2023年10月18日水曜日

バンデラスがネコになる!「長靴を履いた猫と9つの命」

猫には9つの命があるという―この言い伝えは、「ザ・バットマン」でもあまりにも有名である。

文字通り、9つの命があったプス、気づいたら1個しか命が残っていなかった。突然恐れをなしたプスは、引退を考えるが…?

命とはなにか、人生とは何かを考えさせられるテーマの中、プスの愛くるしさがたまらない。そしてなによりも

 

バンデラスがはまり役すぎてびっくりする。

これバンデラスの話なのでは…?(笑)

 

こともあろうにこの映画のインタビュー中、バンデラスときたら

「俺は300歳まで生きたい!!!」

サルマ「こいつならやるわよ。」

息もぴったりだ。

サルマハエックはなんと、元カノ役。それもハマりすぎではないだろうか。 

この映画では冒頭でバンデラスが歌を歌ってくれるのだが、それも上手すぎてびっくりする。バンデラスといえばセクシーラテンイケオジだが、声もセクシーイケボである。というか声が良いから今でも色んな映画に出れるのでは?とも思う。レイピアも上手なので、多芸な俳優だと言えよう。

アンチャーテッドのバンデラススペイン語は、アメリカ人の適当なスパニッシュに比べたら味が何倍も違う。

また、特筆すべきはフローレンス・ピューの声優参加だが、彼女は次はジブリ映画「君たちはどう生きるか」でキリコを演じるらしい。ぴったりすぎて二の句が継げない。それからフローレンスもやっぱり、声がいい。

ジブリ映画「君たちはどう生きるか」英語吹き替えで心配なのはパティンソン君のアオサギなんだけどね。

本人はおそらく「変な役ゲット!!ヒャッハー!」だと思うけど。そういう人だから。



2023年10月15日日曜日

★ステイサ無双2023★俺だって、ヘンリーカヴィルみたいにスパイをやりたい、ステイサム映画「オペレーションフォーチュン」

メグザモンスター2が出た時、Xは沸いた。次はオペレーション・フォーチュンだ。「俺をおかわりしろ。」とステイサムに命令されたら、抗えるファンはいるだろうか。

なにしろ今年はステイサムイヤー、「ステイサ無双」という言葉まで飛び出した。世界一かっこいいハゲアクションスターは 56歳だがまだまだ油がノリノリだ。

引きのアクションはあまり無いものの、今回はアクション多めで私が昔から評価しているアクションのコレオグラフィーが美しかった。流れるように敵を倒すのだが攻撃を繰り出してから止めるまでの動きに無駄がなく、美しい。

今回はMI6のエージェント役なので、普段映画で封印しているイギリス訛りを存分に発揮しており、生のステイサムに近い喋りが聴けるぞ。

まあ正直話は面白くなかった。筋書がまるでミッションが不可能なあの映画の短縮版である。ひねりがあるとしたら裏切り者がひとり出たんだけどこいつの扱いがよくわからなかった。残念ながら、トム・クルーズ映画のほうがはるかに脚本がわかりやすかった。最初MIは難しいからと思っていたけど、途中からほとんど字幕見てないくらい、あれはセリフがわかりやすかったのだ。

面白いところはヒュー・グラントの扱いだろうか。

昔のヒュー・グラントと言えば、サンドラブロックやジュリアロバーツに甘えるダメなイケメンと言う感じであったが。

今回は鼻持ちならない大富豪。あまりの大富豪っぷりに笑わざるをえない。バンデラス枠に入ってきたな。

あとキャッシュトラックの時も言ったけど、
「ジョシュ・ハートネットがかわいい」

彼はいつもなんかかわいい役だな。あんまり、悪いことができない子なんだろう…。

 

ガイ・リッチーはなんとなく見てきたけど、

やっぱり「コードネームUNCLE」がよかったな。ヘンリー・カヴィルのイケメンっぷりが一番くっきり生かされているのはこの映画だ。

そしてストーリーのオリジナリティもコードネームUNCLEのほうが上。どうせならあれの続編を見たかった。

もしかしたらどれかヒットしたら続編つくってくれるのかもしれない。

オペレーションフォーチュンというタイトルは本当に素晴らしいし、今回はキャッシュトラックなんていう超ダサ邦題にしなかったことは本当に正しいと思う。

ロケ地は素晴らしいし、ものすごいお金かかってると思うけど、これ回収できるのかね……。

 

 

2023年10月11日水曜日

名作「シザーハンズ」

シザーハンズがアマプラにやってきた!

おそらく20年ぶりくらいに観ただろうか。

不思議なほど色あせない良作であった。

同じ感動が味わえるというのはさらに感動が増す。

おそらくティム・バートンの最高傑作だろう。エドワードが、ティム・バートン本人ではないかと思うようなメイクをしている。実際モデルだったのではと言われている。

この美しい物語の主人公に抜擢されたジョニー・デップは、この作品で一躍日本でも有名になった。私もこの作品で好きになったし、実をいうとこれ以上ジョニーがいけてる作品は無いんじゃないかと思っている。似たようなメイクの作品があるにも関わらずだ。この時が、この役が、一番ピュアで美しかったのだ。

脚本の構成も隙がなく、美しく整っている。間髪入れずに進むストーリー、そしてあまりにも雑多で下世話なご近所やマスコミの喧騒の中、エドワードのピュアさはいっそう輝き、ヒロインのキムの大きな瞳がひときわ煌めくのである。

私はエイリアンシリーズですっかりウィノナ・ライダーの大ファンになってしまったし、今観てもやはり存在感がすごいなと感じる。

純粋で可哀そうな、陰キャの男の子の話というのはいまいちエンタメ性がないので、この作品が大ヒットしたというのは素晴らしいことだと思うし、今後も陰キャ男子の映画が増えればいいなと思う。

 

Wikipediaを読んでいたら、トム・クルーズに主役を打診したところ、「ハッピーエンドがいい」と言われ交渉が決裂したそうだが、いい話だ。

トムクルーズに演じさせていたら、こんなに好きにはなれないだろう。そもそも、トムは陽キャの帝王みたいな人であるww

それにあれをハッピーエンドにしてしまうと、物語の重みが一気になくなってしまう。世間のエゴとそれに抗う若者たちの純粋さのコントラストが失われてしまう。

 

ジョニー・デップが陰キャかどうかは怪しいところだけど、彼の生き方を見ていると必ずしもハッピーとはいいがたい。

あと、エドワードは寡黙だが実はきちんと喋ることができるというのもいい。

時々発する言葉の重みが段違いである。それにこのころはジョニーの声もかわいい。まれに発する声がかわいいなんてかなり美味しい設定だ。 


この映画で取り上げられている「人の嫉妬」「エゴ」「野次馬根性」「しつこいマスコミ」などの問題はSNSやスマホがどれだけ流行ってもまったく変わっていないところが、この作品の本質を強固なものにしている。

はさみというツールが変わらないのも、見越していたのかわからないが、すごい思いつきではないだろうか。今でも美容師ははさみとシェーバーで人の髪を切る。義手という選択肢はあったものの、はさみを無くしたら特別ではないと言われてしまい、散々利用された挙句「マイノリティはバケモノ」として追放され、なんともいえずもどかしい気分になるが、そこが人間社会の本質をとらえているといってもいいのかもしれない。

2023年10月8日日曜日

グレタ・ガーウィグの映画を分析してみた

 「バービー」に衝撃を受け、彼女の映画をあらためていくつか観て、思ったことをまとめたいと思う。

彼女の映画はびっくりするほど、毎回同じようなテーマで進むうえ、主人公の性格がかなり似ている。

ざっくりまとめるとこんな感じ。

・彼氏より女友だちが好き

・レズビアンじゃないけれど、男性とのセックスを否定する(良くない、という表現が多い) 

・男性を完全に見下している。(笑)

・ティモシー・シャラメを悪人にしている。

・主人公の女性が男性を選ぶとことごとく失敗する。(若草物語だけは売上に忖度したとか言われている)

・母親との関係を重視(父はあまり重視されない)

・主人公の女性がひとりで生きることを強要される(もちろん本人の行動の結果だが)

グレタ・ガーウィグのいいところは、今までディズニープリンセスのほとんどが「Happily Ever After」だったのと対局にいるところだ。

つまり「結婚=しあわせ」を完全否定するスタイルを貫いている。若草物語だけが少し忖度しているが、プロポーズを断るシーンからもわかるように、彼女らは結婚に重きをおいていない。

最初若草物語のティモシー・シャラメがあまりにもひどかったため、すっかり嫌いになってしまったものの、「レディ・バード」を見て、「わざとだったのか」と確信した。彼女は世界有数のイケメンにことごとくクズ野郎を演じさせ、そしてなぜか大人気にしてしまう。

「バービー」は間違いなく今までの作品の集大成である。ビジュアルが華やかでテーマがわかりやすいため世界で大ヒット、特にアメリカではかなり肯定的に受け入れられている。だがあれは必ずしも幸せの物語ではなく、今まで挙げたような、「女の苦しみ」を詰め込んだ映画なのだ。

ざっくり各作品を分析してみた。

フランシス・ハ

中途半端な女性を軽やかに描いた話。ややギャグ寄り。男性は性欲解消のために付き合うが文句いいまくって、女友だちに愛を告白し、一緒のベッドに入る仲。

演じているのがグレタ本人なのでむしろこっちが自伝に見えなくもないが、内容は本人の人生の内容ではない。

ちょっとドンくさくて失敗する女性像が描かれる。バービーと同じく、「何者かになる必要はない」テーマがメインに語られる。

 

レディ・バード

18歳を節目に大人になっていく女性の物語だが、設定がグレタ本人とほぼ同じため、自伝的映画とされている。

男性と結構遊んでいるが、正直うまくいっていない。

母親との関係が主な内容だが、アメリカらしく、愛されていることはよく伝わってくる。なので、愛情表現があまりなかった自分の経験と重ねることはできなかった。気持ちは、わかる。

若干、キリスト教を肯定するような表現があるが、あっさりしているので悪くない。おそらく、散々反抗した挙句、自分が神(母)に守られていることを実感し、気持ちを改めた、程度の話であると思われる。

この映画でも「何者かになりたい」娘に対し、「金(功績)が幸福なのではない」旨が母から語られる。 

数々の賞を受けているが、ちょっと小奇麗にしすぎな感じもしないでもないので私はあんまり好きではない。

「母」の存在は他の映画にも出てくるのだが、唯一問題が起きやすいのがこの映画だ。だけど、私が母と経験した確執に比べたら出力30%くらいのほのぼのとした問題である。 アメリカ人は直接的に気持ちをぶつけあうので、見た目は派手だが、内部に渦巻く憎悪は私に比べたら10%もないと思う。


ストーリー・オブ・マイ・ライフ

最初に観たのがこれ。姉妹が楽しいのはわかるがちょっとうるさすぎるだろと思っていたが、グレタ監督の作品をいくつか観たら納得いった。彼女は同性とキャッキャするのが好きなのだ。

また、ティモシーシャラメはなんとかならんのかくらいうざかったがレディ・バードを見たら納得いった。バービーもそうだけど、クズ男性を演じてくれるイケメンを、グレタ監督は熱望しているのだ(笑)

ジョーが小説家なんて目指すがために結婚もできず孤独になっていく姿は、自分と重なるし共感できるところが多いにある。恋愛は本当にうざい。他の作品を観てからだとそれがくっきりとわかる内容だ。

 

バービー

今までの集大成である。

バービーで強烈なのは「低知能のバカで純粋な男たち」の描き方だ。あまりにもリアルで背筋が凍った。だが、グレタ監督がいつも小馬鹿にしている男たちを、真剣に、本気で、映像化してしまった問題作がこちらである。なおメイキングでグレタ監督は何度も爆笑しているww

レディ・バードを観ても思ったけど、グレタ監督は相当な問題児(問題女子)である。

日本で男性をバカにすると、まるで当然かのように、「男性の立場はどうなる」と人権みたいに尊厳を要求してくる上、バカにされ続けると逆上して対象を殺害し、頭部切断の上、自首するとかわけのわからない猟奇的事件が起きてしまう。だから私はこの映画を観たときにとても怖いなと思ったのだ。

「ケン」は武器を持たないため、せいぜいビーチバレーボールを投げたり、なんか適当にパンチ繰り出しているだけだったが、現実には肉切り包丁が存在する。

もしグレタ監督にリアリティがないとしたら、男性の凶暴さが描かれていないところである。

とはいえ、私でも、暴力映画をつくってくれと言われたら間違いなく女性を主人公にし、男どもを抹殺するだろうし、もしグレタ監督がそっち方面に目覚めたら同じことになってしまうだろう。リュックベッソンがやってるから需要ない気がするんだけどね。

グレタ監督は「バービー」で暴力のかわりに、女性が男性を本気でとっちめるなら「馬鹿で短絡的な男性特有の思考回路」を利用して勝手に滅亡するように仕向けたらいい、といっているのだが

それがものすごくリアリティがあって、私は怖いなあ、と思いつつ、グレタ監督にあこがれるのであった。

絶対男嫌いだろ、と思う表現も多いのだが、彼女は男性に救いのある内容ももちろん描いている。

レディ・バードでは同性愛者の男性をなぐさめ、バービーでは女性に認められないと自分の存在意義を見失ってしまうケンをなぐさめる。

しかし、これもグレタ監督のひとつの罠であり、彼女は世界の支配者に値する人間かもしれない。だが、彼女は正しい。もし、女性が世界を支配してうまくいくと仮定するならば、そのトップにはグレタ・ガーウィグ監督がいるかもしれない。

 

 

 

 

 

2023年9月16日土曜日

ブレア・ウイッチ・プロジェクト

久々に見てみました。この映画は20年近く前に妹が借りてきたのを観て以来です。あの時代は、12モンキーズなど、暗くて私の心をひきつける作品が多く、20代だったのもあって大変影響を受けたことを覚えています。

やはり20年経っても非常に面白いですね。私の洋画ホラー1位の座は揺るぎませんでした!その理由を、羊たちの沈黙の時と同じように羅列してみたいと思います。

 

ヘザー役の女優の演技がとてもいい

特にラストの叫び声なんて、夢に出そうです。

ラストシーンは壁に手形とかついてるのが、あまりにも衝撃的すぎて、ビジュアルと悲鳴をよく覚えていました。

また、女性監督として名を上げたいと思っている学生ヘザーの傲慢な態度から、終盤にかけての懺悔のシーン、恐怖でマイクの名を呼び続けるシーンなど、すべての演技がピタリとはまっていて心揺さぶられます。

 

テンポがいい

80分の小さい低予算の作品だからというのもあるが、ダラダラ喧嘩してそうでそうでもない。いつの間にか次のシーンに変わっており、徐々に魔女の影響のようなものが強くなっていくのが面白い。

この映画のエピソードをノートに書き出してみるとわかると思いますが、実はかなりのスピードで展開しています。なのでいつのまにか大変なことになっているという引き込まれ方がいい。

 

映像がいい

昔のカメラを使っているのか、テープのようなものが見えていました。映像も荒いです。ホームビデオに近い。(一応彼らは映画を作る勉強を大学でしています)

またどう考えても下手くそな構図や、寄りすぎな映像もあるのですが、「ちゃんと見えない」あの怖さは素晴らしいですね。肝心な時に見えず、逆に一生懸命探してしまうので、引き込まれます。

最後は特にいいです。ただ、廃墟を恐怖でテンションを上げながらカメラを振り回して撮影してるのですが、夜の廃墟自体が怖いというのもありますが、ついついエビデンスを一生懸命探してしまいます。

おそらく手形と文字以外は無いです。ですが、文字も一瞬なので何が書いてあるかわかりません。ルーン文字のような読めない感じのものだったと推察します。 

この不鮮明な感じは綺麗なデジタル映像だと再現しにくいので、最近ではわざとノイズを乗せてる自主制作映画を見かけますね。

 

恐怖がただひたすら右肩上がり

最高のクライマックスで終わってしまうのが、一部から批判される理由だと思うんだけど、そこに至るまでのいくつかの恐怖シーンが結構印象が強くていいですね。

個人的に無茶苦茶怖かったのがテントを外からツンツンされるシーンです。ツンツンしてるのか、殴っているのか、よくわからないのですが外部から攻撃されているようなのです。テントという脆弱なツールの弱点をよく突いています。

基本的にこの映画は低予算のためか、攻撃者の声は聞こえるものの姿は結局見えません。

それが逆に怖いという、まさに低予算を逆手にとった良作だと思います。

また私はグロいのが嫌いなので、ジョシュの服の一部に人間の体の一部が包まれていたシーンは、ちょうどよい怖さでした。あれがジョシュかどうかも判別はつかないのですが、服がね…。そしてその前に散々、ジョシュが苦しんでいるような叫び声が聞こえているのもいい演出です。はっきりはさせないが、思い込みでほぼ確実だと思わせるロジック。

そして、途中でマイクとジョシュが笑いだすシーンがありますが、あれも、魔女に振り回された結果なんだと思います。実体のない恐怖にさらされ続けて頭がおかしくなってくるのも、恐怖です。

 

そして、やっぱり、「本当かもしれない」あの感じ。

モキュメンタリーに「実体」が映ってしまうととたんにCGのリアリティ評価になってしまいますがこの作品は最後まで「実体」を映していないので、評価のしようがなく、逆にそれが嫌われる理由にもなりましたが、上品で上手いなと思いました。

もしこれが全部、魔女ではなく地元の人間が仕組んだことでも、理屈が通ってしまうからです。だからこそ、「本当っぽい」感じが出てきます。

そういう意味では、 「都市伝説」好きにはたまらないですし、本来都市伝説ってのはデマを楽しむものですが、これもそうなんだと思うんです。でも本当に魔女か、そういうことをする人間が住んでいたら、怖くて面白いなと。

 

私はバイオハザードヴィレッジは怖すぎてプレイできませんでしたが(体験版でも)、ブレアウイッチの最後のシーンとかなり似ている映像が出てきますよね!あれもめっちゃ怖かったです。

制作陣はきっと参考にされていると思います。FPS一人称視点のゲームでしたし、周りがよく見えず、音だけが聴こえるあの感じもよく似ています。

音だけが怖い演出については「アランウェイク」は天才レベルで、ちょっとやりすぎなくらい音で攻めてきます。行っていない上の階からやたら話し声や足音が聴こえたり。

ブレアウイッチのゲームがあるそうなんですが無茶苦茶怖いらしいです。

でも、バイオハザードは映画にするとあんまり怖くないと言われていて、本来は、ゲームのほうが怖いのに、映画がかなり怖いのはいいことだと思います。

2023年9月4日月曜日

HAPPY DEATH DAY

実は先日「恋はデジャ・ヴ」を観たばかりなのだが、教訓めいた内容とやたらひっぱる長さにちょっと閉口していたところに、この映画のヒロインの顔芸が面白いと聞いて再生してみた。同じくループものである。

だが、恋はデジャ・ヴが普通に寝ると翌朝同じ日が繰り返されるのと違って、本作は前日に必ず殺され、はっと目を覚ますと同じ日を繰り返すというもの。

ミステリーになっていて、仮面をかぶって自分を殺しにきた人間が誰なのか、ずっと謎を解き明かすのに必死で、なかなか面白かった。クチコミの通り、ヒロインのリアクションが実に大袈裟でアメリカンテイスト。

ついに突き止めた!と思ったら、とある理由でヒロインがループをやり直すため自殺までする。なかなか、一回でうまくいかない感じが盛り上がる。

そしてクライマックスのどんでん返しも、私も全然気づかなくて驚いた。ミステリーとしてはかなり上出来ではないだろうか。

全体的に表現が安っぽいのと、ヒロインが性格に難ありのビッチで、恋はデジャヴと同じで途中からいい人になろうとしてるんだけど、元ネタをすでに観ているとあんまり感動もしないというか…。全体的に二流感はあるが、初見だと楽しめると思う。気楽な気持ちで観れるホラー映画って少ない気もするので。

 

ちなみにラストシーンでヒロインたちが「恋はデジャ・ヴ」の話をしているので完全に元ネタだとバラしているw 

あと壁に「ゼイリブ」のポスターが貼ってある…w

2023年9月3日日曜日

アステロイド・シティ / ウェス・アンダーソンの世界

恥ずかしながらウェス・アンダーソンを知らなかったのですが、この映画のチラシを見かけてから絶対観ようと思っていました。

映画観終わってすぐパンフ買いました。ビジュアルがとにかく素晴らしかったので、何かしら手元においておきたいという気持ちからです。(バービーも、ウェス・アンダーソンを参考にしているので、ビジュアルがよくてパンフ買いました)

ウェス・アンダーソンのその「ビジュアルのよさ」というのはどういうものなのか、デザイナー目線でお伝えします。

 1:やはり色彩が良い

インスタグラムのフィルター(ナッシュビル)のようなカラーリングですが、ある程度いじっているとは思いますが、明らかに計算された色使いでつくってるなと思いました。

その色とは、背景・マットペインティング・小道具・大道具・衣装・髪の色・肌の色・照明にいたるまで、細かいこだわりがあると感じます。 

簡単にいうとレトロカラーです。1955をあらわしているからとも言えますが、完璧すぎて驚きます。

ちょっと度肝抜かれたのは「グリーンのバスタブ」です。どうしたらそういう発想になるのか。そしてバスタブやっぱり塗ったんですかね…。

あと人間の肌はあえて彩度をがっつり上げて色飽和を起こすように補正されていますが、レトロ感がよくて効果的でした。

積まれた中古車もなんとなく色が綺麗ですし、家族の持ってきたトランクの色も計算されているし、トム・ハンクスの衣装の上がクリーム色で下が水色のパンツはすっごいかわいいのにおっさんになぜかしっくりきていてとにかく凄いなって思いました。

2:フォントが良い

まずタイトルとスタッフロールのフォントはすべて統一されており、かわいらしいフォントです。

また、小道具や看板が大量に出てきますが、すべて計算しつくされていると感じました。しかも、看板で状況を説明しまくっている映画なのですが、状況が変わると上から赤いシートを貼って文字が書き直してあるのですがそこも綺麗にフォントでデザインされています。そしてタイポグラフィーにこだわりのある方はご存知だと思いますが

「字間」が完璧なんですよね。

どういう感じかというと、「あえて詰めない」「少し空ける」なのですが、1文字分あけるとちょっと開けすぎなので50~80%くらいで留めてるのが「かわいらしい」「レトロ」なんですよ。あとあのフォントの選定センスは異常ですね。現実には存在しないくらい、計算しつくされています。画面全部がデザインされている。

自動販売機のセンスが良すぎるので、こういうの日本にあってもいいと思うけど、おそらく人間が生きているうちは設置されないでしょうね。

ウェス・アンダーソンこそ映画グッズを大量に出しても売れると思いますね。

3:構図が凄い

これは多くの方も同じ意見だと思います。こだわりが強すぎて、つまらないシーンでも画面の隅々までディテールが楽しめました。

例えば、人物を正方形の窓から撮影しているシーンが結構あるのですが、白い壁の真ん中の人物に集中させておきながら、その壁の先の背景までが完璧にレイアウトされています。簡単に言うと、「絶対ものが被らないように配置されている」のです!!もし被っている場合は、完璧なレイアウトで綺麗にものが並んでいます。

ぐちゃぐちゃになったのは少年が飛び降りた時に空き缶が飛び散った時くらいなのですが、この少年が上から下まで白を着ているんだけど、なぜか白いニットとかなんですよね!異常なこだわりを感じました!

一点透視が好きなのか、いちいち一点透視になるところまでカメラを移動させて、シーンを撮影、わざわざ移動してまた一点透視で別のシーンを映す…。演劇がモチーフだからというのはわかりますがピタッと中心に合わせるので、絶対俳優の位置を変えることはできないと思うんですよ。消失点に向かって背景が左右対称ですからね。こいつはたまげました。

一か所、「上下」に撮影しているシーンがあり、これも完全に中心を合わせた三点透視でした…。

また、絵画的な構図が多く、人物はあまり動かないものの、「手前に中心人物」「横にサブの人物」を配置していることが多く、不自然な位置にいるのですが絵としては完璧なんですよね。動くイラストを見ているような感じです。

非現実感を出すには効果的だし、中心に絶対に合わせるという構図ならある意味迷いがないので楽そうではあるのかなと思いました。(カメラの技術を知らんのでぴったり合わせるのがどれだけ大変かはわかりませんがw)

あとスクリーンの左右ギリギリに人物配置して会話させるの、結構好きですね。おもしろい。

真ん中を柱でぶった切るのも面白いなと思いました。

4:アナログへのこだわり

全体的にアナログなのがかわいらしい作品なのですが、宇宙人のアナログ感がすごくて、かわいくてしょうがなかったです。ストップモーションアニメーションなのですが、コマ撮りらしいぎこちなさがたまらないですね。

説明するともったいないので、ぜひ見ていただきたいです。

また、パンフに書いてあったのですがこれ全部フィルム撮影だそうで。

いや、わかる。同じ極彩色の世界でも、バービーは生々しい写真感があったけど、アステロイドシティは徹底的にレトロ感にこだわっていますからね。色あせた、優しい色づかいや少し不鮮明な輪郭(とはいえピントはばっちりなんだが)はフィルムの味なのかもしれないなあ。

 

ビジュアルばかり褒めてしまいましたが本当にビジュアルへのこだわりはハンパないです。普段デザインをしている人間からしたら「すごいうまいデザイナーが突然現れた!」みたいな世界ですよ。

「こだわってつくれ!」「完璧主義になれ!」と尻を叩かれるような完成度の高さです。

その反面、話はあんまりおもしろいとは言えないのですが、なんかいちいち小ネタが笑えるので楽しかったです。きっと面白い監督なんだろうなと思いました。宇宙人の登場シーンはみんなやっぱりちょっと笑っちゃいますよね。 

テーマは演劇やクリエイティブの話だと思っていて、ちょっとドライブ・マイ・カーを思い出しました。

あまりにも完成度の高いオシャレ映画なので、ずーっとカフェとかで流しておくのによさそう。家で流しっぱなしにしたいような映画。