2022年12月30日金曜日

今年観た名作映画を音楽とともに振り返る!2022

cocoで投票したのは以下の通り。(お前トップガンなめんな!というクレームは受け付けません)


ザ・バットマン

「自分の親世代の負債を無理やり背負わされる」ブルースとリドラー。そして、親に憎しみを抱くセリーナ。私の世代にはドンピシャなテーマであったと思います。やるせないですね。 

先日JOKERを見直して、ちっちゃいブルースぼっちゃんを見て、「あ、ちゃんと雰囲気がつながっている」と感じました。美少年だけど、どこか暗い印象がある。そしてあのぼっちゃんな髪型も同じ。パティンソン君と並べるとすごいわかりやすいです。

この音楽はアイスバーグラウンジ潜入時の曲なのですが大変気に入っています。もちろん、ニルヴァーナやブルースのテーマも大好きなのですが、最近BaauerのPlanet'sMadに爆ハマりしていてやばいです。勝手に電車の中でクラブを繰り広げていますw

Thank you Matt Reeves!!!


NOPE

ジョーダン・ピール3作目にして大ブレイクって感じですね。少ないキャラクターと、少なそうな予算感の中、決してラグジュアリーな大作ではないのに、ものすごい緊張感、緊迫感。そして人類が、機械やデジタルに頼れない中で未知の巨大生物に立ち向かう。新しいタイプの映画でした。とにかく面白いですね。元気が出ます。

実は私のSpotifyランキング1位は、NOPEのこの曲でしたwww2回目観に行った時すでに頭に音楽が入っており、クライマックスで鳥肌立ちましたね。

NOPEは音楽とSEで半分成り立っていると思いますが、生で録音した(デジタルではない)素晴らしいサウンドだらけで、音の持つ力を再確認させられました。

 

RRR

こちらもすさまじいアナログの力を感じさせてくれる超大作。予算はかかっているとは思うのですが、何しろインド映画です。人力でどこまでもやったるよ!筋肉の力で切り拓いていく!という強さがあり、人間を再度信じようと思える内容でした。また、相反するような性格の二人は時には互いを傷つけながら、同じ敵に立ち向かっていくというドラマがよかったですね。ラーマの神ビジュアルがとにかく好きです。あらゆる要素が詰まっており、大変楽しめます。

ラ~~マン~~~~~

 

ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード

実は1作目よりハイテンションなワイフズボディガード。 思い出すだけで笑えるシーンもいくつか。

なによりサルマ・ハエックがあれから大変お気に入りで、特にアントニオバンデラスにツッコミ入れてるインタビューとか胸キュンです。(バンデラスはドМなのかけなされると大喜びします)

もう死にそうにつらい時とかあえて見たい映画w

この曲は、予告編にしか使われていないのですが(笑)あまりにも歌詞とシンクロしてて爆笑なので置きました。

Hit me baby one more time!!


ウエストサイドストーリー

いやまあこれは、音楽の力よね。帯状疱疹抱えて気を紛らわすために観に行き、やはり声を出さずに泣くのが大変でした。


来年もいくつか楽しみにしている映画はありますが、今年の上位3作を超える衝撃や熱量はあるのだろうか…。


Everything Everywhere All At Onceは凄そうですけどね。(これ絶対カタカナで書きたくねぇな!)

あと、マーゴットロビーのバービーは絶対観るが(なんなら二回見たい)いつやるのかわからん

2022年12月27日火曜日

CONTROL 動画集(1)

CONTROLについて考察を途中まで書いてたのですが

動画編集を始めたら楽しくなってきてしまい

そっちを先にリリースすることに致しました。

年末年始、お暇なら見てみてください。

摩訶不思議★サム・レイクの世界がここに…。

 

ただ、ゲームとしては難易度高めなので、オプションからこっそり難易度を下げることをおすすめします。

どうやらどっかにゲストでミスター・ヒデオ・コジーマが潜伏しているそうなので、後日探索にいく予定です。

 

私の好きな恒例北欧ヘヴィメタル 


冷蔵庫との戦い

 

 

突然自ら踊りを撮りだすダーリング博士。実は、歌詞の内容が「ジェシーはダイナマイト」に変わっているのでよく聴いてみるべし。

 

 

ジェシー、なぜかブラック会社でこき使われる夢を見る。実は仕事に自信がないとかなのかな…w

2022年12月26日月曜日

アバター! WoW!

チケットに「WoW」って書いてあるからなんかあるのかと思ったら

Way of Waterの略だった件w

 

最近こんなキャンペーンやっててワクチン打ってたら映画が1200円だから、金額で渋ってる人は買うといいよ~

チケット電子発券まで大体5分だったよ私w

https://eventwari.movieticket.jp/

 

この映画は多分、

「わあ~綺麗~、ウフフッ」

で終わるだろうなと思って、大スクリーンだけど2Dでチケットを買ったら、

案の定その通りであった件。

キャメロンさんが楽しそうに、自分の好きなもの詰め込んで、脚本は、「教科書通りでいいよ」な映画でした。

もうテンプレすぎて意外性はゼロ。

強いて言うなら、海好きの私にはたまらない美しさで、今すぐモルディブの水上コテージに移動したいと感じました。(チケットトゥパラダイスも、実はバリ島に行きたくて見たのですが、テーマと舞台がよく合っていたと思います)

キャメロンが、海が大好きなんですよね。

それはよく伝わってきた。

だけど、彼が元来上手なのはやはり「メカもの」と「戦争」であり、そこの描写もすごいレベルが高いわけです。

どっちか選ぶというのができなかった。そして、やはり海側に勝たせたかった。というのは伝わってきました。

あとテーマが少しとっちらかっており、

もしキーリをナウシカみたいな、特殊ヒロインに仕立て上げてキーリの話にしてくれたら、私はもっと喜んだと思います。

そして、はぐれクジラのキャラクターも大好きなのですが、キーリとクジラだけでよかったと思うんだよな~。

 

色々詰め込みすぎてぼやけた上に、「無難なテンプレ通りの話」にしてしまったため、私の中ではかなりランクが落ちているのですが、

キャメロンさんがこの雰囲気をもっと大事にして、「海だけがメインの話」を思い切って撮ってくれたら、

世界はキャメロンは変わってしまった、と非難するかもしれませんが、私は喜ぶと思います。

 

アバターは前作もまったく好きじゃないし評価していませんが、
CGや映像のレベルの高さはやはり世界トップクラス。見て損はありません。そのくらいの能力やアセットをお持ちの方だからこそ、思い切った決断を下し、次回はメカが出てこない映画にして欲しいな。

ちなみに前作は全然好きじゃないんだけど、今作はよかったと思うし、俳優陣は大好きなのですよ。サム・ワーシントンはやっぱり実写がいいなあと思う。

あとゾーイ・サルダナも、「コロンビアーナ」でかなりツボりまして、あの激昂すると無茶苦茶な芝居をするところが大好きです。声が出なくても絶叫しちゃうの、カッコいい…。

CGだけど戦うとバケモノじみてるところも好きです(今回そういう印象しかないw)。

2022年12月20日火曜日

縞模様のパジャマの少年

サムネイルからして気に入って観たのですが…

 

第二次世界大戦中のドイツ人の裕福な家族の末っ子少年「ブルーノ」の視点から見た、ユダヤ人差別についてのお話です。

もうこの時点で色々想像してしまいますが。

まず冒頭から、ブルーノのお父さんが昇進し、引っ越すという話が出ます。

お父さんが昇進!どんな仕事かと思ったら……

「ハイルヒットラー!!」

という掛け声とともに、立派な軍服に身を包んだ父親(デヴィッド・シューリス)が現れます。

見ている方は「おおう……そっちの昇進か…」と。

軍服には骸骨のマークが!

SSじゃないっすか…………(SSがどんなに残酷な連中かは、検索してみてください)


恐ろしいことに、引っ越し先には謎の「農場」が。ブルーノは農場だと思い込むのですが……2本の煙突も気になるところです。

家に来るお手伝いさんが、囚人の服を着ていて、誰もいない時は会話をするのですが、実に悲しい内容だったりします。

「I used to practice as a doctor」と彼が言うのですがこれは、「医者として勤めていた」という英語の言い回しです。ですがブルーノは「プラクティス」を練習の意味でとらえて、笑います。

違うんです。彼はユダヤ人で、「収容される前に医者をやっていた」と言いたかったのです……。

お父さんは、「ユダヤ人は人間じゃないんだよ」ととんでもないことを言いますが……

案の定、ブルーノから見たら「ユダヤ人って本当にみんな悪いの?」と素朴な疑問を抱きます。

引っ越しで友達がいなくて暇なブルーノは、明らかに収容所である農場へ向かい、フェンス越しにユダヤ人の少年と仲良くなりますが……

 

どんどん残酷な感じになっていく、実に切ない映画で、正直なんの救いもないな、戦争映画だなあと思いましたが

印象的だったのは母親の反応でした。

戦争は、いつも女性が犠牲になりますね。

男性は、昇進が大好きですし、強い組織に認められ、働くことが生きがいですから。

「サウンドオブミュージック」のように、ある日いきなり彼氏がナチスに入り、別れを告げにきたりするわけですよ。

この映画のお母さんは、煙突から出てくる「臭いにおい」がなんの匂いか知ったとたん、ブチギレて夫を責め立てます。

気がついてしまったのです。

収容所が、収容だけではなく、役に立たなくなったユダヤ人を焼却していることに。

このお母さんは、最後まで、怒り続け、責め続け、最後まで泣いています。本当にかわいそうです…。

 

今更戦争映画、とも思われそうですが、少年たちの可愛らしさと純粋さ、春の美しい野原と、戦争の残酷さのコントラストが強烈でした。

 

時々こういう戦争映画を観た方がいいですね。少年の無垢な目から見た戦争、という視点がよかったです。

 

2022年12月16日金曜日

リリーのすべて

確か叶恭子さんが好きな映画のひとつに挙げていたと思います。

前から興味はあったのですが、わくわくアクション映画ではないので、観るのが遅れましたw

とても美しい映画で、衣装や主人公たちの自宅のセットも絵画のようで、特にエディ・レッドメインが女性のように見えたり、少年のように見えたり、時折狂気の人に見えたり、死にそうになったり、完全な中性キャラになったりと、非常に存在感が大きい。

エディ・レッドメインといえばファンタビですが、ファンタビなんて彼のほんの一部でしかないのですね。アカデミー賞受賞俳優の真価を見たなと思いました。本当にね、芝居が上手すぎて、こちらでも「今リリーなのか、アイナーなのかわからない」「本当に別人格に支配されているように見える」と騙されまくるすごい演技です。

筋書は、エディが演じる「アイナー」がトランスジェンダーで、自分の中の女性性に目覚めていき、「リリー」という別人格を形成し、それに乗っとられつつも、妻を愛し続けるという苦悩にさいなまれるというお話になります。 

これも、エディの演技力がなければ伝わらない話で。

自分の姿を鏡で見るシーンが多く、鏡の前でメイクをぬぐい、ウイッグを外して男の自分を見て。服を脱いで美しい肌の、細い体を眺め、どこまで女性に迫れるか確認。悲しいのが、いつも股間のペニスのところまで来ると苦悩が激しくなり、どうにかしてそれの存在を忘れようと、消去しようとする姿が痛々しい。

どうしても女になりたい彼は(というか、トランスジェンダーの男性は、「自分は女だ」と自覚しているので、肉体が男性なのがどうしても許せないらしい)、月に1回鼻血と下腹部の痛みを発症する。これ私はすぐに意味が分かって恐れおののきました。

彼は、自ら「月経」を発症しているのです。

女になりたいがあまり、いや自分は女だから、月経が鼻から出るのでしょう。

史実の「リリー」は、男に惚れて子供を産みたいと願い、子宮移植まで行ったそうですが、映画のリリーは異なります。

ですが、この中途半端さが少しひっかかりました。

 

私はこの映画を観ながらずっと「りゅうちぇる氏」のことを思い出していました。

彼は恋愛対象は女性でありながら、性自認は女性。みんながひっかかっているのは、子供がいるのに「離婚した」ということだと思います。でも同居している。同居して、子供の面倒をみているなら、まあいいかなと思うのですが、

 まあ、やっぱり我儘な印象は受けますね。

トランスジェンダーの人を批判したいわけではないのです。

夫の性自認が女性であることを、「途中から知らされる妻」の苦しみが気になりました。

要は…一度男として結婚したからには、できるだけ、最後まで、男を貫いてほしかったといいますか…。

未婚の人はいいんです。私も未婚だし、未婚のオカマさんたちが私は大好きだし。

でも、最初に「男として」結婚してしまったら、それはひとつの誓約だし、相手を幸せにする義務はやはりあると思うんですよね。その義務を放棄し、妻を苦しめて泣くシーンがあるのですが、どうも微妙に同情できないというか。

 

最後まで見捨てない妻も素晴らしいと思うのですが、手放しで感動はできませんでした。

 

エディ・レッドメインがどんどん美しくなり、女性っぷりに磨きがかかり、最後らへんは完全に女性に混ざって、百貨店店員をやってるのが凄いと思ったし、とにかく彼はかわいくて、そして美しいと思いました。

でも感動の物語というよりは、トランスジェンダーがもたらす悲劇を淡々と描き、悲壮感がありそうで、それを押し付ける作風ではなく、なかなか難しい問題だけどどう思うよ、って投げてくるドライな感じ。悪くないと思います。

2022年12月14日水曜日

シェールの妄想小説

ある日俺は博士に紹介された。

なんでも、俺の見えない左目を治してくれるというのだ。

オーナー家族の娘さんと、俺は特に仲が良かった。彼女の紹介なので、間違ってはいないと思うのだが、いかんせんそんな簡単に治るものだろうか?と不信感を抱きながら博士とやらに会いに行った。

博士はどこかで見たことがあるような、頭髪が左右に爆発したような髪型の、いわゆるマッドサイエンティストのような風貌だった。

その彼が、興奮しながら言うには、こうだ。

「君の左目を直してあげよう」

「プイプイ(それは、痛いの?)」

「麻酔をするので痛みは感じない。寝ている間に終わるさ」

「プイプイププイ?(お金は、かかりますか?)」

「無償だ」

俺が驚いて目を丸くすると、博士はにやりとした。

「その代わり、君には実験に協力してもらいたい」 

「プイ!!」

俺はさらに驚いて、一歩後ずさるが、博士は高らかに続ける。

「君はインテリジェント・ハイブランドモデルモルカーだ。その性能をさらに引き出そうというのだ」

娘さんが心配そうに見守っている。

「君には、地球の物理法則を超えてもらう」

俺は、娘さんと目を見合わせた。物理法則?どれのことを言っているんだ。

「君は地球初、時空を超えるモルカーになる。次元のはざまを、光より速いスピードで駆け抜けてもらう。すると…」

博士の興奮はクライマックスだ。

「時間を飛び越えることができるのだ。シェール。君は史上初の、タイムマシーンになるんだよ」

決定事項のように言われて、頭がぐるぐるする。

確かに俺はハイブランドモデルモルカーだ。片目がつぶれてしまったから、売れなくなってしまったが…、インテリジェンス機能搭載なので、英才教育を受けた。実は物理と車の関係も他の一般モルカーよりは詳しく学んでいる。雨の日や雪の日に、滑らないよう。高齢者を乗せても、赤ん坊を乗せても、事故を起こさないよう、厳しく指導を受けた。

だが、さすがに時空を超えるとか、光より速く走ることは学んでいない。そもそも俺の足(タイヤ)自体は、少し頑丈で溝が深い程度で、スピードは普通だ。モルカーは、スピードの出しすぎは厳禁なのだ。

俺たち3人は、本当に危険はないのかとか、通常の道路で家族を乗せて走ることも可能なのかとか、維持費などを2時間ほど話し合った。娘さんが、お父さんを呼んでzoom会議まで行った。

 

 

そして俺は、史上初、タイムモルカーとして生まれ変わった。

見た目が無骨になった。目が赤く光っているし、機械っぽい。ちょっと怖いなと思ったのだが、お父さんは「かっこいい」と喜んでいた。両目が見えているのはありがたかった。さすが博士だ。

「さっそく、実験を行いたいと思う」

俺は満腹状態まで食事を食べさせられ、だだっ広い田舎の一本道の手前にいた。娘さんがワクワクした顔で、博士と一緒に俺に乗り込む。

「この一本道は、しばらく人が来ない。この先は工事中で通行止めだ。工事中の札の前までに、時空のはざまに入れるよう、アンプリファイアーを起動する。いいかね。何も考えずに、全速力で走り抜けてくれ」

博士の目がキラリと光った。

「きみならできる!それでは行くぞ!」

どこまで安全なのかわからなかったが、博士の改造のせいか、走り出したくてたまらなかった。俺は生まれ変わったのか。そうだ。俺は伝説のタイムモルカーになるんだ。つらい過去を乗り越えて、閉鎖的な教習所を卒業して、俺は今、時空のはざまにまで駆け出そうとしている。


俺は変われる。


そう信じて、俺は全速力で走りだした。

2022年12月12日月曜日

モルカーDS10話泣いた…………

何も言わずに見てやってくれ。

 

俺はこういう話に弱いんだ。

 

シェール、どうか、人の愛を、もう疑わないで。

幸せになってくれ…。

 

俺みたいにならないでくれよ……。

https://youtu.be/RIKXRVcv_gg 

 

ところで動物が「撫でられる直前ですっと避ける」表現がむちゃくちゃ上手いな。某猫の島の猫もそうだった。

2022年12月11日日曜日

MEN 同じ顔の男たち

これは前から楽しみにしていた映画なのですが、まあいまいちという評価が多いし、実際そうだと思います。映画としては、ですけど。

これは女性向けですね。

 

そりゃー女性からしてみれば、「男はみんな加害者」になる時期ってのはあると思います。私は今実際そうなので、別段感情移入に時間はかかりませんでした。

そうよ。大家さんも、警察官も、教会の神父ですら、どいつもこいつも同じ「男」。どいつもこいつも、信用できない。どいつもこいつも、味方のふりして近づいてきて、欲しいのは私(女)の身体。 

男はみんな同じ。男は加害者。男は諸悪の根源。男は女性の人生を奪い取り、不幸にする。

こないだ実家で父親に「男をすべて同じにくくるな。」と言われたんだけど、そういうこと言っちゃう時点でもう娘に対して、不信感を植え付けている。

(そもそも娘が男性不信になるのは、父親の対応がいまいちだからだと思う。異性の肉親って、最初に見る異性だからね。そういう意味では、親の責任は重い。)

ある意味タイムリーな映画ではあります。今、男性不信が加速している時代で、日本では少子化が爆速で進行している。その反面、都心ではベビーカーをバスに乗せるなだの、子育て妨害も多い。男性はもはや女性を紳士的に口説く術すら学ぼうとしない。

人間って本当に、わがままな生き物です。 

オチが非常に納得いく内容でした。だから、一応感想を書こうと思えました。しかし、このオチは、男性には理解不能かもしれません。

映画の中の男たちは、ただ、ひたすら、這いつくばってまで、主人公の女性をもとめて近づいてきます。

まあ、そういう悲しい生き物だっていうことなんだと思います。 

コロナ禍で女性と関わる機会がさらに減り、最近は40代女性も被害を受けるようになりましたね。20代女性なんて、どのくらい気をつけたらいいんでしょうね。スカートなんてはけたものではないですね。盗撮が横行してますから。梅毒が流行る理由も…、年齢分布を見れば状況が明らかであると言われていますね。

 

ちょっとネタバレっぽくなってしまいますが、意味不明な現象がありました。考察の余地はあると思いますが 

教会にある謎の石像。

あれはなんだったのか、というと…。

多分ですが、「子供を産めない男性」が子供を産むことができる「何か」を表しているのだと思います。

両性具有なのか、わかりませんが、森の神、みたいなものでしょうか。

 

創作側の立場で言うと、男性は子供を産むことができないから、女性を求めてさまように運命づけられている。だから、見た目は男だけれど、子供を産む生き物をつくった。(というか、産めれば、女になれるという願望?)

ということなのかなと思いました。しかし、産まれてくるものを見ていると、ろくなアレじゃないので、ヒロインは途中で怖がることすらやめてしまう、あのくだりはちょっと理解できる感じがします。「男ってしょうがない生き物だな」というあきらめ。

A24らしい、神話のようなものを感じました。もうちょっと、説明が欲しかったかな。

 

A24作品のリストを見返したら非常に面白かったです。今まで観た「なんじゃこりゃー」映画は全部A24でしたw

しかもパティンソン率結構高め。実は見てて感想を書いてないものも多いです。だってポール・ダノがどんな作品出てるのか気になって観た「スイスアーミーマン」なんてさ。「もしリドラーがこの体験を通して気が狂ってしまったのなら…」と思うとすっごい納得いっちゃうっていうか、キチガイ映画ですからね。ギャグなのかもしれないけど笑えないっていうか…。

最近で言うと、「LAMB」のほうが面白かったです。なぜかというと、最初っから、「その子は人間じゃないよね。いつかこの家庭は崩壊するよね。」ってわかっているから。そのいつか、がいつ来るのかがとても怖くて、だから、平和なシーンが続いても、ろくな終わり方しないってわかってるじゃないですか。それがよかったなあ。

2022年12月4日日曜日

ザ・メニュー THE MENU

息抜きには映画はやはり最適ですね。特にエネルギーが不足している時にはいいです。

 

私は前職で資産家の上司にフルコースのディナーをご馳走になることが何度かありました。

基本的にはその食事のお値段に見合った、綺麗な格好をして、マナーも合わせるべきだと思っていますし、シェフの食べ方の指示があれば、それに従うべきだと思っています。

はじめて博多の寿司屋で食事した時に、とても上品な寿司だと思ったので「上品ですね」とコメントしたら「お客様が上品だからですよ」と返されて嬉しかったことがあります。

しかし「ザ・メニュー」のレストランのシェフ(レイフ・ファインズ)はどうやら極端な凝り性で、お客様への要望レベルが高い。高いけれど、どうやらもはや食事ではないらしいことが、じわじわとわかってきます。

この作品は、単なるホラー映画ととることもできますが(売り文句のブラックユーモアですが、私は一秒も笑えなかったので、コメディ要素は期待ゼロのほうがいいです)、

私は、どちらかというと、プロの職人の精神的な病魔を感じました。

これは、ものをつくる人たち

エンジニア、デザイナー、PMで情報設計したり指示を出す人たち、アニメーター、漫画家、イラストレーター、映画監督、CGデザイナー、そんな人たちが観たら途中で色々思うことがあって胸が詰まることでしょう。

シェフが途中で言う

「あなたは11回もこのレストランに訪れた。その度に我々は料理の説明をした。ひとつでも覚えていますか」

というセリフは結構刺さりましたね。私も上手に説明ができないです。だって、コース料理って8品くらい出てくるじゃないですか。

本作のレストランでは「スマホで写真を撮るな」と言っているのに、ニコラス・ホルトがこっそり写真を撮っています(しかもバレバレ)。でもね、私も許可を得て撮っているのですが、覚えてないですよ。すっごい、難しいんです。どこ産の肉だとか、どこそこの野菜だとか。福岡だと「糸島産」がステータスみたいなのですが。

でも、ですよ。

これはひとつの、シェフのエゴでもあるのです。

客のエゴは、「有名な予約のとれないレストランでディナーした!」というステータス。

シェフ側のエゴは、「一品ずつ丹精に心を込めて制作した、貴重で芸術的な食事」。

これって、難しい問題ですよね。

特に日本人はね、本物の大富豪ってあんまりいないですから。

ショッピングモールを散策していたら、マクドナルドに長蛇の列で、ちょっと驚いたことがあります。

別にマクドナルドが悪いとかではないんですよ。

たまの外食がマクドナルドだったら、つまらないとは思いますが。

私が食事をつくる時は、味と栄養を考えます。健康的で外食より節約になるような、合理的な献立を考えます。しかも効率重視で一品、もしくは2品まで。しかし、味音痴ではないので、調味料に少しお金をかけます。テーブル食塩はNG、こしょうはGABAN、塩麹は自家製、サラダ油は一切使わず、ごま油かオリーブオイルを使います。最近は中華料理のレトルト調味料をやめました。あまりにも変な色がついているので。

ですが調理に手を抜きたいので、冬はもっぱら電気圧力鍋に調理してもらっています。
なので、食事に対するエゴはそれほどありません。

ですが、だからこそ、たまにいく高級レストランではシェフに敬意を示さなければ、と使命感さえ感じます。というか、どのレベルのお店でも飲食店では敬意を示すようにしています。いつも自分がつくっているのも楽じゃないのを知っているので。


つまりあれなんですよ。職人に対する敬意とかの話なんですよね。

だけど、ジュリアンは行き過ぎてしまった。個人的に思うのは、

どうしてもクライアントが嫌なら、その仕事を休職するか、辞めるしかない

ということです。これはデザイナーをやっていても、何度も思ったことです。デザイナーの人数は減り、若手もなりたがる人が少ない(フリーで自宅でチート的にやりたい人以外)ので、求人だけはたくさん出ていますが、相変わらずクライアントは「安くいいものを速く」ばかり言ってきます。これはデザインに対する一種の冒涜であり、それは本作のシェフにも通ずるものがあります。

この問題はおそらく一生涯クリエイティブ職につきまとうことでしょう。そしてなかなか、越えられない壁でもあります。ですが、たまに救世主のような人が現れ、「低賃金重労働」を救ってくれることがあります。まあ、なかなかその輪に入るのも難しいんですけどね。


さてこの映画の面白いところは、終盤でアニャ・テイラー=ジョイ演じるマーゴットが機転を利かせて、プロ魂を揺さぶるようなことを言い出します。これはかっこよかったですね。マーゴットはあまりレストラン自体に興味がないのですが、ニコラス・ホルト演じるタイラーのパートナーとして連れてこられます。欧米ではパートナーを連れてくることがルールだったりするからなのですが、マーゴットには「エゴ」がないため、おかしなルールなどを見てはストレートに批判します。かっこよかったです。こういう女性でいなければならないと思いました。

世間をお騒がせのあのイーロン・マスクが言った言葉で結構刺さったのが、「規則ではなく良識に従え(Use common sense)」

これね~。結構重要なんですよね~。

 

しかし、「ザ・バットマン」でブルースの候補に残ったのがパティンソン君とニコラス・ホルトだったそうなのですが

ニコラス・ホルトは高身長だし、顔もかわいいんだけど

なんていうか、パティンソン君の持つ重た~いダークオーラやシリアスな繊細さ、にじむ狂気や世間への恨みみたいなものが、ニコラスには感じられないんですよね。

ニコラス君はやっぱりこういう明るい能天気な役が来るんですかねぇ。というか、明るいけど被害者になりがちな感じがする…。

ゾンビ役もなんだかんだ暗いというよりは、ただピュアなだけだった気が。 ピュアさで言えば、マッドマックスは最強にピュアでしたね。

パティンソン君も純粋!ってよく言われるから似ているけど、パティンソン君のほうが暗いことをひきずりそうなイメージありますw

 

そうそう一個だけ思い出しました。「男の過ち」というメニューが出てくるのですが、これだけはちょっと笑っちゃいましたね。あのジュリアンも過ちをおかすんだなと……。

しかもその後女子会みたいになって、あそこだけはちょっと面白かったです。