2020年12月13日日曜日

GANTZ 実写版

今さら観ました!

以前無料で漫画が読めるときに映画がカバーしている部分(千手観音編)まで読み、すごく面白かったので早く読めばよかったなあと思ったのを覚えています。

この漫画家さんは絵がめちゃくちゃ緻密で美しいのに、内容はどす黒くて、どこかドライで、だけで人間の感情について細やかに描写もしていて、かつ個性もあり、非常に優秀な方だと思います。独特のえぐさはあるので万人向けではないかもしれませんが。

ガンツよりは、「いぬやしき」の方が私としてはレベルが高いかなと感じております。話が短くて完成度高いというところで。

また、独特のセンスだなと思うのが、主人公が傲慢な若者で結構なおバカであるところ。等身大ではあるのですが、バカで未熟なイケメン高校生を主人公にすえて、強い能力を与えるという設定で、 案の定暴走したり、うまくいかなかったりしてバカなりに成長していくのが面白い。よくある正義感とか、優しさや人情があるわけでもなく、割と冷めた等身大の性格であるところがリアルだなといつも感じます。

いぬやしきには主人公がふたりいて、老人の方が能力を善きことに使い、世界を救えることに喜びを感じますが、若者の方はやはり作者さんの傾向なのか傲慢でバカで、気に入らないやつをどんどん殺してしまいます。友人や家族は守るのに、他のやつはゴミのように思っているようです。

(ちなみにいぬやしきの実写はダメすぎてブログ書く気にはなれませんでした…木梨さんは元気よすぎですね)※いぬやしきはなぜかアニメのクオリティがめちゃくちゃ高いです。特にメカの表現。なんであんなにクオリティ高いのか、理解不能なくらい。

ガンツの実写ですが、俳優陣が演技力高めでキャラクターにも合っていて、またガンツスーツをスタイリッシュに着こなすことができる人たちでビジュアルも損なわなくてよかったです。あのスーツのスタイリッシュさがやはり目を引く作品ではあると思います。(田口トモロヲさんの腹が出ていたのはご愛敬ということで)そして不気味な黒い球も、実写だからこその存在感がありました。

また、実写では例の巨乳の女の子「岸本」に対するセクハラ表現は最低限に抑えられていて、それもよかったです。彼女に対してみんながセクハラしようとして、でも巨乳の所為で大きなコンプレックスや心の傷をかかえていることを告げられて、主人公が意気消沈してあきらめるシーンなどは、「性的に女性が消費されることへの警鐘」であるわけで、女性を性消費しがちな日本の二次元文化に対して堂々と反抗しているなあと感心したものです。

玄野は前述通り、傲慢でバカな(実写では)大学生ですが、その対極として「加藤」という青年が出てきますが、このキャラクターが非常に良い。

普通の少年漫画だと、主人公の横にいるやつって大体クールで優秀で鼻もちならねぇライバルというパターンが多いですが、加藤は不思議な性格をしています。

昔玄野に助けてもらったから、尊敬していて、謙虚で優しく性格がよく、なのに喧嘩も強い。当然岸本にも一発で好かれて、玄野には見向きもしません。

ライバルどころか、まったく敵意も、競争心も持たず、最後まで玄野を純粋に慕い続ける、天使のような男子です。

漫画だと彼が喧嘩を売られるシーンがあるのですが、すごく困った顔をして、冷や汗をかきながら出向いてまず喧嘩売ってきた派閥のボスを潰しに行きますw

つまり加藤の頭の中では、「うわ、嫌なことに巻き込まれたなあ。ここはボスだけ倒せば、一番早く、被害者最低限で終わるよね。」という合理的な思考回路が走っているようです。強いのに謙虚すぎる加藤ならではの思考。このシーンは面白かったですね。

こんな、おもしろい設定のある作品ですが、ほぼほぼ原作通りに展開するし、役者も魅力的ではまってるし、展開もスピーディーでラストをちょっとひっぱりすぎくらいひっぱって綺麗にまとめてるなあと思いました。ただ、続編にひっぱろうとしすぎるのはいかがなものかなといつも思うけど、 

加藤は、漫画とは全然違うルックスだけど松山ケンイチ君の独特の天然っぽい感じがキャラに合ってたし、二宮君の生意気な感じは玄野にぴったりですよね。傲慢なセリフ言わせるとハマる。

千手観音と戦うシーンはおもしろいんだけど、個人的には他の敵がとにかく気持ち悪いんですよねぇ…。特にネギの子…。

でも、実をいうと原作の方がはるかにグロいし気持ち悪いので、実写から入るのも悪くないなあと感じました。リスペクトを感じました。少なくとも1作目は…。2作目はこれから観ます…。


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