2021年11月28日日曜日

バーフバリ、履修しました

大変人気だという話を小耳にはさみましたもので(笑)、レンタルセールに乗じて借りて観ました。

これは、映画館で観た方がいいやつですね。

インド、こんなに広いのか!というほどのスケールの大きさで、2部作4時間にわたり、CGをふんだんに使用し(笑)一大スペクタクルを繰り広げる、王国の物語。とにかく長い。時間がないとレンタル期間中に観られるか怪しいくらい。

テーマはあまりにも「あるある」なのですが、人気の理由は……。

やっぱりありえない演出の数々、ですかね!何回か笑ってしまいました。迷シーンのオンパレード。みなさんはどれが一番ウケたのか……

私は、なんか木を思いっきりひっぱって飛んで敵の陣地に入るやつ爆笑でしたw

あと、バーフバリが一回だけ瞬間移動したので二度見しましたw彼はたった一回だけ、瞬間移動するのですが、もはや人間とは思えません……

そしてもうひとつは、やはり情熱!熱意ですね。

国を守るぞ!!という気合も素晴らしいですが、私が気に入っているのは

セクハラ親父への罰、ですかね。

誇り高きデーヴァセーナを触ろうとしたおっさんの指、4本を容赦なく斬り落とす、 デーヴァセーナ(本人w)。

捕らえられ、国王の前で詰問されるデーヴァセーナの前に、旦那のバーフバリが登場、はっきりことの次第を問いただし、デーヴァセーナへ一言。「お前は間違っているな」

視聴者はここで「え?」と思うが、次の瞬間痴漢の首を斬り落とすバーフバリ。「斬り落とすべきは首だった」

こえええ!!!!!バーフバリ、セクハラに容赦ねぇ!

レイプ大国インドには、そんな厳しい一面もあるのだッ!!

 

女性擁護の側面はかなり強い

先ほどのシーンは一番激しい例だが、実は結構何度もこのような激しい「伝説的な」シーンがあり、それも人気の秘訣だろう。国王なきあと、マヒシュマティは国母「シヴァガミ」によって統一された。

最初は「女の後ろに誰がつくものか」と笑っていた男たちだったが、いつのまにか味方を増やしていたシヴァガミは、侮辱した男たちをその場で臣下に斬り殺させる。

激しい。

インドの女、強い。

アヴァンティカは二代目バーフバリの想い人であるが、この人もアホみたいに強い。というか正直、ヒロイン3人ともアホみたいに強いぞ。

バーフバリの恋も描写が長いのだが、彼の最終的な告白文句は「私のすべてはあなたのもの」であり、橋の代わりに自分を踏ませたりするし、結局国を追われることになっても、女性の誇りを優先し、自分が犠牲となった。

かといって、男性陣の激しい戦いのシーンは存在するので、戦争エンターテイメントとしては完成している。


キャラクターも面白い

バーフバリは典型的なインド的ヒーロー(インドのヒーローは仏教に基づき、徳が高いのが特徴である)。ライバルである従兄弟のバラーラデーヴァは冷血漢で優しさや人徳に欠ける。

面白いのはその両親。父親は障害を理由にやる気をなくしていてクズに成り下がっているところがあるが、母のシヴァガミはものすごい強気なリーダーシップを発揮する。息子に、自分を疑う日が来るかもしれない、という教えさえ授けている聡明な母だ。

総じて女性キャラはどの人も強気で正しく、聡明である。

しかしどうしようもない男たちにも、それぞれのドラマがあり、私は「カッタッパ」が一番のお気に入りだ。

彼は奴隷の身分でありながら、バーフバリに「父」と呼ばれるほど、近くで彼を教育し、支えてきた。基本的には非常に忠誠心の高い、徳も高い人物だが、1つだけ、大きな罪を犯すことになるのである。 

カッタッパはひねりのあるいいキャラクターだった。役者の表情にも、良い人特有の優しさと深みがある。

あと個人的には、「シヴァガミ」大好きなんですよ。女王of女王ですよね。あの時代、「私が女王として君臨します」と高らかに宣言するところから、迷うことなく女をバカにした男を斬り殺させる、残忍さと決断力。マジ、インドの女性怖いw

常に目が手術中のドクターXなのもよかったです!w

そして決断は概ね間違っていなかったものの、最終的には間違えることになるが、男どものように必死で命乞いとかそういうのは、誇り高きシヴァガミにはないのである。かっこいい。


でも基本的には話の筋がわかんなくても(役者が2代にわたって同じ人なので時系列がわかんなくなったりするけど)、スケールの大きさとむちゃくちゃな戦闘シーンに「おお~」って思ってるだけで終わるから、ストレスたまってる時とかに、いいですよ。

あとなんとなく世界に失望している時とかに観ると、無理やり元気にさせられます。マサラとインドの力。ナマステ。 (カレーのスパイスは鬱病を防ぐ力があるとされています)

スローモーションや、フレーム飛ばし(多分飛ばしてると思うw)による見せ方は面白かったですね、ちょっとやってみたくなりますねw

2021年11月25日木曜日

I feel pretty!

アイ・フィール・プリティ

という映画がある。このタイトルは今度スピルバーグがリメイクする「ウエストサイドストーリー」の中で歌われる歌と同じタイトルだ。

ぶっちゃけ関係ないけど。

基本のテーマは「ルッキズム」からの解放、外見へのバイアスなどの問題にかなりストレートで露骨に斬りこんだ作品だが、一方で全体をコメディに仕上げている。

もちろんだ。ルッキズムなんかを真剣にとらえたら多くの人は不機嫌になってしまうだろう。誰だってコンプレックスはある。

しかし、外見の話以外にも面白いテーマがいくつか仕込まれていて、そこは感心するべきだと思った。

主人公のレネーはやたらと露骨に外見で差別される。まあ、アメリカの学校にいたときはローティーンだったしあの時期は外見でスクールカーストが決まっていたといっても過言ではない。それからなぜかジュニアハイスクールに入ると突然みんな化粧をし始めてパーマをかけ、美しいストレートヘアーを当時は細かいパーマにしてしまうのが流行していた。

なので、あの露骨な外見差別には、私も慣れているというか、「そんなもん」なのである、まあ日本だと、ちょっとあれはないかなと思うけど。

でもレネーは確かに太っているけど、顔は綺麗なんですよね…そこがあまり説得力ないんですが。

変化は、彼女が頭を打っただけでなぜか自分が超美人(体型的に)に変わったと思い込むところから始まる。

つまり「彼女の中では」ルッキズムから解放された状態。自己肯定感は爆上がりして、受付の仕事に応募し、ウキウキしながら出かけ、自分をアピールする。

 

自信と仕事に対するモチベーションの関連性

面接で、自分の外見に自信を持ったレネーはちょっと過剰な自慢も披露するが、「もしかしたら受付の仕事の次はモデルになるかもしれないって思ってるでしょ?でも私はここの受付の仕事がしたいの。ここにいるべきだと、みんなに思わせたい」など、会社の看板になることの重要性や意欲をハキハキと主張する。

上司の女性は少し自分に自信がなくて、彼女の自信と愛社精神に頼りがいを感じて採用。太ったままではあるものの、レネーはお客様の要望を簡単に見抜いて喜ばせたり、豊富な知識で相手をほめたたえたりする、頭の回転は早いし、リスペクトや愛の精神があった。

つまり、実のところ外見はあまり関係なかったのである。(ぶっちゃけ明るい性格だし美人な方だけど)

 

自信と恋愛の関連性

彼女の外見は変わっていないにも関わらず自分がモテるに違いないと信じているレネーは、勘違いから男をデートに誘い(誘われるものだと思っていたのでw)「怖い」と言いながらもついてくる男とだんだん仲良くなっていく。

彼は、レネーの過剰な自信を最初は怖いと思っていたが、面白い上に自信からくる前向きなパワーに惹かれていく。しかも、バーでのふるまいから他人にも大絶賛される。

つまり、ここでも外見は関係なかったのである。

 

ホモソーシャルからの解放

この男、イーサンは度々「男社会は苦手」と口にする。どちらかというと女性のような優し気で頼りなさげな冴えない雰囲気のイーサン。筋肉もないし姿勢も悪い。 

彼はどうもホモソーシャルが苦手なようだ。

私もホモソーシャルな世界は本当に苦手だ。九州はまだその傾向が強くて、とにかく喫煙者が多い。喫煙所で友達をつくるからだと思う。男性社員は入社時は吸わなくても、いつの間にか喫煙者に変貌していてガッカリすることがある。タバコのにおいはオフィスに戻ってもすぐに消えないからだ。キャバクラに行くのは構わないが、特に行きたがっていない部下の男性社員も連れていくところを見るとなんとなくげんなりする。

イーサンは「ズンバ」というジムのプログラムにハマっているが、確かにあれは女性のユーザーが多いので、レネーに「女っぽい」と言われる。けど、別に否定しているわけではない。それがイーサンの個性であり、誰もズンバは女だけなんてことは言っていない。ヨガもそうだ。

それに私は男くさいエクササイズ、ボクササイズもやったことあるしボディパンプも何度も参加しているけど、特にボクササイズはなんか勘違いした男性がちらほらいる。自分は戦える!男らしい!とかなんか思ってそうな人。謎に自己演出している人。

この手の人は実際に変質者が出たら一発殴れるのか、懐疑的である。 

まあそれよりかわいそうなのはホモソーシャル世界に職場で振り回される男性陣である。私も「男性は粗野で苦手」という男性に遭ったことがある。このかわいそうな人たちにも、この映画では救いの手を差し伸べている。

それからもっとぶっちゃけるとホモソーシャルにどっぷり浸かってる男性はモテないので、ズンバやヨガや編み物にハマっている男性は安心していただいて大丈夫です。

 

外見が良い女性の悩みにも斬りこむ

上司のエイブリーは美しいしお金持ちだが、声にコンプレックスがある。かわいくて日本なら確実にモテる感じの声なのだが、確かにレネーの太い身体から出る力強くて元気のいい声に比べると、ちょっと頭が悪そうというか、企業の看板としては、威厳に欠ける。彼女はレネーの力を借りてプレゼンを上手く進めたいと思っていた。 

また、ジムで出会った抜群のプロポーションの美人は、ジムのロッカールームで泣いていた。彼女は頭が悪いから振られた、というのだ。

つまり、外見がよくてもどうにもならないこともある。

また、私の経験上、ルックスが良さがかえって足をひっぱり、本領発揮できないことがある。外見が良いと性格を評価する前に頭の悪そうな男性が虫のように引き寄せられ、夢中になって追い回すので、まともな男性と交際するチャンスを逃しがちである。また、仕事の面接でも女性としての価値で測られがちだ。外見の良い女性は、身をおく環境をよく考えたほうがいい。


外見が良いと思い込んでいるうちは、まだルッキズムの魔の手中にある。レネーはまた頭を打って、思い込み(幻覚)が消えてしまい、また自信を喪失してしまう。コメディ映画なので派手に自信を失う。

エイブリーも、イーサンも、友人も、彼女の外見の話なんか一度もしていないのに。

しかしご都合主義なのか、彼女のいささか傲慢ともとれる自慢や自信をスルーして、良いところを見てくれていた彼らは、思い切って戻ってきたレネーをまた歓迎するのであった。

自信の裏付けとはなんだろうか?

私は、外見以外で彼女の良さを認めてくれる人たち、それが本来の自信だったのでは?と思う。 

つまり、愛されていることを実感し、それに感謝することだ。

あのまま突っ走っていたら、もしかしたらレネーは友人や恋人を失っていたかもしれない。実際別の男に迫られたりもしていた。

映画としては、寸止めでいったん我に返ったとたん、自信を失うことで彼女は救われたが、自信をつけることの素晴らしさとともに、周りも自分も冷静に見るバランスが必要なのだと思う。 

とまあ堅苦しい感じに書いたけど、あんまり真面目に見るというよりは、外見でうんぬんかんぬん言われてショックだった時とかに観ると元気出ると思います!

いまだに無神経な発言する人は、たくさんいますからね。


2021年11月21日日曜日

クローバーフィールド/HAKAISHA 観ました!

すごい映画でした、、、この手の映画は賛否がハッキリ分かれると思います。ブレアウイッチプロジェクトと全く同じ手法で、あくまでも主人公の主観のビデオテープで撮った体で表現された映画です。

しかし私はこの手法が大好きらしく、見終わった後は謎に涙が流れました。

これほどまでに鮮やかに絶望を描けるなんて………

見終わった後、冒頭だけを再生して、更に泣く。

「これは、かつてセントラルパークと呼ばれた地域で発見されたカメラの中に残っていた映像である」

「米国の所有物 複製禁止」

つまり、もうセントラル・パークは存在しない。

カメラを拾ったのは米軍でしょう。

それだけで、私の想像が補完されて、大満足です。

世の中には、怪獣に襲われるパニック映画が大量にあります。

ですが、正直似たようなものが多いのも事実。

しかしこの映画は上手いですね、あくまでも、襲撃された被害者、一般人のカメラからの視点を貫いています。なのに、映像が綺麗で構図も考えられており、実は一般人が撮ったらこんなにわかりやすくはならないんですよね。

そして、謎の生物の音響もすごく良くて、映画館で観たかったなあと思いました。

ニクイ演出なのが、ビデオテープの上書きだというところなんです!デジタルだとこういう、一部だけ上書き、途中から上書きは難しいというか、普通出来ないんですけど。

前のビデオテープが、デートなんですよ。すごく平和なの。残酷ですよね〜!!カップルで見て、「今平和でよかったな」と再認識するのにいいんじゃないですかね。

無惨に殺されていく、破壊されていく中、時々デートの映像が一瞬映る。泣きそうですね。


怪獣映画はCGをふんだんに使用して、スケールでっかく!っていうのが多いと思いますが、本作はニュース映像でしか怪獣を上から見る事ができません。一応ヘリに乗るシーンもあるのですが……まあ、お決まりの展開ですね……

一般人だと、その怪獣がなんなのか、シンゴジラみたいに解析とか出来ないじゃないですか。だから、次々と起こる異変に、ただ見る、騒ぐことしかできない。でもそれが、リアルで良かったですね。やっぱりね、外から怪獣見ちゃうとちょっと興醒めしちゃうんですよね。これほどリアリティにストイックにフォーカスし続けた怪獣映画は他にないと思います。

そしてストイックに最後の最後までハンディカム映像であることを貫き続けた、見事なエンディング。

もう、終わるってわかっているのに、最後までガン見しちゃいました。

人を選ぶと思いますが、徹底的に被害者の視点を貫き、没入体験型にした点で、私の中ではパニック怪獣映画ナンバーワンに選ばせていただきます。

ありがとう……涙

JJエイブラムスはね、やれるやつだと私は思うよ。なんかLOSTっぽさあったもん。

コードネーム U.N.C.L.E. を観て

先日ガイ・リッチーの映画を観て「この人何撮ってたっけ…」と思って調べたときに一番気になったのはこの映画でした。 

評価もかなり高い!

楽しい感じのおしゃれでノリノリなスパイ映画です!こういうのが撮りたい人だったんだなあ~と思いました。

冒頭のタイトルなどが出る映像で、「若くて冷戦すら知らない人たち」でも一発でわかるような「東西冷戦の説明」が流れますwこれが非常にわかりやすい!

特筆すべきは、相棒ものなのですが、主人公はアメリカ人スパイで、相棒はロシア人スパイ。こんなんありえないでしょ、と思いましたが案の定、しょっちゅう衝突するし、相手を貶めようとするし、技術力で張り合うし……コメディなのでおもしろくていいのですが。

キャラクターは本当によかったです。

主人公の「ソロ」はジェームズ・ボンドの物真似かと言いたいくらい、すごいボンド臭がしてたんですけど、それもそのはず、どうやら彼はボンドの最終選考に残ってたそうです…。若いから落ちたんだとか!

完璧でレトロなルックス、スーツの着こなし、美しい英語とイケボ、生意気で頭のいい性格、次々と女をたらしこむ習性…すべてがボンドっぽかったですw

相方のロシア人「イリヤ」は頑なで神経質でコンプレックスの塊、怒りっぽい性格で「ちょっとスパイ向きではなさそう」と思ったのですが、相棒としてはソロが軟派すぎるのでバランスがとれてました。凸凹コンビでしたが両方すごいイケメンなので、女性としては楽しくてたまりませんねえ~~~w上司はヒューグラントだしw

ヒロインのギャビーはすごくかわいくて強気、任務に就く前に、イリヤが丹念に衣装を選ぶのですが(イリヤと婚約している設定で偽装するので)、レトロな衣装がぴったりで、ものすごいかわいいんですよね~

そして偽装婚約しているイリヤが、堅物だけど婚約のシチュエーションにのめりこんで、嫉妬とかしてかわいかったです。恋愛の描写はあまりない代わりに、そんな淡い独占欲がイリヤの初々しさを感じさせました。まじでこいつKGBやってて大丈夫なのかw

そんな3人組でビジュアル的にもかなりよかったですね~ 

ロケーションもイタリアとかすごく美しかったし。

あと潜入時の映像の見せ方が、マンガのコマ割りみたいになってて面白かったり、色々と全体的に工夫があって、飽きないようになっていたと思います。一応ちょっとしたコメディなのでセリフとかやり口とかも面白くて、私は特にラストは舌を巻きましたね。

小道具の使い方が上手すぎる!えっ、そこでそれ回収するの?!かっこよすぎー!!

とにかく粋でオシャレでした。

続編があるかのような終わり方でしたが、またやってくれないですかね。とても楽しいノリのシリーズになりそう!


2021年11月18日木曜日

ホラー映画2連発(2)「ゲット・アウト」

これは映画評論家みたいな感じの人がネットの記事でおすすめしていましたが、確かに話が面白いですね。

「世にも奇妙な物語」のような感じのお話です。ミッドサマーとも似てますね。ミステリー調のホラー映画です。

人種が違う人と結婚すると、日本でも結構差別されますが、今回は実家にご挨拶ってだけなのに黒人の主人公は心配します。

そして、差別ではない謎のもてなしを受けます。でも私から見たらあきらかに差別かなという感じでした。たとえば私に対して故意にアメリカ人がパールハーバーの話をふっかけてきて「気にしてないぜ、俺らが勝ったし」とか言ってくる感じw

まあ、その辺まではよかったんですよ。ちょっと感じ悪い、くらいですから。

私が一番怖かったのは、「沈黙のビンゴゲーム」ですねw

ああいうエピソードは強烈だし、「よく考えついたな~!!」と感激しましたww非常に独創的!!

ビンゴゲームの主催者の横にあるのは……。

 

ネタバレなのであんまり詳しく書けないんですけど、あきらかにやばいものを見つけた主人公は逃げるべくして、彼女の実家を出ようとするところで捕まってしまうのですが、こっから先も長くてですね!

まるでドントブリーズのように、ひっぱるひっぱる。でもやっぱり、果たして主人公は逃げられるのか、気になっちゃって見ちゃいますね。

逃げ方は普通でしたが、結構いろんな人が追ってきてちょっと笑いそうになりました。しつこいなあ…って。

 

そういえばレビューに書いている人がいましたが、黒人の英語には発音に大きな特徴があるんですよね。でもそれは、方言みたいなもので、白人っぽくしゃべることもできます。

私は黒人英語が結構好きで、ラップも黒人のほうがやっぱり好きだし、ゲームとかでも出てくるとちょっと楽しい気分になるのですが、今回はその「イントネーション」が大きなヒントとなりました。

この「聞き分け」ができる日本人はどのくらいいるのかわかりませんが、もともとメンインブラックもそういうところが面白かったりします。ウイルスミスの軽薄な英語と、トミーリージョーンズのインテリ系白人英語のコントラストがユーモラスではありましたね。

主人公の親友のキャラクターがめっちゃいい味出してました。ホラー映画なのにノリがよくて…。あれも黒人の陽気な性格ならでは、ですね。

ホラー映画2連発(1)「イット・フォローズ」

これはあらすじとサムネイルでなんとなく見始めましたが、結構面白くて一気に最後まで観ました。

とてもホラー映画らしい撮り方や演出で、ホラーを楽しみたい人にはぴったりです。

「イット」はピエロではなく…。私に言わせれば限定された人に見える幽霊で、姿はころころ変わります。

まあちょっとアメリカンだなと思ったのが、「頭に銃弾が当たると倒れる」ところwww

なぜアメリカ人は幽霊に銃を撃つのか!銃社会だから……w

この映画、レトロな画づくりを徹底していて、2014年の映画なのに主人公たちは白黒映画やレトロなアニメーションを観ています。あまり、現代っぽくありません。映像の色もフィルム作品のような色合いにしています。でもそれが私としては非常に気に入りまして。

あと音楽もですね、むか~しの、ブレードランナーみたいなシンセの音を使っていて、全然いまどきじゃないんです。 

乗っている車もなんか古いフォードの車っぽいやつ。

都市伝説っぽさとか、昔の若き頃の思い出を振り返るような雰囲気を出したかったのですかね。

主人公たちは二十歳前後といった感じでしょうか。

ただこの映画の欠点というか周りにおすすめしづらい(笑)ところは、この幽霊が追うのは特定の人物とセックスをした人間なのですね。

最初はヒロインが付き合ったばかりの彼氏とセックスをしたあと、「それ」が追ってくることを見せられます。そして、「それ」が追ってこないようにするには、他の男とセックスして「うつせ」と言われます。

もうただ、ひたすら、こればっかりなのですが、もし評価が低いとしたら理由は

・そもそも「それ」がなんなのかよくわからん(起源が)
・結局あまりなにも解決してないっぽい終わり方
・頻繁にセックスが出てくるw

ところかもしれません。

テーマもちょっとよくわからなかったものの、かなり薄味にぼかされていますが、最後らへんで娼婦が写されます。

もしかしたら昔娼婦とセックスをした男が、例えば結婚するつもりだったのに捨てたとか、色々恨まれて追いかけまわされたのでは…?などと、想像しました。ただし、男も追ってくることがあります。

でもこの映画がホラー映画として素晴らしいと思ったのは、もうなんの意味もなく、ただひたすら、「何かが追ってくる恐怖の演出」がめっちゃくちゃ怖くてですね!!

うまいんですよね。一言もしゃべらない幽霊のようななにか。

最高に気に入っているシーンは、

・すごいノックされたり、散々ドアノブガチャガチャ回されて、友人の声を確認して安心してドアを開けたのに、友人が入ってくると後ろからおしのけるように入ってくる「それ」(これは何度観てもウケます)

・みんなで海辺でくつろいでいて、ヒロイン以外は「それ」が見えないので誰も気づかないんだけど、かなり前からカメラには映っている「それ」

これは本当に面白かったです。「あ、あれいるじゃん!」って観客は思ってるのに誰ひとり、気づくことができない。これってかなり面白い演出だと思いますね。すごい遠くから歩いてきて、「それ」は絶対走れないんです。なので、こちらに近づくまで見続けるしかないのが、怖いです。

観客からは、ヒロインに声をかけられないという当たり前のジレンマがなんか手に汗握って面白かったです。

2021年11月14日日曜日

「アイス・ロード」観てきました

リーアムファンとしては観るしか選択肢はありませんでした。

ですが、正直言って今回はここ数年で一番の駄作だと思います。思いますが、リーアムファンとしてはやはり、レベルの高いリーアムの悲しむ演技にどうしても泣かされます。本当にエモい芝居が上手いので、こんな安っぽいアクション映画に出てないで、もうちょっと重い映画に出ればいいのに…。彼が表情を変えただけで、映画が生き生きと生命力を持つくらいの力があるのに。

リーアムは、貧乏な兄弟の物語に心打たれたのでしょう。もちろんそういったシーンも多いのですが、アクションやサスペンスに重きをおいているので、いまいち伝わってきません。弟さんが失語症で、そういった「マイノリティ」しかも、退役軍人の戦時中の怪我から来る症状であることに重きをおけば、エモい話になりそうですが、あくまでも氷上のサスペンスとカーアクションにフォーカスしているなと感じました。

リーアムの見どころと言えば後半で、弟が危険な目にあったり、真の悪党が判明してからの例の「リーアムの静かな怒り」が発動してからが最高ですね。特に「あいつはやっつける」と決意したドアップの顔がよかったですね!

でもね、ひとつ大きな欠点がありました。

悪党の動機があまりにも非情でサイコパスで、理解不能なのです。

帰宅してからレビューを読み漁って、やっぱりあいつらは金以上のモチベーションもなく人間を見殺しにしようとしていたと確信し「なんともつまらん」と思いましたw

ターミネーターならわかりますよ。彼らは命令に従って動いているだけなので。でも普通の人間が、国家規模の諜報機関のフィールドワーカーでもあるまいし、人殺しに容易に加担するんでしょうかね。

多くの方が書いている通り、「アイスロードを渡り切れるか」のほうに重点をおいたほうがすっきりはしますが、アイスロードには正直、何もありません。

本当に氷しかない。

空にはオーロラがかかり、幻想的な雰囲気の中、ドライバーたちはノリノリで音楽を聴きながら緊急のレスキュー装置を運ぶだけなので、ここでトラブルが起きるとしたら、やはり氷が割れる、くらいしかないんですよね……。

舞台としてはとても綺麗なんだけど、こりゃーストーリーが作りにくいなとは感じました。悪党が細工をしてたあたりから話は面白かったんだけど、動機がまったくもって理解不能、です。

ただ、あんなにひどい悪党にいろんなことされても、横転したトラックを丁寧に立て直すわ、壊されたトラックをその場で修理するわ、牽引を完璧にやってのけるわ、リーアム側の兄弟の実力(特に弟)はとてもしっかりしていて、実直に生きていくことの勇気をもらえますね。

弟キャラは本当によくて、この映画の清涼剤なんですけど、失語症で兄もキレたりするので(マイクの欠点は、すぐに人を殴るところwたまにスカッとするけど)、周りに振り回されて大変だなと思いました。

特に散々いうこと聞け!と怒鳴るシーンがあるけれど、弟が正しいことを言ってるシーンとかは、「こういうのあるよね」って共感しました。

なかなか、正しい意見が通らない世の中ですが、いずれ報われると信じたいところです。

ザ・ハント

ホラー映画のひとつとしてウォッチリストに入れてたんですが、

あんまりホラーって感じではなかったです。サスペンスだけどめちゃくちゃすぎるのでちょっとあっけにとられて笑ってしまうような、ちょっとギャグな感じの展開でした。

ブチギレ映画っていうか。タランティーノっぽさある。

下半身を吹っ飛ばされてる人が上半身だけで喋りますかね?結構冷静だったので「お前はビショップか!」ってツッコミました。

序盤はどこからか眠らされて連れてこられた人たちが、知らない森で目覚めて狩られ、逃げ出すところまで。

人が殺されて数が減る中、満を持して現れるのが「スノーボール」と呼ばれるクリステル。金髪の気の強そうな女性です。

どうも敵側は「白人が嫌い」らしく、狩られる側は目の覚めるような美しい金髪の女性とか明らかな白人が多い。

この「スノーボール」が異様に強くてですね、何気ない会話で「アフガンで戦ってたわ」ってあんた………(笑)

なんというかひたすら、このクリステルがバカスカ戦い続けるヒーロー映画みたいになってましたが、彼女の素早い判断能力は魅力的でかっこいいなと思いました。強いし頭もいいんですよね。なんかキル・ビルみたいな。

ただ、色々と疑問が残りました。

・クリステルは人違いよ、と言っているが本当だろうか。写真は明らかに彼女だったような…?

・どこに連れてこられたか結局よくわからない…。

周りがすっごい嘘つくんですよ。どいつもこいつも嘘ばっかりなので、もうどれが本当かわからない。

その辺を考察するのは面白いかもしれません。

一体どういう意図でこんな映画作ったんだwwって思うような内容ですが、トランプ大統領がお怒りだったそうなので、ちょっと痛快さを感じましたw白人差別や難民問題も描かれてましたからね。白い豚っていうのは……おそらく……

クリステルが徹底的に容赦なくやりかえすのがよかったなと思います。

人種差別の映画としてはエンタメすぎるのでどっちかっていうと女性ヒーローが活躍するサバイバルアドベンチャーでちょっとブラックジョークな映画だなあと思いました。


2021年11月13日土曜日

「キャッシュトラック」観てきました

リーアムファンだったら、今日は喜ぶべきリーアム新作映画の公開日なのだが、どうやらユナイテッドシネマ的には大々的に売り出したいらしく、しばらく観れそうな感じだった。(例の銀行強盗が改心するやつはやってくれなかったのに。あと除雪車の話もw←多分リーアムがちょっと悪いとやってくれないw)

コロナ禍でレイトショーが制限された時、TJOYの割引チケットを買ったのが1枚余っていたのだがなぜかそこではリーアム映画をやっていなかったw思案した挙句、ステイサム映画を観ることに。

金曜仕事が終わったあと、映画を観るってのは最高だ。特にステイサムなんかは、いい。

ステイサムの新作映画があるのは知っていたが、10月は他にも観たいのがあったので、どうせすぐ終わっちゃうだろうと思って放っておいたら、なぜかしぶとく生き残っていたのだw見てくれと言わんばかりである。

結果的には「意外とよかった」「9割方楽しめた」という感じ。すっきりするし9割方面白かった。 

残念な点は、エンディングかな。全然ひねりがないwどうせこうなるだろう、と予測していた通りに終わってしまったw

しかしその直前までは、こりゃーどうなる??って感じ。

ざっくりというと、1/3くらいはちょっとしたミステリー。現金輸送車の高度なセキュリティ会社にステイサムが中途採用でやってくる。

ものすごいクールで全然笑わないが、ちょっかい出してくるやつらはうまくあしらう。とにかく冷静で肝が据わっている。「こいつ、何者だ???」

謎の転校生!!のような展開が面白い。ステイサムのキャラにはピッタリである。

また、ステイサムが奇妙な行動をとるたびに、視聴者側としては、何か調べるために入社したっぽいことがわかってくる。

しかも現金輸送車がしょっちゅう狙われる嫌な世の中に描かれているが、ステイサムはいとも簡単に強盗たちをやっつけてしまう。(このシーンが実は一番かっこいい) 

ますます何者だ??となるが、時系列を入れ替えて丁寧な説明がされる。ここまではかなり丁寧だ。

後半がだれる、という感想の人の気持ちもわかる。ステイサムは復讐のために真犯人を探しているのだが、この真犯人たちがなんともつまらない、うだつの上がらない、退役軍人たちで、「年金がほしい」とかわけのわからないことを言っている。

日本は貧乏な国と認定されつつあるし(インフラ整ってるからかなりマシだと思うけど)、iDecoやNISAみたいな初心者向けの投資制度も整っているから、日本人の感覚で言うと真面目に貯めて真面目に投資していれば老後もなんとかなると思うのだが、彼らにはそんな認識はないようだ…。

強いて言えばこの悪党どもの中にイケメンがちらほらいて、注目すべきはクリントイーストウッドの息子さん、スコット・イーストウッドかな。役としてはあまり良くないが、確かに見栄えはいい。さすがクリント氏の遺伝子だ。

この悪党どもが厳重な装備でステイサムの会社を襲いに来る、クライマックスの銃撃戦はなかなかの緊張感があり、応援したくなった。

この作品の欠点としては:

ステイサムがギリギリまでアクションしてくれない(とにかく見せ場が少ないのが残念…)

ステイサムの最大の見せ場は序盤で終わってる感がある

悪党どもの会話がつまらない。モチベーションが年金とか…

エンディングがしょぼい

ヒロインが一見魅力的なんだがあんまり生かされていなかった 

内通者がサイコパスすぎて意味不明。

「キャッシュトラック」っていう邦題はダサい。(Wrath of Manも良くないけどね)

 

良いところは:

テンポや緊張感はよい。ハラハラとさせて見せる力はあったと思う

序盤のひねりは魅力的だった(特にステイサムファンは歓喜)

内通者の正体が凄い(これが一番びっくりしたわww)

ジョシュ・ハートネットがなんかかわいい

銃撃戦は意外と面白かった。反撃する人、しない人がいて、反撃する人の熱いファイトがよかった。あれは盛り上がるぜ!

ステイサムの正体もなかなかいい。もしステイサムがただの退役軍人やFormer MI6とかだったらありきたりだが。しかしあの設定もちょっと生かし切れていないかな……


あとソニーなんちゃら4Kって書いてあったけど映像がクリアで綺麗でした。TJOYが綺麗なのか、そもそもスクリーンが小さいからなのかw

2021年11月7日日曜日

「最後の決闘裁判」観てきました

この映画はポスターやキービジュアルのデザインが素晴らしく、デザイナーとして参考になりました。ただあらすじを読んで嫌な感じがしたので、観ようか迷っていたのですが、やっと夜の上映が始まったので(なぜか福岡ではこの作品を朝に上映するところが多かったw朝からこれを観るのはきつい……)観てきました。予告編の壮大でものすごいクオリティの映像が決め手となりました。

本編ももちろん映像がものすごい美しくクオリティ高く、さすがリドリー・スコット!と思いました。しかし、内容はやはりえぐいなと思いました。レイプされたことが理由で裁判をするわけですから、必ずレイプシーンは出てきますからね。

百年戦争の時代の話なので、お城や甲冑、街の雰囲気など、画作りはさすがだな~と思いました、まるで動く絵画のようで、レンブラントとかを思い出します。ゲームでいうと「プレイグテイル」と似たような雰囲気で、ディテールにもこだわっているのがわかったので(知らないしきたりとか色々出てきました)、時代考証にも力を入れていると感じます。

この映画は「あなたが、 この裁判の証人となる」とうたい文句にある通り、それぞれの視点から物語が描かれるのが面白い構成になっています。 

 

ジャン・ド・カルージュ(マット・デイモン)について

彼は確かに無骨で不愛想なところがありますが、女性の視点から観ると、かなりの安全パイかと(笑)

劇中で「男はみんな馬鹿よ」って脇キャラが言ってますが、どうせバカならカルージュみたいに嫉妬深くて束縛強いけど他の男からは守ってくれる人がいいですね、私はw

個人的には、不愛想なものの、決闘で決着をつけてやる!それが俺の愛情!みたいな覚悟の強さは賞賛できました。

彼の主張が面白いのは、奥さんから観るとちょっと違うwんだけど、彼自身は全力をもって奥さんを愛し、守ってる!っていう主張なんですよね。これは夫婦のすれ違いだと思うのですが、私はカルージュの主張のほうがかわいくていいかなと思いましたw

 

ジャック・ル・グリ(アダム・ドライバー)について

惜しいなと思ったのが、このル・グリがどうしても悪にしか見えないところですかねw

もうちょっと善人ぽさがあれば、観客の同情を得られたかもしれないし映画の感想として多少意見がわかれて面白かったかもしれませんが、

私から見るとどうしようもない悪人にしか見えませんでした…。もしくは前述通りのバカ、それも悪い方のバカ。

もしくはル・グリが好きな人もいるんだろうか…

私ももうだいぶいい年なのであえて言いますけどこの手の口だけ「愛してる」って言ってくる男なんか腐るほどいますよ。

ル・グリのキャラクター造形で残念なのが、「知性の高い男」という設定なのにとにかく女好きで色恋の噂が絶えないんだけど、あの口説き方には知性感じなかったんだよね…。性欲に頭半分くらい支配されているようにしか見えなかったので、あれで無罪とかちょっと厳しいかな…。 


マルグリットについて

問題は彼女がどう思うか、なんだと思いますが、確かに私も気になってすごい見入ってしまいました。

結論から言うと彼女はものすごい勇敢で、善き人間だと思います。好感しか持てませんでした。なにしろ思考がまともだし、頭もいいし、旦那より領地をまわすのが上手いのでは。私も悪には果敢に立ち向かいたい人なので、感情移入しやすかったです。

とても悲しいなと思ったのが、もし決闘に負けたら彼女も死ぬことになるのですが、やっとこさ産んだ子供を置いていくことになってしまう、だったら黙っていればよかった……とつぶやくところですね。これは泣けるところです。

子供のためなら自分の屈辱も無にしよう。素晴らしい母親ですね。と同時に悲しいと思いました。

 

この作品のテーマって結局なんなのか……

決闘中は、マルグリットは逃げられないよう枷をはめられていて見届けるしかありませんが、私も彼女にはたいそう感情移入したのでずっと自分の両手をしびれるまで握って観ておりました。というか狂気ですよね。

ふたりの男が自分をめぐって殺し合いをして、旦那が負けたら自分も死ぬなんてね。病気ですわ。

それで観てて途中からすごく思ったことが、

もうどうでもいいわ……

ってことです。悪い意味じゃないですよ。そりゃ旦那に勝って欲しいけれど、自分が死ぬかもしれないんで、疲れてそう思いました。

それが言いたいことなんじゃないかな?って思いました。

劇中、彼女は正直男どもに振り回されてるだけの人生なんですよ。人生ってなに?義母にもそういう質問をするんですけどね。

でも子供には罪はない。彼女の判断は正しいと思います。

まあつまり男に振りまわされる人生はやめておけ……ってとこですかね。

私も始終男から逃げ回ってますからね。なんか今の会社はそういう意味ではクレイジーだと思いますが。なぜか女好きがうようよいるので気持ち悪くて。しばらく飲み会に参加してないし今後も参加はしないかなー。

女性を応援する映画ではあると思います。

 

劇中で印象的だったのが神父さんの聖書の引用。もうこれにすべてがかかってるなと思ったし、やはりキリスト教や宗教には意味があるんだなと思わせる引用です。

「情欲をいだいて女を見る者は、心の中ですでに姦淫をしたのである。」という一節です。これは、私を欲情した目で見てる会社の男性陣にメールで送りつけたいような一文ですね(意味わからないかもしれないけどw)。

 

サスペンス的な観点から観ると、私は義母の行動に結構疑問を感じました。

まさかレイプの手引きとかしてないですよね?いくら仲が悪いからって…。

その辺、最後はあまり描かれてなかったのが残念でしたが、もし自分の息子が決闘するって言いだしたら死ぬ可能性が出てくるのに、けしかけたんだったらちょっと一発殴りたいところですが。

私は義母だろうが旦那だろうが悪いやつは殴りたくなるんで、あんまり普通の結婚は向いてないだろうなw

2021年11月5日金曜日

グラン・トリノ

ものすごい評価が高い。4.5とかめったにあり得ない。3.0でも面白い映画がある世の中なのに。

クリントイーストウッドは「運び屋」を飛行機で観ていたく感動し、クリントをちゃんと観たのは初めてだったが他も観たいなと思った。しかしこの「グラン・トリノ」は本当に名作と言われるだけはあると思う。じいちゃん映画の最高峰。

西部劇で大活躍したクリントイーストウッドのことだ、退役軍人のおじいちゃん役はぴったり。毒舌もお似合い。というかこんなかっこいいじいちゃんめったにいない。最強クラスである。しかも退役軍人で朝鮮戦争では何人も人を殺したという。来ましたよ、また強いじいちゃんキャラ。

人種差別が色濃くはびこる治安の悪い地域で頑として動かず犬と暮らし続けるじいちゃん。あんたはドントブリーズですかw

お隣さんがちょっとうるさいもんだから文句言った結果、なぜか仲良しになってしまう。

しかし、彼らはかなりタチの悪いギャングに悩まされていた。 違う人種ならわかるのだが、これが「従兄弟」なのがちょっと気になった。その前に黒人にも絡まれているんだけど、最終ボスがなんと同じ民族なのだ。なんだかなあ。まあ、日本も日本人同士のいざこざが多いからね。

この映画のエンディングに関しては、非常に考えさせられるものがあった。

一言でいうと、徳が高い。

と同時に、なんとも男らしい。

主人公は何度も「タオ」少年に男らしく生きる術を教え込む。自分の息子とはうまくいかなかったから、タオを息子に見立てたのだろう。だが、なんとなく主人公には終わりが近づいているんだろうな、という伏線がいくつかあった。

おそらく病気なのにそれも頑なに、隠し通すが、誰にもみっともない姿を見せず、終わろうというあの覚悟。じいちゃん、かっこいいです。

「グラン・トリノ」は正直泣けない。ドントブリーズが泣けるのは、じいちゃんが良心の呵責に悩まされたり自分の狂気を告白するから、弱みを見せるからだ。クリントはあまりにも完璧にかっこよすぎるからである。だけど、こういう映画もいい。 

見終わった直後の感想は「ああ酒が飲みたい畜生、人生なんてやってらんねぇなあ…(グビッ)」であった。

誰もが男らしくなってしまう……そんな男気溢れる映画だと思いますw

じいちゃんだけどさ。じいちゃんから学ぶことは、ほんとたくさん、あるよ。