2025年7月28日月曜日

アマプラで面白かった映画(12):インビジブル・ゲスト 悪魔の証明

タイトルに悪魔とありますが、一切悪魔は出てきませんのでご安心ください。オカルト映画ではありません。

密室殺人事件のトリックを暴いていくような感覚のスリラーです。

ですが厳密にいうと推理ものでもありません。

話のどこかが嘘なのではないか?と疑っていくような話です。

「逆転裁判」というゲームがあります。あのゲームでは弁護士が依頼人を無実にするために情報を集め、聞き取りを行いますが・・・

実際の裁判のほとんどは、依頼人が冤罪であることは少なく、ほとんどの場合依頼人がクロだと思います。そうなると弁護士はいかに罪を軽く見せるかの方に奔走します。

今回の映画もそうでした。

しかし、最後にびっくりな大どんでん返しが起きます。

実にスペインらしい作品だと思いました。

スペインの映画はプリミティブな正義感、モラル、道徳、人情といった感情に訴えかけてくるものが多いと感じています。

「プラットフォーム」なんかは特にそうでした。

あくまでも、敵は人間の悪い心。推測ですが、キリスト教が根付いているからではないかと思います。

スペイン人って多分正義感溢れる作品が好きだろうな。鬼滅とか。

亡くなった叔母が、世界を旅して一番気に入ったのがスペインだそうです。「良い人が多い」んだとか。

ヨーロッパには移民やジプシーみたいな人たちもいるので、犯罪には注意ですが、なんとなく彼女の言っていることはわかる気がしました。

2025年7月22日火曜日

アマプラで面白かった映画(11):スピーク・ノー・イーブル 異常な家族

相変わらず美味しくいただけるホラー映画を発掘中ですヨォ〜!!(この口調は某ふわもこSNSでとあるアカウントがやっていて何故かうつった)

構成が非常に上手かったですね。

休日に出会ったご家族から田舎の家に遊びにきてくれと言われ、いくことにした主人公一家。

ちょっとした違和感が、徐々に本格的になり。

向こうの家族の息子さんはハンディキャップでしゃべれないことになっていますが、何故か文字もろくに書けません。

割と早めに「虐待されてるな」ってのはわかるんですが、教育の虐待までされている。読み書きができないようにされている。普通障害があったら逆に書けるよう教育するはずですよね。これはおそらく口封じでは・・・と言った具合に、数々のエビデンスにより明らかにされていく家族の異常性。

虐待の跡がないのは父親だけなので、間違いなく父親の一人モラハラ。

構成が上手いなと思ったのは、やばいから逃げようと言って、一旦は逃げるんだけど、事情があって戻ったあと。逃げられると困るわけではないものの、やたら理詰めでなぜ逃げるのか聞かれ、引き止められる。ここからが実は更にやばかったです。

決定的にやばい証拠を掴んだ主人公側の家族は、今度こそ理由を作って逃げようとしますが、こっからが本格的に血みどろになっていきました。

そこまで、フェイントばかり複数回かまされて毎回いつ襲撃されるのかとニヤニヤしながら画面を観てしまいました。フェイントマジで上手すぎる。あとすごい嘘をもっともらしく言ってきたり、そのあと「うっそだよ〜」みたいなこと言って煙に巻いて来るというか。

とても見せ方が上手いので、助かるのか助からないのか結構ギリギリまでわからなかったです。

キャラクターとしては、主人公側の母親がすごくよかったです。そもそも疑念を抱いたのは彼女が最初。

そういえば、「Us」って映画も男性は陽気にフラフラ酒飲んで気づかなかったりするのに奥さんとかがやたら不穏な空気に気づいたりしてましたね。

すっごいビビりながら一番戦ってたのは、彼女です。母は強し。


しかしこの類の映画は男嫌いの女性なら「やっぱこれだから男はね」って入り込みやすいけど、男性視聴者はどう思うかだなあ。相手の男が明らかに筋骨隆々で動物的に強いので、普通の男性なら同じリングには上がりたがらないと思うんですよね。

嫁を虐待したあと愛してると抱きしめたり、子供はいいように口封じするし、主人公の妻に何度も「言いたいことがあるならはっきり言ってくれ」と言っていて、唯一、「はっきり発言している」のがその主人公の妻。

主人公は彼女でいいんじゃないでしょうか。

彼女が、悪い男性に立ち向かい、その奥さんにも「頼むから協力して!」と言っていたし。主人公のベンはその点ではちょっと弱そうな感じがしました。戦う熱量が少し異なる気がした。

「夫であっても男性の味方をしてしまう女性には子供は守れない」と言っている漫画を見たことがありまして。

やはり母親が…。女が動かしていくしかないんだろうなあと思いました。

彼女が口答えする時に「私は良いことと悪いことの話をしてるの!」って叫んでて、もし、モラルを失った男性が近くにいたらそういうことを、堂々と言えないといけないなと思った次第です。


あと怖かったのが、実は主人公家族が逃げるために用意した口実が、「娘が初潮を迎え、気分が悪いそうなので」だったんだけど、その時、相手側の父親が明らかにぎらついた表情になり、「君はもう・・女の子ではなく女性なんだ」って言ってきたのがゴリ気持ち悪かったです・・・まあ、それを含めてヤバい男でしたな。


2025年7月20日日曜日

鬼滅の映画観てきましたヨォ〜

ネタバレしないように感想を書かなきゃいけない。大変だ。

まあちょっとネタバレみたいに聞こえたらすいません。なるべく核心をつかないようにします。


鬼滅全く知らない人が楽しめるかというとNOだと思います。そもそも無限城がなんなのかわかってないとなんのこっちゃとなるのと、キャラクターの説明がないので知らないと訳わからないです。ファンサが多いので、推しキャラを楽しむって感じの内容もあります。

無限城がなんなのか説明はできないけど、ゲーム「CONTROL」のオールデスト・ハウスは実質無限城みたいなものだと思う。実はアランウェイク1にも似たようなシーンがあり、どっちが天井かわからなくなってゲームオーバーしたことがありますwサム・レイクと相性が良さそうです。


無一郎くんに関して

今回活躍はほぼないので多分ファンサの彼の独白くらいしかなく、泣いてみたり笑顔を見せたりととても表情が豊かでした。でもまあ無一郎観に行く映画ではないですねw

愈史郎に関して

今回愈史郎が私の中では一番美味しいキャラでした。絶妙なタイミングで現れ活躍し毒舌撒き散らかしていたけど相変わらず有能です。鬼殺隊の隊服着て偽装してたのがまたヨシ!

しのぶさんに関して

本当にその扱いでいいのか?とちょっと疑問を持ちました。

伏線はあったと思うので、カナヲちゃんが次回活躍するためのシーンなのかなと思いました。それにしてもあれは。。

善逸について

この子最後までダメンズ代表のわけわからんキャラで行くのかと思っていたのでまともに戦っててよかったです。(ひどいw)

炭治郎の父ちゃん

この人が一番強かったのではないかと思う。とにかく強かった

怖すぎるだろ絶対敵に回さない方がいいよ

炭治郎と義勇

独特の友情だった。炭治郎が追い回してる時も怖いな変な奴らだなと思ってたけどやっぱり今回も変だったw


鬼について

善逸が戦った鬼(名前がネタバレだと聞いて)

すごいわかりやすいキャラだなと思った。承認欲求の果てに鬼になったって感じですよね。全体的にできる子なのに基礎が抜けていると言われるあたりもなんか「いるいる」って感じだった。

他の鬼にも言えるけど誰かと競って勝つことを軸にして生きてると、そっちに溺れてやられてしまうんだよね。ちなみにデザイナー界隈やクリエイティブ界隈もそう・・。

童磨

理解不能でした。確かに不快なんだけど呪術廻戦の真人っぽい純真さがあって自分の悪さとか理解してないと思いました。憎む以前に人間っぽくないというか、サイコパスなんだろうな・・私の中では玉壺はサイコパス代表。

猗窩座

(どうしても名前が読めないw)この人の話が一番まともっていうか今回の目玉なんだろうなあと思った。不良少年が立派になっていく話はいつも良いよね。

ただ、なんか襲撃のされ方も甘いと思ったしやり返して当然だし、あと無惨の勧誘?の仕方あれはおかしいだろ・・・・・(いつもおかしいけどさ)あんな勧誘の仕方するから軸がブレるんだよな。

私があの話で重要だと思ったのは「病気は気の持ちようで治ることもある」(実例がたくさんある)ってところじゃないかなと。


あとなんかバックアップチームが筆で地図描いてるのが地味にすげぇぇぇぇってなったw



2025年7月12日土曜日

アマプラで面白かった映画(10):オーメン・ザ・ファースト

かねてより性行為は人間がケダモノに戻る瞬間であり、そこに愛がなければ悪魔の所業とも言えるのではないか?と思っていた。すなわち男性に性欲が湧いた途端に彼らは悪魔に取り憑かれるとも言える。その時は彼らを人間として捉えてはならないと私は思っている。

そんな女性側から見た恐怖をそのまま映画化したような、素晴らしく的を射たホラー映画であった。

例えば「エイリアン」シリーズは強姦・妊娠・出産で死ぬという一連のメタファーである。特に「プロメテウス」では明らかにそのようなシーンがある。「妊娠によって母体が危険だ、母親が死ぬかもしれない」といった状況をホラー化しているのがエイリアンシリーズだ。

私はオーメンシリーズにあまり興味がなくて無視していたのだがこれは結構面白かったので、他のもみようかなと思った。監督が、明らかに女性の持つ本能的な恐怖を描き出している。

他者に騙されケダモノ(悪魔)に強姦される悲劇の女性

急激な妊娠の後、麻酔もそこそこに強引に取り出される赤子

分娩室ではなぜか手枷足枷がはめられ、女性の意思は無視される

生まれてくるのは悪魔とのハーフで死産がほとんど

悪魔はケダモノ…つまり…

と見事なまでに、女性側の恐怖を描き出すことに、かなり集中しており、モザイクをかけてまで出産シーンを詳細に描いている。

しかもこの映画を最後まで見ればわかるが、悪魔の子供を継承させるために近親相姦までさせるのである。強引に。


この作品の面白いところは登場人物がほとんど女性というところだ。

彼女らが襲われるのはあくまでも「悪魔に」である。実在する男性ではない。だが、それが余計に恐怖感を煽る。人間では勝てないケダモノであるが、あくまでも「男」のメタファーなのである。男は「俺は悪魔ではない、全ての男が悪魔ではない」と言うだろう。

だが女性が常に恐れるのは、全ての男性が持つ「悪魔の一面」である。


少子化が騒がれる日本という国で、ただ「女に産ませればいい」「出産の何が怖いのか、何が嫌なのか」と言っている人に一通りこの映画を観せてみたいところだが、おそらく「自分は悪魔ではないので」とか言いそうである。そうじゃない、意図しない妊娠や出産はとても怖いものなんだよ。子供は生き残らないと出産した意味がないでしょ。だけどそれが悪魔の子供だったら?

だってこの映画このあと何作続くと思う?悪魔の子供を継承しただけで。