2022年2月8日火曜日

華麗なる★ギャツビー

最近、映画を観た後他人の感想を漁るのが結構楽しくてですね。

映画.comがいいかな。ヤフー映画は少し民度が低いですよねwYoutubeの予告編に行くと海外の感想があふれていて、英語の勉強にもなりますね。最近「大怪獣のあとしまつ」がプチ炎上しててウケるんですけど、著名人の感想がすごい遠回しに「これはダメだ……」って言ってるのが手にとるようにわかる。

他に感想で楽しかったのはジェンダー問題作。「最後の決闘裁判」は特に荒れた。ハウスオブグッチは皮肉満載なので、たいていの人は「悪趣味だけどわかるわかる」って感じでした。

私が仮に有名人になってしまったら手放しで「これつまらん映画やで」とは言えなくなるので、ブログでこき下ろせる私は幸せなのかもしれない。

 

さて「華麗なるギャツビー」は、ずっと避けてきた映画でした。実はディカプリオが苦手なのです。特に白っぽいスーツ(ピンク?らしい)で酒を片手にドヤ顔しているビジュアルがヤバい。「ジャンゴ 繋がれざる者」を観てから金持ち成金ディカプリオがトラウマw今回も、少し危険な男ではあるのだが……

観ようと思ったきっかけは、「教養を身に着けよう」みたいな浅く広く雑学・常識を取り扱った本を、昼休みとかにちょこちょこ読んでるんですが、そこで「グレート・ギャツビー」(超有名小説)がどのような内容かあらすじが書いてあって、それが俄然面白く感じたのですね。

シェイクスピアとかの時代からある、成金が名声を得て、女も得て、それから衰退していくような典型的な物語。

結構テンプレな展開だなと思ったのですが、なんかコロナ禍だとパーティーとかできないじゃないですか。

別にパリピでもないんですけどw

でもアメリカ映画のパーティーシーンっていつも「すげーな」って思うんですよね。

「華麗なるギャツビー」は、ギャツビーが毎晩のようにド派手なパーティーを開いているシーンが前半にありますが、それがものすごいんですよね。とにかく。日本の泡パーティーとか目じゃない感じ。観るエンタテイメントとはまさにこのことか。派手なのもいいが、音楽がなぜかEDMなんですよ。音楽よかったですねぇ。

それから映画全体の演出がベタなんだけど良くて、各シーンが鮮烈に意識に残るように作られているなと思いました。

例えば前半でディカプリオが満を持して「僕がギャツビーだよ」と酒を片手に超・ドヤ顔で振り返るシーン。スローモーションですごい顔です。これがポスターやサムネでいいんじゃねっていうくらいすごい画がそこにある。

各セットもつくりこまれていて美しい。パイプオルガンもどうしても意識に残るし、眼科医の看板も強烈だし、デイジーを迎える花だらけのリビングも超ド派手なのにセンスがよくて、キラキラした経済成長期のアメリカンなビジュアルをとことん演出しているなと。

少し「ラ・ラ・ランド」を思い出すカラフルな派手さがあるのですが、もっと完成度の高い、お金と時間をふんだんにかけた大仰なセットであるように感じました。衣装も、「布の上に直接宝石を縫い付けまくった」ようなすごいドレスを着てたりしますね。


テーマはわかりやすい、男女のもつれの話ではありますが、意見は別れそうな感じがしました。

ギャツビーに同情するか、しないか。

私は、「かわいそうだな」とは思うのですが、どうも彼が好きになれないんですよね。

例えば「オペラ座の怪人」というミュージカルがありますが、怪人は音楽の魔力かなんかでクリスティーヌを手に入れようとして敗北するわけですが、

アメリカ人は最後敗北した怪人に対してかわいそうって泣くんだそうです。

怪人可哀そうだけどさ。彼氏いるのに横取りしようとしたわけじゃん。あとプライド高すぎるせいで、顔のやけどをさらしきれないんですよね。性格は悪いなと思ってます。

多分アメリカ人はギャツビーに泣くんだろうなと思うのですが、成金だし、結局稼ぎ方も正攻法じゃないのがわかってしまうし、あのパーティー、金があっても私ならやりませんね。成功したという名声と実感が欲しかったのでしょうけど。それでデイジーを引き寄せようとしたといっても、正攻法じゃないよなって思っちゃうんですよね。

しかし面白いのは、オペラ座の怪人の彼氏がまともであるのとは対比的に、デイジーの旦那トムは浮気をしています!なのでこちらにも同情できません。しかも、愛人は最後に、とんでもないことになるのですが……

この騒動を目の当たりにした私は最終的に思ったのが「どいつもこいつも大馬鹿だなあ」ということです。

女も、男も、覚悟を決めて、浮気せずに、正攻法で、相手と結婚するべきだったんですよね。

話としてはひたすら落ちていく話で、最初と最後はすごい温度差。最初は「ニューヨーク最高!」だったニックが、最後は電話機の前で茫然としていて、突然すべての夢が消えたみたいになっています。

バブルはいつかはじける…。

私の世代はそれを身をもって知っているし、日本がいかに残酷なことをする国かも知っている。なので、白い目で見つつ、ギャツビーが100%悪いとは言わないです。 

私たち一般市民は、地味に丁寧に生きていくしかないですね。

 

キャラクターについて:

どいつもこいつもはまり役だが、気になったのは「デイジー」。

なんとキャリー・マリガン。私は「プロミシングヤングウーマン」を観るまで実は彼女のことを全然知らなかったので、

別人かよ!!!

とかなり驚きました。しかし、劇中ずっと彼女のたれ目が気になっていて、「たれ目は男ウケするんかな(笑)」とか思っていました。プロミシングヤングウーマンで、男性を翻弄するために激烈メイクを施して現れるキャリーも、たれ目が特徴でした。 

デイジーはモテモテかわいい女子ですが、ふたりの男の間で引き裂かれ動揺します。その辺の芝居はさすがでした。

しかしデイジーが悪い女か?っていうとこれ、他の最近みた映画にも共通するけれど、

男が女を悪くしてるとしか思えないんですよね。

ギャツビーがしつこすぎるんですわ。

女性視点からの正解は、「ギャツビーをはねのけてお断りする」です。


音楽について:

どういった経緯だかすっかり忘れたんですが、たぶんYoutubeのリコメンドに入ってたんですが。「Young and Beautiful」という曲が前から好きでして。これが、映画でいいタイミングで使われています。(というか、ギャツビーの曲だったんですねw)

すごい歌詞なんですよ。

「私が若くなくなって、美しくなくなっても、愛してくれますか?」

という歌詞です。作中そのようなセリフは出てこないのですが、これはデイジーの心のうちを表していると思っています。女性が外見だけで寄ってくる男に必ず思っている普遍的な質問だから。


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