2022年5月5日木曜日

「グッド・タイム」を観ました

GWは先に旅行を終わらせてしまったので(ストレス倍増生活を送っていたので連休開始とともに旅立ったw)、後半少し暇になってきたのでネットフリックスに舞い戻ってまいりました。

理由としてはあまりにもAmazon Prime Videoが遅いから!iPadだとストリーミングが不可能なレベルになってきていて、ちょっと困った感じです。抜けるべきか否か…。5月末の「オビワンケノービ」もやっぱり観たいとなると、サブスク倍増してしまうので、困ったもんですね。

「グッド・タイム」という映画は、マット・リーヴス監督がパティンソン君をバットマンに起用しようと確信したという映画だといいます。

貧困層で暮らす主人公のコニーには愛する弟がいますが、知的障害があってカウンセリングを受けていて、コニーはそれが気に入らず、強引に連れ出してふたりで暮らそうと計画します。 

そしてお金がないので銀行強盗をしますが、銀行の受付が通報したため、お金は手に入ったものの、結局足りなかったり、警察に付け回され、弟は逃亡の途中で捕まってしまい、それをひたすら取り戻そうとする兄(パティンソン君)の話です。

大きな主題としては、「虐待」があると思います。

弟はどうやら、話の端々をつなぎあわせると祖母から言葉とか、鍋かなんかで暴力を受けていたことが示唆されます。なので、兄は祖母のことはいいからと説き伏せて、ふたりで逃げようと画策するのです。

また、適当に逃げ込んだ家庭では、そこのお母さんが結構娘にきつく当たっており、娘さんはコニーに興味を持ち一緒に逃亡します。

その娘さんと観ていたTVでも、動物虐待のニュースが流れます。

コニーは弟のためにありとあらゆる犯罪を犯し、自分の見た目のよさや生来の性格のよさを利用し、他人を巻き込み、傷つけたりひどい場合は死なせてしまうこともあります。

しかし、なんとも複雑な状況であり、どうしてもコニーに同情せざるを得ないところはあります。

すべては貧困が原因であり、もしコニーの家にお金があればもっとマシな生活が送れていただろうし、コニーは観ているほうがびっくりするほど機転が利きます。きっと大学まで出てきちんと勉強すればいい仕事にも就けたのではないかと思います。

みどころとしては「コニー」という魅力的なキャラクターが、次から次へと迫りくる危機をどう乗り越えて、あるのかないのかわからない希望をがむしゃらに求めていくその過程だと思います。追われている分テンポもかなり速いですし、うっかり巻き込んだ他の人物も結構面白い。結局はコニーに利用されますがw


コニーが魅力的に映るのは、別に他人を殺したいとか暴力ふるいたいとかではなく、ただ弟と一緒にいたいだけ、というところだと思います。そして非常に頭がいい。けれど気がかなり短いので、今すぐなんとかしたいという思いばかりで無茶なことに首を突っ込んでいきます。

でもそれ以外だと、女性にも普通に優しいし(利用していても、故意に傷つけるとかはない)、言葉遣いも悪くない(感謝の言葉が多い)し、犬と戯れているシーンは普通にかわいいと思いました。しかも誰かを巻き込むたびに、それなりにしんどそうな顔するので、本当は巻き込みたくないんだろうなっていう、善人の部分がうかがえます。彼は、犯罪者になりたいわけでも、クズになりたいわけでもないんですよね…。

ロバート・パティンソンを起用して正解だったのは、コニーの純粋さがはっきりと画面に映し出されていたところです。パティンソン君の透明感というのは、役柄によってもちろん異なってきますが、コニーに関しては遺憾なく発揮されていたと感じます。特に長いラストシーンで茫然としているコニーをひたすら映し出すシーンでは、とても瞳が綺麗でした。 

そしてなんだかんだコニーが悪人になりたいわけではないが悪事に仕方なく手をそめる感じが、パティンソン君のもつ消せない「王子様気質」と合致していたと思います。


問題は弟の心理状態ですが、知的障害をわずらうため、果たしてお兄ちゃんと一緒で楽しいのかどうかよくわかりませんでした。

パティンソン君のインタビューの発言では、「愛しているからといってただ一方的に愛を振りまくのは違うよね」ってことだったので、弟くんはそんなにお兄ちゃんと一緒がいいわけでもないのかもしれないというところが、ちょっと悲しいのですよね。

この複雑さが、観たあと色々と考えさせられるし、やっぱりコニーにはちょっと同情してしまいます。頭いいのにもったいないとか思うけど。しかも「恋人」ということになっている女性も、自分のことばっか考えてるタイプの人で、コニーは誰にも愛されていないという渇望みたいなものを抱えているのかもしれません。 

この「ひとりよがりな正義」はザ・バットマンの主題歌に選ばれた「Something in the Way」を思い出しますね。自分の考えていることややっていることは正しい、正しいはずなんだ、と繰り返し思い続けるけれど、賛同者がいない孤独。

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