2023年5月15日月曜日

TAR、観てきました

ケイト・ブランシェットが最後までミシェル・ヨーとアカデミー賞を争ったと言われる話題の作品「TAR」いったいどんな作品なんだと観て参りました。

率直な感想としては「不可解なシーンが多い」という映画でした。が、話の大筋は誰にでもわかるようになっており、そこがいいなと思いました。つまり「話はわかったけどあのシーンはどういう意味?」と後から深堀することができる。

イイじゃないですか。

私もまだ見てきたばっかりで考察もあまり読んでいないのですが、

アカデミー賞候補に挙がる作品というのは深堀りができるものが多いと感じます。

前日にリーアム出演の映画「MEMORY」を見ていたのですが、正直深堀りのしようがなくて、わかりやすいんだけど、心にあまり残らないんですよね。 

本作、リディア・ターというレズビアンの優秀な指揮者が没落していく様を描くのですが

さすがケイト・ブランシェット、悪役がはまるというか…。

え?彼女は悪くない?いや、やっぱり悪いんじゃないですかね?女性の教え子に手を出して、まるくおさめられなかったわけですから…。

他の芸能人の不祥事もそうなんですけど、多分付き合っている時は「恋人」なんだと思うんですよ。別れ際に綺麗に別れられなかったから、もめるんですよね。

でも、ケイト・ブランシェット自体は格好良くて、「ナイトメア・アリー」よりこっちのほうが好きでした。私もよくやる格好を映画で観ながら、「やっぱりケイトはスタイルがいいなあ~」と思って。目指すはアレですよwパンツスーツ。シャツをラフに着こなす。

夜中に音が気になって目が覚めるシーン、私も実は結構やります。特に運動不足でよく眠れない時に冷蔵庫の音が気になって、目が覚めて、音源をウロウロ探したことがありますね…。そういえばアナログ時計の「カチカチ」が気になってある日ついにアナログの時計を処分し、デジタル一個にしてしまいました。

監督は音楽が好きなんでしょうかね?音楽好きにまつわるトラブルやちょっとした神経症みたいなもの、音楽一家として育てられた私たち姉妹は経験していて、妹なんかはすごく共感するんじゃないかなって思いました。

ただ、こういう神経症みたいなのって芸術系の仕事をしている人は一度は経験するんじゃないかなと思います。 この神経症なのか、よくわからないシーンは結構ホラー色が強くて、ホラー映画にしてもいいんじゃないかなあと思いました。

ただ、音楽よりの話をするのかと思ったら、後半はどんどんとスキャンダルで落ちぶれていき、次から次へと人が離れていくのは悲しいと同時に、それまでの彼女の少々傲慢なやり方が仇になったんだなと、

会社とかもそうなんですけど、「自分はうまくいっている!」と思っていても、案外周りからはすでに嫌われてたりするもんなんですよね。私も気をつけようと思いました。

話自体はシンプルなんですけど多分トッド・フィールド監督の能力というのは、磨き上げられたセンスの良い演出ではないかなと思いました。独特だし謎も多いなと感じます。


謎すぎるシーン:

クリスタが残していったのか?何度も登場する「図形」。出る度に怖い。ホラーのよう。クリスタと何があったのかは大体想像つくんですが、もうちょっと説明してほしいなってとこありますよね。それを、巧妙に隠すのが脚本としては面白いんだけどやっぱ気になりました。

深夜に勝手に動いていたメトロノームはマジで怖いです。結局誰がやったの?

天才チェリストの自宅。本当に住んでいるのか?

そもそもこのチェリスト、一体何者だったのか(クリスタから差し向けられたのかと思ったw)。

深夜に見る悪夢で体に火がついてるやつ。やっぱ、心象風景は不可解です。

 

好きなシーン

私が好きなシーンはやっぱり、実家?に帰ってきて恩師のビデオを観るシーンですね。 

しかもそれが、私が愛してやまない世界で指折りの作曲家・指揮者、レナード・バーンスタインです。

私が、ウエストサイドストーリーが最高のミュージカルだというのはバーンスタインの音楽が狂気をはらんでいるのにきちんと世界を表現していて、唯一無二と感じるから。あれを超える音楽は基本聴いたことがありません。それがあの少し狂気じみているターの恩師なのですから納得がいくし、彼の言葉でターと一緒に感動できるのは素晴らしい体験でした。

個人的にはバッハの平均律が最初のほうに出てくるのもよかったなと思います。(あれは簡単で誰でも弾けるのに美しいので本当に良い音楽です)

バーンスタインのビデオメッセージが全てなんじゃないかなって思いました。

音楽の本質。

ああいう、くだけたことを言えるから、バーンスタインの音楽は今2023年に聴いてもすごい曲なんですよね。

 

ターは才能あるし頭もいいんだけれど、ちょっと進め方がうまくなかったのかなと思うところは劇中にもあったのですが、ああいうのは茶飯事だと思うんですよね。世界最高峰のオーケストラなんてとこにいると、色々大変よねって話でもあると思います。

ですがやっぱり、身近でお世話になっている人はパートナーでも大事にしないといけないですね。毎日顔を合わせているからって甘えっきりはダメってことですね。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿