2021年4月10日土曜日

シャイニングの続編「ドクター・スリープ」

これは、映画館で印象的なチラシを見て、観ようか迷ったやつ。

会社の先輩方はこぞって「シャイニング」をほめたたえていたが、私の幼少期にジャック・ニコルソンがジョーカーを演じて超有名になっていたこともあり、最初っから彼の顔で笑いそうになってしまっていた。

デフォルトで狂気をはらんでいるというかねw

あと、あの映画は原作読んでないと何がなにやらさっぱり~っていう感じのストーリーで、ひたすら気の狂ったジャックニコルソンから逃げるホラー映画になっている。

そして実は、一番怖かったのはジャックニコルソンではなく、子供がいきなり声音を変えて「REDRUM」ってつぶやきながら近寄ってくるシーンだった。彼はなにかに操られているんだけど、父と違ってギャグな形相はしていないので余計に怖かった。

その声が変わっちゃった謎の男子は、「シャイニング」と呼ばれる特殊能力を持っていて、それはなにかスピリチュアルな、人の心の中に入れたり人の見ているものが見えたりとかそういう能力。強い人なら、他人を操れる。

その男子が大人になったのが今回の主人公、ダン。ユアン・マクレガーが演じている。これはぴったりの配役だと思った。ユアンはどこか、幼さがあり、少年だった頃のわだかまりなどが残っている雰囲気がある。

主人公のダンが大人になってなんとか、アル中と戦いながら生きてた頃、彼らの能力「シャイニング」を「食べる」謎の集団が現れて、次々と能力高そうな子供を狙って能力を喰うんだけど、これが結構おぞましい。

人肉を喰うわけじゃないんだけど、能力を喰うのに、実は結構痛めつけないといけないんだよね。

しかも、ダンが子供の頃能力が発露したように、子供のうちに食べたほうがいいと彼らには思われている。歳を取ると、能力が減るらしい。

そんなやばい集団を、ダンと、能力が極端に高い「アブラ」がやっつけにいく話。当然アブラも狙われているが、能力が高いので、悪者集団と能力でガンガン対決する。

話は単純なほうなので、楽に観ることができた。

私はこの映画、シャイニングの10倍くらいは楽しめたんだけどいかがでしょう????

キューブリックの映像が素晴らしい!という人が多いけど、とはいえ、話がわかりづらすぎる。

それから、今回のドクタースリープは、別に映像が汚いとか下手くそでもない。私の感覚で言えばとても綺麗で幻想的だ。

特殊能力を使うと人の心の中に入ったり、移動しているところを俯瞰で観れたりするけど、それがいちいち映像としておもしろかった。全体的に絵作りの完成度が高いんじゃないかなと思う。グロテスクすぎず、割と静かめで上品だった。

あとストーリーとして深みが出るのが、ジャックニコルソンのそっくりさんが出てきて、会話をするシーン。ダンは、父親のことがトラウマになっているし、自分が父に似てきているのをとても気にしている。実際、ジャックニコルソンそっくりの表情で斧をもって出てくるシーンもあって、ちょっと笑ってしまった。これは、ダンが父親をこえていく話でもある。前作を見ていると、ダンに同情して切ない気分になる。

ダンはやっぱり、影のある雰囲気の男性として育ってしまった。ユアンは始終、あまり笑顔を浮かべることもなく、シャイニングについて語るときも少し悲し気で、ずーっと声がおとなしめのささやきボイスになっている。そりゃ幼少期にあんな怖いことが起きれば当然である。だけど、とても強い能力者のアブラは真逆と言えるくらい、精神的に強い女の子だ。最後にまるで受け継ぐようなセリフを残していくシーンもとてもよかった。

セリフも全編英語が美しいんだけど、字幕だと雰囲気が半減するので、かなりもったいなかった。

前作のファンに媚びるような、同じシーンを出したり、例の水色の服を着た双子を出したりというシーンもあったけど、全体的に誰もが納得いく「シャイニング」を作ってくれたと思う。全編を通してどこか悲し気で、「シャイニング」という能力を持ってしまったがために振り回される人間たちの悲哀を感じたけれど、エンディングもとても綺麗に終わっていて満足度が高い映画だと思います。

まあ、それでも2時間32分は長いなと思ったけど、私は最後まで面白いなと思って観れた。

 

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