2016年9月7日水曜日

シン・ゴジラ観たよ!

ツイッタラーの間では「シン・ゴジラ」か「君の名は。」の2つ(もしくは両方)がフィーバー中でございますがまあ私の性格的にはシン・ゴジラだろうなと思って観に行きました。

大体小島監督がおもしろいって言ったものは私も面白いってなる可能性がかなり高い。あと君の名は。は多分、私には合わないと思う(新海誠さんの他の作品を見たんだけど、たぶん合わないなと…)
きれいごと系がダメなんですよね。
庵野監督はその辺、実にダーーーティーーーなところを包み隠さないところがありますんで、そこは非常に好きですよ。
エヴァが嫌いになれない(主人公は嫌いなのに)のはそこですね。
実にダーティーな話だからです。

ゴジラ自体は全然ダーティーじゃないんですが、
ゴジラのもつ特有の「純粋な暴虐性」は使徒に通じるものがありました。ああいう人間ではない生き物の容赦の無さの描画が非常にうまい。
最初上陸して大田区荒らしてた頃(笑)、ものすごい不気味な顔と動きで、「うぉ、さ、さすが庵野監督や…」って思いました。もう気持ち悪いのレベル臨界突破ですよね。それ以上気持ち悪くしないでくれ!っていう感じ。使徒ですね。

そして神奈川県に再上陸して、また東京都を目指し始めた時に米軍の協力で強いミサイルを撃ち込んだあと、ゴジラが反撃しますが…

その時の反撃の仕方が非常に暴虐性に富んでいて、使徒だなあああ!!って思いました。なんか突然全力で戦っちゃうんですけど、持てるエネルギーを全力で放射する描写とか、すごくうまいと思います。
庵野監督って絶望性を描くのがすごくうまいですし、徹底的にやりますよね。見てるほうは涙が出そうな絶望を感じるんですが、そっからの展開もちょっと楽しみになったりします。

政治の描写には特に違和感を感じませんでした。実に日本らしいなと。
ちょっと笑っちゃったのが、「前例がないので…」「今、決めるのか?!(´・ω・`)」という非常に臆病なセリフの数々。日本的だなあと思いました。

別に大和魂とかそういうのはいらんと思いますが、決めようよ。って思いました。

ただね、ここかっこよく描いたら全然嘘っぱちになって面白くないので、このダメっぷりが面白いんですよね。そこから長谷川さんの演じる矢口が単独で別行動して、へんちくりんな人ばっか集めて別の作戦を展開するのが、面白い。

あと、矢口がジャニーズみたいな顔じゃなくて本当に良かったと思います。長谷川さんの淡白な顔があってたなあと思います。

何しろこの映画、やたら人物がドアップで、正直、おっちゃんドアップとかいらんのですよ。勘弁してくれって途中で思いましたw毛穴とかしわとか全部見えるし。

でも、イケメン揃いだとまたきな臭くなって、嫌な映画だなあってなりますよね。なので配役も絶妙だと思います。

個人的には石原さとみさんだけは許せなかったですけどね。彼女が許せないんじゃなくて、あの配役が許せないです。
私が帰国子女だからっていうのもあるんですが、本来英語圏に住んでいる日本人のハーフやクォーターって、ああいうしゃべり方はしないんですよ。発音も下手だし。だからイライラしてしょうがなかったですね。はっきり言ってあの役だけは映画のクオリティ落としてるし、ギャグとして捉えるしかなかったです。

ああ、貴重なお色気キャラなのに!!!(笑)
誰かほかにいなかったのかよー!


ゴジラそのものの、存在意義というのは、本作では推測でしか触れておらず、いろいろ憶測はそれぞれのキャラの中にあるのでしょう。今回は倒すことだけが目的だったので。
実際、ゴジラはただ歩いてるだけなんですよ。そして、放射能を食って成長して、単為生殖で増える「らしい」。普段は街をなぎたおしてるだけで特に攻撃してないんですが、なぎたおされると困るので破壊しようとしたところ、反撃されたらものすごい強かった、というお話。

ただ、ひとつすっごく気になるところがあるんですよね。これはさすがエヴァの監督だなと思ったんですが…

最後の1カットですね。ゴジラのしっぽに、何か生えてるんですよね。
これ、次回作につなげようってんじゃ……
でも気になるう!!!

本作はずうっと政治の在り方ととりまく経済や人間模様を描写しておったので、ゴジラに関しては遺伝子情報が出ているにも関わらず、やっつけることで精いっぱいだったので、その後どういう進化をして、なぜ存在するのかもわかったら面白いかな~と思います。

それにしても今作は庵野監督のオタクっぷりがまざまざと感じられました。とても緻密ですね。でもあの細かさがウリだと思います。正直セリフが長すぎるし専門用語を滑舌の悪い役者がまくしたててて、頭痛いんですが、政治の流れだったり、科学的な調査を始めたらどうなるかと、事細かに調べたんだろうなあと思います。
そしてそこ以外の余計な感情論は完全にかなぐりさっているところもかっこいい。シンプルで冒頭からさくさく進んで面白そうだなって思えました。

きっと庵野監督はゴジラが昔から好きで、掘り下げたかったんだろうなあ、って思いつつ
今回嫌味のない感じで「日本ががんばる姿」をテーマにできたのは素晴らしい出来なんじゃないかと思います。元気の出る作品だと思います。

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