2022年1月30日日曜日

「ゴーン・ガール」という映画

デヴィッド・フィンチャーの2014年の映画です。

サムネイルがものすごい地味で、なんにも心惹かれていなかったけど、ホラーテイストなのかなと思い説明を読んだら、デヴィッド・フィンチャーということで、観てみました。評価もかなり高いようです。

確かに、めちゃくちゃ面白かった。

この映画の一番評価されるべき点は、脚本ですね。ストーリーそのものが非常に面白く、先が読めないけれど先がとても楽しみになってしまいます。

ギリギリ、エンディングまで主人公は抗い続けるので、まだやるか?まだ覆せるか?!と思ってしまいます。

以降は、ネタバレになってしまうので、これから観る予定の方は読まないでください。

一度でも観ていれば、人の感想も気になる映画ではありますよね。

 

 

エイミーの真の目的はどこにあったのか?を考えていく。

ストーリーの構成が面白いのは、冒頭でエイミーが姿を消し、旦那のニックがきつねにつままれたような解せぬ顔をして探し始めるところから始まり、中盤でエイミーの真相が早々に明らかになる、というところです。前半は淡々としているようでかなりスピーディーに展開します。そしてたくさんのヒントや、過去の夫婦のエピソードが語られます。 

エイミーは何がしたかったのか?これを考えると色々と主体的に映画をとらえることができると思います。


エイミーの不満

エイミーは不満があって姿を消すわけですが、その一つ目は、

1)旦那が浮気をしているのが確定し、侮辱された

というまっとうな不満です。だれもが同情するでしょう。と同時に、

2)幼い頃から親の希望通りに良い子を演じてきた抑圧

という不満を持っています。 

これが爆発したわけですね。まずはすべての「良い子を演じる抑圧」から解放されます。旦那に対しても、よい妻を演じてきたということが語られます。

しかしそれだけではおさまらないので、旦那に罰をくらわせたい。死刑に追い込もうと、あらゆる罠をしかけて逃亡するのでした。

この2点が、彼女の目的です。名誉の回復と、自由。

目的遂行のために、彼女は綿密な計画を立て、映画的演出もあって、大きなカレンダーに遂行する事柄を付箋で貼っていっています。

 

ではエイミーは善なのか?

前半はエイミーに同情するようなエピソードが多く盛り込まれますが、後半エイミー視点から物事が語られると、エイミーも結構なエゴイストであることが判明します。 

要は、これどっちもどっちだよね?という話になってきます。ドントブリーズみたいな、どっちも罪人じゃないのか?という。そして、罪人どうしの白熱した知能戦に我々は釘付けになるのですね。

だから、あまり主観的に観ないほうがいい映画ですね。突き放して、高見の見物を決め込むのがよいでしょう。ハウスオブグッチとも結構似ているところがあります。

また、エイミーが良い人だとどうしても思えないセリフがひとつあって、それは利用した女友達を「馬鹿な女」とはっきり言っていたことです。これではフェミニストとも言えないので、やはり、エイミーは善人としては描かれていないですね。

 

エイミーの恋愛観

エイミーは過去に2人の男を捨てていますが、2人目に関しては理由はおそらく名誉を傷つけられたから。いったん付き合い始めると、支配しきらないと納得できないようで、逃げられると思うと全力で復讐が始まるようです。

これは後述する育った環境による影響もありますが、彼女の元の性質もあるのかもしれません。

では、1人目の「今でも手紙をくれるしつこい元カレ」はどうしてダメだったのか?

おそらくですが、似たものどうしで気は合うものの、「どちらが支配するか」のパワーバランスが取れないのだと感じました。もったいないですね。

 

エイミーがあのようなサイコパスに育った理由は? 

エイミーはハーバード大卒のライターで、セリフからもかなり頭がいいことが推察されますが、両親の過度な理想論を押し付けられて育ったため、かなりこじれて歪んだ性格に育ちました。

つまり、あの事件の元をたどると、親が悪いという結論に行きついてしまいます。ここにも大きな教訓があると思います。

 

ニックはどうすればよかったのか

浮気は良くなかったと思いますが、彼のエイミーを口説く過程を見ていると、エイミーみたいな複雑でこじれた女性をずいぶん簡単に口説こうとするんだな、と軽率さを感じました。女性の恐ろしさをわかっていない。

これは、男性が見て「女は基本的に怖いものだ」という認識を得てほしい作品ですねw

つまり、高学歴で色々こじらせてそうな女に手を出す前にはよく考えろ、ということです。

私はたぶんエイミーに共通するところは多々あると思います。スペックが高くそこそこのルックスを持っているため、男性が寄ってくるものの、最初から本性みたいなのが見えているので、誰も本気で口説こうとはしてこないです(笑)

エイミーとニックの相性が良いかどうかに関しては、後半に関して言えば、めっちゃ相性悪いのでは…と思いました。多分元カレのほうがまだ相性が良いんですよね…

 

女性の人生の本質にも迫る作品

女性の人生は男性によっていとも簡単に壊されてしまいます。その逆も然りですが、女性は妊娠するかしないかで大きく人生やキャリアが変わってしまうんですね。

エイミーが結婚できないと周りに指摘されてどんなに屈辱でも、そのまま耐えたほうが幸せだったのかもしれません。

また、旦那をひきとめるために妊娠したいというのは完全にNGで、女性が犯しがちな罪のひとつですが、それも、「女性だからこそ」選びがちな選択肢。

つまり、我々は性に振り回された選択をするべきではないのです。「男がいなかったら」のifを常に考えたほうがいい。多分そっちのほうが理性的な結論が得られるので。

 

結婚の本質とはなんなのか

エイミーは結局私たちは理想的な夫婦を演じ続けなければならない、と旦那を脅して説得し、妊娠までこぎつけます。今後は理想的な両親を演じなければならない。

さてこれはバッドエンドなのでしょうか?

私は見終わった後、これは皮肉ってはいるものの、大半の夫婦や家族がこんなもんじゃないかな?というドライな感想を抱きました。

私の母親はバブル世代なので、適齢期にしつこく迫ってきた男と結婚するのが普通だったのかもしれません。

しかし、あまりお互いのことを知らないままマニュアル通りの結婚をし、マニュアル通りに子供をつくって育ててきて、50代くらいになると喧嘩をするようになりました。そして離婚したいと言うようになりました。

しかし、娘たちに散々嫌な夫婦像を見せておいて、結局離婚しませんでした。

しかも、60くらいでまた同じ騒動を繰り返しています。

もうずっと芝居を続けているんだな~と思います。

周りは芝居だともう気づいているし、今さらなんとも思っていませんが、私は時々実家に帰るとテレビドラマの中に入れてもらってるような気分になります。


この映画を観て、「こんな夫婦は絶対嫌だ!」と思うのであれば、それを避けて通るありとあらゆる努力をしなければならない。

また、結婚自体に絶望するのであれば、結婚をしなくても生きられるくらいの経済力を身につけなければならない。

 

エイミーは、男性が創り出した悪魔なのかもしれません。

 

2022年1月22日土曜日

ハウス・オブ・グッチ 観てきました

結論から言うと大変面白い映画でした!結末は大体わかっているのにwそこに至るまでがどうやってそうなったのかが気になって、わくわくしながら観ることができました。

こちらの映画は「クライマッチョ」とは対比的に、シナリオが大変よくできていて、細かいディテール部分でのちょっとしたセリフやキャラクターの反応から、様々な想像や解釈ができるので、「最後の決闘裁判」とも似たようなところがあるかもしれません。

要は、「なぜこうなってしまったのか?」「どうすればこんな悲劇にならなかったか?」を考えると、結構複雑で味わい深いんですよね。見終わったあと、色々考えてしまいます。

圧倒的に最初から悪かったのはパトリツィア(レディー・ガガ)だと思います。でも、なんか彼女の考えていることはわかりやすくて、憎めないようなところもあります。たまに、悪役でいかにも悪い女が、最後敗北して泣いてるとこで、ああ~、この人ああだったら幸せだったかもなあとかこうしたらよかったのに、みたいなのあるじゃないですか。で、結構ヴィランな女性って美人が多くて、なんなら小悪魔でかわいかったりするんですよね。そこが「ああ~、かわいいのに惜しい!」って思って、おもしろくなってきちゃうんですよね。パトリツィアはその典型だと思います。しかも、実はパトリツィアの言ってることは割と正しかったりするんですよね。

 

恋愛・夫婦ものとしての要素

パトリツィアはマウリツィオ(アダム・ドライバー)に初対面の時、名前「グッチ」を聞いて一目で「手に入れてやろう」とぎらついた目でターゲット捕捉します。かたや、マウリツィオは単純にパトリツィアの美貌に虜になりますが、再会した時は覚えていませんw

果たしてこの恋愛はどこまで本物だったのでしょうか。 

マウリツィオはグッチの名前を捨ててでもパトリツィアについてくるので、その時は本物だったんだと思います。思えば、この時だけは本物だったんだと。

しかし、マウリツィオは結局グッチの名前から逃げることができないため、それが不幸の始まりだったのだと思います。

ではパトリツィアは、グッチの名前と結婚したのだろうか?

ここもなんとも言えません。グッチの名前を捨てたマウリツィオと一緒にいるときに嫌そうな顔ではなかったので、そのままでもよかったのかもしれません。

もしかしたら、逃げられなくなって結局グッチの世界に戻ってしまったところから、また欲に火がついてしまったのかも……。

とにかく、パトリツィアの服装が徹底的に悪趣味なのが気になりましたw目立つ格好、派手なアクセサリー。なんならスキーウエアですら、ショッキングピンクで、かなり我が強いのが見受けられます。

しかし、本当に彼女はお金目当てで結婚したのでしょうか?

そうでもないのかな~というのが私の印象です。もちろん贅沢な世界にあこがれはあったと思いますが、なんというか「所有欲」みたいなのが強いなと感じました。とにかく押しが強くて、物理的にマウリツィオを押してるシーンがあってアダムドライバーの巨体を壁にぶつけてたのが大爆笑でしたw

自分が仕切りたい。自分の思い通りにしたい。自分が所有してコントロールしたい。そんなわがままが見えました。

実際そういう女性は今の会社にもいます。このタイプは仕事はバリバリやるんだけど他人をコントロールすることに無上の喜びを感じるらしいので、一生懸命他人を振り回すんですよね。

あと意見をはっきり言うのはいいけれど、他人の心を傷つけることに対しては無神経極まりないので、かなり嫌われていますね。こういうのに振り回されたいドМな男性がちらほらいるので生きている感じでしょうかね…。


「ブランド」と「デザイン」についての要素

ブランドとはなんでしょうか?

今でこそ日本でもブランディングという言葉が言われるようになり、よく米国のApple社などが引き合いに出されますね。あそこは家族経営でもなく、スティーブ・ジョブズの「驚異のプレゼン」により、米国発全世界で売られるようになりました。

マーケティングも重要ですが、プレゼン力はかなり重要かと思います。そのためにキャッチコピーやプロデュース能力も問われています。そして、デザイン。

デザイナーとしては、「デザイン」がブランドに与える影響が恐ろしくて、恐れおののきながら観ていました。デザイナーさんは観た方がいいかもしれません。

ジャレッド・レトが特殊メイクにより、イケメンを封じて「ひどいデザイナー」を演じています。かなりひどいです。柄ON柄なのはいいとして、なんかどこを見ていいのかよくわからないデザイン。

そこにロドルフォ(マウリツィオの父)がやってきて、大否定したあと、自分のデザインしたスカーフについて説明をします。そしてそれをよくみて学べと。もうこれに尽きますよね。良いデザインは「よく売れる」んですね。そして愛用してくれる人が多い。そして、後輩デザイナーがやるのは、「観察し、見て盗む」ことなんですよね。

そして、もうひとつは品質。

グッチに関しては品質は問題なさそうです。同じようなストーリーは「今治タオル」にも見受けられます。今治タオルは品質はよかったが、おそらくデザイン的にはブランディングがよくできていなかったのでしょう。佐藤可士和さんが心をこめてブランディングした結果、日本中に知れ渡る高級タオルブランドとなりました。でも手が届く値段であるのもいいですね。


家族経営についての要素

これは家族経営している日本企業は見ていて頭も胸も痛いかもしれないですね。

家族経営でも子供の代で改善したのが大塚家具でしょうか。改悪した企業もたくさんあるという印象です。この映画では家族経営を基本的に皮肉っていて、否定しているといっても過言ではない。

終盤でジャレッドレトとアル・パチーノが命からがら生き残ってコントみたいなのを繰り広げるのですが、私みたいに一般社員しかやったことのない人は大爆笑なんですけど、家族経営で会社やってる人は身の毛がよだつかもしれないですね……。あんな風に落ちぶれていくのはきついなと思いますよ。

でさ、どうせそうは言っても金は一般人より持ってると思うんですよね。株を売り払ったって、それなりに金持ちだと。だけど、ずっと贅沢してきたから屈辱でたまらないんでしょうね。もう耐えられない。1Kの賃貸とか住めないwwみたいなww

解体されていく家族経営という形態。アル・パチーノの怒りの芝居が一番迫力ありました。さすがだなあと思いました。

 

この映画は多角的な視点から観察することができます。「ブランド」「夫婦のありかた」「デザイン」「家族経営」など、どれかひとつでも興味があれば色々と考えさせられて面白いと思います! 


おまけ:それぞれの役者の評価

レディー・ガガ:体を張った大芝居!素晴らしい美貌と、超グラマラス完璧ボディー。何をとっても最強&最高。そしてやはり、声が綺麗ですよね~。あの挑発的な目は、虜になってしまう男性もいるのでは…w

アダム・ドライバー:今までみた映画の中で一番良いアダムでしたね。文系のいいとこのお坊ちゃんで、天然でぽやーっとしてて。たま~にマジギレするのもいい。意外とお父さん役が似合っていて、スターウォーズなんてなぜ出たのかって思っちゃいましたね。

ジャレッド・レト:特殊メイクで若いのに禿げた変態デザイナー役でした。デザインをバッキバキに否定されて悲しい顔してるのがかわいかったです。あんな、クズみたいな役でもばっちり演じるジャレッドさん偉い。

アル・パチーノ:なんだかジャレッドレトと個人的に仲良いんじゃないかと思うくらい、仲良しアホコントを繰り広げていて最高でした。もうずっと笑ってましたw

 

 

2022年1月17日月曜日

【RDR2】エピローグ ジョン・マーストンの日記3 最終回

セイディが馬で乗り付けてきた。ギャングが散り散りになる原因となった、例の裏切り者の居場所がわかったのだと言う。

早速馬に乗ろうとする俺を、アビゲイルが泣きながら止めたが、

アーサーは俺の命を救ってくれた。

俺は、アーサーの仇を討たなきゃならない。

それは、俺がやるべきことなんだ。

アビゲイルも、俺が無事に帰ればわかってくれるはずだ。


俺たちは裏切り者を雪山の崖まで追い詰めた。そこに、本拠地があり、大金が眠っているという。裏切り者はいつもそうだったが、協力すればその金が手に入る、と勧誘してきた。でもそれはアーサーもお断りした案件だ。彼はあまりにも素早く、なかなか仕留めることができずにいると、奥から、なんと

ダッチが現れた。

今度こそ。今度こそどちらが正しいのか決めてくれ。

ダッチは、俺に自己中だと文句を言ってきた。しかし冷静だった。ダッチはいつもそうだ。不思議な男だ。

結局、裏切り者を俺が射殺し、ダッチは相変わらず腑に落ちない顔をしてどこかへ去っていった。彼は自分の思い通りにならないといつもそうだ。

後には大金が残された。

全部、俺たちに残されたのだ。

俺はマイホームローンをそれで完済することができた。

セイディは大怪我を負っていたが、

「私、この後結婚式に参列するんだよ・・・っ」

と根性で家まで一緒に帰ってきた。

「誰の結婚式?」

「お前のだよ、バカマーストン!!!」

「あ、そっか///」

「そっかじゃねえよ!あんたが、アビゲイルとちゃんと式を挙げてないって言うから、あたしはまだ死ねねえんだよ!」

その後俺たちは、小さな結婚式を挙げ、戸惑う神父を巻き込んで大騒ぎした。


おじさん以外は、みんなそれぞれ新しい人生をスタートさせたようだ。

セイディは、「南米でイケメン革命家と恋に落ちる」とすごいドラマティックな乙女ゲー的筋書きを用意して旅立っていった。やはりセイディはすごい。ブチギレクレイジー女だと思っていたが、正義の賞金稼ぎになってるし、ギャングより遥かにかっこいいぞ。

チャールズはカナダで結婚すると言って、笑顔で出ていったが、チャールズは有言実行、有能でとにかくできる男だ、言う通りの人生を実現するだろう。

そういえばピアソンにも会った。普通に雑貨屋で働いていた。料理が上手いのでどこでも働けそうだ。雑貨屋には可愛い人形なんかも置いていた。

他のメンツは時間があったらおいおい、逢いに行こうと思ってる。めでたしめでたし。と思ったら最後の締めが

「それじゃ今日も牧場の仕事と育児頑張ってよね」

だった。アビゲイル・・・(´・ω・`) 

2022年1月16日日曜日

クライ・マッチョ、観てきました

のっけから厳しい結論を言うとすごいつまらない映画でした(ひどいww)。

 

別にクリント・イーストウッドが悪いわけではないのかなと思いますが。

脚本がとにかく酷い。ストーリー展開が緩すぎて雑すぎる、次に何がくるのか想像もつかないが、いわゆるドキドキして待てるようなものではなく、あまりにもあてどなくふわふわしすぎている。なんだかんだで国境に着くのを延長するように同じ街を出たり入ったりするだけ…。

例えばこれがあてどもなくメキシコの荒野を転々と放浪する話だったら、俄然面白かったと思うのですが、同じ街にダラダラステイして、中途半端に仲良くなってるのに帰らなきゃいけないってずっと言ってるわけなんですよね。

いやそこも、描き方によっては、エキサイティングな書き方が出来たと思うんですよ。私が書くんだったらそうしますね。テンポよく色々出来事が起きればいい。だけど、出来事も主展開に関係ない乗馬の話とか(これ後から生かされるのかなって思ったけど全然関係ないし…)で、とにかくダラダラダラダラ話が続くwクライマックスみたいなのが来たかと思ったら一瞬で終わって笑うしかない。

じゃあ、人間ドラマをもっと深く描くのかというとそうでもない。身の上話がさらっとしすぎているし、貧困問題でもないし、美人な未亡人にセクハラ男が迫っているわけでもないwもし、未亡人がマジで困ってるとかだったら、深みが出たと思うんだけどな。

何がしたいんだよお前ら、これヒューマンドラマじゃないのかね。と思っていたんだけど、ヒューマンドラマではあるんですよ。だけど、説得力がないし、それに十分フォーカスしてないから、全然泣けませんでしたw

もしきちんとヒューマンドラマにフォーカスして描くのであれば、主人公のひとりである少年の成長にフォーカスしなければなりませんよね。

まずは母親との関係。かなり悪いし、母親自体も確かに悪い女というか、狂人だなと思ったんですけど(その辺は緊張感あってよかった) 、十分に追っかけてこないのでその後あまり緊張感がありませんでした。緊張感がないから説得力がない。また、母親と完全に縁を切るのか、彼女と少しは和解するのかとか、未練の辺りもきちんと描かれていなかった。これは一生涯ひきずるのでは…?

次に父親との関係。よく知らない人のところへ行くのに、少年がかなりあっけらかんとしている。父親の住んでいる環境へのあこがれよりも、彼の人格とか、少年の具体的な未来とかの話をするべきだったのでは……。馬に乗れるとか、そうじゃねぇだろってちょっと思った。

テキサス男のバカさ加減が露呈してしまうので時代遅れ。男子は馬に乗れれば出世できるわけではない(笑)もちろん、舞台の年代は1970年代くらいなので、いいっちゃいいんだけども、1970年代以降はやはり大学を出るとか、何かの資格をとってアメリカで成功するのが本筋だと思うんだが(主人公がロデオで失敗してるんだから、勧められないはず。馬に乗るのは趣味程度にしとかないとな)。まあ、主人公がロデオ失敗男なのでしかたないのか…。

メッセージ自体は時代遅れではないので、残念なんですよね。


その点、「グラン・トリノ」はかなりしっかりしてましたよね!あれも少年が出てくるけど、ちゃんとクリントが建築現場に連れていって紹介をし、工具を一緒に買いに行ってあげたりする。あれは具体的ですごくいいエピソードでした。しかしあの映画の凄さは驚愕のエンディングと、グラントリノが車であることなんですよね…w

また、運び屋に関してはクリントがいい具合にしっかりとメインキャラクターを演じていて、彼を中心に話が進むので大変面白かった。クリントじいちゃんの自由で楽しい生き方にほれぼれするし、それがキャラクターとして生かされていたんですよね。

だけど今回は、 

主人公の性格がふわふわしていていまいち掴めない(脚本が悪いのかもしれないが、荒々しい性格なのか、穏やかなのかポンコツなのかいまいちわからない。が、頭がいいことは確か)

少年に悲壮感がない(あんな母親から逃げてきてストリートライフを生きてたなら、もうちょっとアッシュリンクス感を出してほしかったw)

キャラが立ってたのは女性のキャラクターだけですかねぇ。

唯一面白いのはオンドリのキャラクターなんですよね。

こいつの名前が「マッチョ」で、攻撃力が強いので、もはやこれはオンドリのドラマなのでは………

って思いましたw 

オンドリに芝居をさせるのは大変だけど、もうちょっとオンドリを活かせたら独特な映画になったかもしれないですねw(活かしきれてないのでちょっとうるさかったですwww)

2022年1月14日金曜日

【RDR2】エピローグ ジョン・マーストンの日記2

みんな、俺たちが家を建てるときに流れる曲がSpotifyで配信されてるから、聴いてみてくれ。


(笑) 

立派な家ができた。家具はまだ揃ってないけど、雨風は凌げるし、新築だ!するとおじさんが普段は寝てばかりの癖にこう言う。

「農場だけだとなあ。家畜を飼わないとな」

「ヤギは嫌いだ。不味いし。牛も見飽きた」

「お前毒舌ねぇ。じゃあ、羊だな」

「羊さんは可愛いから良い」

「羊さんを入れる納屋が必要だぞ」

「また木材買いに行くの?!」俺はあそこの店員が嫌いだった。どうもぼったくられた気がするのだ。おじさんがやれやれと、ついてきてくれて、なんかちょっと脅して安くしてくれたっぽい。木材は届けてくれるそうだ。そりゃ前回帰りに奇襲攻撃されたからね。

セイディにまた会って、賞金稼ぎを手伝った。とにかく金が必要だった。

しばらくして戻ってくると、立派な納屋が完成するところだった。今回はチャールズに人を雇ってもらって一緒に作ってもらったのだ。俺は二人を称えて、3人で祝杯をあげて酔っ払った。こう言う時に遠慮なく一緒に飲んでくれるのもチャールズのいいところだ。

しかし翌朝、目を覚ますと、おじさんがいない、とチャールズが言う。「どうせまたフラフラしてるんだろ」と言ったが、なんと血の跡が。誰かに誘拐された?明らかに、このへんにいる蛮族的ギャングだ。スキナーブラザーズと言って、変態的な拷問ばかりを繰り返す。なんでそんなに変態なのか、俺にも理解不能だ。

おじさんは火炙りになりかけてた。びっくりしてしまった。もちろん連れて帰った。火傷には馬の油がいいらしいな。

そんなこんなで全然平和でもなかったが、ある日フラッとアビゲイルとジャックが帰ってきた。ようやくだ。俺たちは抱き合って喜び、庭で談笑してたらセイディが訪問してきてさらに盛り上がった。

しかし、セイディは俺の資金不足を心配して、賞金首の仕事を持ってきたのだった。アビゲイルはそれを聞いて一気に不機嫌になった。ジャックにそんなこと絶対させないでよ、と釘を刺された。ここで素直にアビゲイルを宥められないのは、アーサー、あんたにまだまだ追いつけないな、俺の欠点だ。ついつい反論してしまう。

でもなんとか許可を得て、俺はまたセイディと賞金首を探しに行った。

実はその過程でなぜか、熊に襲われて大乱闘を繰り広げ、死にかけたのはここだけの話にしてくれ。アビゲイルマジで怖いんだから。こないだ、「俺のこと許してくれた?」って聞いたら

「Never(全然)」

って言われた(´・ω・`) 


2022年1月12日水曜日

【RDR2】エピローグ ジョン・マーストンの日記 1

アーサーは命懸けで俺を助けてくれた。だからこそ、俺は立派に生きていかねばならない。ギャング稼業からは足を洗うんだ。俺はアーサーから武器などのアイテムを引き継ぎ、新しい生活をすることにした。

牧場のバイトだ。

しばらくは、アビゲイルもジャックもついてきてくれたのだが、次第にアビゲイルが「自分達の家が欲しい」と言い出し、待ってもらっていたのだが、ある日家に帰ると、アビゲイルはいなかった。

三行半ってこのことだろうか。

少し長めの手紙と、俺へのプレゼントらしきものが残されていた。ジャックもいなかった。

俺は一大決心をし、自分の家を買うことにした。

マイホーム。この貧乏な俺が。

牧場で一生懸命働き、相当な信頼を得ていた牧場主に相談した。彼も妻に怒られたばかりだと笑った。

「銀行に親戚がいるから、口を聞いてやろう」と彼は言う。実際銀行に行ったらお金を貸してもらえた。もちろん返済は必要だが。

俺は土地を買った。荒屋が一軒、あるだけの。

たまたまひょっこり現れた「おじさん」(いまだに誰も本名を知らない)が言うには、なんと家を建てる木材をセットで売ってくれるところがあると言う。信じられないが、カタログで家を選び、木材とマニュアルを持ち帰り、自分で組み立てるのだ。

工具を借りた帰りに、盗賊に襲われたりと色々あったが、サンドニで遭遇したチャールズ(相変わらずムッキムキだった)が仲間に加わり、家を建てることができた。正直一人では無理だった。チャールズは本当に強い。別れた後、違法の賭けレスリングに出場して稼いでいたそうだ。逃げる算段のところを、俺に協力してくれたのだ。本当に頼りになる。彼は腕っ節も強いが、なんともまともな思考の持ち主で安心できる。

これがアメリカンドリームというやつだろうか。立派な3DKを自分達で建ててしまった。これから牧場も作らないといけない。

俺は苦労しながらなんとかアビゲイルに手紙を書いた。これで嫁と息子が帰ってきてくれれば、今度こそ、本当のアメリカンドリームが完成する。


2022年1月10日月曜日

スパイダーマン NO WAY HOME 観てきました

昨年の三連休山口県の湯田温泉に行ったら雪で死にかけて後悔し、今回は福岡にいることにしたのですがこういうときに限って晴れたりしますね。(笑)過去からあまり学べない。

少し時間があるなあと思ってスパイダーマン観てきました。とはいえ、なんと2時間半ありました。長すぎじゃね。

色々てんこもりな内容だったんですけど、なんとなく「え、これでスパイダーマン終わるんじゃない…??」っていう内容でした。とくに最終回とは言われていないようですが、トムホ版は終わりですかね。

一言でいうとかなり暗い内容です。

 

予告編観てると、ドクターストレンジが魔法失敗したのがいけないみたいになってますが、私に言わせればピーターが原因だと思います。今回かなりトラブルメーカーな感じがしました。もともとトラブルメーカーでトニースタークにも結構怒られてましたけど、今回は致命傷な感じがします。

ということは、彼はもとからこのくらいのトラブルに巻き込まれる前提のキャラクターだったのかもしれません。

ドクターストレンジにも、「忘れていたよ、君はまだ子供だったな」と言われるくらい、後先を考えない行動の数々。 

あまり細かいこというとネタバレになるのでざっくりいうと、マルチバースへの道が開いたかなんかで、過去のスパイダーマン2人が召喚されてしまい、さらに過去のヴィランも登場します。懐かしいキャラクターが勢ぞろいで、トビーマグワイヤあたりはかなり年とってますけど、ちゃんと同じ役者でした。ヴィランもです。意外と私覚えてました。

あとトビーの美しい青い目も健在で、彼はとにかく目元が美しいんですよね~。当時もかなり人気があったように記憶しています。

ノーマン・オズボーンがなんか凄かったですね、ウィレム・デフォーの芝居のクオリティが高かったです。彼は私の好きなゲームにも出ていますがクセのある役が上手いですよね。ノーマンの中の二重人格の悪のほうが露呈するとイキイキとし始めるのが面白かったですw

あとアンドリュー・ガーフィールドは、私は他の映画「SILENCE」とかのほうが好きですけどどの映画に出てもなんか「いいひとキャラ」で、なんとなくいじりたくなるあたりがスパイダーマンっぽさありますね。トホホキャラというか…。みんなに「アメージングなんだろ?!」と励まされてるのがなんか笑えてしまうんですよね……

この映画が長くなってしまった理由はスパイダーマン3人がだべるシーンが結構あり、面白いんですけど知らない人から見ると結構蛇足ではあるんですよねwトビーの腰を整体してあげるアンドリューとかもう笑うしかないっていうか……

 

ストーリーのプロットとしては、私はドクターストレンジはなんも悪くないと思うので腑に落ちないし、やっぱりピーターがやらかしたと思うし、しっかりできないんだったらMJにもっといちいち相談すればよかったと思います。せっかくしっかりした彼女できたんだからww

ドクターストレンジの力は強大で、あれだけの力を持った人を怒らせてしまった罪は重いと思う…。そしてそれはトニースタークの時もちょっと思いましたw

ドクターストレンジの能力の方が見てて爽快ではありました。今回アクションもあるにはあるんだけど、悲壮感や緊迫感が漂いすぎててちょっと安心して観れるものではないというか、悲しいシーンが多いかな~という印象です。

テーマとしても、誰もかれも全員救うというのはやはり傲慢だなと感じました。たとえピーターが良いことをしていたとしても、犠牲があまりにも大きいというか。

 

2022年これから観たい映画:

クライマッチョ:予告編見ただけで泣いたので劇場ではティッシュ握りしめて観ようと思いますwwどんだけクリント好きなのよ(じーちゃんものに弱い)

ハウスオブグッチ:レディーガガがアダムドライバーをどういじめるのか楽しみ。あとジャレッドレト。

ジャレッドレトといえば、モービウスがビジュアル的にも好みではあるんですよね~どうかなあ。ヴェノムみたいになっちゃうのかしら(ヴェノムってコメディですよね)

ウエストサイドストーリー:これ見ないと死ねない

アンチャーテッド:あまり期待してないけど批判する前にゲームのファンとして観にいきますw

ナイトメアアリー:キャスティングも凄いし、なんとなく期待(ポスターの雰囲気良いね)

バットマン: 予告編ですごいダークなメイクで出てくるイケメンが超私好みじゃないかと思ったらロバート・パティンソンだったという衝撃。彼、陰キャできるのか……www

今までのバットマンの中ではビジュアル的に一番好みです。歴代、バットマンって結構ムキムキで口だけ見えててきもかったんですけど、ロバートくん細いので良いです(単なる好み)。

暗い。最高か。

https://www.crank-in.net/gallery/news/81937 

多分ですが、ロバートくんは笑うと元に戻っちゃうと思います。役者って大変ねw

2022年1月7日金曜日

【RDR 2】何かに勝利した、俺

 RDR2本編、終わってしまいました。

あのあと、最後のミッションがあり、そのまま怒涛の展開で最後まで強制イベントでした。かなり長いこと、アーサー君は粘り続けました。

DMC5のVさんを思い出しますが、本当に、もう死ぬ、もう絶対死ぬと、わかっているのに、他人に止められても「まだ行けるぞ!」というアーサー君。彼を突き動かすのは、ダッチとの決着だったのか。それともジョンを逃すためだったのか。その両方が描かれていると思いました。女性陣を守り通して、先に行かせるシーンが一番かっこよかったですね。

私は、ダッチと殺し合いになるのではないかと心配しましたが、結局のところなぜダッチがあんな性格なのか、私なりの結論を得ました。(殺し合ったのは、別の部下で、内通者だったようです。私もあいつは嫌いだった。あまりにも、予期されていた敵でした)

ダッチは、自分の部下たちが派閥に別れるのを見て、非常に困惑し、解せぬ、という顔をしていました。少し怒っているようでした。そしてアーサーと、内通者だと言われる人間両方に銃を向けました。

でも、最後まで、撃ちませんでした。

長いこと、そいつらを眺めていました。

ぶっちゃけある意味マジなサイコパスで、どうでも良くなったのかもしれません。

でも私、思ったんですよ。

この人、中小企業の社長によくいるタイプですね。怖いでしょう。日本にこういう人、たくさんいると思いますよ。

金への執着はなかなかすごい。必ずや、回収しようとする。

部下はあくまでも、駒。病気になったら深追いせず、はいさようなら。

去るものも追わず。ちょっと文句は言いますが、相手にではなく内部の人間に圧力をかけるための愚痴。

自分では絶対に部下を殺さない。バレたら悪評が立ちますからね。

明るい性格だし、とにかく夢を語る。部下はそれを非現実的だと批判するが、受け入れない。

ある意味メンタル強いんですが、メンタル強くないと、やっていけないからだと思います。


アーサーを一回見捨てて、その後ジョンを見失った時、「あいつは死んだよ」って言いながら帰ってきたダッチ。ひょっこりクライマックスで現れてアーサー側についたジョン。その時のジョンは、全くアーサーと同じことを言っていた。

「見殺しにしたな!」と。その時のダッチが、とても純粋な顔で「そうするしかなかったんだ」っていうのが不思議でした。

ギャングのリーダーは普通の人間の感情を持ち合わせていたらやっていけないのかもしれないですね。彼なりの理屈があり、そこからズレたものは全て見捨てるといったロボットのような判断力だと思いました。


フィクションの作品では、よく義賊みたいな集団ってちょっとした、アウトローならではの人情や連帯感があるものだと思っていたので、こちらは新鮮でした。ある意味非常にリアリティのある作品です。

RDR2はRDR1以前の話で、ジョンは1の主人公なので、彼が死ぬはずはないと思っていました。しかもエピローグはジョンがギャングから足を洗い、真っ当な仕事を始める物語です。

しかし、RDR1の結末を知っているファンとしては、あまり手放しで喜べないというか、束の間の楽しい生活を体験するという感じですよね。ジョンは今作もいいやつだったので、楽しいですけれども。

RDRはいつも善人がやられていく物語なんだけど、不思議とそれでも善人であるべきなんだよなあって気分になるのが、いいところだと思います。


アーサーが病気にかかったのは伏線だったのかもしれません。元気であれば、誰かが彼を殺すエンディングにするしかなかったかもしれないので。病気で静かに死んでいく方が、誰のせいにもならないから、良かったのかも。

ダッチが最後に誰も殺そうとしなかったのは、少しはアーサーの真心を感じ取ったからなのかもしれません。それが、贖罪ということなのだと、思いたい。

2022年1月6日木曜日

【RDR2】サイコパス、顕現す

しまった、雨の到来について間違った解釈をしていたので、ここで訂正する。

雨の到来の息子は、「鷲の飛翔」だ。

チャールズがネイティブアメリカン的ルックスと言動なので、うっかり勘違いしてしまった。

チャールズについて復習しよう。チャールズの親は父が黒人、母がネイティブアメリカンだった。チャールズの体格は雨の到来たちに比べると一回り大きい。かなりガタイがよく、頼りがいがあるのは、黒人の血を引いているからなのかもしれない。そういえば、肌が結構浅黒いなとは思っていた。

チャールズはネイティブアメリカンにも属さず、13歳で放浪の旅に出たようだ。その過程で、素晴らしいサバイバルスキルを身に着けたというわけだ。道理で弓矢の扱いが抜群である。

さて、雨の到来の息子、鷲の飛翔は、白人の蹂躙に完全にぶちぎれて、コーンウォール油田に突撃してしまった。だが鷲の飛翔、上半身裸なのにものすごい強い。というか、スピードが速すぎてピストルの弾に当たらないのだ…。

最初、ダッチは「なんで雨の到来とつながってるんだ」と驚いていたが、俺はなりふり構わずこの息子を助けることにした。雨の到来にはいろいろと、世話になったというか、精神的な絆が出来上がっていたんだ。薬ももらったし、なるべくなら彼らには幸せでいてほしい。

どういうわけか、ギャング一味がついてくることになった。

激しい戦いののち、ダッチが「ここには大金があるはずだ」という。そうか、それが目当てでついてきたんだな。

まあそこまではよかったんだ。

債券を手にいれ、帰ろうというときに、俺はコーンウォールの連中に捕まってしまった。殺されるかもしれないというときに、倒れた俺は確かに見た。ダッチは、静かにそこを去ろうとしていた。

 

見捨てられた。

 

そう思った。俺が病気なのも知ってるし、最近反抗的なのも十分承知している。ここで見捨てれば、かわいそうなアーサー君を他人の手で処分することができる。

ダッチはそういう計算高い男だ。あまりにもショッキングで、予期していたことだったにも関わらず、怒りが湧いた。

そこに割ってはいってくれたのが、鷲の飛翔だった。

彼は強かったが、そのせいで重傷を負ってしまう。


俺とチャールズは雨の到来まで息子さんを送り届けた。あまりにも、悲しく、怒れる事態に、俺は、このまま雨の到来のネイティブアメリカンたちとともに過ごしたいと願ったが、チャールズには止められた。

「ここは俺が面倒を見る。アーサーは、ギャングたちに必要とされている」

 

これ以上何をしろというのだ。

 

一体俺は、ダッチと今後どんな風に過ごしていけばいいというんだ。あと少しで逃亡資金がたまる、なんてダッチは言っていた。その逃亡まで、俺の命はもたないかもしれない。 


最近はひとつミッションをこなすと、咳き込んで座りこんでいたが、今回は道のど真ん中で倒れてしまった。誰かが介抱してくれたのはなんとなく覚えている。あの時助けたドイツ人のファミリーだ。あの時は元気だったし、そもそも俺は他人の家族を引き裂くなんてことはしない。

 

こんな時に、彼らが恩を返してくれたおかげで、俺はもうちょっと、生き永らえることになってしまった…。

 

 

2022年1月5日水曜日

【RDR2】ゆるやかな崩壊

少しずつ、ギャングを脱退するものが出てきた。

スワンソン牧師が、ある日ミッションを終えるとすぐそこにいた。

なんというタイミングだ。俺のことを待っていたのか???たまたまだったのかもしれないが、某軍隊の人を列車で見送ったばかりだった。

スワンソン牧師が一体、なんの役に立っていたのか、俺にはわからないw

初めて会ったとき、彼はなんか酔っ払っていて、情緒不安定だったが、それは彼を説得してアジトに戻しても、延々と続いた。いつも情緒が不安定なのだ。

だけど、逃亡する時まで、彼は情緒不安定だった…笑

「アーサー、君は善良な人間ではない」

「そりゃそうだろうけど(ハッキリ言うなあ)」

「だが良い人だ」

「どう違うのー?!!」

うざいので早く列車に乗りやがれと促した。最後まで意味不明だった。もう2度と会うことはないだろう。大体、ギャングって悪いことしがちだから、統制が取れない。思い返すと、ダッチがリーダーとして慕われなくなったら、あっという間に崩れるような組織なのだ。


メアリーからまた手紙が届いた。驚愕である。なんで、住所がわかるんだ、と思っていたが、どうもギャングの女子と繋がっているようだった。ティリーから直接手紙を手渡されたからだ。(私書箱という選択肢もあるのに、それを使わないということはそういうことなんだろう)

若い頃もイケメンな俺


メアリーは完全にお別れしたいとのことだった。少しショッキングだったが、俺はもう長くはもたないだろう。メアリーに看取って欲しいなどと、甘えたことはぬかしてられない。彼女には子供がいる。

ジョンにも息子がいる。俺はジョンにも、逃げるべき時は全力で逃げろと伝えた。

セイディが最後に復讐したいというので付き合った。彼女はゲーム冒頭で旦那を殺された状態で発見される。その頃からずっと狂気を身に纏ってきた。とにかく怒りのままに行動していた。

俺とセイディは似ている。

もはや現世に留まる理由などない。なんとなく生きているだけだ。


ギャング以外に生きる道はなかったのだろうか。時々そう思うが、もはや引き返せる時期はとうにすぎてしまったのだ。たくさんのものを失ってきた気がするけど、最後に助けられるだけの人を助け、ジョンのように未来がある人間に、バトンを渡していきたい。

2022年1月4日火曜日

【RDR2】雨の到来

ダッチとマイカはここ最近発狂っぷりが目立つ。

静かにミッションこなそうとしても、やり方が雑でどうしても何かやらかしてしまうのだ。

それに比べて、俺がギャングで一番信頼しているのが、チャールズだ。(そりゃついこないだまで、ダッチを父として、リーダーとして尊敬していたが、もうやめだ)

チャールズは肌が浅黒く、精悍なネイティブアメリカンの青年である。

静かで綺麗な英語を話す。

英語ってのは地域や人種によってニュアンスや発音すら少しずつ異なるが、俺のだらだらアメリカン英語に比べたら、チャールズなんか詩人に聴こえる。

そのチャールズの父が「雨の到来」である。英語で言うと「Rains Fall」である。

(なんでチャールズはチャールズなのか知らんけど、多分アメリカンネームなんだろう)

ネイティブアメリカンは、白人たちにより嘘の契約を結ばされたり、領地を取られ、非常に理不尽な扱いを受けている。これはアメリカンヒストリーでは重要な項目の一つだ。

俺は死を予感したとき、彼らの気持ちがわかるようになった。

ダッチのせいもあるかもしれないが、実に白人たちは傲慢で強欲である。


実はこのミッションは受けなくても良かったんだが、チャールズに頼まれたらちょっと断れない。

しかし雨の到来と話ができて良かった。薬草もくれたし。


俺にはまだ、やる事がある、と雨の到来は言う。

こんなボンクラの死にかけギャングにも、最後にできることがあるんだろうか。


先日、カップルの駆け落ちを手伝って、ものすごく褒められたし喜ばれた。迷子の犬を送り届けたときも喜ばれて、いい気分になった。

俺のことを「いい人」と皆は言う。だけど、今まであまり報われてこなかった気がする。しかし、今なら、見返りのない善行も行える気がする。