ザ・バットマン」ですけど、これはもう好きというより沼にハマってしまっている状態なので、好きと言っていいのかわかりませんが、あのぼっちゃん見てるとメンタルが安定するんです……(病気)どうしても自分を重ねてしまうw

「NOPE」は、登場人物にはほとんど感情移入しないので純粋に客観的に観てもめちゃくちゃ面白いです。

それから、ジョーダン・ピールのノリが好きなんだよね~っていう人には間違いなくおすすめできます。

「ゲット・アウト」や「Us」よりはスケールがでかくて

「ゲット・アウト」の時の「なにがなんでも逃げ切って勝ってやるぜ!」の根性も健在です。

むしろそこに笑ったというか、感心しました。

普通あんな恐ろしいものが襲ってきたら逃げると思いますよ。逃げるのが普通でしょう!なんで戦って勝とうとするのか!と思うんですけど、それやっちゃうのがジョーダン・ピールなんだよなあ。

根が明るいんだよwアメリカ的とも言えるんだけど、ヒーロー要素は薄いの。だがそれがいい!

ちょっと金カムっぽいんだけど、最初の動機は金目当てなんだから見上げた根性だと思いますよ。

でもそこが他のヒーローぶったホラー映画と一線を画すところじゃないですかね~。

今回は人種要素は少なめです。でもやはり、黒人がつよいです!

なるべく大スクリーンで観ることをおすすめします。今回はスケールがとにかく大きいです。映画がスタートした時、「なぜこんなだだっぴろいところが舞台なのか」疑問に思ったのですが(しかもIMAXで観たので、首を左右に振らないと全部見えないくらい画面が大きい)、いざ、敵が出てくると結構画面いっぱいになるので、テレビだとちょっとあまりにももったいないかなと。

それから、サウンドがかなり重要です。というのは、ジョーダン・ピールの作品は音響もいつもセンスいいなあって思うんですけど、特に今回は敵が出るときに独特の音がするので。ホラーにサウンドはとても重要。出る前が一番怖い。それから、予告編にもあるけれど、家の真上にいるときがめちゃくちゃ怖くて、それをわかってて結構長い間とどまらせるのもうまいと思いました。

かなり怖いし、おどかし要素もあるので、メンタルが弱ってる時にはおすすめしませんが、イラついているとかストレスたまってるなら逆に最高だと思います。 

暴力はありますが、最悪なシーンは見せてない感じですね。 

あと異色のSFだなと感じました。いろんな意味で、個性が強いです。斜め上の展開、「そう来るんかい!」っていう、ジョーダン・ピールならではの、シュールな表現が面白かったです。

やっぱりどこにでもあるようなSFホラーだと飽きちゃいますもんね。


キャラクターについて

Angelとは?

エンジェルという名前の綺麗な顔の男性が出てきますが、最初に聖書の引用が出てくることもあり、彼は文字通り「天からの使い」ではないかなと感じました。実際、おせっかいを焼いて色々と助けてくれます。

顔が美しいし、芝居も上手かったので有名になってくれたらいいなあ。

顔がただれている女性の謎

これはもしかしたら、冒頭の事件で「アレ」に殴られていた女性が生き残ったんではないかと思いました。わざわざ、登場させるということは……。

まるで仙人のような映画撮影監督老人

なんとなく、山にのぼっていく様はモーゼかなにかのようでした。彼はあまりにもわかりやすいミスを犯しますが、それこそ彼の生きざまなんだろうなと思いました。

このキャラクター、じつはあまり意味がないと思うんですけど、あまりにも味わい深いので好きなんですよねw声が凄いし。

そして、彼が撮影に命がけで夢中になる姿や、 電動ではない手回しカメラで撮影するシーンなどは、映画業界のデジタル化を揶揄している側面もあるのかなと、(利益より本当に撮りたいものを撮ろう!みたいな)

なんか、色々オマージュが入ってるみたいなので(AKIRAは笑ってしまった)、ジョーダン・ピールが本当に映画が好きすぎて、映画好きのために、そして劇場映画が滅びないために創ったのかなという感じがしました。

 

テーマの片鱗

もはやテーマはなんでもよくてただ怖くて面白いのですが、どうも動物を飼いならそうとした(動物の権限を踏みにじっている人)は全員やられてる感じがしたので(冒頭で示される事件は伏線で、助かった少年はその後馬を裏切ったからやられたのかなと)、馬が逃げても追わず、飼育するためにちゃんと戻ってきた主人公はこの映画では正義とみなされるのかもしれません。オトリに馬を使う提案も即お断りしていました。

それ以前に頭が良すぎるし、勇気もとてもありますが。

結構考察すると面白いかもしれないです。まあまあわかりやすいですし。


 

2022年8月22日月曜日

Netflixの「スプリガン」鑑賞しました!

スプリガンは私の世代だと多分ドンピシャだと思うんですけど、私は劇場版も映画館で観ております。

当時はジャン・ジャックモンドの登場シーンで爆笑してました。長髪イケメンのフランス人だからねw

当時ジャンを演じていた子安さんは、今回朧役で返り咲いております。公式サイトのコメントがこりゃまた爆笑で、子安さんの本性はどっちかというとどう考えてもジャン・ジャックモンドですねw

Netflix版なんですけど、悪くはないんだけどすごくいいとも言い難い。なんか人物の絵に気合が感じられないのが気になりました。あっさりしすぎ?

あと演出も、すごくうまい時と間延びしてる感がある時があって、もともとスプリガンってハリウッド級の題材を扱ってるので、テンポよく油ののってるテンションで進めて欲しいんだけどちょっと現代っぽくなってた。

私的におすすめの回は「バーサーカー」の回と、「水晶髑髏」の回。水晶髑髏に関しては完全にインディージョーンズと似てるんだけど、もうちょっと史実よりな感じがしました。スピルバーグの解釈はSFすぎるかなと。

バーサーカーは単純に突き進む回なんだけど、わかりやすいのと、クレメンティ中佐がかわいい。かわいすぎる。

毎回女子ヒロインが007よろしく出てくるけど中佐が一番かわいかったです♥

なんか染井芳乃が思ったよりかわいくないというか、たぶん、もとからカワイイキャラに見せかけてやっぱうざキャラなんだよなwと再認識した。

水晶髑髏に関しては、私はとにかくスプリガンでは「朧」が好きなんですけど、今回もアニメで観てやっぱりこの人好きだなあと思った。セリフがとにかく秀逸なんですよね。

朧は、淡々と敬語でしゃべるのに時々とんでもないセリフを口にする、あの静かな毒気がとても好きですね。かっこいいです。

基本的にはすごく冷静だし、ちょっとジェット・リーを思い出すんですけど、私は腹にいちもつ持って微笑しながら黙って立ってるジェットリーがすごい好きなんですよ、朧はかなり近い感じがします。もうちょっと顔が怖いかな?

あと大して動かなくてもスプリガンで最強のエージェントですからね。彼にはマッスルスーツなんか必要ないですから。

朧はハリウッドだとあまり好かれないタイプだと思いますが、日本人の視点から見るとああいう気功だけで相手を倒せるというのは理想的な戦い方だなと感じます。マーベルには出て来なさそうだな…。

朧のセリフで「あなたの筋肉は伊達ですね。そんなに筋肉をつけても動きづらくなるだけですよ」っていうのがあって(うろ覚えだけど)筋トレする時はよくこれを思い出しています。筋肉はつけすぎると、硬いので、柔軟性が悪くなってくるので、ストレッチしないと姿勢が悪くなったりするんですよね。

御神苗の装備はバットマンと非常に似ているので、明るいバットマンだと思うとある意味ヒーローものでもあります。御神苗も幼いころ両親をむごい殺し方で失いました。実はスプリガンのバックグラウンドって結構強烈なので、かなりのタフガイ揃いなんですけど日本の漫画なのでメインキャラは17歳とかなんですよねw

ジャン・ジャックモンドは相変わらずドSだな~wと思いました。でも確か彼のファンは多かったはず…。超イケメンでドSなのに、実は仲間・家族思いで、フランス人だなあ!って感じの性格なんですよね。

あと私の好きなキャラクターは「ティア・フラット」です。なんと魔女です。楽しみだな。出るよね???スプリガンにおいては割とおとなしい師匠系のキャラクターが大好きですね。でもボーブランシュとかも面白すぎるし、脇キャラもよくできてます。

CIAだかSASだか、そんなのがバンバン出てきちゃうしミリオタな作品ですけど、ほどよい明るさとノリの良さがあり、エンタメ作品としては非常に良質だと思います。ハリウッドで映画化できないだろうか…(笑)アメリカや英国製じゃないと軍人のモブがリアルじゃないんだよなw


2022年8月21日日曜日

ドント・ルック・アップ、面白かったです

あまり期待しないで観始めたんだけど結構面白かった。

私はこの手の皮肉満載な映画や作品が好きで、ノリ的には「第9地区」とよく似ている。しかし、第9地区のテンションまでにはたどり着かない感じ。でもかなり近いですよね。

ただ、この話、メンタルが強くないと笑って観れないかもしれないですね……

まあ、笑うというより……受け入れるという感じでしょうか。

この映画のあらすじは、彗星が地球にぶつかったら、人間はすべて滅亡する、という状況で、それにも関わらず、人は利益をめぐって対立し、SNSでは派閥ができてネタが大流行します。

でも、私、コロナ禍ってこんな感じだった(一応過去形)だと思うんですよね。

マスク反対!とかワクチンは陰謀だとか、いろんな憶説や、デマが飛び交ったと思います。

昔の宗教は、利益は絡んでいましたが、旧統一教会みたいに、一般市民から大金を巻き上げる詐欺集団ではありませんでした。

そういった、現代人のダメさ加減をそれはもう、極端なまでに描きあげた作品。

これを笑うというのは、結構人間のバカさ加減を理解して俯瞰できないと難しいかもしれないですね。

地球滅亡ネタとしては他にもあると思うのですが、テンポがよく、SNSをうまく使い、明るいけれど怖い感じに仕上げた演出力や、キャラクターの創造力(特に大統領w)、カットの速さとかが成功だったと思います。

また、エンディングが素晴らしいですね。滅亡の直前の表現もとても好きだし、おまけのあのアホらしい展開とか大爆笑です。あそこで笑う私は悪趣味かもしれませんが、一番面白かったのは、おまけエンディングですねww


ちなみにこの映画の前に「パッセンジャー」観てて、似たような展開もあったので、さらに悪趣味度が増すww

 

ジェニファー・ローレンス2連発。すごい美人だとは思わないのだが、超体当たりの演技には大変好感が持てる。女性として同情する。毎回ひどい目にあって声枯らしながら叫ぶあの感じとかたまらないですね。同性に好かれるタイプね。

2022年8月15日月曜日

Stray,クリアしました!

巷で噂の猫になれるゲーム、クリアしました!

思ったよりもSFで、

思ったよりも美しく、

思ったよりも、切なくて、エモーショナルな内容でした。ちゃんと映画のように、一連のイベントが見事に解決し、エンディングは分岐しませんが、スケールの大きい終わりを迎えています。そして猫は最後までマイペース。

それがいいですね。

とてもセンスの良い、よく猫を観察してつくられたゲームだと思うので、このエンジンやCGモデリングを再利用して別の話でまた続編つくって欲しいなあ。その時は、ネコをいっぱい出してほしいw

今回ロボットが多くて、ちょっと寂しくなりましたw

背景美術が美しい。しかもこの明かりは敵のもの…

最近のフランス製のゲームには脱帽です。どれもこれもレベルが高いですね。美術面のセンス・クリエイティブのレベルの高さが特徴ですかね。ダークピクチャーズはイギリス製ですが、やはり謎に癖があったなと思います。

あんまりたくさん動画アップする主義じゃないので、最後に

メタルギア・にゃんこを……。

にゃんこは潜入任務にうってつけだなと思ったのですが、意外と、敵と認定されて襲われてしまうのが恐ろしかったです…。 

なんの罪もおかしていない猫が危ない目に遭いながら元・人間たちを助けるために奔走するなんて、皮肉な話です。

動画には収録してないですが、あのでっかい目がこっち見てるのはサウロンのようなあれなのだろうか。人間がおかした罪が二度と繰り返されないよう、こちらを見ているのだろうか。実はそこまでは描かれていなかったけれど、生きた人間が残っていない世界はじわじわとこちらを責めているような気がしました。

 

2022年8月14日日曜日

Us 観てみました

 私は今月公開の「NOPE」を真剣に前から楽しみにしておりまして、

「ゲット・アウト」もなかなか面白かったので、「Us」を観てみました。

毎回シンプルながら含みのあるタイトルで、ジョーダン・ピールは頭のいい人なんだろうなあと思わせますね。

Usの方が、ミステリー要素は強めに感じました。

結構感想で書かれている方が多いですが、なんとなく「怪しい」と最初に気づく人は多いのですが、まさか本当にそうなるとは…というエンディング。

ヒントは色々あるのですが、大きいところでいうと最初にヒロインのクローンがすごい怖い声でしゃべる内容が、すっごく、衝撃的で面白いじゃないですか。そっちのトークにもってかれるんですけど、その後、他のクローンが全然しゃべれないどころか、知能が低くて、うあーーくらいしか言えないのが「あれ?」となります。(このシーン自体は怖いし盛り上がるので、ダブルの意味で重要。さすが監督)

彼女は「私は特別だった」と言いますが、特別だと気づかれた、と言っていたので、それもなぜ?と思う。たまたま特別に出来上がった遺伝子変異だったのか?と思っていたら…。

この映画は2周目で「そういうことだったんか!」って色々わかるので、時間を十分にとって観るといいと思います。

ジョーダン・ピールは黒人ですが、いたるところでブラック・ユーモアを感じますよね。なんともいえない、ギリギリな感じの人種ジョーク。日本人は第三者視点で苦笑といった感じです。また、いつも女性がピリピリと危険に感づいて、男性がダラダラリラックスしている構図……。男性のそういうところにあこがれますけど、あれだとやられますよね…。

バトルはそんなに面白くないんだけど、Usの場合、「オールド」とか、「ドントブリーズ」みたいに同じ場所をぐるぐるしないので、動きがあって結構面白いです。

雰囲気は「オールド」とちょっと似ているのですが、たぶんジョーダン・ピールは怖い映画をつくれるのに性格が活発で明るいのかもしれないですね、結構動きのある話だったりしますよね。ゲット・アウトも、最後は逃亡劇で逃げ回りますし、黒人特有の明るいノリの会話が印象的でした。今回も、殺されるって時にアレクサみたいなのがヒップホップ流してくれるの、あれは完全に黒人ジョークですよねw


ただ、クローン問題に関しては、最初ヒロインのドッペルゲンガーが話してくれた扱いのひどさが一番怖かったですねー。最初、奴隷問題をモチーフにしたのかな?と思いました。そして、「お前たちは誰だ?」に対して、「アメリカ人だ。」と答えるのがすごく詩的というか、象徴的だなと。

黒人だけが虐げられてるわけでもないとわかったので、人種差別だけでなく、階級や支配に対する大きな皮肉の物語なんだと思う。

あと、ずっと気になっていたのが、クローンたちが本当に悪いわけじゃないというところ。彼らは復讐と自由を求めて襲ってはきますけど、ヒロインの息子が鬼の仮面をかぶっていて、クローンは白いスケキヨみたいな仮面なのが気になります。なぜ味方の仮面を鬼(西洋なので悪魔かな)にしたのだろう? 上位階層に対する、皮肉なのかもしれない。

 

私は持つものと持たざるものの話は結構好きで、最強なのは「第9地区」だと思っている。あの主人公は宇宙人をバカにして虐げることをなんとも思っていなかったから、罰が当たったのだと考えることもできるんだが、そこで止まってはいけない。「あなたたちもそんなことをしていないか?」と内省するためにある映画なのだ。

「あなたは誰かを蹴落として上に上がったことはない?」
「あなたは誰かをいじめて、満足感を得たことはない?」
「冗談半分で外国人を貶めた発言をしていない?」(日本人めっちゃ多いですよね)
「財力や学歴を振りかざして、他人をおとしめるマウントをしてはいない?」

それは時としてどうしても必要になるのかもしれない。だけど、落とされた方の気持ちと、復讐の怖さは考えておかないとね。

私は、力関係は今後はイーブンでないと、憎しみは止まらなくなると思うわ。だから、今でも憎んでいる人はいるけど、どっかで手を組む必要が出てくるかもしれない。その時に利用できないと、困っちゃうからね。だからおおっぴらに復讐はしないでおいたのよ。 

世の中、特に日本の田舎なんかに行くと凝り固まった思想の檻から逃げられないかわいそうな人たちがいる。そういう人たちと特別仲良くなる必要はないし、わざわざ差別する必要もないと思う。例えば海に入る時、海の生き物を絶対触らない、というのと同じ。

でも何が嫌って、この映画、一番の悪はクローンを生み出した政府なんだよね。もうウサギの扱いが嫌でねぇ。色々ひどいなと思った。 

ジュラシックワールドみたいに、恐竜が力で勝っちゃうのもありだよな。

2022年8月7日日曜日

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者 観てきました

今日映画館に行くべきではなかったなと思う。明日もだけど。

某ワンピース映画の公開日で、たぶん特典目当ての人が押しかけていた。どこもかしこも長蛇の列。チケット受け取り機に、30人くらい並んでいるというありさまだ。博多でこれなんだから、東京だとどうなっているんだろう。 ワンピースにまったく興味がない私にとっては非常に腹立たしい状況となってしまった…。次回からは何が公開されてるのかチェックしてから行きます。

 

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者。英語ではDOMINIONとなっている。もちろん英語のタイトルのほうがかっこいい。

さて、某作家が耐えられずに途中で退席したというこの映画。正直あまり期待できないなと思いながらも、映像に期待してドルビー3Dで観た。

映像自体は確かに綺麗だが、ドルビー3Dを初めて体験して、「やっぱり3Dは要らない」という結論にまず達した。メガネがずり落ちるし、おそらく皮膚に光が反射して、レンズに映るので、明るいシーンだと霧がまわりにかかったような見え方になってしまう。これじゃあ、観た意味がないし、お金をかけた分だけ無駄だ。映像自体はいいものなのはわかるし、3Dも効果的に使われていたと思うが、子供だましみたいな感覚に陥った。 

この映画の致命的な欠陥はなんだろう。

私に言わせると、結論、「安っぽい演出」じゃないかなと思う。

ジュラシックパーク自体は何度観てもなんだかおもしろくて、初代は本当によくできた映画だなと思った。演出がとにかく面白かったのだ。特に最後らへんの、恐竜の身体に「ATGC」とDNA塩基配列が映し出される演出なんかはかっこいい。彼らが遺伝子を改造されて創り出された結果、こんなことになってしまったのだという強い後悔を知的に映像で表わしている。また、最後にレックスが吠えるタイミングで「恐竜が世界を支配していた」という垂れ幕の端っこが切れて舞いながら落ちてくる演出なんかも皮肉たっぷりでユーモラスだ。

しかし、これらの演出は多用すると少しやっぱり興ざめしてくる。

それが今回の映画だ。

ネタバレになるので全部は言わないけど、人間の顔ギリギリのところに恐竜の歯が迫るみたいな演出が多すぎ。

怖いし面白いけど、かなり使い古されている演出が多い。

また最後の最後は私はもう大爆笑って感じだった。詳しくは言えないけど、「頭おかしいんじゃないの…」っていう演出。

この映画のシリーズは、恐竜がよみがえるという魅力と恐怖を同時に描くのがテーマなので、CGをもちろん多用している。けど、大事なのはCGのクオリティではないと思っている。

CGを使うからこそ、演出や使いどころのリアリティにこだわってほしいと私は常に願っている。

あからさまにCGだとわかるような表現だと、没入感が薄れて興ざめだ。

例えば私がなんどでも絶賛する「クローバーフィールド:HAKAISHA」のいいところは、あれのモンスターは明らかにCGなんだけど、 ギリギリまで姿を拝見することができないところ。

多くの災害がそうであるように、突然未曾有の危機に襲われた時、その原因をすぐに見ることがかなわない場合が多い。それがリアリティなのである。

地震は目で見るのが難しい。3.11が起きたとき、強烈にビジュアルとして焼き付いたのは、青山のオフィスの会議室の窓から見えた、向かい側のビルが、ゴム製かというくらい、ぐねぐね曲がって動いていたわずか数秒の映像だ。何度でも脳内で再生できるくらい、よく覚えている。それがリアリティだと私は思う。

いかにもねじまがっているとか、大袈裟に表現する必要はない。漫画やアニメだったら別だけど、この手の映画にはやはりリアリティが欲しいと思う。初代は、笑える演出は多少あったものの、レックスに車をあごで転がされる演出など、非常に巧みで、暗いからかCGであることも全然気にならなかった。非常にリアルであった。もしかしたらスピルバーグの手腕なのかもしれない。当時のスピルバーグの恐怖の演出は神がかっていて、本性はドSなんじゃないかと心配するくらいだ。

(多分リドリー・スコットのほうがドSだけど)

では演出力というのはどう磨けばいいのだろうか。

私は大学を卒業してすぐ、仕事がなかったのでアルバイトにいくつか応募していた。一応働こうと思ったのである。(私の世代は氷河期ど真ん中で、新卒で応募しても入れる感じではなかった)

そこで、イラストを描くアルバイト募集でとても小さなオフィスに伺ったことがある。そこの偉そうなおじさんが、「演出を学んだ方がいいよ。」と言ってきたんだけど、他に言われたことに関してはなにひとつ尊敬できなかったので、(圧迫面接で根性とメンタルの強さを試されただけ)この人はバイトでもいじめるんだろうなと思って電話で辞退した。 

しかし、「演出を学べ」という言葉だけは強く残ったので、演出というのを気にするようになった。幸い、自分は「センスが悪いもの」を理解する力があったと思う。

「バーフバリ」とか「マッドマックス:怒りのデス・ロード」なんかは、演出が極端だけれど、世界観にマッチしているので笑って済ませられる。バーフバリすっごい!ほんとうに強いんだね!で終われるのだ。好みかっていうとギャグだなと思うけど。

「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」に関しては、世界観をどっちにふりたいのかわからないまま終わってしまったんだと思う。

私の意見としては、初代のトンマナを踏襲するべきだったのではないかなと。そこにあったのは、ひたすら「恐怖」。初代はものすごい怖い。今見ても嫌だなあと思う。餌をやるシーンですでに怖い。

あと特によろしくなかったのが、とってつけたような今作のテーマ。この地球の支配者は誰なのかという話だ。それ、もし科学者に語らせるなら、真面目なトンマナのほうに寄せるべきだったんだと思うんだな。

 

登場人物としては、マルコムがやはり魅力的だった。見た目は確かに老いているが、スタイルはいいし、なんといってもあの「飄々としたキャラ」が最高だ。ああいう風に生きたいと思う。何が起きてもあんまり驚かないところがすごく良い。

クリス・プラット自体はいいのだが、彼はどうしてもギャグっぽくなる傾向がある。顔つきのせいかもしれないがw「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」がハマりすぎてたのかな…。でもアマプラの映画のほうがシリアスでかっこよかった気がするんだが、なぜなんだろう。 

グラント博士が年とったほうがかっこいいので、画面のオーラは彼が奪い取っていたと思う。登場人物が多すぎるのも難点だ。


バイク逃走シーンとかは、単純にわくわくして面白いので、ストレス発散にはうってつけだけど、映画としては、ギリギリクライマッチョに勝てるくらいじゃないですかね…w

2022年8月5日金曜日

ゴッサム見終わりました!!T_T

長かったな〜!!

シーズン5は短いのに、あんまり面白くないのでなかなか終わらない感じがした。

ベインはあっさり、ゴードンに捕まって終わっちゃうし。これは打ち切りの合図だなと思った。
そもそもゴッサムというドラマには欠陥がある。

このドラマ、死者を再利用しすぎなのだ。

倫理的にもちょっとな、と思うし、どうせ生きてるんでしょ、と思うこともある。なのに、ブルースの親は生き返らないし、他にもブルースが大変後悔した事件の被害者も生き返らなかった。
そして生き返った人が決まって「ここはゴッサム」っていうのがもはやコント。

役者が気に入っていれば、また出てきてくれて嬉しいかもしれないが、例えばミスターフリーズはフェードアウトして、アイヴィーは何度でも出てくるのはなぜか。お色気作戦だろうか。セリーナの母親だって、もっと出てきてくれても面白かったのに。

最後の最後にバットマンが出てきたんだけど、あのかわいかった坊ちゃんが影も形もなかった。

いかにロバート・パティンソンが可愛いか。良くわかった。パティンソン君はカウルをかぶって出てきてもお口元が可愛らしくて、いかにも初心者って感じがあったし、若いな!って感じがあった。バットマンは普通の青年だ。私は、素人感があった方が圧倒的に親しみやすくて好き。

さてこのドラマ、個人的にはシーズン2だけを観てもなんとなく世界感がわかると思うので、部分的に観たいならシーズン2をお勧めする。(1のフィッシュはあんまり良いキャラじゃないと思った)

キャラクターの個人的ランキング。

5位:バーバラ

男嫌いなのにゴードンを愛してしまう、奇妙なヤンデレだったが、どんどん美しくなっていった。最後はショートカットが可愛い。ゴードンと結婚はしてもらえなかったが、なんと子供は産んでしまった、、、、すごい。そして生き残ったし。

4位:リー

この女優さんのお芝居がすごく上手で好き。キャラクターも医者として、どんな状況でも人を助ける良いキャラクターだった。リドラーと一時的に恋仲になったふり?をしていたけどやっぱりゴードンに戻って、よかったのかな。ゴードンの役者さんはリーの役者さんと本当に結婚したんだからすごいw
シーズン5のアルフレッドとの会話「子供を育てるということ」は号泣必至なのでご興味があれば。

3位:ハービー・ブロック

最後まで生き残った!最後までキュート!だけど中盤が一番可愛いです。つぶらな瞳がワンコキャラ。年取ったふりして怠惰なシーンもあったけど、この人も芝居が上手いんだと思う。強運の持ち主で、爆弾のワイヤー切るとき、「あのねのね」的な切り方をして助かってる。洗脳されてもなぜか、助かる。愛されてる。

2位:ペンギン

このドラマはゴードンやブルースが主人公というより、ペンギンの話じゃないだろうか?
マザコンと言われようと、彼は幸せだった。なのにある日、母親を殺されて、傘持ちだったペンギンはさらに悪の道を駆け上がっていく。市長にまでなった。リアクションがわかりやすく、華のある外見で、人々の興味関心をひいていた。何度か殺されかけたり凍結されたりするけど必ず生きて帰って来た。でも一番良いのは、彼の中にある「愛」。これは異性愛とは限らないし、ペンギンの場合は女性にはあまり興味がないらしく、一番好きなのは母親であり、他の人にも同様の無償の愛を探し求めている。その姿は純真無垢で、誰の心にも必ずある気持ちだ。
その逆をいくのがリドラーで、彼は異性にしか興味を持たず、あとは利用するサイコパス。その辺のコントラストが良く、なぜリドラーがペンギンと同じ場所に駆け上がれないのかが良くわかる。リドラーには愛がないのだ。

1位:アルフレッド・ペニーワース

もしゴッサムに感動のヒューマンドラマがあるとしたらその大半はアルフレッドから来ている。
初めてブルースと二人きりにされた時の所在ない哀れな執事の姿から、シーズン5あたりまでくるともはや父を超えた存在となっている。
アルフレッドは単なる執事ではなかったし、武道の師範でもない。彼は、ブルースに生きるということの意味を教えた教師なのだ。
何度も死にかけて、その度になんとか生き返るが、アルフレッドが守ったのはブルースだけではなく、ゴッサムの守護者になるべき人物を守ったのだ。つまりゴッサムシティを守るためにブルースを守っていた。
ブルースとアルフレッドの相性が良かったか悪かったかはあまり関係がなさそうだ。アルフレッドは、目の前にある困難なミッションに真面目に取り組んだ善良な人物であり、本物のヒーローは、ヒーローを育てた彼に他ならないと思う。
だから、私たちがアルフレッドに涙するのは、彼が素直に苦悩を打ち明け、ひたむきにブルースを導くその真摯な姿に自分を重ねる時なのである。


さて問題は、ゴードンがいまいちな主人公だったところ。彼は女にモテる。他の女とも寝てたし誘惑されれば落ちるし、数日で妊娠させてしまうすごい男だ。なぜゴードンをそういうキャラにしたのかは、良くわからなかった。あとかっこいいとも思わなかった。

ブルースはイケメンだが、欠陥が色々ある。そもそもなぜバットマンにならなきゃいけないのかが、「ザ・バットマン」より説明が下手。暗いといえば暗いけど、堂々と経営会議に出てるあたり隠キャとは言い難い。また、セリーナにこだわってる割にはちゃんと付き合うことができなかったのも、なんだか謎である。
既存の設定に振り回されて作られたのが今回のブルースであり、「ザ・バットマン」ではブルースの性格を一新し、女を知らない引きこもりの隠キャに作り替えたことで、真実味が出た。
昔のヒーローは007も含め、女好きのプレイボーイが多いけど、それは男の理想を描かないと売れなかったからだと思う。
今の時代は個人と隠キャの時代。みんな少し内向的なくらいが現実的。ブルースは2022年になってやっと設定が一新されたのである。
これは喜ぶべきことだと思うな。少なくとも、私は嬉しい。

2022年8月2日火曜日

Strayという巷で有名すぎる猫ゲーを始めました#1

今、これを書いている私は、力が尽きかけている。

どうか、完全に、システムがシャットダウンする前に。

この映像を世界に届けたい。

 

私はかつて猫であった。 

飼い猫でもなく、自由に世界を駆け巡っていた。何にも縛られてなどいなかった。

何をやっても、私は愛された。

かわいいからだ。猫だからだ。

 

ずっと猫でいたかった。

これはそんな、おぼろげな記憶を、動画にしたものだ。