2021年1月27日水曜日

天地創造デザイン部について現役デザイナーが思ったこと

最近アマゾンプライムが太っ腹でたくさんアニメを配信してくれるので、どれがいつ更新されてるのか正直把握しきれない今日この頃です。

 

天地創造デザイン部はなんとなく観ているアニメで、正直、絵柄とか一昔前のテンションだし全然好きじゃないんですがw、現役WEBデザイナーとしては、身につまされるものがあります。これからデザイナーやりたいと思う人は一度見てほしいです。

要は、基本的に動くものをデザインしないとプロとしては食っていけないですよというなかなかいい話です。なおアプリ、家電製品などは「使い方がわかるデザイン」じゃないと食っていけませんし、WEB・ポスター・チラシは情報が伝わらないとダメです。

この天地創造をしている制作会社はかなりマシというか、結構いい会社なんですよね(会社なのかしらないけど、外注って言ってたのでw)。

まずは、

エンジニアが超イイ人。

えっ、エンジニアって普通イイ人じゃないの?と思った人はこの業界未経験なのかもしれませんが、私がいた会社のエンジニアはちょっとしたサイコ野郎で、会社のチャットでも2ちゃんねるみたいな汚いツッコミしてくる強烈な男性でした。態度が悪すぎるので、役員も手を焼いていたようです。。

天地創造デザイン部のエンジニア代表の女性はきっぷのよい姉御肌で、多少荒いことは言うものの、できない理由を理論的に言ってくれるのでかなり理性的な方だと思います。私、

「できると思ってんの?」

って言われたことありますよ。一瞬でテンションが地まで下がって体温も下がり、帰宅したくなりましたね。

令和になってだいぶマシにはなってると思いますが。個人的に、女性エンジニアのほうが説明とかやっぱり優しいしうまいし理性的だと思います。(女性エンジニアと泣きながら喧嘩したことあるけどそれは置いときますねw)

それから、失敗が許される環境。

これは大きい。失敗したときに「まあしょうがない」みたいな感じでギャグで終わらせてくれるので優しい世界だと思います。

現実だといつの間にかボツになってて、誰もフォローしてくれないとか冷たい雰囲気。私は、直接ボツの理由を言ってあげたほうがいいと思うんだけど、「かわいそうだからやめろ」って言われました。でもその子、もう案件に参加させてもらえないんですよね。どうなんだろうなそれ。情熱的に叱り飛ばすとかじゃなくて、普通に「こうだから不採用だよ」って説明してあげたほうが親切だと思うんだが。。

キャラクターのバランスもいいと思う。フィクションだからだろうけど。私の現実をモデルにして解説するとこんな感じです。

 

海原:穏やかな性格の安定したデザイナー。独創的な案はないしすごくかっこいいものは作らないけど、万人受けするものがつくれるので採用率が高い。 性格的につくるものがかわいくゆるくなってしまう。

私は海原に一番近いですね。特に野心がないし生活費のためにやってる仕事なので、「金になるものをつくればいい」「ちゃんと動くものをつくればいい」と思っています。周りからはマイペース野郎とか思われてると思いますけどまじで頑張りたくないです。(おい)

 

土屋:最年長者。いわゆる老害(失礼)。 

申し訳ないけどうちの会社にもいます。知識の量はハンパじゃないですけど、後輩指導以外では役に立たない。話が長すぎる。こだわりが強すぎて、センスが古いのに独創的なものをつくろうとして高確率で失敗するし、経営者に直接怒られてるところ見ました。怖かったです・・・・・
会議室から帰ってくるとき、「恥ずかしながら帰って参りました」って言ってましたw

 

冥戸:変人女子。個性の強いデザインを作るが、採用率が高い。いわゆる天才肌の芸術家タイプ。

このタイプはひとりくらいいたほうがいいですがうちにはいません。うちの会社はそんな天才デザイナーは入ってこないと思いますw
前に会社にこんな感じの子がいましたが、元々才能、素質、ポテンシャルが高いので誰も特に口を出さないあこがれるタイプのデザイナーです。でもメンタルはちょっと心配。
ちなみにこういうタイプのデザイナーはドSであまり他人の意見を聞かないので、才能があるかどうか見極めてからの採用ですね。あと、退屈な案件ばかりだと逃げ出すと思います。

あとの人は普通かなあ。金森は、どっちかっていうとファッション・メイク業界に多いパターンの人じゃないかと思いますが。 

水島っぽいデザイナーもいましたが、スティーブジョブズに憧れすぎてシンプルすぎるものを作って不採用にされていました。

普通の会社員デザイナーは普通のものをつくれよってちょっと冷たいことを思っているわたくしでございます。

2021年1月24日日曜日

CoD:BO CW 実況【ゴルバチョフ編】

コール オブ デューティ ブラックオプス コールドウォー

タイトル長すぎてコピペしてきたわ………

深い意味はないけどとにかく

ゴルバチョフが突然出てきて嬉しかったので楽しかった章を先に動画にしました。マイプレシャスメモリーw

イムラン★ザカエフがいい味出してます。頭とヒゲの毛量の違いに注目したい。

あとべリコフまじでかわいすぎる。マイペースなのにいい仕事するスパイだ。MLBが大好きで、ベースボールキャップもらったら大喜びなシーンもあってかわいすぎる。(この動画には入ってないですw)

よくできるスパイって、

目立たない
現地によくなじむ
フレンドリー

とか言いますよね。

 

2021年1月20日水曜日

クワイエット・プレイス

これも結構有名どころだったと思うけど、2が出るというので観てみました。

個人的には非常におもしろくて、引き込まれるホラー映画だったんですが、アマプラの評価がばっくりと「良い」「最悪」の二極化していて、ちょっと笑いました。

昨今あまりにも人の意見が簡単に見れてしまうので、映画観る前は最低限の評判だけ見てから挑むか、まったく見ないで行くか、という感じです。

でもアマゾンにレビュー書く人の民度の低さはちょっと引くっていうか。会社にいる映画好きなおじさんに、わたくし一度「えっおもしろければいいですよね?」ってピシャっと言い放ったことがあるんですが。

おじさんあっさり引き下がりましたね。まあ、話が通じないと思ったのかもしれないけど、褒めたら負けみたいなテンションやめてほしいですね。評論家でもない癖に。 

映画は基本、娯楽ですよ。アメリカ人に訊けば、すぐにわかりますw

で、クワイエット・プレイス、監督はしらない人だけど裏にいる製作はマイケルベイ。マイケルベイの映画は不思議で、大金稼ぎ出す大型娯楽映画が多いものの、「ザ・ロック」は凄すぎてまったく否定する気が起きない。メタルギアも影響受けてるし、コールオブデューティーにいたってはまったく同じシーンを入れてたりする。全世界のミリタリ好きの教科書だし、ミリタリゲームやってなかった私でもこれはすごいと思った。SAS出身のショーンコネリーがアルカトラズ脱獄した設定だけで垂涎ものである。

なので、彼はジャンルによっては人をがっつりひきつけるものが作れるんだと思う。しかしアルマゲドンはいただけない。

この映画は、音を立てたらバケモノに襲われて即死するというシンプルなルールのもと展開する。 ものすごいシンプルなのでわかりやすくてよろしい。そしてサイレント映画みたいに静かに進むので、映像を集中して観るきっかけにもなる。集中力を使うからか、没入感があって、ホラーによく合っている。

ラストオブアスにすごい似てるなって思いながら観ていた。あれはゲームなのでさらに没入感があり、実況入れようとしても大きな声でしゃべる気になれない。クリッカーはまったく同じ設定で少しの音でも大きく聴こえてしまうので、それを利用して遠くにものを投げたりしながら迂回したりするんだけど、緊張感がすごい。特に見つかったときは本当にびびる。クリッカーに目の前で気づかれるとほぼ即死なんで。

アマプラのレビュワーがくだらないツッコミしてたので反論すると、危機的状況下で妊娠するというのはラスアスでもあった。それを非難するのもおかしな話だ。コロナ禍でどれだけの人が結婚しましたか?この1年で。すごい人数でしたよね?あれはなぜだかわかりますか。

人は危機的状況に陥ると、遺伝子から指令がきてパートナー探して繁殖しなければ、って思うんですよ。自分はもう死ぬかもしれない。だったらせめて、何かこの世に残してから死にたいと。

ラスアスもクワイエット・プレイスもそういうことだと思います。どんどん人が死んでいくから、どんどん産まないと、人類が絶えてしまう。

問題は、生まれた瞬間の産声ですよね。あれは、本当に、ドキドキさせられましたね。

緊張感がとにかくすごい。緩急があるので、ずっと怖いとかでもないのも良い。バランスよかったと思います。

あと、ランプの色を変えることで危機的状況を表現したりする、家族の知恵や対策も興味深かった。

個人的にはお父さんがほんといいなあと思った。ちゃんと生き残る方法を具体的に探究してて、熱心で頭がいいし、最終的に父親が残したヒントで娘が対策を発見する。

観てる間は、あのバケモンの弱点はなんなんだ!最後にわかるんだろうか、って思ってすごく観ちゃったし、すこしずつヒントが出てきて、最後見事に弱点が判明するっていうの、視聴者的にはとてもすっきりしますよね。

ただ、ホラー映画としては、冒頭や途中までは怖くておもしろかったけど、あまりにも、「バケモノ」の姿がはっきり見えすぎててちょっとつまらないところはある。その辺はあまりにも、マイケルベイだったw

ホラー映画で一番好きなのは多分ブレアウイッチプロジェクトなんだけど、あれは、1に関しては最後まで何に襲われてるかわからないんですよね。それが一番いいところなのに、消化不良だ!とよく人に言われてたんで、そういう人はクワイエット・プレイス合ってると思います。

でも個人的には、最後まで何に追われてるかわからんのはすごく好きだなあ。色々考察してしまいますね。ヒントが少しずつ出るとかいいですよね。

ドラマでいうとLOSTとか結構その辺よかったですね。あと、デスストランディングも似たような感じですよね。

クワイエット・プレイスは、あのバケモンが結局何しに地球に来たのかとか、その辺ちゃんと描いてほしいですね、2回目は。


2021年1月17日日曜日

ブレードランナー2049

私は正直この映画に関しては懐疑的で、昔の映画を時間が経って続編をつくる時、まずは原作者が関わらなければ大きな失敗になる可能性が大きく、関わっていたとしても多少の失敗は否めないと思っていた。

スターウォーズなんかは、わたしに言わせればかなり最悪な結果になったんじゃないかと思う。冒頭のテロップ読んだだけで爆笑しそうになったからね。

しかし、ブレードランナーは思いのほか面白かった。

今の50代の人たちは口をそろえて「ブレードランナーが好き」という。あまりにも言われるので、2回くらい観てみたんだけれども、どうにも鼻につくかっこつけたSFで、ハリソン・フォードがドSすぎて女性アンドロイドの気持ちになると観てられないものがあった。リドリースコットらしい、全体的に漂うドS感が合わないというか。

今回のブレードランナーは謎を追っていくストーリーで、その謎を解明するまではやはり気になって観てしまうし、そもそもの謎が仰天ものである。割と冒頭で問題提起されるので言ってしまうと、なんとレプリカントが妊娠し、子供を産んだ過去があるというのだ。

レプリカントは、自分たちが奴隷だと思っている。もし、自力で繁殖できるのであれば、人間たちに反乱を起こせると、彼らは思い、団結して隠れて機をうかがっていた。

まあ、ここで問題に思うのは、そもそも人造人間が妊娠できるようにするのは、まず不可能なんじゃないかということ。

いにしえの錬金術師がどんなに頑張っても、生命を生み出すことはできなかった。

性教育で、妊娠する過程をNHKの番組の録画で見せられたんだけど、おそろしく複雑である。

あんなの、機械で作るのは逆に難しいんじゃないか?

だって、まるで合理性がない。大量の精子細胞が、女性の身体に入っても、受精するのはたったのひとつの細胞だ。そもそも、女性がひとりの男性しか選べないのにさらに精子細胞も一個しか受精できないのだ。なんという競争率の高さなのだろう。女性が高飛車になってもこれは自然の摂理としか言えないかもしれない。そして、受精後も着床という儀式がありこれで失敗する可能性もある。人間は生まれてすぐに立ち上がれないし、かなり未熟な状態で産まれてくる。食事、言葉、排泄まで教育しないといけない。そもそも、鶏と違って卵子は月に一回しか排卵されない。

まあその辺をいじったとしてもだ。科学で卵子をわざわざつくることになんの意味が……。最初から、自分の細胞でクローンつくれないのか?と思ってしまう。

それはさておき、彼らにとって繁殖は夢のロストテクノロジーであった。 

レプリカント反乱軍も、ウォレス社長も、どこにいったかわからない(情報をかくらんして、どこかに匿われている)「レプリカントが産んだ子供」を探している。今回は、ずっとその話だ。私たちは、妙にリアルな感情を持つレプリカントのジョー(ライアン・ゴズリング)がその子供なのではないかと思って、その謎が解明されるまで、付き合うことになる。

その謎が少しずつ明かされていく感じ、記憶や、証拠品や、関連する場所を探す作業はとても面白かった。

映像もすごく綺麗でセンスがよくて、ディストピアとなったラスベガスには異様な雰囲気があり、ゴージャスな建物や劇場の中で繰り広げられる格闘は趣があった。

ただ、個人的にはエンディングは「えっこれで終わり」という感じがした。

まあ、反乱軍が反乱始めたところで、

ターミネーターとか、デトロイトビカムヒューマンとか、ウエストワールドみたいになって終わるだけなんで、別にいいか…と思い直しているところです。

ところどころ、不可解なところがあったので、ブレードランナーオタクの考察とか読んでみたいですw


デッカードがレプリカントかどうかって……あれがレプリカントだったら結構それはそれですごいし、あいつが人間のままでもそれはそれですごいし、

レプリカントって年取るんだろうか。ターミネーターのシュワちゃんに訊けばわかるのかしらね……

ところで、リコメンドで一時期めっちゃ流れてきた「ライアンゴズリングの名前を忘れがちなハリソン・フォード」の動画がすごく好きなので貼っておきます。ライアンっていじりたくなるよな……。映画観てるときも「小熊ちゃんみたいだなあ」と思っていた。


チャッピー

第9地区のニール・ブロムカンプ監督の作品です。第9地区は本当に好きな映画で、私の中ではトップ3位に入るのですが(笑)、エリジウムはいまいちで、チャッピーも残念ながらいまいちという結果になりました。

以降、残念ながらニール・ブロムカンプ監督は大きな映画はつくっていないようですね。

ただ、第9地区の独特のテンションの高さは今回も健在で、冒頭ではそのテンションの高さ、ヨハネスブルクのリアルな治安の悪さなど、ワクワクするようなものがありました。

今回は、おそらく、問題なのは、監督がチャッピーを愛しすぎたのではないかということです。チャッピーの教育や心理描写などにかなり時間を割いているような気がします。

多分プロットはもっと短く、第9地区くらいわかりやすく、まっすぐ結末に向かうものでもよかったと思いますが、登場人物の派閥が多すぎて、誰がどっち向いてんだ、って頭の中が混乱します。

まずはチャッピーを作ったお兄さん、ディオン。メタルギアのオタコンを彷彿とさせる、メガネの天才エンジニア。

敵対勢力が細かい。

まず同オフィスにいるヒュージャックマン扮する「ムーア」さん。自分が作ってるムーアっていうかっこいいメタルギアみたいなメカを推したいため、ディオンと敵対する。予算削れって上司に言われてるのに、ディオンが感情を持つAIなんかつくってるからさらに怒。

そしてチャッピーを自分たちの犯罪行為に利用したいギャングたち。こちらも勢力が2つに分かれてしまっており、チャッピーをだまして犯罪に手をそめたところで、別の勢力に狙われて強奪されそうになる。

ギャングは自由で、しょっちゅう意見が分裂するので結構めんどくさい。

唯一、ここは面白いかもなあと思ったのは、ギャングたちが少しずつ、心変わりしていくところですかね。

最初は、チャッピー以外の人間たちはどれだけ「悪」なのかと、思わされることがあるんだけど(チャッピーは純粋な警察官AIのため、周りの人間の嘘に対して激怒する)

ギャングたちも、人の子。

ギャングの女性が、一番最初にチャッピーに母性を抱き、かわいがり、母のように、教育をしたり庇うことで、絶大な信頼を得る。

その恋人らしき男性は、ギリギリまでなかなかヤンキー癖が治らないが、チャッピーに責められてやっと、改心し始める。

ディオンも、チャッピーの部品を間に合わせの消耗品で作ったことを黙っていたけれど、最後にはチャッピーを救う。

第9地区のいいところは、主人公がものすごく浅はかな差別をし続けた結果、自分が差別される側にまわり、後悔や悲しみに暮れるが、結果的には宇宙人たちのために戦うところだと思います。

ニール・ブロムカンプ監督は、人間をあくどいものとして描くことが多いものの、エンディングに向かうにつれて、完全な悪とは言い切れない、人の中に隠された真の「善」みたいなものを描くのが上手いと思う。それは、パンドラの箱の中に残された小さな希望のようで、いつも、ほほえましい気分にさせてくれる。

宇宙人や、チャッピーは、それの媒介である、「善」の存在であるにすぎない。


あと、ロボットのデザインが綺麗じゃないところはすごくよかったです。ムーアは悪いやつみたいに出てくるけど、デザインや動きはめっちゃかっこよくて、すごくメタルギアを彷彿とさせました。

でも、同じようなロボットものなら、まるで抽象画のように画面が綺麗な「オートマタ」のほうが好きですね。

あれは、なんかぼーっと観たいのでエンドレスで適当に流していたい映画ですね。雰囲気が良い。

2021年1月10日日曜日

ミッドサマー

※少々ネタバレしているので、これからご覧になる方はお気をつけください。

 

この映画はツイッタラーの間で流行っていたようで、そのうち観ようと思っていた映画。

配信サイトなどにあるいかにもダークな感じのあらすじからすると、以下のような内容を推測していた。

一つは、残酷な生贄の儀式。あるある。

もう一つは、乱交パーティーか、性的な怪しい儀式。

洗脳など。

実はほぼ全てが詰まっていて、それはもう狂気の沙汰であった。

ペレに誘われたそのミッドサマーの儀式が行われる村は、見た目は純朴で華やかなナチュラリストたちの村で、昔から受け継がれてきた農業や牧畜、伝統などで自給自足をかなえている北欧の村である。

そういえば、アメリカにもこんな自給自足の村があると聞いた。白人至上主義の村とか。

 

「閉鎖的な村」と言うのはホラーにしばしば使われる題材である。

ゲームで言うと「SIREN」が非常に有名だが、限界集落のようなところに主人公たちが興味本意で入っていったら、恐ろしい現象が起きて、大体は村人にされて出れなくなるという都市伝説的な話だ。日本で入ったら出れなくなる村の話は他にもあって、他に安部公房の「砂の女」なんかが有名だ。あの小説も嫌な読後感が抜けなかった。

この手のよくある題材を面白いと思わせるには、「なぜ?」と視聴者に疑問を抱かせられるかにかかっていると思う。SIRENは私は怖くてプレイできないけれど、なぜそんなことになったのか?が気になって人のプレイ動画を一通り観て(笑)さらにウイキペディアも読んで、人が考察してるサイトとかも読んだ。とにかく設定が独特で面白いのである。

ミッドサマーの面白いところは、設定がいまだによくわからないのだけど、詳細に描写されているところである。

まずスウェーデン語がわからないので、字幕が出なければ永遠にわからない。ルーン文字を多用するため、知っているか調べでもしないとそれも永遠にわからない。さらには最初から最後まで、意味不明な儀式と謎の衣装が多数登場する。しかもそれがいちいち芸術的である。
何を飲まされているのかわからないし食べ物も何が入っているのか気になってしまう(実際恐ろしいものが入っているシーンはある)。壁に描かれた絵が異様なものを示唆していて、可愛らしい装飾なのに恐怖感しかないし、なぜか全員同じ部屋でついたてもないところで寝ている。そして、恐いのは村人たちの異様な連帯感である。とにかく「幸せそうに笑っている」のは、SIRENとまったく同じだ。

ミッドサマーの村人たちには、ナチュラリストにしては嫌悪感を伴う要素がいくつかあり、彼らが一般人から見たらいわゆる「悪人」と判断されることは明白である。その要素とは、

1)他所から連れてきた男から種をとるために、媚薬などを使って強引に誘う。男性の承諾をきちんと得ないということはレイプである。

2)しかも種を取り終わった男は罪人扱い。使い捨てである。

3)主人公のダニーも薬漬けにして強引に担ぎ上げ、仲間に引き入れる。

4)薬を飲ませるときにそれが神経に作用する麻薬であることを絶対に教えない上に、そんな代物ではないと平気で嘘をつく。嘘をついちゃあ、いけない。

5)せっかく他所から連れてきた人も都合悪くなるとどんどん殺す。

物語の前半で最初の衝撃シーンがあった時は、まだ説明がまかり通るものであったが、それでもその儀式はやはり見た目が悍ましく、他にもやり方あるだろ!と誰もが思うだろうし、映像としてそれをかなり強調していたので、悪意を感じるようには作られていた。

しかしこの映画をただのホラー映画として捉えるのはやはりぬるいと思うので、もっと考察してみたいと思う。

 

そもそも忘れてはいけないのは、主人公のダニーの抱えている問題である。

冒頭で彼女の抱える問題は明確に提起されており、彼女はパニック障害を抱えている。鬱と少し似ているけれど、鬱側に陥ると取り乱してやたら人に連絡したり、泣いたり喚いたりソワソワしたり走り出したりする感じ。鬱の状態でうずくまっていられないタイプのようだ。体力があるから逃げ出したくなるのだろう。

映画を一通り見終わった後、この恐ろしい儀式に招待したペレに着目して冒頭を見返すと、彼はどうも最初からダニーを村に連れて行きたがっているような素振りが伺える。

彼は、最初からダニーの抱える精神の闇が、あの村に適合するのではないかと推測していたようだ。ペレはいつも達観したような眼差しをたたえているが、彼は家族を失ったダニーに打ち明ける。僕は両親がいないから、あの村で育てられた、のだと。だからペレは村人たちと家族であり、強い絆を結んでいる。

ペレにも、ダニーにも心に大きな穴があり、ダニーはクリスに依存することでそれを埋めようとしていたのだが、クリスは普通の男で、そこまで正直ダニーを愛しきれる自信がなかった。

そこであの村に連れて行かれ、謎の儀式を通しておそらく作為的に、ダニーは「あなたはもう家族よ」と村人たちに絶賛される。

ダニーはその時点では薬漬けだし、のせられているだけだし、文字通り、神輿に担がれ、花で飾られ、一見いい気分のはずだがまだ、そこまで洗脳されきっていない。まだ、クリスに未練があるからである。

だが、最終的にクリスを吹っ切ることで、彼女はラストシーンでやっと微笑むのだが…


これで彼女は幸福になったのかどうか、判断するのはおそらく視聴者の方だろう。ラストシーンを視聴者に託し、そこで考察や推論が飛び交うというのは創造主としては美味しい反応なのではないだろうか。

私は、ダニーはこれで幸福になったと思う。あの村では、何人もの同い年くらいの女性が、彼女の悲しみを分かち合ってくれる。そのシーンはいちいち、凄まじく大袈裟なのだが、一体現代社会で、何人の友人があなたと一緒に号泣してくれるだろうか?

私には、ひとりもいないと言い切れるくらいだ。

ただ、一緒になって泣くと言うのは、決して自立を助けるものではない。

つまり、ダニーは新しい依存先を見つけてしまったのだ。神輿に担がれ大事にされ、泣けば誰かが必ず背中をさすって一緒に泣いてくれる。

映画の中では何度も、たくさんの村人が、彼女に笑顔を向けたり、話しかけたりしてご機嫌をとるシーンが繰り返される。

私はそれを見ながら、こうして定期的に外部から人を招待しては、馴染むかどうかテストしているのだなと推測した。

閉鎖的な村社会のいいところは、村人たちが全員自分のことを知ってくれていること。理解してくれていること(多分)。共感してくれていること。甘やかしてくれること。だからこそ、そこからは逃げることがどんどん困難になっていく。いや、今更逃げてどこへ行こうと言うのだろう。また、あの厳しい競争社会に戻るの?きっとダニーはまた、毎日のように依存先を求めては不安になるたびに発狂するだろう。


彼らは我々の常識から判断すればかなり悪人の類なのだけど、ダニーのような弱い人間にとっては、強固なユートピアを築いていると言わざるを得ない。

そのような組織は日本にもいくらでも存在する。それを極端に描いたのがミッドサマーという映画なのだと思う。昔からよくある題材ではあるものの、それは常に我々に教訓を突きつけてくるのだ、

果たして、自分が今所属している組織、会社、団体などは依存性のあるものなのか?実は悪の側面がないだろうか?自分をスポイルして、自立させないで、引き止めていたりしないだろうか?自分は、そこを出ても一人でやっていけるのか?

私も、今この一瞬でも、それを時々確認しながら、生きるようにしている。

 

もしかしたら、ダニーか、クリスチャンが、うまいこと、あの村から逃げるのではないか、と劇中は何度も願ったのだが、前述の通り、ダニーのパニック障害は強烈で、ほぼ毎晩睡眠薬を必要としていた。逃げてもバッドエンドかもしれない。

最初から、この映画の結末はわかっていたのかもしれない。それでも、なぜか、彼女が自立してくれればいいのに、と願ってしまう自分を見つけてしまう映画でもあった。 果たして幸福とはなんなのか、考えさせられるお話である。

2021年1月9日土曜日

半地下の家族

これはずっと観ようと思っていて観れていなかったんだけれども、

貧困をテーマにしているんだろうなと、なんとなく、前に見た万引き家族と似たような、雰囲気を感じ取っていた。

ただ、もっと大胆なストーリー展開で、ガンガン話が進むので緊張感が途中から凄かった。このままではきっと誰かが死ぬだろうとしか思えなかった。そして嫌な予感は的中した。というか、クライマックスまで伏線をガンガン張ってきて、事件が起こらないほうがおかしいくらいだった。

筋書はめちゃくちゃ荒くて、カオスで、一体どうやって収束させるつもりなんだ、と思っていたけれど、荒いなりに収束していた。しかも、かなり悲しいやり方で。

どこかで読んだような、教訓めいた、昔の童話や道徳の教科書みたいな話である。

楽して稼ぐと必ず失敗する。

しかも、この映画は、ド派手に、大きな代償を払って。

ただ、それだけの、道徳の話とも思えなかった。

「レ・ミゼラブル」というフランスの名作小説で、主人公のジャン・バルジャンはパンが欲しいばかりに教会の銀食器を盗む。

フランスには強いキリスト教の信仰があり、ジャン・バルジャンは神父様に許される。そういう宗教だからだ。昔は、そうやって貧困な人間を許すような文化があった。それが宗教であり、人の心の救いであり、逃げ場であり、だからこそ、キリスト教は強く信仰され、今でもフランスの教会を観光で訪れても、信者は入り口をくぐってマリア像を見るなりかけよってひざまずくのである。

しかし、現代にはそんな信仰があるのだろうか?

半地下の家族は貧困にあえぐ家族だが、それにも勝る貧困ももう一組存在し、そして、富裕層とのコントラストは映画が進むにつれてさらに激しくなっていく。

大雨が降れば、半地下は半水没。避難せざるをえない。日本でも、低い場所に住んでいると水難の被害を受けやすいのは近年ごく当たり前のことになっている。

富裕層は、雨を天候としかとらえておらず、翌日綺麗に晴れると着飾ってパーティーを開く。そして半水没したキム一家をパーティーに誘うという、いかにもおぞましいことをやってのける。


いつか誰かがブチぎれるのは、観ているほうもなんとなくわかってきていて、彼らのストレスはMAXである。観ているほうも、いつまでこんなおぞましい貧困差が続くのだろう、とストレスに感じながら観ることになる。

しかし、やはり、真面目に働かないと、結局は同じことなのだ。

ただし、そこには教訓以上のやるせなさがあった。真面目に働こうとも、生まれの問題もある。日本は特に、何の因果かろくな宗教が根付かなかった。日本の宗教は、なぜかお布施を要求するものが大半で、勧誘が来たら逃げる始末である。だから、どこにも救いがない。

この映画は、そんな「救いのない世界」を鮮やかに描き出し、観客に盛大なカタルシスを呼び起こし、

格差社会は仕方のないことだけど、見過ごすわけにもいかない。

でもズルをして、暴れまわったところで逃げられるものでもない。

それだけを声高に述べているように感じた。


私はこの映画を好きとも思わないし、何度も観たいとも思わないけれど、社会問題のたたきつけ方が豪快で、先が読めそうで読めない荒唐無稽な感じは、面白いなと思った。

すごく簡単に言うと……

ブラックなドリフって感じしません?

2021年1月7日木曜日

「排他松」おそ松さん 3-11

今クールのおそ松さんにはあまり期待できないかなと思ったけど今回は違った………

 

六つ子たちは、なぜか部屋でピザのチラシを囲み、 「実際に注文するわけじゃないけど頼むなら何を頼むか」という話をしていた。

冒頭でカラ松が部屋の隅で無言で雑誌を読んでいるのだが、会話は一松や、チョロ松、トド松のみで進行する。

ついでといわんばかりに十四松、おそ松も登場し、謎の意見を交わし、なぜかお互いの意見をdisり始める。

残るはカラ松だけである。

満を持して、十四松がうっかり「カラ松兄さんも選んでよ!」という。しかしクールにかわし、逃げようとするカラ松。おいうちをかける兄弟たちに、「お前らが選んだものならなんでもいいぜ、ブラザー」といつもの寛大で見栄っ張りな意見を豪快に述べるカラ松。そこがカラ松のいいところなのに、さらに追い打ちをかけ、「ほんとのこと言ってよ」と追いすがる弟たち……。

そこでついにキレるカラ松。

「排他松」と呼ぶ兄弟たちに「いいぜ、排他松って呼んでも」とぶちぎれるカラ松。

彼は、ものすごい大人なキャラクターだったのである。

無言で雑誌を読んだり、「なんでもいいぞ」と言って逃げようとしたのは、兄弟たちの遊びがくだらないと思ったからなのだ。

しかも、直球で「くだらない」と言わず、「お前らの選んだものでいい」という相手を傷つけずむしろ喜ばせるようなことを言って、大人な対応をしようとしたのである。

上級のコミュニケーション能力。

しかし、「くだらなさすぎる」とさんざんキレたあと、彼はすんなり兄弟たちの輪に戻ってきて、「寿司もいいなあ」という会話に混ざっていく。これもすごい大人だ。彼はキレているのに、別に本気で兄弟たちを置いて出ていく風でもなく、そこにい続けた。

カラ松が怒ったり、驚くシーンも結構あるのだが、彼はなんていうのかナルシストをきわめているので芯が太く、カオスなシナリオに多少は叫んだりするものの、必ず戻ってくるし、死んでも普通に生き返る(笑)

兄弟たちと意見が食い違っても自分がブレないが、たまに自分と同じ意見が出ると親指を立てて「ナイス!」と喜ぶ。しかし、「他人と同じでなければいけない」なんて小さいことは考えていないのだ。

私は11話のカラ松の意見を一通り聞いて、そのあとしれっと会話に戻ったり雑誌に戻ったりと実に柔軟性の高い彼を見て、

 

私の目は間違っていなかった……!!と確信した。

 

やはり、カラ松はイイ男だった。


2021年1月4日月曜日

CoD:BO COLD WAR 一周目クリア

あけましておめでとうございます。

今年もこのくだらないブログにお付き合いいただければ幸いです★★(………)

 

コールドウォー1周目クリアしました。

シナリオはやっぱり一作目を越えることは無さそうで、なおかつBO2にも届きませんでしたね……

BO2はBOの大人気を受けて、キャストをほぼそのままで続行したので面白くて当然というのもありましたが、BO2は独特の展開で、冒頭でメイソンに息子がいたり、その息子を操作できたり、過去を回想するという方式でウッズたちを追体験できて、しかもマルチエンディングが手が込んでて、実はウッズやメイソンが生存するエンディングもあるんですよね。

しかもラストおまけがあってそれが抱腹絶倒という…。
敵のメネンデスがあまりにも暑苦しいので記憶に刷り込まれて消えませんねw彼操作できるしw

今回は、あんまりそういうのなかったです。キャストが変わるのは仕方ないとして、メイソンが元気なさすぎてワロタのはどうにかしてほしかったです。あれじゃ別人。ディカプリオを少し大きくしてやる気なくした感じwサム・ワーシントンが声やってた時は、もっとアホっていうか、サムって冷静に見せかけてキレると叫びまくるヤバい男って感じがするので。(ちなみに酔って暴れたことがあるらしい)

ウッズはキャスト変わってもウッズでしたね、変わってないのかもしれないが。判断つかないくらい似てた。 ハドソンは、毎回変わるので今回も違うかもしれませんが、顔はほぼ同じであのクール極まりない性格も変わってなかったです。ハドソンはあの独特の冷静さが肝だと思うので。でも今回ハドソンの役割はどちらかというとアドラーがやってくれていました。

でもACTIVISION的にはシリーズのファンに向けてのサービス的なものを少し用意してくれていて、キャラクターに色々質問できるシーンとかありました。

 

問題はアドラーです。

ロバートレッドフォードに似せすぎではというコメントも見かけましたが確かに似ているw

というか映画「スパイ・ゲーム」が大変気に入っている人が作ったのか、作品自体の雰囲気がよく似ているww

そしてその映画は私の超お気に入りであり、公開された当時は「娘がブラピ目当て、母親がレッドフォード目当てで観にいく映画」と言われていたが、私はブラピファンではないのに、大変面白かった。しかもレッドフォードのほうが映画ではかっこよくて、知らん俳優だけどすごい迫力!とか思っていた。

この映画は上記のようなちゃらい理由で観に行くと「難解」「意味がわからん」と言われがちだが、CIAの腕利きエージェントのレッドフォードがやっている工作について深く考えてはいけない。彼はデスクワークしかしてないように見えるが、ブラピを救う作戦をひとりでやってのけているのである。しかも、自分の金を使っているのは、ちゃんと映画を見ていればわかる(結構さりげなくセリフを話したり、無言で作業を見せたりするので目が離せない)。

部下であったブラピを助けてくれる、イケメンでかっこいい上司の渋いお話なのである。最後は今でも観れば泣く。

それはさておき、このアドラーが何を考えているのかは、結構ギリギリまでわからないのが今回の怖いところ。

1周目プレイした感じだと、「基本的には部下や仲間には優しい」と思ったし、彼の味方でいるうちはよくしてくれると思う。

けど、結末がどうなるかは、プレイしてのお楽しみってことで…。

正直、まあ、スパイの末路って、、、っていう感じではありますね。(しかしだからこそスパイものは甘いシナリオはいかんのだ)

でも作戦室があってみんなでボード囲んで話すのとか大好物です。スパイ大作戦みたいなのが一番好きですけど。


今回はゲストキャラが大変豪華で、レーガンはPVにあったからともかく、

ゴルバチョフはいいですよね~~~

あと、なぜか、イムランザカエフが出てきて超絶イラっときました。ジャージ息子思い出して笑うしかない(しかしあいつは危険)。