2022年9月27日火曜日

レゴバットマン ザ・ムービー、とっても面白かったですww

なんかツイッターでバットマンの本質は「レゴバットマン」が一番深く考察している、と見かけたので興味本位で観てみたら、めっちゃ面白くて最後まで観てしまいましたw

マットリーヴス版でも、「そうそう、バットマンって多分本当はこんな感じよね。現実逃避した、わがままでかわいそうなお坊ちゃんの話だと思う」って思ったけど、それをさらにギャグテイストにして、それこそ、やっぱ漫画が原作なんだなって思わせる内容。なのにとても説得力がある。

ブルースがかわいいと思えるところは、「親しい人を失うこと」を恐れていること。これがものすごくかわいそうで同情するから、あんな妙ちくりんな所業も許せてしまう。もちろんブルースは頭もいいし有能だけど、だったら警察官になれよって誰もが思うと思う。しかし彼は頑なにひとりで行動することを好む。同僚と仲良くなったあと殉職でもされたら、メンタル的に耐えられないから。

レゴ版だけれど、冒頭ではブルースのとてつもなく孤独な私生活が生々しく描かれる。帰宅してもアルフレッドに声もかけず、冷蔵庫の夕食を独り言をぼやきながらレンチンして、ひとりでご飯を食べて、ひとりでギターの練習をして(笑)(そういう設定)、ひとりで映画を観てどうでもいいところで笑う。

アルフレッドにゴードンの退職祝いに行ってくださいと言われゴロゴロ転がって嫌がるブルースが爆笑である。実写だったら絶対やらないと思うけど。とにかくブルースは、ブルースとして外に出るのを嫌がる、だけど、外に出たら出たでナルシシズムを発揮して人当りのいいブルースウェインになってしまう(この辺はちょっとパティンソン君版とは違うけど原作通りかな)。 二重人格ですね。

ジョーカーには「私情を抱いていない(憎しみすら)」と言い切って怒らせるんだけど、どうもジョーカーですら、彼には本当は必要な人間なのだろう。というのは、割とストーリーの前半でジョーカーが降伏宣言してきて、バットマンはその存在意義を失ってしまう。

「残りの人生楽しんでね!」と引退宣言されるバットマン。 

この時の孤独感の表現もすごい。子供向けとしてはあまりにも生々しいのだ。

ひたすらアルフレッドに「現実を見てください」と、「自分の家族を持ってください」と懇願されるブルースだけど、自分がトラウマもちであることすら否定する始末。しかし血の繋がってない家族「ロビン」をうっかり引き入れてしまったことで、ブルースは少しずつ家族のよさをもう一度受け入れて、「楽しい」と思うことを受け入れていく。

いやこりゃ、大変だ。

だけど気持ちはすごくわかる。

なんだかんだ、人にはこういう一面がある。幸せになることを拒否してしまう一面。私なんかも典型だけど、どうせ人は裏切るから、などと過去のトラウマの出来事を引っ張り出してはもう人と関わらないほうがどっちかというと幸せなんだ、と思い込んでしまう。ブルースの場合は死別だからまだかわいそうな子、で済むけど、多くの人は別の理由だろう。

親御さんに虐待をうけたことがあっても結婚できる人とか本当にすごいなって思いますよ。

トラウマを乗り越えるって、勇気とかそんなんじゃないですからね。

勇気を出して乗り越えるというより、自分が傷つけられてもいいから自分を差し出せるかっていう、寛大さや余裕が必要だと私は思っています。マザーテレサみたいな感じでしょうか。平たくいうとそれが愛なのかもしれない。

この映画のブルースってナルシストじゃないですか。でも、褒められたときに「自分は優秀だから当然」と受け入れられるのは、トラウマで完全に折れたわけではなく自己肯定感があるからこそ、「傷つきたくない」「自分を守れるのは自分しかいないから、必死で守る」ってなっちゃうんですよね。プライドも高いと思います。

普段ちょっとしたミスでアルフレッド殴っちゃったり、急ブレーキ踏んでロビンが頭ぶつけた時はブルースは素直に「ごめん!」って言えるんですよね。もとはすごく常識人で良き人間なんです。

大人というのは、色々な過去をまるっと飲み込めるかどうかだと思うんですよね。

アルフレッドがブルースに大人になってほしいと思っているのは、そこのところだと思うんですよ。

私は毎週リリーフランキーさんのラジオを聴いているんですが、「30すぎて許せないものをたくさん持ってるってのは、じゃあお前はどうなんだよって話だよな」って言ってたのは、まあ、

「大人になれよ」

って話なんだろうなあって思います。

パティンソン君のバットマンを予告編で初めて見たとき、子供っぽいなあって思ったのは、そういうことなのかもしれません。彼は幼少期のトラウマで大人になれない。一見悲壮感ただよう悲しき青年だけど、現実的に考えるといつまでメンタルひきこもっているんだろうっていう話でもあります。逆に言えば、子供っぽいからこそ、ああやって妙な格好をして夜中出歩いて、ヒーローとして活躍することで自己満足を得ている。ある意味大人のあこがれの趣味とも言える。

 

この映画はギャグもかなり面白いんですけど、私が一番笑ったのはアルフレッドの奇妙な行動の数々ですね。

1.変身するアルフレッドw

2.ペアレンタルコントロールを仕掛けるアルフレッド

他にも色々あった気がするけど全体的にさすがとしかいいようのない執事wでしたw ブルースと言い争って「クビにすんぞ」って言われても引き下がらないところとかかっこいいです。もうアルフレッドしかブルースは育てられないですよねw

 

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