2021年12月30日木曜日

マトリックス レザレクションズ、観てきました

あまり期待しないで笑ってやろうかくらいの気持ちで観に行きましたが、ちゃんと前作の三部作を観ている人間だと結構楽しめると思います。

懐かしい表現も多いのに、全然令和の今でも通用するスタイリッシュなビジュアルや表現にはやはり頭が下がりますね。もしウォシャウスキー監督が何十年後も通用するクリエイティブを考えて作ったのだとしたら、やはり天才だと思います。と言うか、いまだにマトリックスのパロディなどは若い人も何度も観ていると思いますし、バレットタイムなんかはあまりにも有名すぎて、元ネタ知らない人もいるんじゃないかと思っちゃいますね。

ただ、マトリックスを初めて見る!という人にとっては、意味不明な上に、主人公は50代のヒゲのおっさんだし、ヒロインも50代の家庭がありそうなおばさんで、テンション下がるかもしれないですねwそりゃー、ただの中年じゃないですけどね。やはりキアヌ・リーヴスは超絶イケメンだと思ったし、 キャリー=アン・モスもすっごい美人だと思います。

 

マトリックスの根幹となる大事なテーマ

マトリックスという作品は根幹のテーマが揺らいでしまったらアウトです。

多くのエンタメ作品に共通するテーマ。「今のまま、同じ現実を繰り返していいのか?」メタ発言のようなセリフのオンパレードで、どっちが現実だか、映画内の本人たちもわからない。

だが、大事なのはぬるま湯につかっている自分に気づくことなのだ。「今のままでいい」「真実など知らなくていい」と青いピルをとる人は、この作品を鑑賞するにはまったく向いていない。

現実は恐ろしいものだ。「現実逃避している」と自覚している人はまだいい。「今のままでいい」「変わらなくていい」と思っている人が、一番危険だよというメッセージである。

 

アラン・ウエイクとの共通点

この作品を鑑賞しているとどうしてもアランウェイクを思い出してしまう。主人公がどことなく似ているからだ。ひげ面のイケメンだが、どこか心に欠陥を抱えている。

アランも、ヒロインであるアリスを救うためだけに奔走するが、彼のクリエイティブ能力により、現実が歪められ襲ってくる。ネオの敵はもっとシンプルで、機械なんだけども、ネオの場合は「クリエイティブ能力」を戦うために発揮しなければならない。それは、「自分は敵を退けることができる」と信じる力である。

アランは自分が蒔いた種を自分の力で収束しなければならないが、自分の意識や信じる力で現実を動かすという点では非常にネオと似ている。

なお、アランウェイクを創り出したサム・レイクは「バレットタイム」を別のゲームに利用しており、マトリックスには影響を受けているようだ。

 

ネオやアランの物語が完成するポイント

ネオもアランも心に欠陥を抱えているが、それはヒロインを得ることで満たされるらしい。特にレザレクションはひたすらトリニティを奪還する物語である。

私は男性ではないので、実はパートナーの重要性がいまだに理解できていない。女性というのはひとりで生きていける生き物だからだ。だが、介護施設で働いていたことのある上司は強く言い放った。「独身男性の終焉はそれはみじめなものである」と。 だからといって、今の奥さんにしつこく迫って5回くらいプロポーズしたというのはあまり聞いていて良い気分にはならない(笑)。

ネオはとにかくトリニティにこだわる。彼はなんと仮想現実の世界でも独身で、大成功をおさめたゲームクリエイターなのに、どこか孤独をもてあましていた。彼に必要だったのは、トリニティだったのだ。

キアヌ・リーブスという役者はまたこのような役にはうってつけであった。キアヌって、写真の静止画で見てるとちょっと顔が綺麗なおっさんなんだけど、やはり大スクリーンで演技をすると、キラキラと輝く瞳は18歳の少年のようである。トリニティは仮想現実ではなんと既婚者だ。そんな彼女にずっと永遠に片思いをする若者のようであった。

現実で既婚者に片思いはしてほしくないけどなw

トリニティの女優さんも昔から大好きで、綺麗でなにより品格高い美人だと思う。今でも、その瞳は吸い込まれるように美しかった。


欠点その1:映画全体としての構成

構成としてはあまりよくない。「ここで終わるんか!」と思うような終わり方だった。できれば続編をつくって欲しいのだが、監督本人がそれを否定している。

https://eiga.com/news/20211228/11/

でもなあ、あの終わり方はちょっと………。

導入から途中までは実にマトリックスらしい構成で、メタ発言のオンパレードに笑ってしまう。だけどやっとそれっぽくなってきたところで、終わってしまうのだ。

クライマックスの大バトルはネオが神みたいになっていて、それなりに面白くはあるのだが、実はキアヌが言うほど「アクションマシマシ」ではない。どっちかっていうとフォースだった。


欠点その2:焼き直しとして使う役者のキャスティングが微妙

主人公とヒロインに旧作の役者をもってこれたのはよかった。でないと前作の神がかったクリエイティビティを引き継げなかったかもしれない。

しかし個人的にはモーフィアスとスミスも前作の役者でよかったんじゃないか?と思う。

というのは、ローレンス・フィッシュバーンとヒューゴ・ウィービングという役者は、個性が強烈だったからだ。

このふたりは今でも活躍しており、出てくると「モーフィアス」って思っちゃうし、ヒューゴ・ウィービングはLOTRでも素晴らしかったけど、癖があるがゆえに愛せるキャラだ。なのにふたりとも、個性がいまいちな役者に替えられてしまった。おかげで前半はなにがなんだかいまいちわからないシーンもあった。


欠点その3:とはいえやっぱり役者が年をとりすぎているw

スターウォーズもインディ・ジョーンズもそうだが、年をとった役者に前作からのシリーズものをやらせるのはやはりきつい。

スターウォーズはまだ、主役にデイジー・リドリーという美女をもってこれたのは素晴らしかったが、最後の最後で老人を復活させたのは笑ってしまった。

インディ・ジョーンズは息子を登場させて引き継ごうとしたが微妙に失敗している。大体似てないし。。

年をとった人にやらせるべきは、

クリント・イーストウッドみたいに老人を生かした映画 もしくは

若いものに引き継いでいく物語

ではないだろうか?

これだと私みたいに、前作を十分映画館で楽しんだ中年以上の人間しか見に行かないかもしれないなあ。

 

もちろん、SF映画として大成功していたマトリックスシリーズの正統な続編だけあって、ビジュアルやファッション、SF表現などのクオリティはピカイチだと思うが、本気でやるなら若い者に引き継ぐ話にするべきだったんでしょうね。

監督の真意はわかりかねますが、「なんとなく続編作った」感がちょっと残念です。 


おまけ:IMAXとドルビーシネマの比較

これは、もしかしたら単に映画館そのものの(その会社の)経営方針かなんかの違いかもしれないし、地域性の問題かもしれませんが、

Dolby Cinema最高じゃないですか!!!

T-JOYが前回よかったので今回もT-JOYにしてみたのですが、せっかくなのでDolbyで体験しようと考えました。

アクセスはユナイテッドシネマの方が若干近いです。T-JOYは、すっごい上に登らないといけないんで、エレベーターでよく焦ったりします。

ユナイテッドシネマにはIMAXがあります。しかし、実をいうと微妙に不満がありました。コントラストが少し弱いのです。私はデザイナー歴15年を越えていますので、コントラストには非常に敏感になっており、ピントの合ってない写真とかもってこられると必ず文句を言うくらいです。(ぶっちゃけピントが合ってない写真しかない場合はひとこと詫びをいれてからもってこいよって思ってます)コントラストが微妙に弱い写真は大体少し上げて、アンシャープマスクをかけてから使いますね。

IMAXに不満を持ったきっかけは、DUNEというよく暗いシーンがある映画で、字幕だけがコントラストが高くて悪目立ちしており、結構イライラした点が多かったことです。うるさいでしょ?私。

つまりですね、黒をどのくらい黒にするか、なんですよ。

プロのWEBデザイナーさんなら知ってると思いますが、純粋な黒(カラーコード#000)は、デザインでは使用するべきではありません。もちろん使っているサイトも多いですが、出来る限り使用しないほうがいい。もしダークモードよろしく使わなければならない場合は、テキストを純粋な白にするべきではない。コントラストが強すぎて残像が残るからです。目にもよくないと思います。

Dolby Cinemaは冒頭で「黒」の説明から始まるのが私的にはささりました。わかってる連中だなという感じです。また、非常灯を消して本当に真っ暗にしてくれたのもよかったですね!よく考えられていますね。

コントラストが綺麗だなと思ったのは、人間の肌の毛穴が良い感じに見えたときと、水しぶきの表現力ですね。そして、字幕も悪目立ちせず、ほどよく画面におさまってました。

階調の幅が綺麗に出ているといったところですかね。

音声もよく調整されていて、うるさすぎなかったです。上品ですね。

 

2021年は、誕生日の翌日に「自分へのプレゼント」として、ミラーレス一眼カメラを買ってやったのですが、非常に勉強になりました。読んだ撮影関連の本は三冊くらい。被写界深度、絞り、シャッタースピードはコンデジでは調整できないので楽しかったです。

秋になってくると薄暗いところでブレるようになったり、露出オーバーの白飛びを起こすようになったので、階調の幅について勉強し始めました。

なにがいいたいかっていうと、まずは観た映像に何か問題があったら何がひっかかるのか考えること。別の視聴方法を試してみること。素敵な映像があったら、なぜ素敵なのかを考えること。そして、それは自分のクリエイティブに流用できるものなのか考えてみること。

例えば私が「これホワイトバランスがいいな」と思うのであれば、それを次回から自分のクリエイティブに生かすこともできるし、ピントの合わせ方や露出が気に入ったらそれを真似していけばいいんだなと思います。

多くの人が細かいところまで鑑賞することなく、なんとなく面白かったとかきれいだったとか感じるだけで去っていくのかもしれないですが、私がもし明日デザイナーを辞めるとなっても、そういった細かいところに気づき考えられる感受性や知性は失わずに生きていきたいなと思っています。それが自分の人間性を豊かにしてくれると思うので。

 


2021年12月29日水曜日

【RDR2】移住失敗体験談

銀行強盗が通報された。俺たちは必死で貨物船に乗り込み、逃亡した。

そしたらまるでアナと雪の女王かっていうくらいベタに難破した。

目が覚めるとそこは南国……

 

ここは どこだ

 

アーサー「ここ、タヒチ!?」

ダッチ「グアームだよ」 

アーサー「グアム???」

ダッチ「キューバの近く」

そこは南国でありながら、残念ながら楽園ではなかった。 



アーサー「ねえアンチャーテッドに強い憧れでもあるの?この格好」

ダッチ「な、ないもん!!」

ダッチの目が泳いでいる。


もう限界だ。ギリギリだ。俺たち、終わりかもしれない。

アジトの場所は、某仲間(女性)がダッチに嫉妬して漏らしたらしく、組織としても終焉が近づいている気がする。

とはいえ、俺に他で働くことなどできるのだろうか?

ついでにいうと俺、病気にかかっちゃって、メアリーの走馬灯とか流れてるなう。ヒエ~~~

 

※RDRは基本的に結構かなりダウナーな作品です

2021年12月25日土曜日

呪術廻戦0 観てきました!

リリース直後なのでネタバレには配慮しつつ書いていこうと思います。

原作は読まないで行きました。

実は一度も原作読んでなくて、アニメしか観てないんですけどね。

 

映画として、0のテーマが非常にまとまりが良かった

あらすじはいろんなところで公開されているのでネタバレにもならないと思うのですが、

主人公は乙骨憂太という少年で、子供の頃に結婚の約束をした「里香ちゃん」が交通事故で急死したのち、呪霊と化してずっと自分にとりついているという設定です。

私はこういうテーマが非常に好きでしてね、、

一番好きなゲーム「BEYOND」は、正体不明の霊体「エイデン」を常におともにしている「ジョディ」が活躍する物語です。 

すごい忠誠心が強く、彼女が「やっちゃってよ」と言えば殺人さえ行う。霊体なのになぜか現実に物理的に作用するという点では今回の話と同じだと思います。(エイデンの姿は形がありませんが)

その「呪霊」をずっとまとわりつかせていた乙骨くんですが、自分の人生に影響がありすぎるので呪いを解くところまでが話なので、わかりやすくてよかったです。呪いを解くシーンはかなり泣けますよね。

ある意味古風な純愛ものだと思いますけど、可愛らしくていいなあと思いました。

あと、本編のTVアニメだと、導入がいまいちよく動機が理解できないストーリーだったのですが、乙骨くんの場合問題提起が非常にはっきりしているので、こっちのほうが圧倒的に理解しやすく入りやすい。自分に霊がとりついているというホラーな設定もその手の話が好きな人は入りやすいですよね。

 

乙骨憂太のキャラクターが非常に良い

この子はそもそも本編アニメでワンカット出てきただけでも大人気っぷりが垣間見えるキャラクターでしたが、今回納得がいきました。

CVが緒方さんなので、なんとも碇シンジ臭がするのですが、私はシンジは苦手なんですが乙骨くんはかなり好きなタイプですね。その違いはというと、プライドの有無のあたりだと思います。

乙骨憂太くんは基本的にすごく良い子で、里香ちゃんのことは本気で純愛なんだと思います。その分繊細で傷つけるのも傷つけられるのも嫌で引きこもっていた。でも根は臆病なだけで超イイ子なので、すぐに仲間たちと打ち解けます。その辺はやけに最初っから反抗的な感じがしたシンジとはだいぶ違うのかなと……(まあシンジの場合周りが強烈すぎるってのもありますが)

シンジくんがかわいいと思ったことはないですが、乙骨くんは普通にかわいいと思います。最後らへんとか無邪気すぎるし。

 

緒方恵美さんのポテンシャルや伸びしろを感じた

緒方さんは蔵馬で知りましたが実は蔵馬が一番好きだったんですよ。でもシンジが人気になりすぎて、もはやシンジくんの声優として定着しちゃってる感がありますよね。

しかし乙骨くんはシンジくんを別の意味で越えていくキャラなんですよね。彼の場合、大好きだった里香ちゃんをふっきるという試練があります。ずっと彼女の死から目を背けていたのに、最後は狂ってしまった彼女を受け入れるという、そこでやっと大人の男性になっていく過程が、シンジとちょっと違うのかなと思います。

その覚悟を決める時の緒方さんの芝居は一見の価値ありです。シンジだとああはならないだろうなって思いました。

あとシンジが大人の男性になれたのかっていうと私は「神にはなってたっぽいけど結局女性任せな気がする…」と思っていますw シンジの成長って、父親をふっきることなんですよね…。

 

里香の愛は果たして重いのか?

私が大学生の時くらいに気になったのが、やたら「重い」という言葉が流行りだし、告白のことを「告る」と言ったり、すごく恋愛がカジュアルになっていったことでした。友人までもが同じように言っていたのですが、私は

「重い愛は悪いことなんだろうか?愛は重いほうが本物なんじゃないのか?」

とずっと思っていました。なので、0に関してはすごく共感するところがあります。

ずっとカジュアルな恋愛でもいいんでしょうけど、周りを見てると、本気で好きじゃない人と結婚してる人ってなんか相手の健康状態にも責任持たないし、他人事みたいに言うんですよね。

極端な話、そういう関係ってお互いを殺しあうことなんじゃないかなあって思います。 実際パートナーが先に亡くなってしまう人って大体他人事みたいな扱いしてた結果なんですよね。

この映画に関しては、「里香ちゃんは重いよ」なんて思ってしまう人はなんの共感もしないで終わってしまいそうですなぁ。


あとのキャラクターは箇条書きでざっくり書いていこうと思います。

 

棘くん

私はTVアニメのキャラデザの方が好きなのですが、今回髪型とポッケに突っ込んだ手が、なんかヤンキー臭がしましたwでも乙骨くんにしてみれば、無口でも同い年の男子は彼だけ(パンダはちょっと…)。

棘は見た目と言動が独特なものの、基本的には男らしい(乙骨に比べるとかなり大人ww)優しさが垣間見えるため、乙骨とは良いコンビだったと思います。すごく仲良しで可愛らしいコンビでした。棘くん身長低いんですよね。TVアニメだともうちょっと伸びてた気がします。

あとその男らしさとかもそうなんだけど、前から思ってたけど彼はなかなか渋いキャラですよねww

 

真希さん

真希さんは前からちょっと苦手だ。とにかく強すぎるし隙がねぇ。

すごいなと思ったのがぱんつが見えてもあんまり気にしないでものすごいアクションを繰り広げるところですね。真希さん好きなら楽しいと思います!

 

パンダ

TVアニメとあまり変わらなかったw

 

五条悟

アホみたいに強い。バーフバリにしか見えない。なんなんだこの人ww

強すぎて逆に興味が湧かない。逆に五条のファンってすごいなと思う。グッドルッキングなところに惹かれているのならわかりやすくていいけど。

 

夏油

今回の映画強いて言えば、この悪役の意図が微妙に理解しがたいところが問題ですかね…双子の女の子たちの復讐劇だったら理解できたのかもしれませんが。。 

 

ナナミン

さて皆さんトリですけども私の呪術の推しはナナミンです。ナナミンを上司に欲しいし、ナナミンを恋人にしたいし、ナナミンと結婚したいし、ナナミンとパンを食べたいし、ナナミンと一緒に資産形成していきたいし、ナナミンと縁側でお茶を飲んでいきたいです。

でも予告編には一切ナナミンが出てこないので、もう出てこないものだと思って映画を観ていました。そしたら!なんと、顔だけは出てきたわけですよ。あ、でもしゃべらないパターンじゃないの?コレ。と思っていたら

突然ネクタイをゆるめながら「ここは私が」

みなさーん、これはネタバレではないと思いたいですが、

ナナミンは登場しますし、戦いますし、ちょっとだけセリフがありますよ!!!

やはりナナミンは常に冷静で仏頂面でかっこよかったですよ。微妙に目立ちますよね、あの風貌。

なのに性格が地味なのがいいところです!

 

あと、真依ちゃんとか他のTVアニメのキャラクターも一言ずつ出番があって、結構丁寧でした。TVアニメファンにも配慮があるのは、優しさですよね。


 

 


2021年12月23日木曜日

【RDR2】タヒチ移住計画

「アーサー。タヒチを知ってるか。タヒチに移住しようぜ

「は!????」

 「南の島だ。あそこなら法務官も追って来れまい。真の自由がそこにある。それに寒くない」

「いや、あの……タヒチってどこ」

「南国。常夏の島。年間平均気温は25°C」

「おお。いいね」

「だろ?こんなイメージだ」



「まって俺たちこんな風になるの?もはやこれなんのゲームだよ」

「面白そうだろ」

「カルチャーショックに慣れるのに時間かかりそう。

メアリー、ついてきてくれるかなあ」

「メアリーはこんな感じになるだろうな」


「セクシーーーッッ!!!」

「いいだろ?そのためには金が要る。銀行強盗すっぞ」

「しかし、相手はイタリアンマフィアやぞ。リスキーじゃない??」

「馬鹿野郎!!!ロックスターゲームズで銀行強盗しないなんて、ロックスターゲームズの名が泣くわ」

タヒチに行ったら、たぶん海のお魚を毎日食べるだけだし、大して寒くないので、お金そんなに要るのかなあって思った。もしかしたら、船の旅に金がかかるのかも、しれないなぁ。

でもなんでタヒチ?遠くない??^^;;;

最近ダッチが言ってることがよくわからないよ~~。。

 

2021年12月21日火曜日

RDR2 (2)元カノとのデート

メアリーから手紙が届いた。信じられねぇ。俺たちはアジトを転々としてるってのに、なんで住所がわかるんだ。あり得ないだろ。メアリーが天才なのか、それともヴァイオレットエヴァーガーデンが探してくれたのか。

とにかく、元カノに「助けて」なんて言われたら、どーしても会いに行きたくなっちゃうのが男ってもんだ。情けない話だが。

メアリーは元気そうだったが、事情を聞くと父親がなんか大変らしいので、後をつけることになった。メアリーと探偵ごっこをしてる気分だった。ああ、なんて楽しいんだ。メアリーの父親にはボロカスに言われて結婚を諦めたってのに、メアリーは相変わらず最高だった。

メアリーは母の形見であるブローチを勝手に売り飛ばす父親を見て激怒。仕方ない、俺が力ずくで奪い返してきた。まったく、なんでここまでやっちまうんだか。

でもメアリーが俺のことを好きだとしたら、このお人好しなところだ。いいひとをやめてしまったら、もう手紙すらくれなくなるだろう。力尽くで奪い返したけど、暴力はやめておいた。彼女のためだ。ああ俺ってなんていいやつなんだろう。

ご褒美なのかわからないが、メアリーに「観劇しよう」と誘われた。久々のデートに、俺はついついテンションが上がってしまうのを、極力抑えて「そうだな行くか」なんて気楽な返事をした。でも多分バレてる。メアリーには、俺の気持ちはいつもバレてる。だから好かれている。変な関係だ。でもわかっている。実は俺たちは、両思いだってことも。

別れ際に、感極まったメアリーに駆け落ちを迫られたが、俺はそれがくるのもなんとなく読めていた。もっと金がなければ、真の自由は得られない。

もし、あそこに残してきた大金が手に入ったら、その時こそ俺は自由だ。

メアリーは手紙を書くと約束してくれた。

だからなんで俺たちの住所わかるんだよ、おかしいだろ。


俺たちは元から両思いだった。俺がギャングをやってなかったら、うまくいってたはずだった。でも、物心ついた頃からダッチは父親以上の存在だった。

おかしな話だが、俺たちは、ギャングをやめるために、ギャングをやっているのだ。

2021年12月14日火曜日

レッドデッドリデンプション2始めました(1)

このゲームは長いのであえてやらないでいたのですが、のんびりできるゲームが冬の生活に合っているので、ちょいと購入してみました

のんびりしてるんだけど長く感じるね~、やっぱり


というのは、ストーリーだけ進めてもいいんだけど、すっごい呼び止められるんですよ。

でも怪しい人は助けないし、決闘も受けないです。

善人は助けるんだけど今日は延々と旦那の愚痴を聞かされましたw「馬より働かねぇ」ってwおもしろいんですけどね。あと報酬もくれたし。

ロックスターゲームズと言えば、映画「フリーガイ」のモデルになったGTAと同じ会社。つまり大量のモブキャラがオープンワールドに生息しています。銀行は今のところ見てませんが

通りすがり、敵のギャング、郵便局、駅馬車、肉屋、雑貨屋、武器屋、宿屋、馬屋、全部にモブキャラがいて顔も違うしCVもついてる。ロックスターゲームズ恐るべし。

私は犯罪やりたくないんだけど今回は犯罪色強めです。とほほ~~撃たれながら逃げるの苦手なんすよ。今日なんか、愛馬に振り落とされました。もう無理ってなると落とされる。 

酔っ払いの朝。これはイベントで普段はこんなに酔ってませんw
 

オープンワールドとしては楽しくて、ついつい狩猟してしまいます。というのは、野生動物を綺麗に狩ると仲間も喜ぶし(ちゃんとセリフで「いい獲物だな」とか言ってくれる)、肉屋も高く買ってくれるし、あとお店のセリフが「また会ったな」とかに変わるのもすごい細かい。釣りはちょっとめんどくさいなと思った。あまり高く売れないし。

あと薬草を摘むと色々作れるんだけど、ひげのおっさんがお花摘んでる絵面が爆笑です。

キャンプも無料でいくらでもできて、狩った獲物をさばいて焼いたり薬草で薬を作ったり、完全にゴールデンカムイ。

 


ロックスターゲームズは自由なので犯罪もいくらでもできるんだけど、実は懸賞金をかけられたり、基本的にユーザーに不都合なことばかり起きてしまいます。その辺はリアルと近いのが素晴らしいですね。

でもストーリーで強制的にひどい大犯罪を行う羽目になるので、結局追われるんですけどね……今回は、ジョン(前作の主人公)みたいに「贖罪」がテーマではないので、どういうストーリーにもっていくのかよくわからないです。それが不満と言えば不満。完全に西部劇を自由に楽しむ善良な?ウエストワールドですね(犯罪もできるけどさw)。

だけど、今回の主人公アーサーが私は憎み切れないというか結構好きなんですよね。ジャック(子供)にもすごく好かれているし。

 

クマのようなおっさんなんだけど、普段は穏やかでベテラン色が強くて頼もしい。でもどっか所在ない感じがかわいいです。サム・ワーシントンを太らせて年をとらせて動きとCVがリーアムニーソンとクリスプラットを足して2で割ったみたいな感じですかねw (意味わかんねぇよ)

2021年12月3日金曜日

ANNA 最強の女スパイ

リュック・ベッソンがまたやらかした。

またいつものパターンで、かわいくてクールでコケティッシュで小悪魔な女の子を連れてきた。名前はアナ。ロシア人の美女。

この映画は難解ではない。

ただ、時系列がしょっちゅう入れ替わる。「実はこうでした~!」系のお話で、そこが「おおっ」って来るから面白い。

それ以外は、正直、「ニキータ」の焼き直しにしか見えなかった、のだが!

後半で大どんでん返しがあり、

ありゃ?どうするよ!のあと、

結論がまたすごい。

でもリュック・ベッソンはいつも、女性の味方なのだと思う。

「男を信頼するな。自分を信頼しろ」

「私の欲しいものは、自由」

そして、仕事でこきつかわれ、周りのひっぱりだこになる優秀なアナの、唯一の望み「自由になること」をかなえてくれるのは、実は女性の上司だったりするから、面白い。

先日バーフバリを観て、大筋はムキムキマッチョな男たちの活躍物語だったにも関わらず私の心に残ったのは、女性キャラクターのありえないくらいの強さであった。しかも、肉体的に強いだけでなく、精神面がアホみたいに強かった。

そして意外と心に残ったいいシーンが、こちら。

シヴァガミは男性の王が現れるまで国を取り仕切る非常に気の強い女性だったが、バーフバリが失脚し、その子供も殺されかねないとなった時、子供の母に駆け寄り、「なにをしてるの、逃げなさい」と声をかけるシーンがあるのだが、この時だけとても表情が豊かで、いつものすごい迫力の目力が優しくなっているのである。

そう、最近年増の女性が若い女性を助ける、女性同士の連携物語が多い気がする。

「最後の決闘裁判」では姑がマジで性格が悪くて見ている方もハンカチをくわえてひっぱりそうな勢いであったが、あの話はヒロインがひたすらいじめられるのを、最後の決闘でやっつけられますように!と願うような展開で、そういう意味では盛り上がった。

だが、シヴァガミやアナの上司は若い女性を助けにいくのだ。そういえば「スキャンダル」も女同士の助けあいのシーンがあった。我々おばちゃんは、若い女の子を助けてやらねばならない。私も母親との確執は枚挙にいとまがないほどだ。母親というのは自分はいつまでも女だと思っているし、それは間違いないのだが、これから受難の山を登ってくる若い女性を助けてやるのもその使命ではないだろうか?

そりゃ昔は知らない男に嫁がされ、産めるだけ子供を産まされて、男を産むようプレッシャーをかけられたり、世間に恨みは多いかもしれない。だけど、そのようなことが二度と起こらないようにするのが、先輩のつとめだ。

私は中途半端におばちゃんだけれど、

決してセクハラに屈しない
同調圧力に屈しない
男性上司にもきちんと意見を言う
男に媚びない
男の要望を察してあげない

といった姿勢を貫くことによって、会社の若い子たちに「媚びなくても、ひとりでも、仕事ができれば生きていける」ことを示したいと思う。

映画の感想としては遠回りになってしまったが、途中まではよくあるリュック・ベッソン的女スパイ映画であったが、最終的な「自由を手に入れる」ための戦いというのは、凄かった。

ヘレンミレン上司とのやり取りもすごかったけど、私が一番驚いたのは、KGBの同僚と、CIAの工作員を同じ場所で順番にキスしてあげるシーンです。

あっけにとられますよねw

どっちが好きって?どっちも好きだし、選ばないわ。それが、リュック・ベッソン映画よ。

 

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B08HWG86Q1/ref=atv_dp_share_cu_r

2021年11月28日日曜日

バーフバリ、履修しました

大変人気だという話を小耳にはさみましたもので(笑)、レンタルセールに乗じて借りて観ました。

これは、映画館で観た方がいいやつですね。

インド、こんなに広いのか!というほどのスケールの大きさで、2部作4時間にわたり、CGをふんだんに使用し(笑)一大スペクタクルを繰り広げる、王国の物語。とにかく長い。時間がないとレンタル期間中に観られるか怪しいくらい。

テーマはあまりにも「あるある」なのですが、人気の理由は……。

やっぱりありえない演出の数々、ですかね!何回か笑ってしまいました。迷シーンのオンパレード。みなさんはどれが一番ウケたのか……

私は、なんか木を思いっきりひっぱって飛んで敵の陣地に入るやつ爆笑でしたw

あと、バーフバリが一回だけ瞬間移動したので二度見しましたw彼はたった一回だけ、瞬間移動するのですが、もはや人間とは思えません……

そしてもうひとつは、やはり情熱!熱意ですね。

国を守るぞ!!という気合も素晴らしいですが、私が気に入っているのは

セクハラ親父への罰、ですかね。

誇り高きデーヴァセーナを触ろうとしたおっさんの指、4本を容赦なく斬り落とす、 デーヴァセーナ(本人w)。

捕らえられ、国王の前で詰問されるデーヴァセーナの前に、旦那のバーフバリが登場、はっきりことの次第を問いただし、デーヴァセーナへ一言。「お前は間違っているな」

視聴者はここで「え?」と思うが、次の瞬間痴漢の首を斬り落とすバーフバリ。「斬り落とすべきは首だった」

こえええ!!!!!バーフバリ、セクハラに容赦ねぇ!

レイプ大国インドには、そんな厳しい一面もあるのだッ!!

 

女性擁護の側面はかなり強い

先ほどのシーンは一番激しい例だが、実は結構何度もこのような激しい「伝説的な」シーンがあり、それも人気の秘訣だろう。国王なきあと、マヒシュマティは国母「シヴァガミ」によって統一された。

最初は「女の後ろに誰がつくものか」と笑っていた男たちだったが、いつのまにか味方を増やしていたシヴァガミは、侮辱した男たちをその場で臣下に斬り殺させる。

激しい。

インドの女、強い。

アヴァンティカは二代目バーフバリの想い人であるが、この人もアホみたいに強い。というか正直、ヒロイン3人ともアホみたいに強いぞ。

バーフバリの恋も描写が長いのだが、彼の最終的な告白文句は「私のすべてはあなたのもの」であり、橋の代わりに自分を踏ませたりするし、結局国を追われることになっても、女性の誇りを優先し、自分が犠牲となった。

かといって、男性陣の激しい戦いのシーンは存在するので、戦争エンターテイメントとしては完成している。


キャラクターも面白い

バーフバリは典型的なインド的ヒーロー(インドのヒーローは仏教に基づき、徳が高いのが特徴である)。ライバルである従兄弟のバラーラデーヴァは冷血漢で優しさや人徳に欠ける。

面白いのはその両親。父親は障害を理由にやる気をなくしていてクズに成り下がっているところがあるが、母のシヴァガミはものすごい強気なリーダーシップを発揮する。息子に、自分を疑う日が来るかもしれない、という教えさえ授けている聡明な母だ。

総じて女性キャラはどの人も強気で正しく、聡明である。

しかしどうしようもない男たちにも、それぞれのドラマがあり、私は「カッタッパ」が一番のお気に入りだ。

彼は奴隷の身分でありながら、バーフバリに「父」と呼ばれるほど、近くで彼を教育し、支えてきた。基本的には非常に忠誠心の高い、徳も高い人物だが、1つだけ、大きな罪を犯すことになるのである。 

カッタッパはひねりのあるいいキャラクターだった。役者の表情にも、良い人特有の優しさと深みがある。

あと個人的には、「シヴァガミ」大好きなんですよ。女王of女王ですよね。あの時代、「私が女王として君臨します」と高らかに宣言するところから、迷うことなく女をバカにした男を斬り殺させる、残忍さと決断力。マジ、インドの女性怖いw

常に目が手術中のドクターXなのもよかったです!w

そして決断は概ね間違っていなかったものの、最終的には間違えることになるが、男どものように必死で命乞いとかそういうのは、誇り高きシヴァガミにはないのである。かっこいい。


でも基本的には話の筋がわかんなくても(役者が2代にわたって同じ人なので時系列がわかんなくなったりするけど)、スケールの大きさとむちゃくちゃな戦闘シーンに「おお~」って思ってるだけで終わるから、ストレスたまってる時とかに、いいですよ。

あとなんとなく世界に失望している時とかに観ると、無理やり元気にさせられます。マサラとインドの力。ナマステ。 (カレーのスパイスは鬱病を防ぐ力があるとされています)

スローモーションや、フレーム飛ばし(多分飛ばしてると思うw)による見せ方は面白かったですね、ちょっとやってみたくなりますねw

2021年11月25日木曜日

I feel pretty!

アイ・フィール・プリティ

という映画がある。このタイトルは今度スピルバーグがリメイクする「ウエストサイドストーリー」の中で歌われる歌と同じタイトルだ。

ぶっちゃけ関係ないけど。

基本のテーマは「ルッキズム」からの解放、外見へのバイアスなどの問題にかなりストレートで露骨に斬りこんだ作品だが、一方で全体をコメディに仕上げている。

もちろんだ。ルッキズムなんかを真剣にとらえたら多くの人は不機嫌になってしまうだろう。誰だってコンプレックスはある。

しかし、外見の話以外にも面白いテーマがいくつか仕込まれていて、そこは感心するべきだと思った。

主人公のレネーはやたらと露骨に外見で差別される。まあ、アメリカの学校にいたときはローティーンだったしあの時期は外見でスクールカーストが決まっていたといっても過言ではない。それからなぜかジュニアハイスクールに入ると突然みんな化粧をし始めてパーマをかけ、美しいストレートヘアーを当時は細かいパーマにしてしまうのが流行していた。

なので、あの露骨な外見差別には、私も慣れているというか、「そんなもん」なのである、まあ日本だと、ちょっとあれはないかなと思うけど。

でもレネーは確かに太っているけど、顔は綺麗なんですよね…そこがあまり説得力ないんですが。

変化は、彼女が頭を打っただけでなぜか自分が超美人(体型的に)に変わったと思い込むところから始まる。

つまり「彼女の中では」ルッキズムから解放された状態。自己肯定感は爆上がりして、受付の仕事に応募し、ウキウキしながら出かけ、自分をアピールする。

 

自信と仕事に対するモチベーションの関連性

面接で、自分の外見に自信を持ったレネーはちょっと過剰な自慢も披露するが、「もしかしたら受付の仕事の次はモデルになるかもしれないって思ってるでしょ?でも私はここの受付の仕事がしたいの。ここにいるべきだと、みんなに思わせたい」など、会社の看板になることの重要性や意欲をハキハキと主張する。

上司の女性は少し自分に自信がなくて、彼女の自信と愛社精神に頼りがいを感じて採用。太ったままではあるものの、レネーはお客様の要望を簡単に見抜いて喜ばせたり、豊富な知識で相手をほめたたえたりする、頭の回転は早いし、リスペクトや愛の精神があった。

つまり、実のところ外見はあまり関係なかったのである。(ぶっちゃけ明るい性格だし美人な方だけど)

 

自信と恋愛の関連性

彼女の外見は変わっていないにも関わらず自分がモテるに違いないと信じているレネーは、勘違いから男をデートに誘い(誘われるものだと思っていたのでw)「怖い」と言いながらもついてくる男とだんだん仲良くなっていく。

彼は、レネーの過剰な自信を最初は怖いと思っていたが、面白い上に自信からくる前向きなパワーに惹かれていく。しかも、バーでのふるまいから他人にも大絶賛される。

つまり、ここでも外見は関係なかったのである。

 

ホモソーシャルからの解放

この男、イーサンは度々「男社会は苦手」と口にする。どちらかというと女性のような優し気で頼りなさげな冴えない雰囲気のイーサン。筋肉もないし姿勢も悪い。 

彼はどうもホモソーシャルが苦手なようだ。

私もホモソーシャルな世界は本当に苦手だ。九州はまだその傾向が強くて、とにかく喫煙者が多い。喫煙所で友達をつくるからだと思う。男性社員は入社時は吸わなくても、いつの間にか喫煙者に変貌していてガッカリすることがある。タバコのにおいはオフィスに戻ってもすぐに消えないからだ。キャバクラに行くのは構わないが、特に行きたがっていない部下の男性社員も連れていくところを見るとなんとなくげんなりする。

イーサンは「ズンバ」というジムのプログラムにハマっているが、確かにあれは女性のユーザーが多いので、レネーに「女っぽい」と言われる。けど、別に否定しているわけではない。それがイーサンの個性であり、誰もズンバは女だけなんてことは言っていない。ヨガもそうだ。

それに私は男くさいエクササイズ、ボクササイズもやったことあるしボディパンプも何度も参加しているけど、特にボクササイズはなんか勘違いした男性がちらほらいる。自分は戦える!男らしい!とかなんか思ってそうな人。謎に自己演出している人。

この手の人は実際に変質者が出たら一発殴れるのか、懐疑的である。 

まあそれよりかわいそうなのはホモソーシャル世界に職場で振り回される男性陣である。私も「男性は粗野で苦手」という男性に遭ったことがある。このかわいそうな人たちにも、この映画では救いの手を差し伸べている。

それからもっとぶっちゃけるとホモソーシャルにどっぷり浸かってる男性はモテないので、ズンバやヨガや編み物にハマっている男性は安心していただいて大丈夫です。

 

外見が良い女性の悩みにも斬りこむ

上司のエイブリーは美しいしお金持ちだが、声にコンプレックスがある。かわいくて日本なら確実にモテる感じの声なのだが、確かにレネーの太い身体から出る力強くて元気のいい声に比べると、ちょっと頭が悪そうというか、企業の看板としては、威厳に欠ける。彼女はレネーの力を借りてプレゼンを上手く進めたいと思っていた。 

また、ジムで出会った抜群のプロポーションの美人は、ジムのロッカールームで泣いていた。彼女は頭が悪いから振られた、というのだ。

つまり、外見がよくてもどうにもならないこともある。

また、私の経験上、ルックスが良さがかえって足をひっぱり、本領発揮できないことがある。外見が良いと性格を評価する前に頭の悪そうな男性が虫のように引き寄せられ、夢中になって追い回すので、まともな男性と交際するチャンスを逃しがちである。また、仕事の面接でも女性としての価値で測られがちだ。外見の良い女性は、身をおく環境をよく考えたほうがいい。


外見が良いと思い込んでいるうちは、まだルッキズムの魔の手中にある。レネーはまた頭を打って、思い込み(幻覚)が消えてしまい、また自信を喪失してしまう。コメディ映画なので派手に自信を失う。

エイブリーも、イーサンも、友人も、彼女の外見の話なんか一度もしていないのに。

しかしご都合主義なのか、彼女のいささか傲慢ともとれる自慢や自信をスルーして、良いところを見てくれていた彼らは、思い切って戻ってきたレネーをまた歓迎するのであった。

自信の裏付けとはなんだろうか?

私は、外見以外で彼女の良さを認めてくれる人たち、それが本来の自信だったのでは?と思う。 

つまり、愛されていることを実感し、それに感謝することだ。

あのまま突っ走っていたら、もしかしたらレネーは友人や恋人を失っていたかもしれない。実際別の男に迫られたりもしていた。

映画としては、寸止めでいったん我に返ったとたん、自信を失うことで彼女は救われたが、自信をつけることの素晴らしさとともに、周りも自分も冷静に見るバランスが必要なのだと思う。 

とまあ堅苦しい感じに書いたけど、あんまり真面目に見るというよりは、外見でうんぬんかんぬん言われてショックだった時とかに観ると元気出ると思います!

いまだに無神経な発言する人は、たくさんいますからね。


2021年11月21日日曜日

クローバーフィールド/HAKAISHA 観ました!

すごい映画でした、、、この手の映画は賛否がハッキリ分かれると思います。ブレアウイッチプロジェクトと全く同じ手法で、あくまでも主人公の主観のビデオテープで撮った体で表現された映画です。

しかし私はこの手法が大好きらしく、見終わった後は謎に涙が流れました。

これほどまでに鮮やかに絶望を描けるなんて………

見終わった後、冒頭だけを再生して、更に泣く。

「これは、かつてセントラルパークと呼ばれた地域で発見されたカメラの中に残っていた映像である」

「米国の所有物 複製禁止」

つまり、もうセントラル・パークは存在しない。

カメラを拾ったのは米軍でしょう。

それだけで、私の想像が補完されて、大満足です。

世の中には、怪獣に襲われるパニック映画が大量にあります。

ですが、正直似たようなものが多いのも事実。

しかしこの映画は上手いですね、あくまでも、襲撃された被害者、一般人のカメラからの視点を貫いています。なのに、映像が綺麗で構図も考えられており、実は一般人が撮ったらこんなにわかりやすくはならないんですよね。

そして、謎の生物の音響もすごく良くて、映画館で観たかったなあと思いました。

ニクイ演出なのが、ビデオテープの上書きだというところなんです!デジタルだとこういう、一部だけ上書き、途中から上書きは難しいというか、普通出来ないんですけど。

前のビデオテープが、デートなんですよ。すごく平和なの。残酷ですよね〜!!カップルで見て、「今平和でよかったな」と再認識するのにいいんじゃないですかね。

無惨に殺されていく、破壊されていく中、時々デートの映像が一瞬映る。泣きそうですね。


怪獣映画はCGをふんだんに使用して、スケールでっかく!っていうのが多いと思いますが、本作はニュース映像でしか怪獣を上から見る事ができません。一応ヘリに乗るシーンもあるのですが……まあ、お決まりの展開ですね……

一般人だと、その怪獣がなんなのか、シンゴジラみたいに解析とか出来ないじゃないですか。だから、次々と起こる異変に、ただ見る、騒ぐことしかできない。でもそれが、リアルで良かったですね。やっぱりね、外から怪獣見ちゃうとちょっと興醒めしちゃうんですよね。これほどリアリティにストイックにフォーカスし続けた怪獣映画は他にないと思います。

そしてストイックに最後の最後までハンディカム映像であることを貫き続けた、見事なエンディング。

もう、終わるってわかっているのに、最後までガン見しちゃいました。

人を選ぶと思いますが、徹底的に被害者の視点を貫き、没入体験型にした点で、私の中ではパニック怪獣映画ナンバーワンに選ばせていただきます。

ありがとう……涙

JJエイブラムスはね、やれるやつだと私は思うよ。なんかLOSTっぽさあったもん。

コードネーム U.N.C.L.E. を観て

先日ガイ・リッチーの映画を観て「この人何撮ってたっけ…」と思って調べたときに一番気になったのはこの映画でした。 

評価もかなり高い!

楽しい感じのおしゃれでノリノリなスパイ映画です!こういうのが撮りたい人だったんだなあ~と思いました。

冒頭のタイトルなどが出る映像で、「若くて冷戦すら知らない人たち」でも一発でわかるような「東西冷戦の説明」が流れますwこれが非常にわかりやすい!

特筆すべきは、相棒ものなのですが、主人公はアメリカ人スパイで、相棒はロシア人スパイ。こんなんありえないでしょ、と思いましたが案の定、しょっちゅう衝突するし、相手を貶めようとするし、技術力で張り合うし……コメディなのでおもしろくていいのですが。

キャラクターは本当によかったです。

主人公の「ソロ」はジェームズ・ボンドの物真似かと言いたいくらい、すごいボンド臭がしてたんですけど、それもそのはず、どうやら彼はボンドの最終選考に残ってたそうです…。若いから落ちたんだとか!

完璧でレトロなルックス、スーツの着こなし、美しい英語とイケボ、生意気で頭のいい性格、次々と女をたらしこむ習性…すべてがボンドっぽかったですw

相方のロシア人「イリヤ」は頑なで神経質でコンプレックスの塊、怒りっぽい性格で「ちょっとスパイ向きではなさそう」と思ったのですが、相棒としてはソロが軟派すぎるのでバランスがとれてました。凸凹コンビでしたが両方すごいイケメンなので、女性としては楽しくてたまりませんねえ~~~w上司はヒューグラントだしw

ヒロインのギャビーはすごくかわいくて強気、任務に就く前に、イリヤが丹念に衣装を選ぶのですが(イリヤと婚約している設定で偽装するので)、レトロな衣装がぴったりで、ものすごいかわいいんですよね~

そして偽装婚約しているイリヤが、堅物だけど婚約のシチュエーションにのめりこんで、嫉妬とかしてかわいかったです。恋愛の描写はあまりない代わりに、そんな淡い独占欲がイリヤの初々しさを感じさせました。まじでこいつKGBやってて大丈夫なのかw

そんな3人組でビジュアル的にもかなりよかったですね~ 

ロケーションもイタリアとかすごく美しかったし。

あと潜入時の映像の見せ方が、マンガのコマ割りみたいになってて面白かったり、色々と全体的に工夫があって、飽きないようになっていたと思います。一応ちょっとしたコメディなのでセリフとかやり口とかも面白くて、私は特にラストは舌を巻きましたね。

小道具の使い方が上手すぎる!えっ、そこでそれ回収するの?!かっこよすぎー!!

とにかく粋でオシャレでした。

続編があるかのような終わり方でしたが、またやってくれないですかね。とても楽しいノリのシリーズになりそう!


2021年11月18日木曜日

ホラー映画2連発(2)「ゲット・アウト」

これは映画評論家みたいな感じの人がネットの記事でおすすめしていましたが、確かに話が面白いですね。

「世にも奇妙な物語」のような感じのお話です。ミッドサマーとも似てますね。ミステリー調のホラー映画です。

人種が違う人と結婚すると、日本でも結構差別されますが、今回は実家にご挨拶ってだけなのに黒人の主人公は心配します。

そして、差別ではない謎のもてなしを受けます。でも私から見たらあきらかに差別かなという感じでした。たとえば私に対して故意にアメリカ人がパールハーバーの話をふっかけてきて「気にしてないぜ、俺らが勝ったし」とか言ってくる感じw

まあ、その辺まではよかったんですよ。ちょっと感じ悪い、くらいですから。

私が一番怖かったのは、「沈黙のビンゴゲーム」ですねw

ああいうエピソードは強烈だし、「よく考えついたな~!!」と感激しましたww非常に独創的!!

ビンゴゲームの主催者の横にあるのは……。

 

ネタバレなのであんまり詳しく書けないんですけど、あきらかにやばいものを見つけた主人公は逃げるべくして、彼女の実家を出ようとするところで捕まってしまうのですが、こっから先も長くてですね!

まるでドントブリーズのように、ひっぱるひっぱる。でもやっぱり、果たして主人公は逃げられるのか、気になっちゃって見ちゃいますね。

逃げ方は普通でしたが、結構いろんな人が追ってきてちょっと笑いそうになりました。しつこいなあ…って。

 

そういえばレビューに書いている人がいましたが、黒人の英語には発音に大きな特徴があるんですよね。でもそれは、方言みたいなもので、白人っぽくしゃべることもできます。

私は黒人英語が結構好きで、ラップも黒人のほうがやっぱり好きだし、ゲームとかでも出てくるとちょっと楽しい気分になるのですが、今回はその「イントネーション」が大きなヒントとなりました。

この「聞き分け」ができる日本人はどのくらいいるのかわかりませんが、もともとメンインブラックもそういうところが面白かったりします。ウイルスミスの軽薄な英語と、トミーリージョーンズのインテリ系白人英語のコントラストがユーモラスではありましたね。

主人公の親友のキャラクターがめっちゃいい味出してました。ホラー映画なのにノリがよくて…。あれも黒人の陽気な性格ならでは、ですね。

ホラー映画2連発(1)「イット・フォローズ」

これはあらすじとサムネイルでなんとなく見始めましたが、結構面白くて一気に最後まで観ました。

とてもホラー映画らしい撮り方や演出で、ホラーを楽しみたい人にはぴったりです。

「イット」はピエロではなく…。私に言わせれば限定された人に見える幽霊で、姿はころころ変わります。

まあちょっとアメリカンだなと思ったのが、「頭に銃弾が当たると倒れる」ところwww

なぜアメリカ人は幽霊に銃を撃つのか!銃社会だから……w

この映画、レトロな画づくりを徹底していて、2014年の映画なのに主人公たちは白黒映画やレトロなアニメーションを観ています。あまり、現代っぽくありません。映像の色もフィルム作品のような色合いにしています。でもそれが私としては非常に気に入りまして。

あと音楽もですね、むか~しの、ブレードランナーみたいなシンセの音を使っていて、全然いまどきじゃないんです。 

乗っている車もなんか古いフォードの車っぽいやつ。

都市伝説っぽさとか、昔の若き頃の思い出を振り返るような雰囲気を出したかったのですかね。

主人公たちは二十歳前後といった感じでしょうか。

ただこの映画の欠点というか周りにおすすめしづらい(笑)ところは、この幽霊が追うのは特定の人物とセックスをした人間なのですね。

最初はヒロインが付き合ったばかりの彼氏とセックスをしたあと、「それ」が追ってくることを見せられます。そして、「それ」が追ってこないようにするには、他の男とセックスして「うつせ」と言われます。

もうただ、ひたすら、こればっかりなのですが、もし評価が低いとしたら理由は

・そもそも「それ」がなんなのかよくわからん(起源が)
・結局あまりなにも解決してないっぽい終わり方
・頻繁にセックスが出てくるw

ところかもしれません。

テーマもちょっとよくわからなかったものの、かなり薄味にぼかされていますが、最後らへんで娼婦が写されます。

もしかしたら昔娼婦とセックスをした男が、例えば結婚するつもりだったのに捨てたとか、色々恨まれて追いかけまわされたのでは…?などと、想像しました。ただし、男も追ってくることがあります。

でもこの映画がホラー映画として素晴らしいと思ったのは、もうなんの意味もなく、ただひたすら、「何かが追ってくる恐怖の演出」がめっちゃくちゃ怖くてですね!!

うまいんですよね。一言もしゃべらない幽霊のようななにか。

最高に気に入っているシーンは、

・すごいノックされたり、散々ドアノブガチャガチャ回されて、友人の声を確認して安心してドアを開けたのに、友人が入ってくると後ろからおしのけるように入ってくる「それ」(これは何度観てもウケます)

・みんなで海辺でくつろいでいて、ヒロイン以外は「それ」が見えないので誰も気づかないんだけど、かなり前からカメラには映っている「それ」

これは本当に面白かったです。「あ、あれいるじゃん!」って観客は思ってるのに誰ひとり、気づくことができない。これってかなり面白い演出だと思いますね。すごい遠くから歩いてきて、「それ」は絶対走れないんです。なので、こちらに近づくまで見続けるしかないのが、怖いです。

観客からは、ヒロインに声をかけられないという当たり前のジレンマがなんか手に汗握って面白かったです。

2021年11月14日日曜日

「アイス・ロード」観てきました

リーアムファンとしては観るしか選択肢はありませんでした。

ですが、正直言って今回はここ数年で一番の駄作だと思います。思いますが、リーアムファンとしてはやはり、レベルの高いリーアムの悲しむ演技にどうしても泣かされます。本当にエモい芝居が上手いので、こんな安っぽいアクション映画に出てないで、もうちょっと重い映画に出ればいいのに…。彼が表情を変えただけで、映画が生き生きと生命力を持つくらいの力があるのに。

リーアムは、貧乏な兄弟の物語に心打たれたのでしょう。もちろんそういったシーンも多いのですが、アクションやサスペンスに重きをおいているので、いまいち伝わってきません。弟さんが失語症で、そういった「マイノリティ」しかも、退役軍人の戦時中の怪我から来る症状であることに重きをおけば、エモい話になりそうですが、あくまでも氷上のサスペンスとカーアクションにフォーカスしているなと感じました。

リーアムの見どころと言えば後半で、弟が危険な目にあったり、真の悪党が判明してからの例の「リーアムの静かな怒り」が発動してからが最高ですね。特に「あいつはやっつける」と決意したドアップの顔がよかったですね!

でもね、ひとつ大きな欠点がありました。

悪党の動機があまりにも非情でサイコパスで、理解不能なのです。

帰宅してからレビューを読み漁って、やっぱりあいつらは金以上のモチベーションもなく人間を見殺しにしようとしていたと確信し「なんともつまらん」と思いましたw

ターミネーターならわかりますよ。彼らは命令に従って動いているだけなので。でも普通の人間が、国家規模の諜報機関のフィールドワーカーでもあるまいし、人殺しに容易に加担するんでしょうかね。

多くの方が書いている通り、「アイスロードを渡り切れるか」のほうに重点をおいたほうがすっきりはしますが、アイスロードには正直、何もありません。

本当に氷しかない。

空にはオーロラがかかり、幻想的な雰囲気の中、ドライバーたちはノリノリで音楽を聴きながら緊急のレスキュー装置を運ぶだけなので、ここでトラブルが起きるとしたら、やはり氷が割れる、くらいしかないんですよね……。

舞台としてはとても綺麗なんだけど、こりゃーストーリーが作りにくいなとは感じました。悪党が細工をしてたあたりから話は面白かったんだけど、動機がまったくもって理解不能、です。

ただ、あんなにひどい悪党にいろんなことされても、横転したトラックを丁寧に立て直すわ、壊されたトラックをその場で修理するわ、牽引を完璧にやってのけるわ、リーアム側の兄弟の実力(特に弟)はとてもしっかりしていて、実直に生きていくことの勇気をもらえますね。

弟キャラは本当によくて、この映画の清涼剤なんですけど、失語症で兄もキレたりするので(マイクの欠点は、すぐに人を殴るところwたまにスカッとするけど)、周りに振り回されて大変だなと思いました。

特に散々いうこと聞け!と怒鳴るシーンがあるけれど、弟が正しいことを言ってるシーンとかは、「こういうのあるよね」って共感しました。

なかなか、正しい意見が通らない世の中ですが、いずれ報われると信じたいところです。

ザ・ハント

ホラー映画のひとつとしてウォッチリストに入れてたんですが、

あんまりホラーって感じではなかったです。サスペンスだけどめちゃくちゃすぎるのでちょっとあっけにとられて笑ってしまうような、ちょっとギャグな感じの展開でした。

ブチギレ映画っていうか。タランティーノっぽさある。

下半身を吹っ飛ばされてる人が上半身だけで喋りますかね?結構冷静だったので「お前はビショップか!」ってツッコミました。

序盤はどこからか眠らされて連れてこられた人たちが、知らない森で目覚めて狩られ、逃げ出すところまで。

人が殺されて数が減る中、満を持して現れるのが「スノーボール」と呼ばれるクリステル。金髪の気の強そうな女性です。

どうも敵側は「白人が嫌い」らしく、狩られる側は目の覚めるような美しい金髪の女性とか明らかな白人が多い。

この「スノーボール」が異様に強くてですね、何気ない会話で「アフガンで戦ってたわ」ってあんた………(笑)

なんというかひたすら、このクリステルがバカスカ戦い続けるヒーロー映画みたいになってましたが、彼女の素早い判断能力は魅力的でかっこいいなと思いました。強いし頭もいいんですよね。なんかキル・ビルみたいな。

ただ、色々と疑問が残りました。

・クリステルは人違いよ、と言っているが本当だろうか。写真は明らかに彼女だったような…?

・どこに連れてこられたか結局よくわからない…。

周りがすっごい嘘つくんですよ。どいつもこいつも嘘ばっかりなので、もうどれが本当かわからない。

その辺を考察するのは面白いかもしれません。

一体どういう意図でこんな映画作ったんだwwって思うような内容ですが、トランプ大統領がお怒りだったそうなので、ちょっと痛快さを感じましたw白人差別や難民問題も描かれてましたからね。白い豚っていうのは……おそらく……

クリステルが徹底的に容赦なくやりかえすのがよかったなと思います。

人種差別の映画としてはエンタメすぎるのでどっちかっていうと女性ヒーローが活躍するサバイバルアドベンチャーでちょっとブラックジョークな映画だなあと思いました。


2021年11月13日土曜日

「キャッシュトラック」観てきました

リーアムファンだったら、今日は喜ぶべきリーアム新作映画の公開日なのだが、どうやらユナイテッドシネマ的には大々的に売り出したいらしく、しばらく観れそうな感じだった。(例の銀行強盗が改心するやつはやってくれなかったのに。あと除雪車の話もw←多分リーアムがちょっと悪いとやってくれないw)

コロナ禍でレイトショーが制限された時、TJOYの割引チケットを買ったのが1枚余っていたのだがなぜかそこではリーアム映画をやっていなかったw思案した挙句、ステイサム映画を観ることに。

金曜仕事が終わったあと、映画を観るってのは最高だ。特にステイサムなんかは、いい。

ステイサムの新作映画があるのは知っていたが、10月は他にも観たいのがあったので、どうせすぐ終わっちゃうだろうと思って放っておいたら、なぜかしぶとく生き残っていたのだw見てくれと言わんばかりである。

結果的には「意外とよかった」「9割方楽しめた」という感じ。すっきりするし9割方面白かった。 

残念な点は、エンディングかな。全然ひねりがないwどうせこうなるだろう、と予測していた通りに終わってしまったw

しかしその直前までは、こりゃーどうなる??って感じ。

ざっくりというと、1/3くらいはちょっとしたミステリー。現金輸送車の高度なセキュリティ会社にステイサムが中途採用でやってくる。

ものすごいクールで全然笑わないが、ちょっかい出してくるやつらはうまくあしらう。とにかく冷静で肝が据わっている。「こいつ、何者だ???」

謎の転校生!!のような展開が面白い。ステイサムのキャラにはピッタリである。

また、ステイサムが奇妙な行動をとるたびに、視聴者側としては、何か調べるために入社したっぽいことがわかってくる。

しかも現金輸送車がしょっちゅう狙われる嫌な世の中に描かれているが、ステイサムはいとも簡単に強盗たちをやっつけてしまう。(このシーンが実は一番かっこいい) 

ますます何者だ??となるが、時系列を入れ替えて丁寧な説明がされる。ここまではかなり丁寧だ。

後半がだれる、という感想の人の気持ちもわかる。ステイサムは復讐のために真犯人を探しているのだが、この真犯人たちがなんともつまらない、うだつの上がらない、退役軍人たちで、「年金がほしい」とかわけのわからないことを言っている。

日本は貧乏な国と認定されつつあるし(インフラ整ってるからかなりマシだと思うけど)、iDecoやNISAみたいな初心者向けの投資制度も整っているから、日本人の感覚で言うと真面目に貯めて真面目に投資していれば老後もなんとかなると思うのだが、彼らにはそんな認識はないようだ…。

強いて言えばこの悪党どもの中にイケメンがちらほらいて、注目すべきはクリントイーストウッドの息子さん、スコット・イーストウッドかな。役としてはあまり良くないが、確かに見栄えはいい。さすがクリント氏の遺伝子だ。

この悪党どもが厳重な装備でステイサムの会社を襲いに来る、クライマックスの銃撃戦はなかなかの緊張感があり、応援したくなった。

この作品の欠点としては:

ステイサムがギリギリまでアクションしてくれない(とにかく見せ場が少ないのが残念…)

ステイサムの最大の見せ場は序盤で終わってる感がある

悪党どもの会話がつまらない。モチベーションが年金とか…

エンディングがしょぼい

ヒロインが一見魅力的なんだがあんまり生かされていなかった 

内通者がサイコパスすぎて意味不明。

「キャッシュトラック」っていう邦題はダサい。(Wrath of Manも良くないけどね)

 

良いところは:

テンポや緊張感はよい。ハラハラとさせて見せる力はあったと思う

序盤のひねりは魅力的だった(特にステイサムファンは歓喜)

内通者の正体が凄い(これが一番びっくりしたわww)

ジョシュ・ハートネットがなんかかわいい

銃撃戦は意外と面白かった。反撃する人、しない人がいて、反撃する人の熱いファイトがよかった。あれは盛り上がるぜ!

ステイサムの正体もなかなかいい。もしステイサムがただの退役軍人やFormer MI6とかだったらありきたりだが。しかしあの設定もちょっと生かし切れていないかな……


あとソニーなんちゃら4Kって書いてあったけど映像がクリアで綺麗でした。TJOYが綺麗なのか、そもそもスクリーンが小さいからなのかw

2021年11月7日日曜日

「最後の決闘裁判」観てきました

この映画はポスターやキービジュアルのデザインが素晴らしく、デザイナーとして参考になりました。ただあらすじを読んで嫌な感じがしたので、観ようか迷っていたのですが、やっと夜の上映が始まったので(なぜか福岡ではこの作品を朝に上映するところが多かったw朝からこれを観るのはきつい……)観てきました。予告編の壮大でものすごいクオリティの映像が決め手となりました。

本編ももちろん映像がものすごい美しくクオリティ高く、さすがリドリー・スコット!と思いました。しかし、内容はやはりえぐいなと思いました。レイプされたことが理由で裁判をするわけですから、必ずレイプシーンは出てきますからね。

百年戦争の時代の話なので、お城や甲冑、街の雰囲気など、画作りはさすがだな~と思いました、まるで動く絵画のようで、レンブラントとかを思い出します。ゲームでいうと「プレイグテイル」と似たような雰囲気で、ディテールにもこだわっているのがわかったので(知らないしきたりとか色々出てきました)、時代考証にも力を入れていると感じます。

この映画は「あなたが、 この裁判の証人となる」とうたい文句にある通り、それぞれの視点から物語が描かれるのが面白い構成になっています。 

 

ジャン・ド・カルージュ(マット・デイモン)について

彼は確かに無骨で不愛想なところがありますが、女性の視点から観ると、かなりの安全パイかと(笑)

劇中で「男はみんな馬鹿よ」って脇キャラが言ってますが、どうせバカならカルージュみたいに嫉妬深くて束縛強いけど他の男からは守ってくれる人がいいですね、私はw

個人的には、不愛想なものの、決闘で決着をつけてやる!それが俺の愛情!みたいな覚悟の強さは賞賛できました。

彼の主張が面白いのは、奥さんから観るとちょっと違うwんだけど、彼自身は全力をもって奥さんを愛し、守ってる!っていう主張なんですよね。これは夫婦のすれ違いだと思うのですが、私はカルージュの主張のほうがかわいくていいかなと思いましたw

 

ジャック・ル・グリ(アダム・ドライバー)について

惜しいなと思ったのが、このル・グリがどうしても悪にしか見えないところですかねw

もうちょっと善人ぽさがあれば、観客の同情を得られたかもしれないし映画の感想として多少意見がわかれて面白かったかもしれませんが、

私から見るとどうしようもない悪人にしか見えませんでした…。もしくは前述通りのバカ、それも悪い方のバカ。

もしくはル・グリが好きな人もいるんだろうか…

私ももうだいぶいい年なのであえて言いますけどこの手の口だけ「愛してる」って言ってくる男なんか腐るほどいますよ。

ル・グリのキャラクター造形で残念なのが、「知性の高い男」という設定なのにとにかく女好きで色恋の噂が絶えないんだけど、あの口説き方には知性感じなかったんだよね…。性欲に頭半分くらい支配されているようにしか見えなかったので、あれで無罪とかちょっと厳しいかな…。 


マルグリットについて

問題は彼女がどう思うか、なんだと思いますが、確かに私も気になってすごい見入ってしまいました。

結論から言うと彼女はものすごい勇敢で、善き人間だと思います。好感しか持てませんでした。なにしろ思考がまともだし、頭もいいし、旦那より領地をまわすのが上手いのでは。私も悪には果敢に立ち向かいたい人なので、感情移入しやすかったです。

とても悲しいなと思ったのが、もし決闘に負けたら彼女も死ぬことになるのですが、やっとこさ産んだ子供を置いていくことになってしまう、だったら黙っていればよかった……とつぶやくところですね。これは泣けるところです。

子供のためなら自分の屈辱も無にしよう。素晴らしい母親ですね。と同時に悲しいと思いました。

 

この作品のテーマって結局なんなのか……

決闘中は、マルグリットは逃げられないよう枷をはめられていて見届けるしかありませんが、私も彼女にはたいそう感情移入したのでずっと自分の両手をしびれるまで握って観ておりました。というか狂気ですよね。

ふたりの男が自分をめぐって殺し合いをして、旦那が負けたら自分も死ぬなんてね。病気ですわ。

それで観てて途中からすごく思ったことが、

もうどうでもいいわ……

ってことです。悪い意味じゃないですよ。そりゃ旦那に勝って欲しいけれど、自分が死ぬかもしれないんで、疲れてそう思いました。

それが言いたいことなんじゃないかな?って思いました。

劇中、彼女は正直男どもに振り回されてるだけの人生なんですよ。人生ってなに?義母にもそういう質問をするんですけどね。

でも子供には罪はない。彼女の判断は正しいと思います。

まあつまり男に振りまわされる人生はやめておけ……ってとこですかね。

私も始終男から逃げ回ってますからね。なんか今の会社はそういう意味ではクレイジーだと思いますが。なぜか女好きがうようよいるので気持ち悪くて。しばらく飲み会に参加してないし今後も参加はしないかなー。

女性を応援する映画ではあると思います。

 

劇中で印象的だったのが神父さんの聖書の引用。もうこれにすべてがかかってるなと思ったし、やはりキリスト教や宗教には意味があるんだなと思わせる引用です。

「情欲をいだいて女を見る者は、心の中ですでに姦淫をしたのである。」という一節です。これは、私を欲情した目で見てる会社の男性陣にメールで送りつけたいような一文ですね(意味わからないかもしれないけどw)。

 

サスペンス的な観点から観ると、私は義母の行動に結構疑問を感じました。

まさかレイプの手引きとかしてないですよね?いくら仲が悪いからって…。

その辺、最後はあまり描かれてなかったのが残念でしたが、もし自分の息子が決闘するって言いだしたら死ぬ可能性が出てくるのに、けしかけたんだったらちょっと一発殴りたいところですが。

私は義母だろうが旦那だろうが悪いやつは殴りたくなるんで、あんまり普通の結婚は向いてないだろうなw

2021年11月5日金曜日

グラン・トリノ

ものすごい評価が高い。4.5とかめったにあり得ない。3.0でも面白い映画がある世の中なのに。

クリントイーストウッドは「運び屋」を飛行機で観ていたく感動し、クリントをちゃんと観たのは初めてだったが他も観たいなと思った。しかしこの「グラン・トリノ」は本当に名作と言われるだけはあると思う。じいちゃん映画の最高峰。

西部劇で大活躍したクリントイーストウッドのことだ、退役軍人のおじいちゃん役はぴったり。毒舌もお似合い。というかこんなかっこいいじいちゃんめったにいない。最強クラスである。しかも退役軍人で朝鮮戦争では何人も人を殺したという。来ましたよ、また強いじいちゃんキャラ。

人種差別が色濃くはびこる治安の悪い地域で頑として動かず犬と暮らし続けるじいちゃん。あんたはドントブリーズですかw

お隣さんがちょっとうるさいもんだから文句言った結果、なぜか仲良しになってしまう。

しかし、彼らはかなりタチの悪いギャングに悩まされていた。 違う人種ならわかるのだが、これが「従兄弟」なのがちょっと気になった。その前に黒人にも絡まれているんだけど、最終ボスがなんと同じ民族なのだ。なんだかなあ。まあ、日本も日本人同士のいざこざが多いからね。

この映画のエンディングに関しては、非常に考えさせられるものがあった。

一言でいうと、徳が高い。

と同時に、なんとも男らしい。

主人公は何度も「タオ」少年に男らしく生きる術を教え込む。自分の息子とはうまくいかなかったから、タオを息子に見立てたのだろう。だが、なんとなく主人公には終わりが近づいているんだろうな、という伏線がいくつかあった。

おそらく病気なのにそれも頑なに、隠し通すが、誰にもみっともない姿を見せず、終わろうというあの覚悟。じいちゃん、かっこいいです。

「グラン・トリノ」は正直泣けない。ドントブリーズが泣けるのは、じいちゃんが良心の呵責に悩まされたり自分の狂気を告白するから、弱みを見せるからだ。クリントはあまりにも完璧にかっこよすぎるからである。だけど、こういう映画もいい。 

見終わった直後の感想は「ああ酒が飲みたい畜生、人生なんてやってらんねぇなあ…(グビッ)」であった。

誰もが男らしくなってしまう……そんな男気溢れる映画だと思いますw

じいちゃんだけどさ。じいちゃんから学ぶことは、ほんとたくさん、あるよ。

2021年10月31日日曜日

ハロウィンだぜロックンロール!!【アランウエイク実況1】

アンダーソン兄弟だけをピックアップした動画を作成。

自分のためです。

このじいちゃんを見てると、なぜか元気になれますw

特に「イエーイ!」「ヴァルハラ~!」のシーンは何度観ても笑ってしまう…… 

じいちゃんの農場で流れるロックはじいちゃんたちの曲らしいのですが、こんなさわやかなボーカルだったんですねw

どうも自分はじいちゃん好きな気がする今日この頃、、、年取るとスケベ心が減るからですかね?世界で一番好きな実在する男性は、今年96になる母方の祖父です。ロックンロール。

 

2021年10月30日土曜日

ロン 僕のポンコツ・ボット 観てきました

とても素晴らしい映画だったので、観ようか迷ってる人はぜひ観てね!

後悔は、しないと思います!

 

この作品は、キービジュアルだけ見ると結構「??」っていう感じではあるのですがね……

コメディだけど、すごいいいところついてくる楽しい映画でしたよ。大人でも全然楽しめます。

この世界では、BボットというiPhoneをアンドロイドにしたようなデバイスが流行っていて学校の子供たちは皆一個ずつ持っています。しかし主人公の家は変人家族でお金があまりなくて、買うことができません。

そこで父親が壊れかけているBボットを格安で譲りうけたのですが、まあ半分壊れているので、わけのわからん言動が多いAIとなってしまいました。設定も半分以上ぶっとんでてインストールされていません。

ですが、それがめちゃくちゃな行動をとるのがかなり面白いです。前半は全然静かな「こころあたたまる物語」ではなくて、ロンに大人も含め皆が振り回されます。

テーマとしては、

本当の友情は何か?というと簡単ですが、私としては

人間関係の正しい在り方

みたいなものを感じました。

SNSがもたらした弊害が次々と、映し出されます。

こだわりが強くなりすぎて、友人を限定してしまうがゆえに友人を作りにくい状況。

「いいね!」をもらうことだけに固執して、自分を偽りつづける女の子。

面白いことや派手なことをして動画を配信しなければ、自分の価値を失ってしまうと思っている少年。 日本でもよく問題になっている、迷惑系YouTuberですね。

過剰な承認欲求に囚われた結果、幸せを失っていく。

こないだ港で船を待つ列に並んでいたら、目の前の女の子たちがこんなことを言っていました。

「SNSやらない人のほうが幸せだって言うよね。」

ああわかる、SNSにどっぷりだと、他人より優れなければならないと、競争心を煽られますからね。特にインスタ映えでバズってる女の子の正体なんて、知らないほうが幸せかもしれません。今フィルターやメイクテクニックってちょっと異常ですからね。

(そういえば月曜から夜更かしを観ていらっしゃる方は知ってますよね。おっさんがアプリ使って超美女に変身してるアカウントwww)

 

では他人と人間関係を築く際には何が重要なのか?

おそらくそれは、SNSを通さないで、ありのままを評価することだと私は思います。できれば、国籍、肌の色、言語やルックス、ステータスなどを排除した状況で。

もちろん、私もインターネットの仕事をしているし、ネットワークを介して世界中の人間とつながることができるのは素晴らしいことです。でも、女の子のように、自分を偽ることにハマりすぎて、最終的にひどい動画が自動で流れてしまったりすると、そのバズった動画だけで彼女が評価されてしまいますよね。意外と、その子普通の女の子だったりするのに。

私も友達をつくるのがものすごい下手くそだし、気に入らないことがあると裏切ったり喧嘩をしたりしてしまう、自分でも恐ろしい人間だと思うことがあります。小学生の時に軽い裏切りにあってから、真面目に友人を作ろうと思わなくなってしまいまして、この主人公には自分を重ねる部分が多々ありました。

友達を選ぶのも重要です。自慢ばかりしてくる人やマウントしてくる人についていっても、特にメリットはないと私は思っています。

やはり対等が一番。

そんな感じのメッセージがあると思います。


映画としても、ハチャメチャなロンの言動がすごく楽しいし、あの顔文字みたいな顔でとても表情が豊か。それになにより可愛らしいです。ロンは見ていてまったく飽きませんでした。声は若めのおっさんなんですけどねww

そもそもこの映画に興味を持ったのも、ロンのロボットデザインがとても可愛らしいと思ったからです。シンプルなんですけどね。動くとさらにかわいいですよ!!

それからターミネーターみたいに、ロボットが人間に反逆しても、それを戦争や「最後の審判だ!」みたいなシリアス調にはしていません。かなりコミカルにカオスに描くので、アニメーションとしても盛り上がり楽しめる内容になっています。これをギャグに仕立てるというのが大変センスが良いなあと。

小学生高学年から中学生くらいのお子さんでも楽しめると思いますが、我々インターネット老人会からするとものすごく懐かしい効果音が…。

電話回線でインターネットにつなぐ時のあの音が入っていますよ。インターネット老人会よ、立ち上がれ。

この映画を観て、ともに泣きましょう(笑)

2021年10月29日金曜日

「エスター」観ました

むしゃくしゃしてたのでホラー映画をみようと思い、

先日うっかり見てしまった「ホラー映画ランキング」で上位に入ってたこの映画を選びました。(あのホラー映画ランキングはブレアウイッチが入ってないので偽物だ!と思っていますがw)

結論から言ってヘレディタリーほど怖くはなかったです。

ただ、この「エスター」というキャラクターには様々な感情を抱きました。

私は割とヴィランなキャラクターに肩入れするタイプなので、最初はエスター、周りの大人が気に入らないんだろうな。癇癪起こしてかわいそうだ。キリスト教の厳格な教えとか守ってるのに、周りの子供たちにもいじめられる。なんて思っていました。

彼女が絵を描くのが好きなことから、結構エスターには自分を重ねて同情もしていました。

 

ですが2/3くらいで彼女の驚愕の正体が明らかになります。そこでちょっと同情できなくなってきてしまい、話としては面白かったのですが、「なーんだ…」となってしまいました。

 

エスターは主要キャラクターで顔もかわいいし、なんとか救ってやれないものか、と思ってしまう人もいると思うんですよね。でもこの映画の筋書だと彼女を救えるものがなんにも提示されていないんですよね。

ドントブリーズだったら、じいちゃんは襲撃される側だし、私はすごく同情したし、救いは2でも表現されてたから、あの映画シリーズは本当に良いなあと思ってるんですが。

エスターは救いようがないですね。子供にあんなことやそんなことをさせるのも、どうなのかなあと思いました。

「ミュンヒハウゼン症候群」という有名な精神疾患がありますね。自分を傷つけて、周りからいたわってもらおうというものです。

アメリカに住んでいた時、自傷行為をしてしまうのは勧められないからか、先生に

「誰かに構って欲しい時は、ばんそうこうを顔に貼っておくといいよ」

なんておまじないみたいなものを教わりましたがw

エスターはそれの最上級みたいなことをしていて、あのシーンはさすがに「他人を傷つけるのはまだしも自分を傷つけるなんて……」と頭を抱えました。ものすごい痛そうだったし、普通はできないと思います(汗)。しかもそれで同情をひいた結果がアレか…。

伏線は出てたし、大体読めましたが、正体が正体だけに、消化不良を感じております。

ああ、切ないよエスター。誰か彼女を救ってやってくれ。まあ確かに性格も根性も悪かったけど、彼女が欲しがっていたものは、わかるんだ……。

 

果たしてむしゃくしゃはおさまったのかというとあまりおさまってないのですが、ホラーやサスペンス映画のいいところはクライマックスはさすがに現実のことを忘れて没頭できるのでちょっと問題から離れられるのが、良いですね!


ヴィランキャラクターに肩入れすると言えば、私割とこういうキャラクターをよしよしってしたくなる時があります。

自分の中の悪い部分を重ねて、こいつらは癒してやらないといかんな。という変な正義感に目覚めるんですよね。でも私の中に人間に向ける愛情があるとすれば、その辺しかないですから。

2021年10月27日水曜日

アランウェイク(4) キャラクター考察(ネタバレ注意)

DLC「小説家」、クリアしました!今回も幻想的なステージが多くて相変わらずのクリエイティビティに感激。

しかしやっぱり終わりませんでした!

しかも謎に迫る書き方をしておいて、解決はなし。

アラン「スクラッチってもう1人の俺でしょ?」

ゼイン「違うな」

アラン「クリッカーのことは…」

ゼイン「今は先を急げ、アラン」

ええー、はぐらかすの〜!!!

どうりで考察読んでもわからんはずだw

しかも10年経って続編がなくて、これがリマスターだからね。グラフィックさして綺麗でもないというw

それでも熱望したい!続編、お願いします!!!

アランウェイクの魅力は語ってるとキリがなくて正直まだ書き足りない。あの謎のハイテンションもいいと思う。ユーザーに説明がなさすぎる状態で強引に進めるあの感じ、嫌いじゃない。

今回はキャラクターの掘り下げをしたいと思う。

 

アラン・ウェイク

主人公。実は苦労してベストセラー作家になったので、天然の天才と言うよりは自意識過剰でガツガツしてるところがある。

それが災いしてスランプにうまく対処できない。天然な天才ならここで身勝手に休暇をとると思うのだが…。

アランは自分の人気が落ちるのも不安なのだろう。プライドは高そうだ。反抗的で短気、気が強くて血の気も多い。

そんなアランが、成長する物語の側面もある。作家にしては荒々しい性格が、このゲームにはぴったりだ。


アリス・ウェイク

カメラマン。自意識過剰なアランを可愛いと思ったのか、撮影しながらそれとなく口説いている。自分のわがままな性分をアリスに見抜かれて、アランは甘えているのかなという印象があった。

バリー

正直うざいが忠誠心の高さでアランのプライドを満足させるので、ウマが合うっぽい。シリアスな性格じゃないから闇に飲まれにくい笑

私が超苦手とするタイプだが、アランに夢中だったら別にいいかな。

ローズ

彼女はなぜ闇に飲まれたのか?やはりアランにハマりすぎたのかもしれない。推しに精神的に狂わされるタイプ。

シンシアがトムに心酔していたのと同じように、彼女も推しにハマりすぎて闇に操られ、最終的にはシンシアと全く同じ「ランプを大事に抱える女性」になってしまった。これじゃループになってしまう。本当にそれでいいのか、アラン、彼女も救ってやってくれや。

ラスティ

出番は少ないが、何を思ったのかローズと不倫しようとして闇に飲まれた。田舎の暮らしは退屈なのか?

ナイチンゲール

こいつもややサイコパスってるけど、彼が狂ったのには理由があるらしい。ゲーム内には書かれていないのが問題。

名前とのギャップがひどい。

バーバラにあっさりやられたりするが、アランには倒せなかったw


こっから先はまともな人たち。


サラ

ブライトフォールズの警官。女性だがめちゃくちゃ強い。気も強いので、闇を見ても動じないし取り込まれない。

どうやら彼女の会話を聞いていると、昔父親も闇と戦ったような感じがする。彼女は大体知っていて、「ナイトスプリングス」という暗号は「闇が復活したわよ」ってことなのだろう。

彼女が強すぎて一瞬、彼女が出てくるシーンだけは「救われた!」と癒された。このゲーム、進むにつれてどんどん難易度が上がっていくし、4章では詰んだと思ったので。


パット・メイン

おじいちゃんなのでおそらく70年の火山噴火やその時も闇に襲撃されたことを覚えていらっしゃるのではないか。

ブライトフォールズのローカルラジオ局のDJであるが、電波を通してプレーヤーを勇気づけてくれるとてもいい人だ。というか言ってることがめちゃくちゃまとも。

他の狂気な発言の人は大体闇に囚われてアランに襲いかかってくるからね。


重要人物


アンダーソン兄弟

もうろくしてるおじいちゃんたち。すごくロックな格好をしている。どうやら昔ヘビメタバンドで界隈を沸かせていたらしい。この人たちもハートマンに囚われている。ついでに言うとシンシアが鍵であることを知っている唯一の人間たちで、シンシアは自由なのにアランが救世主であることを知らないので、そこにいるのになんにも伝えられないという…

ハートマンに物理的に束縛され、バーバラには「思考と記憶」を奪われている。それを認知症だなんて判定されている。恐ろしい話だ。つまり、闇の復活を阻止できないようにコントロールされている。

犠牲者の中では明るい方だけど、ずーっと見てるとテンションが下がっていくおじいちゃんたちが、なんか悲しい。

モットー

チンピラだが意外と強い。それにしてもこんな低脳にだいぶ踊らされたが、ハートマンの指示だったら相当ヤバい。犯罪者だ。ハートマンと一緒に写真に写っているので、もはや疑わない方がおかしい。

ハートマン

ある意味中ボス。彼の怖いところは、精神病と決めつけた患者の芸術作品で金を稼ごうとしている上、ひどい嘘をつくところだ。嘘をついてまでアランに原稿を書かせようとするなんて。現実における最大の悪夢。サイコパスだ。

このゲームはホラーゲームだからいいのかも知れないけど、実は看護婦が患者に殴られたりと犯罪的な内容ではある。

ところで、彼はコールドロンレイクの力を知っているようだが、一体、闇とはどういうつながりなのだろう。利用しているだけか?本人は闇の人ではないらしいが。

普通の人間なのに闇の力を利用しているんだったら相当なサイコパスである。


シンシア・ウィーバー

彼女がキーパーソンだなんて最初は誰が思っただろうか。

やや変人で狂信的だけど、だからこそゼインに選ばれたのだろう。あんな行動は常識人には無理がある。


最重要人物

トーマス・ゼイン

1970年あたりで活躍していた詩人作家。超有名だったが事故で恋人のバーバラがコールドロンレイクに沈んでしまう。

これが原因だったのかは定かではないが一週間後に火山が爆発。闇が復活したのか、解放されたかで、街に怪奇現象が起きる。トーマスは自分のせいだと責任を感じて自分の著作物を全て処分し、闇を鎮めるために湖に一緒に沈んでしまう。

意識だけが残っており、同じような目に遭っているアランを助けてくれる。

ダイビングが趣味で、ちょっとデカすぎるレトロな潜水服に常に身を包んでおり、顔が見えないが幻想的である。

エンディングのデヴィッドボウイの曲「Space Oddity」では繰り返し、「トム少佐」が出てくるが、つまりこの歌から、トーマスゼインというキャラクターを作ったのかもしれない。潜水服は宇宙服の代わりといったところか。

ゼインの文章は詩人だけあって難解であり、ちょっとなにいってるかわからないことが多々あるので、それがストーリーの謎に拍車をかけている。

 

というか、アランとトムの関係が依然として不明である。近親者なのか、もしくは、すべてはトムの妄想の中、もしくはトムがアランの妄想なのかもしれないと思うと非常に怖いし、色々な可能性が考えられる。

そこがアランウエイクの面白さですよね。




2021年10月26日火曜日

アランウェイク リマスター 考察(3)解けない謎 ネタバレ注意

アランウェイクは見事に伏線が回収されていく様を唖然としながら、喜々としながら観察していく、見事なミステリーでありながら、謎をいくつか残している。

そもそもテネットみたいな「メタ発言」が多く、 「煙に巻かれてるなあ」と感じることがよくある。DLCに来てまで、

「バリー、お前は幻影だろう」
「じゃあアラン君は?君も妄想が創り出した人間かもしれないぞ」

そんなこと言ったら、このゲーム自体がサム・レイクの妄想なんだが…。

 

「湖じゃない、海だ」

最後の最後までこれを言っているのだが、意味不明だと皆が言っている。私にもわからない。だがわからないこそ、推理するのが楽しい。

湖は限定された場所にたまっている水のことを言う。この場合コールドロンレイクで間違いないだろう。

湖に「闇が」沈んでいるとしたら、それを解き放つために、アランが海に変えるということなんだろうか?解き放つ、というのは、海に放つことで、ブライトフォールズにたまっている呪いみたいなものを浄化するんじゃないかなと感じた。途中の炭鉱で、「湖底火山噴火にともない32人亡くなった」話を読んだ時も、呪われてる感じがした。火山噴火で亡くなった人の怨念が湖にたまっているのかも…。

アランは文章を書くことでそれを具現化する能力を得たらしいので、それで湖を海に変えようということじゃないだろうか?

ちなみに少しスピリチュアルな話になっちゃうけど、動かない水は浄化の能力がなく、良いイメージが無い。できれば川とか、滝を見に行ったほうがいい。 滝にうたれる修業は身体だけでなく心も清めるというのはそういうことなんだろう。

 

コールドロンレイクの謎

湖に一度でも飛び込むと、その魔力にとりつかれる&能力を得るらしい、というのが結論である。

あと湖の水を飲むとすごい危険なのはよくわかりました(笑)。

ゼインの趣味はダイビングで、あそこでダイビングを繰り返すうちに、湖の力を得てしまったのかなとちょっと思った。

あと気になるのはアリスが飛び込むはずはないのに、なぜか引きずり込まれているシーンがある。湖に近づく次点でもう危ないってことなのか。

闇の力が湖から来ているとして、いったいどこまで強力なのかはわからなかった。なにしろブライトフォールズ全体に影響を及ぼしていることは確かである。また、バーバラがありえないくらい強い。なにが強いって他人の心を操れるのが謎だった。

日本には火山がたくさんあるけど、大体火山の近くにとても綺麗な水源があったりするので、日本人としてはこの話はいささか不自然な気もした。

 

ミスタースクラッチ

唐突に終盤で出てくるミスタースクラッチ。アランとまったく同じ顔だがものすごい悪い顔をしている(笑)。

しかしこの表情には見覚えがあった。ハートマンを封じたとき、アランがはっきりと悪い顔で笑ったのだ。気のせいとかじゃない。ドアップだった。

DLCの伏線だったのかもしれない。DLCでアランと同じ顔の人間が、抑えきれないネガティブ妄想でアラン本人を苦しめている。

つまりアランの別の顔。カメラマンのアリスに言われている通り、「アランの悪い男(闇側)の側面」のことではないか?

ところでスクラッチというのを直訳すれば「ひっかく」になるが、よくフルスクラッチのプログラムなどというように、「書く」ことにも関係している。「走り書き」「殴り書き」という意味もある。 

アランが暴走し、制御できない「書く力」を解き放つ姿が「悪」であり、それが「殴り書きするアラン=スクラッチ」なのではないだろうか。

また、執筆するアランは戦ってる場合ではないので、アランが書いた原稿を実行するのがミスタースクラッチではないかという説も見た。

あそこで悪い顔をしたのは、彼がミスタースクラッチだったから、というなら合点がいくが、その辺はぼかされているのが実にアランウェイクである。

 

ゼインはなぜアランの秘密「クリッカー」を知っていたのか?

これもかなり謎が深い。ゼインがアランの父親であれば納得がいくので、そういった考察が多い。自分と同じことを繰り返してしまう息子、それを助ける父親、似たような能力を持ってしまった息子、実につじつまが合う。

しかし色々と疑問が付きまとうのも事実だ。

ゼインが愛していたのはバーバラだけど、バーバラは前述の通り亡くなっている。だがアランには母親の記憶はあるのだ。ゼインは闇の存在を封印するために現世には戻ってこれないから、別の女性と結婚したわけでもない。

小さいアランがいたけど、置いてっちゃって他の女性が育てたというのも変だ。それにそもそも、40歳をこえているとは思えない…。

なので冷静に考えたらアランの父がゼインっていうのもおかしな話になってしまう。

しかしこの物語、「DEPARTURE」はゼインが途中から声だけで助言をしているから、どこかでクリッカーのことを書いているアランを見たのかもしれない。ゼインは時を自由に行き来できるとか、原稿の内容を書き換えたとか?

まあこの辺はファンタジーですね。

 

特にミスタースクラッチに関しては完全にDLCの伏線だったなと感じたので、湖や海の話も続編に続くものなのかもしれないですね。



2021年10月25日月曜日

アランウェイク リマスター 考察(2)ネタバレ注意

アランウェイクのストーリーは示唆的で、全貌が明かされていない印象があるので、ネットでも考察が乱立している状態だ。いくつか読んだけどあまりの長さに疲弊する(笑)

私のはどのくらいの長さになるだろうか・・・・

正直、ゲーム内で語られていることだけをなぞっても、この作品は面白くない。この作品の面白さは、「語られていない部分を妄想する」ところにある。

では私も、コールドロンレイクの力を借りて妄想に浸ってみよう。

 

この作品の「テーマ」は結局なんなのだろうか?大筋から振り返る

大筋は、前半:アランはスランプからのいらだちを癒すために、妻のアリスとブライトフォールズを訪れる。

しかしちょっとした喧嘩で離れたすきに、アリスがさらわれる。アランは溺れたと思われるアリスを追ってコールドロンレイクに飛び込む。そこで突然、一週間の時間と記憶が飛び、アランはひとり、事故った車の中で目覚める。

「アリスは誘拐した」との電話を受け、誘拐犯を追い詰めたアランだったが、どうもそれも虚言だったらしい。またひと悶着あって水に飛び込んだアランは意識を失い目覚めたのはハートマンの診療所だった。

ハートマンにはアランが妄想の中で生きているだけと告げられるが、バリーはその前のアランのことをしっかり覚えている。決してアランの妄想ではないことが、だんだんと明確になる。

後半:ハートマンや誘拐犯などの邪魔な存在が消え、闇の存在はバーバラが主体であること、それに対抗するのは「トーマス・ゼイン」という過去にいた詩人(作家)であることがわかってくる。この辺からはファンタジーすぎて中にはついていけないというプレーヤーもいる。

アランは、ゲーム内に散らばっていた原稿の最後を書かなければならない。それがラストステージ、ラストバトルだといってもいい。

そして邪魔をするのは闇のバーバラさんである。

 

闇の存在は何がしたいのか?

闇の存在は、トーマスこと「トム」が解放してしまったことになっている。彼はバーバラが亡くなったとき、彼女をよみがえらせるためにそのような内容を書いて、コールドロンレイクの魔力により、蘇生に成功したが、蘇った彼女はもはや彼女ではなかった。

蘇生したのは闇であった。

トムは自分のクリエイティビティを悪用してしまったようなものだ。そして同じことになりそうなアランを言葉で助けてくれる。おそらくトムは現世には帰ってこれないのだろう。

ちなみに「コールドロン」というのは英語でcauldron、ハロウィンのアメリカではよく見かける、魔女が何かをぐつぐつ煮ているあの釜のことを言う。

最近ではめったにお見掛けしなくなったが、魔女といえばコールドロンとセットで描かれ、おそらくディズニーだと白雪姫くらいかな?出てくるのは。

参考リンク:この画像で魔女が毒リンゴをつけてる?釜のことを言う。

https://sp-magazine.disney.co.jp/p/24104?ex_cmp=ln_24104

つまり、この湖には魔力があるという暗示だろう。この世界の場合、作家の妄想が実現してしまうのだ。

バーバラ(闇)はトムが正気に戻って封印してしまった闇を、アランを使って復活させようとしていた。コールドロンレイクにおびきよせ、アリスをさらってアリスを助けるために物語を書かせる。うまく操って、この世を闇のものにしようとしていた。つまり、トムと同じことをさせようとした。

 

闇とはなにか?

闇に囚われた作家が、闇を生み出すのではないか?と私は感じた。

闇というのは決して「暗い場所」のことではない。

トムで言えば「バーバラの喪失」が闇だった。

アランで言うと、まずは「スランプで書けないこと」

それに加わったのが「唯一の救いのはずのアリスの喪失」

焦燥感によって、アランの妄想と創造力は暴走する。

周りの人間が闇にとらわれ、次々とおかしな言動をし、自分に襲い掛かってくる。ウイルスのようだ。ゾンビものよりクリーンだが、狂気は感じる。

周りの人間は果たして、闇に囚われるようなことがあったのか、思い返すと、どの人も何かしら闇を抱えていた。ラスティは、不倫をしたがっていた。誘拐犯は自分が嘘をついていることを、闇に詫びているシーンがある。ナイチンゲールは被害妄想が激しすぎる。

例えば、ラジオのDJをしているパットは正常でクリーンだ。周りを冷静に観察しラジオでコメントしている。サラも、あれだけ戦っているがクリーンで、最後まで影響されなかった。バリーは多分単純すぎて闇がつけいる隙がない(笑)

DLCでアランが「俺はクリーンだ」というシーンがある。しかしカメラマンのアリスが言う。「主人公を殺しちゃう話を書く作家がクリーンなんて言えるかしら」

冒頭では自分の生み出した悪役に追われるアラン。

作家は、悪役を書かねばならない。悪を生み出さねばならない。つまりアランにも、闇の側面がある。それはDLCだと特にはっきりと描かれている。

 

作家のあるべき姿

アランは最終的に、アリスも自分もすべてを救う物語を書くことで、この悪夢のような状況を脱すると決意する。この辺はもうファンタジーだけど、作者が何を言いたいのかわかるような気がする。

アランは「少しも間違ってはいけない。納得のいく話を書かなければ……」と焦燥感と決意をあらわにする。誘拐犯なんかは、2日で原稿を仕上げろという。アランは一週間!と粘る。なんかもうこれ、現実の作家みたいなものじゃないか。

もしかしたら、このゲームは、「作家やクリエイターの苦悩、葛藤」をテーマにしているのではないか?

適当なものを書いたら、アリスは死ぬ。俺は闇にとらわれたまま。世界は闇に攻撃され続ける。

完璧なものを創造し、闇と置き換えるのが、アランというクリエイターの仕事だ。

なのに現実の我々はどうだろう?

2年前だか、いきなりスケジュールが送られてきて、WEBサイトのデザインを3日で仕上げるように書かれていた。

狂気である。

そもそもの依頼者が目の前にいたのでみんなで会議をしたらあっという間に折れてくれた。

なんだかくだらない話だな、と毎回思う。

締め切りや納期なんかは、ただの数字だ。そこは冷静に、クオリティの話をするべきだ。黙ってすっぽかすわけにもいかないからね。それに守銭奴なディレクターだと、納期は短縮してなんぼだと思ってる人もいる。

最初に事故った時、アランの車の後ろに回るとハートマンの著書がある。そこには「クリエイターのジレンマ」とあった。

ハートマンはクリエイターの治療を得意としている精神科医で、彼の診療所には妙な言動をするクリエイターが色々いる。

皮肉なことにずっとなにかわめいているゲームクリエイターなんかがいた。あれは痛烈な風刺である。

問題は、ハートマンがゲームを「くだらない」と発言したり、有名なバンドのメンバーだったおじいちゃんたちをバカにしたりするところだ。ハートマンは割とあっさりいなくなるのだが、なぜ彼が出てくるのか、考えていた。

ハートマンは「クリエイターを尊敬しない一般人」である。

私が美大に行きたいとか漫画家になりたいとか言って、デザイナーに就職してもバカにし続けた、自分の父親みたいなもんだと思う。

しかし、ハートマンがさらにまずいのは、そんなクリエイターでも金を生み出すことは知っていて、原稿を書かせたり、絵を描かせて金に換えようとしていたのだ。

彼がラスボスでも話的には問題なかったかもしれない。でも、ハートマンは「現実でのラスボス」であり、この話は現実だけで完結するほど甘くなかった。ここで、前半が終了し、アランの真の敵は闇そのものであることがはっきりする。

その点でも、クリエイティブの勝利と言えよう。そこまで羽根を伸ばすからこそ、アランウェイクは魅力的なのだ。

 

最終的な戦いは、自分のクリエイティビティとの戦いである

最後の原稿を書く旅の途中、焦燥感に囚われる中、闇(バーバラ)はなんどもアランを妨害してくる。

その道中で印象的なのが、「言葉が現実になる世界」だ。空中に浮かぶ文字を照らすと文字に書かれたものがそこに現れるのである。

これこそが、アランやトムの持つ能力を表しているのではないだろうか。

創造する力というのは素晴らしいものだ。神に等しい。文字という記号だけで世界を創れるのだから、こんなにクリエイティブなことはない。

だが、それの乱用の危険性を、本作は示している。心の闇に囚われれば、DLCのように自分の分身が自分を攻撃してきたりする。 

強い精神を保って、バランスのとれた、完成度の高い、納得のいく物語を書かなければ、闇に追われ続ける、クリエイターの教訓的なお話なのではないかと、私は思う。

それはとてもつらい道のりだ。

だが、クリエイティブな仕事を生業に選んでしまった時点で、我々は自分自身と戦い続けなければならない。そんな、悲惨な話でもあるのかもしれない。

 

・完成度の低いものを作ることは罪だ。

・頭のおかしい編集者がついたと思ったら、なんとかして逃げろ。

・創作物の価値を金銭的にしか見ない人間にも気をつけろ。

・身内に不幸が起こっても、ネガティブな感情に囚われるな。

・自分のクリエイティビティで奇跡を起こそうなどと、傲慢なことを考えるな。

等、様々なメッセージを感じ取ることができるが、一番大事なのは一番目かな。

2021年10月24日日曜日

アランウェイク:DLC(追加コンテンツ)「シグナル」

リマスター版では最初からDLCの2章が追加でついてくる。

もったいないとは思いつつも、やはり知りたくてプレイしてみた。

なんと、本編の続編である。

サム・レイクはまたやってくれた。

本編よりパワーアップしているのだ……

暗闇は、もはや瘴気のようにそこらじゅうに煙をあげている。お香でも焚いたかのように。

最初の場面がノーマルでクリアできない。実は方法があるのだが、わかりにくすぎて、パニックを起こし、イージーでやり直した。最初の場面でアイテムが落ちてないので敵殲滅ができない(わかりにくい逃げ道を探す)という驚愕の難易度設定、、「一度クリアしてるんだからわかるだろ」と言わんばかりだ。ドSめ。

みなさんの子供の頃を思い出してほしい。

ボール一個で、いくつの遊びをしてきたか。

ボール無しでも遊んだ。どろけいやら鬼ごっこ、だるまさんがころんだ、かごめかごめなどだ。

紐一本で、あやとりをした。

子供は遊ぶためならなんでも使った。子供はいつも、遊びを生み出すクリエイターであった。

今はプレイステーションなんていう精密機械で遊んでいるが、サム・レイクはきっと子供の頃のクリエイティビティを忘れていない。

あんなに少ない要素、懐中電灯、銃、フレアや電灯、くらいしか要素がないのにまた新しいゲームステージを創り出した。そして脇キャラのバリーに「お前頭いかれてんな」なんて言わせている。頭がいかれてるくらいクリエイティブなのはこのゲームをつくった人だ。

電灯の下にいると敵が襲ってこないロジックを利用して、時々しかつかない電灯を創り出した。他にも、へんてこなステージが色々ある。だがすごいのは、本編から特に使うアイテムやCGを追加しないでその世界を創り出しているのである。

人の考察を読んでいると、「ミスタースクラッチとはなんなのか」をよく見かけるが、続編のDLCには明らかにミスタースクラッチがいる。彼が敵であるといっても過言ではなかったようだ。

むしろこの続編は意味が大変わかりやすかった。ネタバレなので、ここからプレイするとちょっと興ざめだが…。

 

驚いてしまったのが、「アランの旅は続く……」としめられていた。

この作品に多大な思い入れがあるのだろうか。確かに、不可解な終わり方をしているなと思ったけど、アランひとりの中で起きている出来事だとしたらあまりにも壮大である。

アランは、自分の創造の中に、埋もれてしまったのだろうか……。 


DLCはもう一個あるけど、終わる気がしない。

 

2021年10月22日金曜日

アランウェイク リマスター 感想(1)ネタバレ無し

アラン・ウェイクというゲームは謎の中毒性があった。不可解なストーリー展開と設定、謎の敵の唐突な出現、訳もわからないまま、戦うことを強いられるのにも関わらず、プレーヤーはその理由を知りたくて、ついつい目的地に奔走してしまう。

その不可解で引き込まれるストーリーについて語るとネタバレだらけになるので、まずはそれ以外のところでこのゲームの凄さ、素晴らしさを備忘録として記録しておきたい。

まずはゲームのタイトルが凄い

えっそこかよ!って言われそうだが重要な要素だ。

ゲームも、映画も、アニメや小説も、フィクションの作品はタイトルがとても大事だ。それを連呼してマーケティングしていくから。クチコミで音声で伝えられても、すぐに覚えられるような個性とわかりやすさもなければならない。

「アランウェイク」は主人公のフルネームである。 

響きが非常に良い。そして短い。だが驚くべきことは、彼のファミリーネーム(姓)である。WAKEというのは、「起きる」という意味だ。このゲームではアランが何度も悪夢にうなされ、そのたびにアリスに「アラン起きて」と言われるシーンがある。

「Alan, wake up」

おそらくこのセリフにかけたというのもあるだろう。ゲームの内容にもかかわっていて、我々は常にこれが全部夢オチなのではないかと心配するのだ。

 

ロゴのデザインが素晴らしい。

読みやすくわかりやすく、ゲームの内容をよく表わしている。ロゴから光が差しているのは、このゲームが闇と光の戦いであることを示している。ロゴには何種類かあり、水が映っているものもあるが、これはコールドロンレイクが重要なものであることを示している。そして、Aの位置に絶妙なバランスでなんと主人公のシルエットが収まっている。しかも、ゲーム起動時にはこのシルエットが動く。アランが懐中電灯を持ってきょろきょろしている。懐中電灯を持ってさまようゲームであることが一発でわかるようになっているのだ。

また、私がデザイナーなのでさらに付け足してしまうと、モノクロバージョンのロゴもよく設計されており、カラーのロゴの雰囲気を損なわず、視認性も損なわれていない。ロゴはモノクロを意識して常にデザインされなければならないが、優秀なデザインだと思う。


ゲームデザインについて

このゲームは、それほど武器の種類がたくさんあるわけではない。このタイプのシンプルなアクションゲームだと、ラストオブアスなどを思い出すが、あれは実はゲームが進むと軽く10種類くらいはアイテムを持ち歩けるし、クラフトができる。

しかしアランはサバイバルの訓練は積んでいない。彼の職業はライターである。作家だ。走るのもものすごく遅い。銃なんて、射撃場でレジャーで撃っただけだろう。腕力がないから、ナタを振り回すわけにもいかない。

限られた物資と、闇に対抗するための「懐中電灯」。この2種類を使い分け、「アイテムのバリエーションに対しては長いかもしれないシナリオ」を飽きずにユーザーに遊ばせる工夫がなされている。これが、実に巧妙なのだ。頭のいい人が設計したんだなと思わせる。

 

・何かと奇想天外な出来事がおきて、アランがしょっちゅう装備を無くす

せっかく収集した銃の弾なども、ことあるごとに崖から落ちたり、捕まったり、シーンが変わって置いてきちゃったりして、丸腰で次のシーンをスタート、なんてのはザラだ。

難易度はリマスターだと3種類あるが、敵の強さが変わる程度で、手ぶらになるのは同じようだ。

つまり、物資の種類は少ないが、ためこんでも捨てられてしまうため、まずそこで難易度調整がなされている。

 

・武器の扱いに慣れていても、奇襲攻撃が結構多い

 銃弾などをためこんでも、いきなり後ろから攻撃されたり、ドアを開けたら敵!なんてのもザラだ。つまり敵の出現が結構意地悪いタイミングでやってくる。

武器を持っていても、戦闘に慣れているつもりでも、敵の多さやタイミングで調整してくるので、どうしても簡単にはならない。奇襲はイージーでも同じだ。この難易度調整もうまい。

 

・ギリギリ勝てるくらいの量しか、物資がない(笑)

ノーマルで途中までプレイしていた感想としては、「これ以上は絶対無理だ。次がきたらもう勝てない」というところで章がクリアになったりするのである。

絶妙な設計だ。

ちなみに4章の途中で門が開くまで戦うか逃げ続けるシーンがあるが、私はそこでノーマルで積んだと思った。思ったけど、ここは回避スキルを磨けばギリギリいけるかもしれない。そう思わせてくれる、絶妙な難易度設定が設計されている。

が、正直言ってアランウェイクは難易度は高めだと言わざるを得ない。また頭を使うシーンも結構ある。それほど意地悪でもないので、設計者に好感は持てる。

おそらくこの「もしかしたら勝てるかもしれない感」がアランウェイクの人気に一役買っているのだろう。

 

バトル時のエフェクトの映像・サウンド設計が素晴らしい

これも飽きない理由のひとつかもしれない。

アランウェイクは日本では「ホラーゲーム」に分類されるらしいが、バイオハザードのようなグロさやわざとらしい怖さはない。確かに怖いのだが、あくまでも、「暗闇に対する恐怖」だと思う。

アランウェイクはサウンドデザインによって、肝試しの時のような「不安感」をうまく演出している。

炭鉱跡を歩いていると、自分以外の足音が聴こえたり。

なぜか、成人男性のいびきがかすかに聴こえたり。

物資がおいてある場所では女性の吐息が聴こえたり。

極めつけはバトルシーンである。まず闇の存在が出現する結構前から、森がざわつき始め、森の中にこぼれる月の光がせわしなく動き始める。どうやってつくるエフェクトなのか、ちょっと考えてしまったw(アナログで考えれば、光源を動かせばいいということになるが…、ループしているのだ)目の前は、涙でにじんだような景色になってきて、すごい風が吹いている感じに見える。なんの音だかわからない、風や何かの音声がごちゃまぜに襲ってくるのだが、いい具合に耳の中がいっぱいになり、精神的に追い詰めてくる。

アランウェイクのサウンドトラックのサムネイルには「A Psychological Action Thriller」とある。「心理学的な(精神的に追い詰められる)アクションスリラー」といったところだろうか。

戦いはいたって平凡な感じがするが、イージーでも楽勝だと思うことはほとんどなかった。発煙筒の光の表現、敵が光によって砕かれるエフェクトなども素晴らしく、達成感があった。バトルアクションにおけるUX設計は秀逸だと思う。

しかしアランウェイクのUX設計で最強なのは、今でも「敵が出てくる直前のあの嵐のようなエフェクト」だと思っている。あれはきっと時間をかけて作られたに違いない。何かが襲ってくる予感というのは、実際のバトルよりも怖いものだということを、よく理解した上での設計だ。

BGMも精神的に追い詰められる感がうまく表現されているので、ご興味があれば聴いてほしい。BGMに関しては、ストリングスとピアノの音が上品で映画のようである。目立ちすぎないのもよい。



物語の舞台デザインや音楽の選定のセンスの良さに脱帽

舞台は西暦どのくらいだろうか。1970年の噴火から40年経っているとか。ゲーム発売の2010年ということでいいだろうか。

だが、なぜかこの舞台「ブライトフォールズ」はレトロな雰囲気が漂う。まるで1970年代からまったく進化していないような、オールドアメリカンスタイルな建物や車を見かける。この時代が好きな人にはかなり楽しめるだろう。そもそもどう見ても子供向けのゲームではないが…。

しかもアランはなぜか、最新のPCではなく、タイプライターを使用して原稿を書くのだ。

もうろくしたおじいちゃんたちがジュークボックス(これ自体がレトロだが)でかけてくれと言った曲は、 ハリー・ニルソンの「ココナッツ」である。これは1971年のアルバムに入っている曲だ。

だが、なんだかおもしろくて、ゲームで聴いてからずっとSpotifyでことあるごとに聴いている。あの時代らしい、のんびりした楽しい曲だ。

「ナイトスプリングス」やパットのラジオなどの小ネタもいい。

ゲームの随所でTVが見られるのだが、内容は大体「ナイトスプリングス」だ。

この番組だが、明らかに「トワイライトゾーン」の真似である。内容は面白いのだが皮肉で残酷なものが多く、星新一氏の短編小説のようなものが多い。

明らかに白黒TVだし、トワイライトゾーンもかなり昔の番組だ。レトロ志向だと言わざるを得ない。

パットのラジオもそうだ。パットは大体外見は60~70代のご老人である。一見モブキャラのMCのように見えるが、すごくいい人で、悲惨な戦いを強いられるプレーヤーにとっては癒しである。

ホラーゲームでない部分は実はとても癒される舞台デザインだと思う。そもそもブライトフォールズは風光明媚な観光地である。小説家をテーマにしているだけあって、趣はたっぷりある。


ちょっと書きすぎて疲れましたが、明日以降に「ストーリー」「キャラクター」「謎」について深堀りしたいと思います。


2021年10月21日木曜日

アラン・ウエイク リマスター「面白さがわかると言う幸福」

とりあえずイージーでクリアしました!

もう最初っからプレイヤーを、読者を、ケムに巻く気満々なストーリー展開でしたからね。でも伏線のほとんどは回収していたと思います!エンディングに関してはきっと論争が起きているだろうなあ…明日以降、暇さえあれば人の考察を見てみたいw

このゲームに関しては、特に大きな欠点がありません!そのくらいすごい良いゲームでした。欠点を先に挙げた方が早いくらいです。

リマスター(PS4)に関して言えば、カットシーンのCGが汚い、なぜか音声がモノラルっぽくなる(話が面白いからギリ許せる)

アクションゲームとしては少し中途半端で、やり込みがいは無い(けど私にはそんなのいらん)

ストーリーが難解で、単純明快なものが好きな人はイライラするかも

ストーリーに関して言えば、私はこの手の「具象と抽象が入り乱れる世界観」はかなり好きな方です。ゲームだからこそ引き立つ、日常の中に現れる異常性。安部公房と似ていると書いたのは、私の好きな「赤い繭」を思い出したからです。あの話は最初はホームレスの男が彷徨ってるだけの、哀愁漂う話ですが、途中から非常に抽象的になってきますよね。あのファンタジー感がとても好きなのです。

例えば、ホラー映画でもこういうのあると思います。「ヘレディタリー」がなぜ面白いかというと、途中までは幽霊や悪魔の仕業などあり得ないと登場人物が皆思っているから。しかしあの映画は途中から悪魔の類が、具体的になってきますよね。ああいう展開が好きなんですよね。

ブレアウイッチプロジェクトもそうでした。キャンプに行って、魔女なんかいないって!とリアリスティックなホームビデオで始まるのに、だんだん異常現象が具体的になっていく。

アランウェイクに関しては語ると長くなりそうなので、これから数日かけて長文を書いていこうと思いますw

なぜ書くのか?

私が映画やゲームの感想をなるべく早く、感想が新しいうちに書き留めるのは、いずれ時が経つと私が感動を忘れるからなのです。

人は記憶を失うとともに、かつての感動も忘れ、心が老いていき、みずみずしさを失っていきます。しかし、自分の感想を読むと、それが具体的であればあるほど、記憶がまざまざと蘇るのです。記録の一番の方法はなんだろうと考えますが、動画は確かにすごい代物です。私がアメリカにいた頃の動画を親が後生大事に持っていますが、他人に見せられるものでは無いけれど、2度とあの日々は帰ってこない、それが「幸せな記憶」かどうかは置いておいたとしても。

しかしその次くらいにすごいのは、文章です。文章力や語彙が求められますが、何を持って自分がそれをすごいと思ったのか、面白いと思ったのか、それが宝を発見したような、感激に包まれたのか、感情を詳細に記録しておくと、何を糧に自分が生きていけばいいのか、ほんのりと道が見えてくるでしょう。

だから人は、文章を書き続けなければならない。自分の前に道を作るためにだ。後ろにある道から確実に続くそれをだ。でなければ、俺の前に道はできやしない。

俺はアラン・ウエイク。作家だ。


2021年10月18日月曜日

DUNE 砂の惑星 IMAXで観てきました!

SFファンタジーが好きなので、楽しみにしておりました。

FILMED FOR IMAXってことだったので、2DIMAXで観てきました。立体メガネはやっぱり苦手です、うっとおしいのでw

IMAXシアターは映像も綺麗なのですが、音声が結構よかったですね!特に映画館ならではの、重低音がよかったです。マンションの自宅ではほぼタブーですからね。あとこの作品はものすごく大きな機械が持ち上がったりするので、重低音は特に重要だったと思います。また、スケールがかなり大きいので、映画館でないと魅力が伝わりにくいでしょう。

映像の迫力で半分以上の魅力が表現されているといっても過言ではないので、良い環境で観ないともったいないというか、魅力がわからんかもしれないと思いましたw

砂漠は私は昔から興味があって、なにもない景色というのが好きです。大海原も結構好きですね。日本では砂丘はめったにお目にかからないのですが、海に囲まれている国なのでよくちょっとした船に乗ってまわり全部海!を経験すると、すごくストレスが減るんですよね~。海に浮かぶというのも、最初は怖いと思うかもしれませんが慣れるとむしろ海に飛び込みたくなるので危険です。

この作品は大半が砂の惑星での話で、SFっぽいメカや技術はたくさん出てきますが、宇宙の話はあまりなくて、大体砂とサンドウォーム、そしてなんだかんだでアナログな剣の戦いだったりします。

でもサンドウォームが私はとても好きでしてね。

出てくるとすごいわくわくします♪どうやらあれに乗れるらしいですよwwすげーなwって思いました。乗りたいですね。

ああいう巨大生物って特に敵意も好意もないから好きですね、蟲とかも好きでしたね。あと恐竜とかも好きですね。

ストーリーは典型的な、

父親のもとを離れて独り立ちしていく勧善懲悪王子様物語

だったと思います。よくある話ですが、砂漠をうまく使っているところや、見たことないスケールのでかさのSF施設や砂による独特のモヤによる神秘的な世界観がよかったです。また、なんだかよくわからない設定の帝国軍が謎すぎて面白かった。儀式で行われていることが意味不明だったり。

悪の親玉がデブなのはあるあるなので良いとして、なぜ黒い液体に浸かってるのか、とか、なぜ浮くのかwとか。

ストーリーのモデルは、資本主義の権化になっている大国VS少数民族という感じでしょうかね。資源をめぐって権力が対立するという感じでした。ベースは地味なのに破壊力がすごかったですw

キャラクターの配分もよかったんじゃないですかね。

一番気に入っているキャラクターは実は母親の「レディ・ジェシカ」です。

この役者さん、実は「ドクター・スリープ」「レミニセンス」でも主役級のキャラクターを演じています。毎回「この人印象に残るなあ」と思ってたのですが、DUNEでは最高に印象に残りました。

主人公のポールに呪術廻戦の「呪言師」のようなスキルを授け、他にもいろいろと仕込んできたっぽい強い母親です。「巫女」「魔女」とも呼ばれていました。

彼女はポールだけでなく、レト公爵も勇気づけていく、とても強い女性なのですが、何かと震え恐れるシーンが多く、それがいちいちリアルでした。彼女には師匠がいて、師匠から「恐怖の扱い方」を教わっているのですが、それでもしょっちゅう恐ろしい場面に巻き込まれます。

美しいのですが、ほとんど笑うこともなく、常に臨戦態勢。特に捕まってヘリの中で言霊だけで戦うシーンなんかはすごく引き込まれました。 

ちょっと面白いなと思ったのが、父親であるレト公爵が弱いわけじゃないんだけど、彼はあまり活躍しなくて、ポールを直接支え様々な知識を授けていくのは実は母親のほうなんですよね。

あとはダンカンがとてもいいキャラクターでした!

豪快できっぷがいい、典型的ないいひとキャラでした。ティモシーシャラメが走って抱きつくと、子犬にしか見えないです……とにかく、でかい。

全体的にテンポは遅めなのですが、雄大な砂漠を堪能できますし、ゆったり感が上品だなあと思いました。と思うと、突然緊迫感のあるシーンなんかも出てきます。後半は結構怖いです。何回か手に汗握りました。

壮大で重厚感のあるSFものを楽しみたいのであればおすすめできると思います!

2021年10月14日木曜日

ゆるふわ癒し系残虐スパイラブコメディ「エージェント・ウルトラ」

この映画は何年も前に、予告編を観て非常に気に入ったのだが、「後で見る」に追加したあと忘れ去っていたのだった。

「コンビニバイト 覚醒」

のキャッチコピーだけで爆笑していた。

想像つくと思うけど、多くのスパイ映画の中でも異彩を放つ、ゆとり系ゆるふわギャグスパイ映画である。ギャグもゆるい。残酷表現はしっかりあるので、R15になっているが、ラブシーンはほぼ無いw(あと英語が聞き取れる人は、bad languageのオンパレードが子供に見せられないと感じるだろう)

しかし、この映画のテーマははっきりと、「愛」であると言える。

スパイダーマンがいじめられっこであったように、碇シンジがダメ男子であるように、多くの少年…そしていまいちぱっとしない青年たちの夢は、ヨワヨワ草食ダメ男子が強力な力をもって敵を打ち破ることだ。そして、意中の女子と両想いになることである。

この映画の主人公「マイク」は、どこの世界のオタクも同じなのだろうか、赤と黒のチェックのネルシャツを着て、猫背で、青白く、声はか細く、伸ばしっぱなしの長髪といういでたちで、コンビニバイトで生計を立てており、画力と創造力だけは豊かな、うだつの上がらない青年だ。 

だが、マイクは優しいので、彼女のフィービーには大変愛されており、マイクはプロポーズしようと「だっさい」婚約指輪を買ってくる。この指輪を渡すためにハワイまで行こうとするが、パニック発作が起きて飛行機に乗れない。でもあきらめないマイクは、次なるサプライズを考えていた。その矢先に、謎の女性に声をかけられ、爆発的な戦闘能力が覚醒する。

つまるところ彼はCIAに昔洗脳されて一流エージェントに育てられたのだが、記憶を封印されていたのだ。

ここまでは、予告編やあらすじにも書いてあるので、そのまま自分流に書き直したけど、実は飛行機に乗れなかった理由や、フィービーがずっと一緒にいてくれることや、謎の女性もすべては綺麗に伏線回収される。なかなか楽しい映画なのだが、、、

かっこいいスパイ映画を想像してはいけない。

マイクは覚醒してもそれは戦闘スキルだけである(笑)

映画を通して、彼はプロポーズのチャンスを虎視眈々と狙っている。ロマンティストなのでできればフィービーを感激させるシチュエーションがいいと思っている、心優しき青年だ。激烈な戦闘に巻き込まれて血だらけになろうが、敵に恋人をさらわれようが、彼の愛は揺らがなかった。それこそが、この映画がよくあるスパイ映画から一線を画す理由なのだ。

そして、すごい派手なアクションをしているわりに、陰キャオタクなマイクのぼそぼそしゃべりは直らないので、なおさら笑いを誘う。

ラストバトルでは、かなわなかったハワイ旅行の荷物の中からアロハシャツを着用し、出撃。BGMはハワイアンミュージックである。

一体どのジャンルに振りたかったのだろうか。だが、こういった映画はナウなヤングオタクが、夢を見るための映画だ。ゆとりだし、ゆるふわだし、コミュ障で繊細だし、大した稼ぎもない。そんなやつが活躍したっていいじゃないか。 まあ、中二病患者が癒されるための映画といっていいだろう。

謎すぎるオマージュ

実はこの映画は中盤で突然12モンキーズのオマージュが始まる。監督がファンなんだろうか?私も12モンキーズが大好きで、大体1位は12モンキーズって答えるんだけど、あの映画の主人公もガタイはいいけど迷える子羊のような、かわいそうな男である。

もしかしたら、12モンキーズの迷える主人公ジェームスと、マイクをなぞらえたのかもしれない。 

最高のプロポーズシーン

えっそこでプロポーズすんのかよっていうところで指輪ケースを取り出すマイク。なんというか…感動するというよりは、「えっそこ」

しかし、この映画は「愛」がテーマだ。ハワイに行く必要なんか、なかったのだ。

マイクとフィービーがじゃれているシーンには、映画によくあるお互いの服を一生懸命脱がすとか、そういう刹那的な衝動は描かれていなかった。もっともっと、なうなヤングらしい等身大の仲良しカップルである。

仲がいいというのが最上級に大事だ。ポンコツマイクがオムレツつくろうとして焦がしても、フィービーは大して怒りはしない。許せるということが、愛なのだと思う。

2021年10月10日日曜日

007記念:ダニエル・クレイグの面白い動画を紹介していく

 しばらくアランウェイクできないかもしれないので、今日は大ヒット公開中?のノータイムトゥダーイ記念でダニエル・クレイグが色んな動画に出てるのをピックアップしたいと思います。今のところ最強なのはこれ。

 10分間で24つのブロックバスタームービーのものまね!

 

 

ダニエル多分すごくいいひと。。。。。。。

個人的に気に入ってるところ:

「ワイスピ」で「家族」「家族と車」って言ってはげたヅラかぶって多分、ダニエルは顔も真似してるw

パルプフィクションでさりげなくトラボルタの顔真似をするダニエルw

バックトゥザフューチャーで本物のドク(クリストファー・ロイド)が出てきちゃうw(やはり彼しか言えないのだろうか、あの決め台詞)

ダースベイダーの声真似がうまいダニエル(エフェクトかけてないのに!)

50代にしてなぜかちゃんとハリーポッターに見えるダニエル「いえーい!!」がなんのためらいもないのがgood。(これが一番好きww)

バットマンで相方のベインの物真似がおもしろい 

007の紹介になり、銃口の移動に一生懸命合わせるダニエルがかわいい

 

他にも、必要に応じて?踊ってくれたりするのですが、キレッキレだし、ダニエルは本当に多才だし、物真似がすごくうまいし、なんなら声真似もうまいので、今後もすごい活躍できると思うんだ!


2021年10月9日土曜日

アランウェイク リマスター ついに詰むw

ここまでなんとか逃げおおせてきたのですが、ついに

4章にて、ノーマルでクリア出来なさそうな場面に。

まあ、いつもどっかで諦めてイージーにしてますけど…

逃げまくればいけるのかもしれませんが、先に進めない状態で逃げるのって、結構えぐいですよね。同じ場所でぐるぐる追っかけっこしないといけないけど、

敵が色んな角度から襲ってくるので…笑

一回クリアして、他の人がどうやってるか攻略動画を見るのも結構面白いですよね。クリア前だと情けなさ感じますけどw

でも私、コントローラーがそもそもうまく使えていない疑惑。

前にゲーマーの鈴木史朗さんが仰ってたのですが(彼の本職はアナウンサーです)

プレイステーションとXboxのコントローラーは操作感が違うと。

確かあの時取材で、私はXboxじゃないと本領発揮しないとか仰ってて。

鈴木史郎さんの実況は紳士的な声で恐ろしいセリフを言うのですっごいシュールで面白かったですww


ところでもうろくじいちゃん人の動画でも観てたけど、やっぱり好き。

なんかあれですね。

私やっぱり、狂気をテーマにした作品が好きですね(爆)

2021年10月8日金曜日

アランウェイク チャプター3まで来ました

ポルターガイストが出てきました。こいつらなかなか酷いです。

ドラえもんの公園に置いてある土管が持ち上がって自分めがけて襲って来ると思ってください……

しかもそれを、懐中電灯で照らし続けて壊すんですよ。

そんなんあるかいな!!!

ゲームの難易度が、「も、もうダメだ…」ってなった辺りでクリアできるという、あまりにも適切なゲームデザインで、これは上手くできていますね。

ラスアス2はノーマルだと絶対クリアできない箇所があったんですけど…

なんとかノーマルでやっています。

カラスは最初マジ無理と思ってたんだけど、向かってくる前にあらかじめ懐中電灯を向けておくと退散しやすいです。

こんなにヒッチコックを再現したゲームは初めて観ました笑


シナリオは複雑で、モブキャラが全然モブじゃなくて、ラジオやら、原稿やらにひょいひょい登場して、本当に細かいです。

しかし


名前が覚えられない(笑顔)


ラジオやってるおじいちゃんキャラ好きかなあ。キャラ設定も上手いんですよねー

あともうろくしてるロックバンドじいちゃんたち大好きw

2021年10月6日水曜日

アランウエイク、始めました!!

 CGは正直10年前のをリマスターしても、そんなに美しくは無いと思ったのですが、

ゲームとしての面白さはハンパないですね。

話がポンポン飛ぶのですが、そこはアランが作家なので、どこからかが虚構ということになりそうです。

アランの書く原稿はとても幻想的で、安部公房をさらに美しくしたような、幻想的な雰囲気があります。その雰囲気をそのままゲームにしたような感じが、よく出ています。速く走れないのが本物の悪夢のよう。

スティーブンキングをよく引き合いに出しているので、モデルなのかもしれませんね。

戦う相手が闇、ということで、ceroB指定ですがw、普通に銃撃ってるんですけど笑、人型に…

謎すぎるシナリオに惹きつけられるのと、バトルの怖い演出がすごく上手なので、久々に没入して楽しめています。サウンドやエフェクトもバトルの時はかなりのクオリティで、UX大事にしてるな〜と感動しています。

2021年10月3日日曜日

NO TIME TO DIE!!!!!!!!!!

ノー・タイム・トゥ・ダイ観てきました、

まだ公開されたばかりなので、ネタバレに注意したいと思いますが、本当になにも知らないで見に行きたい人はブラウザバックですw

 

見終わった印象としては過去最高の面白さとエモさがあったと思います!

 

アクションが特によかった!

これでもか、というくらいスピーディーでハイテンションなアクションシーンを前半に詰め込んでいて、引き込まれました。特に冒頭のタイトル前のアクションは穏やかに過ごしていたシーンから唐突に襲撃があったため、うっかりジュースを飲んでいた私は吹きそうになりましたww

そのくらい、突然超ド派手に襲撃されるところから始まるんです。観客みんな超~~びびってるのが感じられましたw

私はキャリーフクナガ監督はよく知らないのですが、アクション撮るのがすごくうまいな~と思いました。とりあえずブレでごまかしちゃう映画とか、きちんと説明できてない映像とかよくあると思うんですけど、冒頭は特に、なにが起きたのか、誰が迫ってきているのか、舞台はどういう状態になっているのか、カメラワークでうまく見せていました。また、襲撃された直後は間をとってボンドとともに今のはなんなんだろうとか、ヒロインは大丈夫だろうかとか、考える間をくれるのもよかった。

間といえば、冒頭で車が撃たれているのに(ボンドカーは防弾である)何もしないで仏頂面で散々ひっぱったあとで反撃開始するところとかも盛り上げてくれてよかったです。

あと後半のカーチェイス。車が2台通り過ぎて、こちらからは顔が見えない。でも明らかにUターンして追ってきそうな雰囲気で、ボンドの目線が車を追う。とかそういうのを映像で上手に説明してると思いました。観てる方としても、「あの車怪しすぎるんだがw」ってなりますよね。

よくある興ざめアクションは、主人公を取り囲んでいる敵が飛び掛かるのをためらうように待ってるようなシーンなんですけど、今回の映画はそういった隙がまったくないという点ではリアリティも感じられるとともに、テンポがとてもよかったです。

ダニエルクレイグが受け身をとって転んだあと、即座に立ち上がるのでやっぱ007に抜擢されただけあって、本気で訓練してるんだろうな~と感心しました。

 

スパイ映画お決まり要素がてんこ盛りで、スパイ映画好きはかなり満足

スパイには何種類かいて、敵をあざむいて潜入するタイプと、武装して裏口から潜入する戦闘員タイプと、情報戦(ハッキング・クラッキング・遠隔操作や傍受、暗号解読など)がメインの工作員などがいますが、それが今回全部てんこ盛り。

あこがれのタキシードとイブニングドレスのカップルでパーティー潜入。お決まりだけどなんど観てもいいですね。それに007では必須ですw

ドレスバトルも素晴らしかったし、ジャングル(森林?)戦もあったし、後半ではメタルギアソリッドそのものな武装潜入シーンもありました。この辺は完全にゲームでしたw

そしてボンドカーはスペクターに比べるとだいぶかっこよかったですwスペクターはなんであんなに笑いをとりにいったのか……

他にも、ボンドの時計や口紅にしこんだものなど、スパイ小ネタ満載。 

磁気を使った技術なども、新しくて面白かったです。


ヒロインのキャラクターが複雑で良い。

レア・セドゥの存在感がすごい。

私はこの女優さん、デスストランディングで初めて知ったのですがw(その後にスペクターを観たw)

レア・セドゥって、ニコニコしてると普通になっちゃうんですけど、個人的には悲しい芝居をしている時と、 何か秘密を隠してる時とかの、妖しい色気がたまらなくいいと思います。

何も言ってないときとか、意味深なこと言ってるときが良い感じの役者。

もしやる気があればぜひヴィラン役を!!ww

 

ストーリーの複雑さが、めんどうくささがありながらも盛り上げてくれる

今回筋書が一辺倒ではなく、「実はこうでした」とか「実はこいつが裏切ってて…」みたいなカードをめくったら思ったのじゃなかった、という展開が前半にてんこ盛りで、観客としては驚きの連続だったりしました。

個人的には、後半で何が起きてるのかいまいちわからんシーンもありました…w

でも、話ってすこし複雑にしないと、いくらアクションが面白くても、記憶には残りづらいですよね。ただ、中盤以降は少しテンポが遅くて中だるみ風ではあったと思います。

基本的にボンドは短気だな~~とは思いましたが。

ただ、007は毎回思うのですがもうちょっと悪役側を掘り下げてくれてもよかったかなと思います。

私はスカイフォールの時のヴィランが一番不気味でかわいそうで、とても印象に残りました。セリフもなんか怖くていい感じだったし。

今回のヴィランは、能面がすっごく怖くていい演出なんですけど、その面自体には深い意味がなかったっぽくてなんか残念です…w ちょっと日本好きwみたいな感じだった。小道具としては上手いですけどね。

日本的演出が随所にみられるのに、実に中途半端でした…(まあ生粋の日本人に言わせれば、ですが)監督に日系の血が入ってるからだろうか…監督は、日本好きそうですね。

 

ダニエル・クレイグがどことなくかわいい

一番笑ってしまったのが、救命ボートを見つけたけど大海原でひとりポツーンとボートの上でぼんやりしているシーン。なんかかわいい。それに隠居中に魚釣って帰ってくるボンド…ww色々毎回笑わされます。

顔は50代だけど芝居が若いっていうか……元気でしたねぇ。筋肉もすごいし、スタイルがよくてスーツやタキシード、戦闘服まで、何を着てもかっこよかったですね。

本当にこれで最後なんでしょうかねダニエル、アクションも完璧で、まだまだいける気がするのですが…!でも特集組まれてるってことは最後かあ。

個人的にはドラゴンタトゥーみたいに、セーターで猫と戯れる庶民的なダニエルも全然いけると思っているので(笑)、今後はかわいい役もいいかもしれないですね。

私は愛嬌のあるボンドでとてもよかったんじゃないかなと思っています。

ダニエルじゃなかったら007シリーズ観ようとは思わなかったと思うので、本当に感謝です。


2021年9月26日日曜日

レミニセンス、観てきました

これは観ようか結構迷いました、

10月はまた観たい映画がてんこ盛りです。あっと言う間に007の公開が迫ってしまいました……あと自分の性格的にDUNEは絶対観ないといけないと思っていますw
まあ福岡は割と映画がさくさく終わっちゃう地域なので、レミニセンスは観るなら今しかないだろうなと思いました。

多分あんまり人気ないしw

私個人としては、結構いい映画だな~と思いました!人を選ぶかもしれない……。

きちんと構成されているミステリー映画です。脚本がとてもしっかりしている。そこに乗せてくる恋愛要素、愛の要素も良い塩梅です。女性監督ならではのきめ細やかな描写がそこにあったと思います。

逆に言うと、ドンパチ派手な映画が好きな男性には刺さらないだろうな~と思いましたw

8月は特に派手派手映画が一気にリリースされましたし…。

欠点を挙げるとすれば、116分の尺に詰め込みすぎですね。入りきらないところをヒュージャックマンのナレーションで補ってしまってるのがダイジェスト版みたいでちょっと残念。ウエストワールドは尺がたっぷりありすぎて、観てるほうは多少つらいところがありましたけど、その分独白には頼らずに描けたのかもしれません。もうちょっと時間とってもよかったんじゃないかなあ…

詰め込んでいても、要所要所のエピソードは丁寧に描いているなあと思いました。

あとは、ちょっとひねりを入れたいのはウエストワールドと同じなのかもしれないけど、時系列が時々ポーンと飛んじゃうので、時々「あれ?今記憶なのか現実なのかどっちなん?」というのがあって、「わからん!」とイライラしちゃう人には向いてないんだろうなと思いました。

結構冒頭で困惑するのが、主人公のニックがヒロインの「メイ」に異様な執着を見せ、周りがドン引きして止めるくらいなのですが、その執着の理由が最初はあまりきちんと描かれないところなんですよね。あとからわかってくるのですが。そこも最初は安っぽい恋愛描写なのかなとイライラ感をつのらせるので、謎が芋づる的に発生して、後半から少しずつなんだかわかってきて、というミステリーが楽しめないといけないので、忍耐は必要なのかもしれません。

私は、背景や小道具や照明の使い方など、映像の美しさがよかったと思います。冒頭から、全体的にオシャレだなあと思ってました。近未来的なSFというよりは謎にアンティークな道具などが出てくる不思議な世界観です。でも私はバキバキのSF描写よりもそっちの方が好きだったりします。正直本作はSFと見せかけてSFっぽいミステリーファンタジー映画なんだと思います。ちょっとテリー・ギリアムっぽさがありました。水を使った描写もとても綺麗でした。

テネットみたいな緊迫感やスケールのでかさはないので、ふわーっとした、でも決して明るくはない、ダークよりのディストピア感を楽しめる人ならいけると思います。

私は最初、「正直ヒュー・ジャックマンだと顔もうるさいしあんまりそぐわないのでは」と思っていたのですが、

クライマックスに向けて、ヒロインへの想いを爆発させる芝居などは、ヒュー・ジャックマンはぴったりな配役で、ああそのために呼ばれたんだろうな……って思いました。

2021年9月12日日曜日

「オールド」観てきました

この映画もチラシ貼って楽しみにしてたのですが、コロナ禍で福岡の映画館はまた21時まで(中には19時までとか言ってるところも)。席数はまた一席飛ばしになり、なかなか時間が取れませんでした。今日はたまたま中央のいいところが残ってました。フリーガイの時は端っこしか取れなくて悩んだのですがどうしても見たかったので端から観ましたwもう一度正面から観たい。

ちょっとドラマ「LOST」を思い出す内容で(私はLOSTが大好きなのでつい引き合いに出しちゃいますが)、LOSTはその島にいると不妊が治ったり、ガンが治ったりする不思議な話でしたが、オールドは予告編通り「どんどん年をとってしまう」話でした。

どんどん年を取るというのは人生の縮図なわけで、どう生きてどう死ぬべきなのかは考えさせられました。

医者のいうことを聞かず薬を飲まなかった所為でなくなった祖母や、脚を悪くして歩かなくなったせいで早くに亡くなった祖父のことを思い出します。

ただ、それだけではなくて、映画の根底には「なぜこんな目に遭っているのか、逃げる方法は本当にないのか」というミステリーがずっと流れているんですが、精神的にパニック状態な人たちのヒューマンドラマがメインだったなと感じます。

というか途中までマジでホラー映画!って感じだったんですけど。(パニックホラーが好きであればハマると思います)

美しく死ねない人や、発狂していく人を見て、人生を全うするのって、安らかに死ぬのって本当に大変だなという道徳、哲学みたいなものを感じました。 あと夫婦が仲直りしていくシーンは本当に好きです。あれが一番よかったんじゃないかなあ。

エンディングというか、オチが素晴らしいので、観た後の清々しさはあると思うんですけど、途中のミステリーはもうちょっと、「少しずつわかっていく」感じが欲しかったです。

それにしてもあそこのリゾート、海が荒くて海好きとしては微妙だな~って感じでしたwまあ内容がキラキラしてないので、美しいビーチにしなかったんだと思うんですが。

でも最初リゾートに来たぞ!って感じは夏に観る映画としてはよかったですね!


2021年9月11日土曜日

Playstation Showcase 2021を観て

コロナ禍でゲームの開発も遅れているのかなという感覚を受けていましたが、

Playstation Showcase 2021で私が非常に喜んだのは「アランウェイク リマスター」の発表です。

https://www.famitsu.com/news/202109/08232961.html

発売はなんと11年前です。知ったきっかけはガッチマンさんの実況でした。彼はホラゲがすごい得意なのですが、私は怖くてプレイできないものが多かったので、実況で観ていました。でも、たぶんアランウェイクはプレイできるような気がして、これやりたいなあと思ってたのですが、なんとX-boxでした。

もっと早く移植して欲しかったとは思いますが、タイミングとしては他にやりたいゲームがなかなか見つけられず過去のものを漁っていた状態だったので、ちょうどよかったと思っています。楽しみです。 

ホラーとミステリー要素がからんだやつがいいなあ…グロ表現はやっぱり好きじゃないですねwごまかす感じで出してくれればいいかなぁ。

 

あとよさそうだなと感じたのはGhostwire:Tokyoですかね。

ただ、あんまりガチャガチャしたゲームが好きじゃないんでやるかどうかは評判次第で決めようかなと思います^^

https://www.famitsu.com/news/202109/10233284.html 

 

ただ全体的に……ゲーム業界自体は疲弊してるなという印象を受けます。

これからはもしかしたらインディーズゲームで短くてくだらないけどおもしろい、素人が開発したけどやる気やアイデアは豊富、みたいなのがメインになっていくのかもしれない…

昔はRPGツクール一個とっても個人の開発はすごく骨が折れて大変なものでしたが、今はキャラクターが描けなくてもスマホでゲームが作れたりしますからね。

ただ個人的には自分で絵を描かないのはどうかなって思います。自分で撮った写真やフリー素材をトレースするのはありかなと思うんですが、、、

デザイナーとしては、「見た目のデザインで商品の差別化をする」のが日常的な使命なので、人のパーツを使って作るのはなんだか気がひけるのですよね。

2021年8月29日日曜日

ザ・スーサイド・スクワッド(2021)観てきました

前回のスーサイドスクワッドを観ている人間としては、あれはあれでよかったので今回のこの映画を観るべきか悩みましたが、
ハーレイ・クインが大好きなので、彼女を見届けるために観てきました(笑)

元祖のスーサイド・スクワッドは少しテンポが悪くて、話が頭に入って来にくい、どこを観ていいのかよくわからない映画でしたが、今回はかなりきちんと起承転結がまとまってたんじゃないかと思います。

ただ、やっぱりキャラクターが多すぎるような気もするなあ…マッチョマンが2名出てきて並ばれるとどっちがどっちだかわからなくなる。あと冒頭だけ出てきてすぐに戦線離脱なキャラクターが何人かいるのは、あれはどうなの??とまだ首をひねっております。せっかく覚えようとしたのにw

でも前作よりはキャラクターがちゃんと立ってたかなと思いました。

 

ハーレイクインは成長するキャラクターらしい

今回の設定がよくわからなかったんだけど、どうもジョーカーとは別れたあとらしいです。

失恋を乗り越え、また刑務所に戻ってきた??のか……。

ハーレイは美しいので、また別の男に見初められ、予告編にもある通り美しい赤いドレスに着替えさせられますが、ハーレイは成長していた!

前作ではジョーカーが助けに来るのを待ってるような女性でしたが、今回は気に入らない男はお断り、捕まっても自力で戦い逃げ出す。その戦い方が今までで一番美しく、一番強かったです……。成長したな、ハーレイ。

ハーレイの好きなところは、狂気を鎧のように身にまとって、強そうに戦ってるし実際強いし頭もいいんだけど、時々本性が出て、誰かに助けてほしいとか、愛されたいとか、愛したいとか、そういうのがちらちら見て取れるところですね。弱さが見え隠れするのが魅力的だと思います。

今回も美しかったです。多分前回よりも…。次はあるのか…。

いずれにせよ、不安定な恋愛をしているハーレイも、乗り越えて強くなったハーレイも、どっちも好きですね!

 

クレオという新キャラが大変お気に入り

クレオが一番かわいかったです~!!!萌えキャラ!

まあなんていうかいつも似たようなキャラクター好きですけど。中性的で見ようによっては少年のようにも見える女の子で、登場時にあまりにもやる気がないのでむしろ好きになりましたw朝が弱くて起きれない~~とか言ってるのがかわいすぎる。

道中も激しいマイペースっぷりをかまし、ほとんど戦う意欲がなく、過去の話をすればすぐに泣く。でも心優しいので他の仲間の間も取り持ったりします。ネズミ飼ってるし、癒し系。

独特の影がある弱そうなキャラクターですが、能力的には実は重要だったりします。

クレオの女優さんはまだまだ映画にあまり出たことがない人なので、今後もその神秘的な雰囲気を生かして活躍してほしいです!


水玉模様の人

この人はほんとかわいそうですが、なんだか笑えるキャラクターで、悲惨な過去をギャグにしてしまっているというシュールなキャラでした。

でも、彼が一番能力的には意味不明でおもしろかったです。

今回おもしろかったのは、能力をそれぞれ説明もほとんどまともに受けずに任務につくのですが、説明されない方がおもしろいこともあるんだなあとつくづく思いましたw

 

一番トリッキーなダークホース。「サメ男」

下半身が人間なのか、ジーンズを履いているサメ…です…。

いいキャラクターでした。CVはまさかのシルベスター・スタローンです……。

ちょっと正直説明が難しいです。癒し系な時もあるんですけど……なんか天然でひどいこともしてるのでw

でもそれがスーサイド・スクワッドなんだろうな、と思います。

 

個人的には、もっとギャグよりに寄せてくれてもよかったんじゃないかな~と思いました。そもそもこの「スーサイド・スクワッド」ってもとから何に寄せていいか悩むところなんでしょうね。

R15指定にして、痛そうなグロシーンを追加したところで面白くなるかって言われても、悪趣味にしかならないんじゃないかな~と思うし。

ハーレイクインは独特のエフェクトがかかったりするのは、映像的には面白いなと思ったんですがね。

ラスボスのデザインがシュールで面白いので、そこをもっと笑える感じにしてもよかったのかもしれんですね。


2021年8月21日土曜日

ゲーム好きのための映画、「フリー・ガイ」。私的には大ヒット作。

突然ですが皆さんゲームのモブキャラで好きなキャラはいますか?

私はこの人。

DETROIT:Become Humanのモブアンドロイド。イケメンすぎるし優しそうなので1体買いたいと思いながら観ていました。(ここのシーンは在庫が並んでるのでこちらの列全員このイケメンアンドロイドですw)

映画「フリー・ガイ」は半年前くらいから、「観たい!」と思い、チラシを壁に貼って心待ちにしておりました。なぜかこの映画は絶対面白いと確信しておりました。まあ、キービジュアル自体がめっちゃおもしろいんですけどねw 

https://www.20thcenturystudios.jp/movie/Freeguy/_jcr_content/par/pickup_news_list/image.img.jpg/1617006280582.jpg 

この画像に、あまりにもたくさんの要素が詰め込まれていて、映画を観たあとでも「あ、こいついたな」と思うし、見る前は「金魚www」って思ってました。右下にあるのは明らかに回復アイテム!実際、回復アイテムでした。(CoDを筆頭としたFPSは回復アイテムが落ちていることは少ないです。CoDで一回だけまさにこの手の回復アイテムが落ちてたのがWW2でした)

映画の舞台はオンラインゲーム「フリーシティ」。ノリ的にはグランドセフトオートをモチーフにしていると思われます。私は犯罪をやりたくなくて、GTAは一回もプレイしていませんが、同じ会社のレッドデッドリデンプションは割と好きです。長いので2はやってませんが。

ロックスターゲームズのゲームはオープンワールドでモブキャラがものすごい数いるんですよね。あとサイドミッションも大量。

犯罪が多発するゲームの中(犯罪をするのはプレーヤーなのですが…)、「ガイ」は真面目な銀行員。パトロール中のスタッフからは「40代童貞!」と呼ばれていますwいやゲームキャラなんだけど…。

この「ガイ」がなぜか、プレーヤーキャラに恋をして人工知能が高度に成長してしまいます。バトルフィールドとか観たあとだと信じられない成長っぷりですw

なにが面白かったのかというと

ガイが気持ち悪い

ガイ、英語で言うところの「アイツ」とか「ヤツ」とか「男」っていう程度の意味。このモブキャラ、恋をすると気持ち悪くて笑えます。

恋って気持ち悪いと思いますか?

私、恋って気持ち悪いと思います!恋をしている自分も気持ち悪いです!!片思いをしている人は「自分は気持ち悪いかもしれない!」と自覚しましょう!そんなことを彼は教えてくれました。 

まあ、ライアン・レイノルズの芝居が異様に面白いんですけどねw

 

テンポの良いギリギリなギャグ

ゲームならではの危ういギャグがテンポよく繰り出されます。まあ、ゲームまったくやったことないと「リスポーンてなんぞ?」ってなるかもしれませんが…

それより、ゲームキャラの向こうにリアルな人間がいて、そいつが叫んでる内容がゲームに入ってきちゃうし、オンラインゲームで大変失礼だとされている独特の動きをしていたりと(ご存知のとおり一定の動きしかできないのでテンプレがある)、所詮ゲームだからこその面白みがあるなあと思いました。

ひとことでいうと「ダサさが面白い」

 

ボスキャラで抱腹絶倒

Twitterでも紹介されていた「DUDE」。なんと開発途中で投げ込まれてしまったため、セリフが不完全ですw名前もひどい。「野郎」とかそういう意味ですww不完全さがバカキャラをさらに盛り上げていて、いちいち笑えます。ライアンレイノルズがノリノリでバカキャラを演じる(顔が同じ)ので最後まで笑いが止まらず、しかも、服装のディテールがいちいちツッコミどころ満載。下着のゴムの部分だけでずっと笑ってました。

しかもどういうわけか、ガイがこいつと戦う時だけ「それやばいだろ!」みたいなネタを次から次へとぶっこんできます。

こんなひどいバトルは初めて見ました。ゲームでもなかなか見ることはできません(著作権の問題があるため)。記念ものだと思います。

 

みんなだって好きなゲームキャラいるだろ?という同情と共感

プレイヤーの女性が「彼、良い人ね、お気に入りだわ…」とガイに感情移入したりする、その気持ちわかる! 

私もあのアンドロイド買いたい!まじで!いるならばww

モブキャラはみんないい人!性格の悪いプレーヤーに殴られたり跳ね飛ばされる毎日だよ。そんなモブキャラがかわいそうだ!

すごいいいところ、ついてくる。

挙句の果てにはゲームのキャラクターにガチ恋!

それ、私じゃないか!!!(ダメだこいつ) 

 

音楽が結構いい

TwitterではやはりGTAリスペクトではないか?と言われている、洋楽のノリノリポップスを要所要所でかけてくれて、楽しいゲームっぽさを出すとともに、すごくわざとらしい音楽をかけるシーンとかもあって、わざとらしい演出がおもしろい。

BGMだけで笑うシーンもあった。

 

ゲームを作る側のクリエイターの気持ちがわかる

この映画は、ゲーム内の世界とゲーム外の世界で物語が同時進行し、非常にうまくリンクしていきます。

ゲームの外では、「ゲームの売り上げUPだけを目論む嫌な社長(あるある)」「ユーザーに愛されるゲームを作りたいエンジニア」との戦いが展開されます。ああ、すごく気持ちがわかる……!!!クリエイティブ職についている人は必見ですね。涙が出そうです。

頼むからサーバー落としたり壊したりしないでね。胸がいたい。

 

意外とシナリオがよかった

シナリオよかった。完成度高いんですよね。大体先は読めるものの、投入されるボスキャラが奇想天外すぎたり(あらかじめツイッターで見ていたにも関わらずw)当たり前進行でもどうしても笑う要素が出てきてしまう。

色んな意味で「よくできてるなあ~!」と思ったので、続編出したいってディズニーが言ったらそれは確かにそうだろうなと思う。あとゲームを題材にした映画って実はそれほど好きなのなかったんですけど、これは素直に面白かったです。ゲームってなんでもありだから、意外と難しいテーマなんだと思う。

実はレディプレイヤーとかもなにが面白いのか、全然わからず、しかもキャラデザがどうしても気持ち悪くて見れなかったんですけど(笑)、ライアンレイノルズはほんと頑張ったよね。あんまり頑張った感じがしないのがまたいいね。